第7話

 大学二年生になり、チアリーディング部では部活強化のためアルバイト禁止となり、その為何人かの部員が退部しまし、私もその一人でした。

 その後、友人の紹介から生徒会にスカウトされ、さらにダンス経験などもあった為、演劇部にも声を掛けられました。


 ここから、私の浮気症の病気が始まります。


 まず生徒会ですが、男性が多く、他の団体や部活の人との飲み会がほぼ毎日。

 

 初カレ様とギクシャクした関係が続く中、“元チアリーディング部”、“アパレルのアルバイト”というだけで、「彼氏がいる」、と公言してもかなりモテました。


 初カレ様と会えば、なんとなく気まずいけれども、他の男性は優しくしてくれる。


 また、その頃からプライベートでも同窓会等の飲み会が増えてきました。

 小中高と陰キャだった私は、ダイエットとチアリーディング部だった事でかなり痩せて、しかもアパレルでアルバイトをしていたので、同級生達は「Aだよ。」と言っても、信じてくれないくらい変わっていたみたいです。


 ずっと初カレ様だけ。


 男性と接点があっても、自分からバリアを張っていた私の中の何かが解けました。


「Tくんは冷たいし、でも他の男の子は優しい。むしろ私、モテてる?」


 そう思い出した私は、初カレ様に「他に好きな人出来たから別れて。」と、言いました。

 初カレ様は、「誰?」と言い、「〇〇先輩」と、生徒会で知り合った他団体の先輩の名前を出しました。


「もう俺より、その先輩の事のほうが好きなんたよね?」

「うん。」

「そっか。今までありがとう。おしあわせに。」


 呼び止めたりするわけでもなく、アッサリとした態度に、当時の私は腹が立ちました。

 

 その後、その先輩と付き合いだしましたが、なんとなく初カレ様の事ばかりを考えてしまい、別れたのに初カレ様に連絡を取っていました。

 初カレ様も、その都度、親身に私の先輩との交際の相談に乗ってくれました。


 別れた後の方が、初カレ様は優しくヨリを戻したい、と思いました。

 しかし自分から別れを切り出しておいて、このままで良いのだろうか……と、悩んでいた時に初カレ様とふたりきりになった時に、駄目だとわかっていつつも、初カレ様の事が好きで、私から手を繋いでキスをしてしまったのを憶えています。

 そのまま無言で、手を繋いで、ホテルに行ってしまいました。

 

 初カレ様と、そこからセフレの関係になってしまったのです。


 しかし、当時の私はそこから“断れない、断らない”アバズレ女になって行きました。

 

 先輩よりも初カレ様との身体の相性も良く、何より初カレ様はイケメンなのです。

 先輩とその後一ヶ月で別れ、部活の後輩や同級生。同じゼミ仲間等など、沢山の男性から告白をされました。

 その都度、「私、彼氏いるけど」と言っても「いずれ俺が一番になるから。」と、言ってくるので私は、

『確かに浮気はよくない。でも、浮気じゃなくて、全員本命ならいいよね?人生一度きりだし。

 これは浮ついてない。全員に本気。

 “二股”じゃなくて、“一途”ではなく“二途”なんだ!』と、考えてました。


 しかし、この思考により、気がつけば彼氏が五人となっておりました。

 アルバイトと生徒会と部活動とデートのハードスケジュールをこなしてました。


 余談ですが、最低すぎる黒歴史ですが、この経験が皮肉にも、社会人になってから自分のスケジュール管理だけでなく、秘書業務や、従業員のシフト管理の仕事で活かせれております。

 

 酷い時は、大学のカフェに彼氏五人が勢揃いし、ご対面。 

 漫画みたいな話ですが、本当の話で、「Aはいずれ誰にしぼるの?」と、問い詰められた私は、「だって皆、彼氏いてもいいからって付き合ってくれてるんでしょ?五人とも、皆本命だもん。」と、鈍器があるなら全力で殴りたい位の事を言ってました。


 そんな中、初カレ様とだけは、“彼氏”ではなく、セフレの関係が続きました。

 そして初カレ様にも新しい彼女ができ、セフレの関係は終わりました。


 しかし、なんとクリスマスの日に初カレ様に呼び出され、ネックレスをプレゼントされたのです。

 驚いた私に初カレ様は「変な意味とかじゃなくて!ほら!クリスマスだからプレゼント。」と、言ったのです。

 しかし、初カレ様の彼女のブログを見ると、彼女にもネックレスをプレゼントしていたのですが、本命の彼女よりも高いシルバーの石の入ったネックレスをプレゼントされていました。

 もう一度、初カレ様に聞くと「だってA、金属アレルギーだったからシルバーじゃなきゃ駄目でしょ?」と、言われたのです。


 男友達や女友達に相談した所、

「きっとTさん、その時も誰よりもAの事が好きだったんだと思うよ。

 今も絶対誰よりもあやえるの事大切にしてくれてるし、これからも絶対大切にしてくれる人だから、もう絶対浮気症のAに戻るなよ!」と、未だに全員からお灸をすえるが如く口酸っぱく忠告されます。汗

 

 やがて、年下の男性から告白され、一生懸命な姿を見て、「ちゃんと彼の誠意にこたえたい」と、思い、全ての男性との関係を切り、連絡先を消しました。


 ここで一度浮気症は、収まりました。


【浮気処方】


“年下”と、という自分より弱い者を守る為に改善される。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る