生徒手帳

 隣の席から鼻歌が聞こえる。

 生徒手帳を開いては、くふふと笑う。


「さっきから不気味だよ?」

「失礼な!」


 言いながらご機嫌そうな彼女。


「何見てるの?」

「好きな人の写真」


 雷が走る。思わず「見せて」なんて言ってしまう。

 彼女が頬を染めて写真を見せてくれる。


 ――なんだ。俺たち、両思いだったのか。

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