玉手箱

 仕事から帰るとテーブルに白い箱。


「なあ、これなに?」

「内緒。開けちゃダメだよ」

「玉手箱じゃないんだから」

「そう、玉手箱だよ」

「は?」

「開けたら歳取るからね! いい!?」


 ――そう言われると余計に……。


 妻がキッチンに消えたと同時に箱を開ける。


「ああ――」


 それは、俺の誕生日ケーキだった。

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