第470話一般人を支配し…傲慢な神に反旗の旗を、掲げろ。

  引き攣っているような右側の口角を上げて行きつつ、自分は降参していたんだと自分に知らせに来るような注射器の隣りにある小さな黄色の瓶を見下ろしていく竜祥は、悔やんでいるようにと強く歯を噛んでは、自ら命を絶った方が幸せなのであろうと、内心で知りつつも、つい小夜に美しい彼女の存在を揉み消して貰うのは、酷く苦しく感じてしまうんだと思えている竜祥は苦しんでいるようにと、汗に濡らしていたような顎を上げて行きつつ、自分の白皙の喉元を濡らそうとしているような汗の粒の感覚を感じて行きながら、ごくりと唾液を飲み込んでは、呆然と傷心と虚しい思いに満たされているような目線で、自分を見下ろして来るような天井を見上げていく彼は呟いていた、「あんまり喋ったりしないで…」


  可笑しそうにと右側の口角を上げては、本当に死にたいとは思えるはずもないのだろうと、合理的な明日に向けれるような対策は全くもって思いつけないように感じつつも、小夜に強化者と戦わせては、誰かを半殺しにして、自分にそいつの命を終わらせて貰うような、自ら自分にとっての唯一の天使を悪魔にしていくような真似をするはずもないんだと、自分にとっての全てである小夜を汚していく訳にはならないんだと強く思っている竜祥は言う、「誰かに気付かされてしまうかもしれないのだろう?」


  竜祥が自分に知らせに来るどうしようもないくらいに、自分の周りの状況を心配してくれているような態度に口角を軽く上げられているように感じては、つい自分の体が走っている自転車になれているような気分になり、全力で走っていくのは割と楽しく感じている小夜は、体中の奥にある無尽蔵なまでに湧き出ているようなパワーを感じて行きながら、口角を上げて行きつつ、言葉を紡いでいき、「慌て過ぎかな、周りにはもうあんまり人がいなかったりするんだぞ?」小夜の全くもって自分たちは一体どれだけ危険な状態に置かれているのかを、知れないでいるような態度に飽きれてしまいそうな気分になり、思わずため息をついて見たくなってしまう竜祥は、強く左手で自分の手のひらを冷やそうとするような注射器を握っていき、「気を付けた方がいいよ…」


  ゆっくりと注射器をポケットに入れて行きながら、不思議なまでに震えては、まだ死にたくはないよと、自分に抗議しに来るような胸元の奥にある鼓動に、悩まされているように感じつつ、可笑しそうにと笑って見たくなってしまう竜祥はつい自分には死を恐れるのかと、生きる事に関する執着は小夜以外には大してなくなっていたとずっと思って来たのにと、体の芯に刻んでいるような生き残りたいと言う思いに、涙目にされているような気がしている竜祥は、ぽつりと声を発していた、「人間なんて…」


  軽く自分の手に触れて来るようにも思えるような、勝手に震えては、自分の意志が芽生えているのではないかと、自分に思わせに来るような黄色の小瓶に触れていた左手の存在に、自分は終わっていたのではないかと、やけに悔しい思いを抱えている自分には、果たして本当にまだ生きては、初っ端から自分たちに相手は一体どれだけ狂っているのかを見せつけに来ていた相手に、弄ばれるがままに生きて行くのだろうかと考えてしまう竜祥は、軽く唇を噤んでしまい、「強制するような規定が無くしてしまうと、」苦しんでいるようにと霞んでいた視野の中で自分の胸元にある汗に濡らされていたようなパジャマに向けにいく彼は、ぽつりと渇いていた唇を開けにいく、「獣と大差ないどころか…」


  苦しんでいるようにと何度も鼻翼に力を込めては、右手にある携帯電話を強く握っていく竜祥は辛そうにと声を発していた、「獣以下の気持ち悪い一面を見せてしまうんだ…」口角が斜め下の方向に向けて固定されているような気分になり、語れば語る程に、人類全員を束ねたとしても如何にかする事のないであろうシルエットに、打ち勝っていけることなんてないのであろうと考えている竜祥は悲しそうにと呟いていく、「だから…」ただでさえ熱に苦しめられているような脳内が、シルエットから感じて来るプレッシャーと、小夜が何かしらの危ない目に遭わされてしまわないかと言う、想像から感じて来る地獄に住まわされては、体中が氷にされては、溶岩に焼かれているような気分にされている竜祥は、ぽつりと声を上げていき、「急いで帰ってくれ…?」


  竜祥のこっぴどく叱られていた子供のようにと自分に懇願しては、今にも自分に彼のもとまで姿を現して欲しいと願ってくるような言葉に、目を細められているように感じては、急いで彼のもとに行かないとと内心で強く思っていく小夜は自分の腕にしがみついては、飛ばされてしまいそうなエコバッグの存在を感じて行きながら、猛然と自分の地面に突き刺さっているようなハイヒールに力を込めていく、”パー”刹那、否応なしに自分のバランスを崩しに来るような右足の凹んでいるような感覚に、見開かされているような気分になり、思わず強く歯を噛んでは、熱気を放っている体が一瞬爆発していたような思いを与えられているような気がしてならないでいる小夜、「うっ!」


  ”ドクンー!”「小夜っ!?」刹那、一瞬にして自分の身体を起こしに来ては、体の奥を爆ぜらせに来る程の不安を強いに来ている携帯電話の向こう側にある、小夜の苦しんでいるような唸り声に見開かされては、ついもし小夜が誰かに捕らわれたりしてしまったら、自分にもつ何もかも渡すから自分の命よりもずっと大事な彼女を勘弁してくれと跪いては、叫んでいく他に出来る事は無いんだと言う思いに脳内を満たされては、瞬く間に痺れては、自分の赤くなっている鼻から零れて行きそうな鼻水を啜っていく気力すら奪わられているような気分になり、苦しんでいるようにと強く震えているような顎を下げては、痙攣しているような声色で携帯電話に尋ねていき、「大丈夫なのか!?」


  切羽詰まったような思いを感じさせに来るような竜祥の震えては、自分への思いに満ちているような声色に、心の奥を撫でられているように感じつつ、悔やんでいるようにと強く白い歯を噛んでは、自分の右足を腫れらせに来るような右足に付けていたハイヒールに目線を向けては、つい派手なまでに潰されていたようなハイヒールの存在に、目を細められているような気分になり、悔やんでいるようにと軽く歯を噛んでは、チラッと目線を自分が持っていたエコバッグにある白い靴下に目を向けにいく小夜は何度も鼻翼に力を込めては、軽く左足を上げて行きながら、取り敢えず腫れているような鈍い痛みを与えに来る右足を如何にかするより、竜祥に安心して貰いたいと願っていく、「大丈夫よ、ちょっと捻っただけだよ。」


  「あ…」小夜の苦しんでいるようにと弱り切っているような声色で、自分に話を向けに来ていたことに、口角が斜め下の方向に向けて固定されているような気がしてならないでいる竜祥は、思わず強く歯を噛んでは、苦しんでいるようにと目線を床に向けにいき、「ごめん…」ぽつりと自分のピンク色に染め上げられていたような目の下を越えていく涙の粒が、床にぶつけては、自分の存在を嘲笑っているようにと小さな飛沫と化していく様を霞んでいるような視野の中で見下ろしていく竜祥は、自分らしくもないくらいに、小夜の体調も考えていないでひたすらに彼女を急かしていた自分を、呪ってしまいそうな気分になり、苦しんでいるようにと呟いていく、「俺が急かしているからのせいだろう…」


  「ううん!」猛然と背筋を伸ばしては、右腕にあるエコバッグ入っていた折れていた結構お気に入りのハイヒールの存在を気にする事無く、何度も首を横に振っては、右足を守ってくれているような白い鳥が刺繍されていたような靴下から、人差し指を抜けていく小夜は何度も首を横に振っていき、「全然だよ、」無理矢理口角を上げては、強く左手でガッツポーズを取っていく小夜は目を細めて行きつつ、自分の額にある前髪を濡らそうとしているような汗の存在を感じて行きながら、軽く左手を上げては、額を擦っていく、「ちゃんと元気を出してこれからのことを考えて行こう?ね?」


  右足を強く地面に付けては、沁みって来る鈍い痛みを如何にか克服しては、根性で強化されていた体を信じては、竜祥のもとまで駆けつけていくんだと内心で強く決意していく小夜は言い放った、「直ぐに戻るから安心してて?」「うん…」少しばかり痙攣しているような声色で、自分に安心して貰えるような言葉を紡いでくれていた小夜の態度に目を細められているような気分になり、ぼんやりと目を細めては、悔やんでいるようにと軽く鼻を啜ってしまう竜祥はぽつりと呟いていた、「ありがとう…」


  竜祥が自分に投げに来るやけに弱気になっているような様に、目を細められているような気がしつつ、強く左手を握っては、微かに割れているような熱気を放っている右足の存在を感じて行きながら、何度も鼻翼に力を込めては、強く空気を吸い込んでいく小夜は軽く白い歯を噛んで、自分に竜祥のもとまで行けるような道を示しに来てくれているような夕焼けに照らされているアスファルトを見下ろして行きつつ、無理矢理口角を上げては、左手の人差し指を立てて言う、「良いってことよ、夫の傍に戻るだけだもの。」


  小夜が自分に投げに来る酷く安心しては、つい彼女に優しく包まられて、天国にいけているのではないかと内心で本気で思ってしまう竜祥は、悔やんでいるようにと軽く白い歯を噛んで、呆然としている目を瞑っては、小夜が無事に自分のもとまで駆けつけてくれる事を願っていく他に、やっていけそうな事がなさそうなんだと、最早まともに生きていけるような希望を捨てていたような、酷く無力でどうしようもない自分を小馬鹿にしてみたくなっている竜祥は、ゆっくりと震えているような体を引いて行きつつ、如何にか自分の体を支えてくれるような椅子に臀部を付けにいこうと、内心で強く考えて行きながら、丁寧に汗に濡らされているようにも思えるような両足で軽く床を踏んでは、ごくりと固唾を飲み込んでいた。


  ”ブブー”突然、まるで自分の小夜を震わせに来ていたようにも思えるような携帯電話の存在に、眉毛を顰められているようにと強く感じては、絶望に体の芯を鷲掴みにされているような気がしてならないでいる竜祥は、やや困っているような目線を自分の右手にある携帯画面に向けにいく。『ボス、大丈夫そう?』やけに能天気なまでにも思えるような、ピンク色に包まれていたような黒い文字を自分に送ってくれていた相手の存在に目を細められているような気分になり、苦しんでいるのは、自分だけではないはずなんだと内心で思ってしまう竜祥は悩んでいるようにと眉間に皺寄せて行きつつ、どうして自分にメールを送ってくるのだろうかと、相手に尋ねて見たくなっている。


  『世界が可笑しくなっているのだから、』自分の内心にある疑問を否応なしに回答しに来ては、どう見ても自分とは違っていて、柱に強化されているような折尾の存在を思うと、つい彼女を利用しては、例え自分がいなくなったとしても、人類に勝てる可能性がそもそもないのであろう戦いを、彼女に仕切って貰えては、自分は小夜と天国で高みの見物状態にしていけるのではないかと心の中で期待している竜祥はぼんやりとしている目線で、折尾がくれていたメールを確認していく。


  『面白い案を出してくれるボスの事を思い出しててね、尾花栖君はボスと組んでたら面白いことになれるのではないかって、言いに来ててさ?』思うが儘に立っていくのですら酷く疲れている自分に、まだ知恵を絞ってくれと語って来た須賀も折尾も酷く悪魔に似た奴らだと、内心で一瞬思って行きながら、どうせ自分は間もなく小夜と共に死んでしまうのだから、パニック状態に陥っているのであろう人類の為に、せめての事をしてみようと内心で強く思っていく竜祥は、自分に跪いて欲しがっているような自分の身体にかけに来る重たい感覚に、歯がゆい思いを強いられているように思えては、必死に歯を食いしばって自分と共に頑張っている小夜の、携帯電話越しで伝わって来る息を切らしているような音を耳にして行きつつ、何度も鼻翼に力を込めては、右手の親指で軽く携帯画面を弄っていく、『柱を…調べろ、そして…強化者を束ねろ…』


  ”ブブー”宛ら自分に返事を向けに来るような携帯電話のバイブレーションに、目を細められているような気分になり、思わず軽く歯を噛んでしまう竜祥はぼんやりと携帯画面に一瞥していた。『はいはい~彼もいくところなんだ~』折尾が自分に返してくれていた返答に心を悩まされているような気分になりつつ、狂っているような人生を送って来ていた自分たちは、選ぶ方法がたがって来ると、きっととんでもないくらいの事をしてしまうのであろうなと、自分が亡くなってからの世界の事を考えていく竜祥は、漠然と息を吸い込んで行きつつ、死んで仕舞った後の世界なんて、自分とは関係のないことなんだと、如何にか小夜と苦しまれたりしないでこの世から離れていけるような方法を思って行こうと考えていく竜祥。


  苦しんでいるようにと強く歯を噛んでは、人類が全員死んだとしても、ただ無様に訳の分からない野郎にされるがままに、死んでたまるものかと、自分にシルエットに向かって叫んでいく気力すら残してくれないでいる、意味不明にも感じて来る柱の存在を恨んでいる竜祥は、懸命に右手にある携帯電話を床に置いて片手で少しでも文字をかけていくペースを早めていけるのではないかと一瞬思っては、自分の鼓膜をくすぐりに来るような小夜の吐息に、心配と不安を強いられているように感じつつ、自分を見捨てていないでいる小夜を捨てる訳にはいかないと強く思っている彼は、目一杯携帯電話から伝わって来る小夜の声を耳にして行きながら、文字をかけていた、『一般人を支配し…傲慢なる神に反旗の旗を、掲げろ。』


  まったりと自分の喉元を通っては、自分の胸にある切羽詰まったような思いを、より刺激しに来るような右手にある携帯電話から伝わって来る小夜の苦しそうにと強く息を吸い込んでは、歯を食いしばっては全力で走って自分のもとに向かって来る音を、耳にしていく竜祥は何度も鼻翼に力を込めては、呆然と自分の足元にある小さな汗の粒で出来上がっていた水溜りを、霞んでいた視界の中で見下ろして行きつつ、自分はもしかしたらもうダメなのかもしれないと、虚しい思いと、俯いている自分の悲しみと苦しみに苛まれているような態度を映し出してくれているような、テレビの方に目を向けにいく竜祥は苦しそうにと強く冷たく感じては、汗だくになっていた自分の身体から零れて来る、シャンプーの匂いと汗の臭いが混ざっては、言い表せないようにも思えるくらいに熱気を放っていて、自分の喉元に入れて来ては、喉仏を抉ろうとしているような、沈んでいる腐ったようにと思わせに来るラベンダーの臭いに、苛まれているような気分になり、衰弱している体に困らされているようにと震えては、貧乏揺すりしているような両足の存在に絶望を強いられているようにと、強く感じている竜祥は思わず強く歯を噛んでは、ぽつりと衰弱しているような息を零していきつつ、自分を攫おうとしているような時間と戦って行きたいと願っては、視野を真っ黒に染め上げに来ている疲れに己が潰されているようにと思えている。


  漠然と自分の携帯電話を握っていた右手を、固定しに来ていたようにも思える空気の流れを感じて行きながら、呆然と自分の存在に苦しめられているのを受け入れていく他ないんだと、観念している自分。「もう直ぐ付くからね?」宛ら暗闇を貫こうといるようなくらいに、時の冷酷にも思えるくらいに、過ぎているのに、悶々としている自分だけが置いてけぼりにされていた心境を破いてくれていて、小夜はまだ懸命に頑張っては、困り果てては、何もできずにいる自分を慰めようとしているような彼女が自分に投げに来ていた、酷く疲れているはずなのに、まだどうしようもないくらいに何もしていないような、ただどうやって彼女と楽に人生を終わらせて行くのかを、全力で考えている腑抜けにも思えるような自分を慰めてくれている小夜の姿勢に、首を操られているような気持ちになり、こんなはずではなかったんだと、自分は小夜をお嫁さんにしていたのは純粋に彼女に恩返しをしては、人生のこれからを楽しいこと尽くめで、彼女に少しでも悲しい思いをさせたくないでいる故のことだったのに、どうして今になると、どうやって彼女と自分を死なすのかを考えてしまうのだろうかと、自分が自分の汗に微かに濡らされていたような机に、置かれていた注射器と空になっていた小さな瓶を見下ろして行きつつ、自分はどうしようもない奴なんだと強く感じている竜祥は、ぼんやりと自分たちを天国に付けていけるような注射器の中に入っていた黄色の液体に一瞥しては、軽く頷いていく、「うん…」


  呆然と自分に弱り切っているような返答を向けに来ていたような竜祥の声色に、目を細められているような気分になり、漠然と少しばかり霞んでいるようにも見えてしまう真っ白なドアに目線を向けて行きつつ、心臓が爆発してしまいそうなくらいに、強く高鳴りしている自分にやや困らされているように思えては、背中を濡らしに来ているような汗の粒の感覚と、自分の額から垂れて来ては、つい自分をいっぱい急かして来ていた竜祥に微かな恨みを覚えてしまいそうな汗の感覚に苛立ちを覚えては、猛然と右手を上げては、きっと部屋の中で大人しく自分を待ってくれているのであろう竜祥に、自分の見苦しい一面を見られたくはないんだと、内心でぼんやりとしていた思いを抱えて行きつつ、微かに自分に息を整えるような時間を作っていたのに、強く起伏しては、全くもって冷静になれそうにないでいる自分の体に苦笑いしてみたくなっている小夜は、漠然と自分の頬を濡らしに来る寒風に冷やされているような汗の粒を拭いて行きながら、ぽつりと渇いていたようなピンク色の唇を開けにいきつつ、左手をドアノブに向けて伸ばしていた。


  ”カター”「ただいま。」刹那、まるで自分の額を操り来るような、リビングから伝わって来る自分がずっと会いたいと願って来ていた小夜が戻って来ていたんだと、自分に教えてくれているような声色と、ドアが開けられていた音に、視野が再び霞まされてしまいそうな気分になっている竜祥は、大慌てで臀部を如何にか自分の身体を吸収しているように、離れようとしないでいる椅子から離れていけるような努力を、一瞬試みていこうと、強く無力になり勝手に震えているような両足で強く床を踏んでは、猛然と自分の上半身を後ろに向けて引いてくるような椅子の存在に苛立ちを覚えてしまう竜祥は、悔やんでいるようにと強く歯を噛んでは、まったりと自分のもとに向けて歩いてくる小夜の足音に目線を向けにいく彼、「あっ…」


  宛ら無言で自分を叱って来るような繊細なピンク色の土に汚されていた小さな足指を見てしまう彼、彼女の繊細な両足を守っていた白い靴下が、地面に八つ裂きにされていたと自分に知らせに来るような、彼女の足指を出していた靴下の割れていたような姿と、まるで上手く床に立つことが出来ずにいるようにと軽く右足を上げては、自分に彼女の赤く腫れ上がっていたような踝を見せたくないでいるような、小夜の軽く両手を後ろに隠して行きつつ、左足で自分の前で佇んでいる姿に、口角が斜め下の方向に向けて固定されているような気分にされているようにと強く感じては、つい自分はなんてことをしてしまったのだろうかと、強く彼女に懺悔してみたいと思ってしまうと同時に、自分の大切な小夜が無事に五体満足で自分のもとに戻れた事に、神様に感謝してみたいと強く思ってしまう竜祥は、またしても自分の目の下を越えようとしているような涙と、自分に上手く彼女に一体どんな言葉を向けたらいいのかですら分からなくなっている口に、彼女に発音を向ける権力すら奪わられているようにと強く感じつつ、右手にあるやけに重たくなっているような気分を与えに来ている携帯電話を机に下して行きながら、苦しんでいるようにと汗ばんでいる氷にされているような気分を、与えに来る両手で血走っている瞳を隠していく、「うぐ…」


  「え、」自分の疼く右足を呼んで来るような竜祥が零しに来る弱り切っているような泣き声に、見開かされているような気分になり、思わず何度も瞬きしていく小夜は大慌てで彼のもとまで駆けつけて行かないとと強く思っていき、「ええっ?!」急いでいるようにとしゃがんでは、自分に涙を零しているような様を見られたくはないと、自分に語って来るようにと弱っているような両手で顔面を隠している竜祥の様を見上げて行きながら、無理矢理引き攣っているようにも思える口角を上げて行きつつ、彼を鼓舞していくようにと肩を握っていく小夜、「だ、大丈夫だよ、」


  悔やんでいるようにと軽く鼻を啜っては、大人しくなっているようにと軽く両手を顔面から下して来る竜祥の瞳を見上げていく彼女は強く笑っては、如何にか彼の存在を鼓舞していこうと強く思っていく、「大した傷じゃないのだから、あの神様も体が強化するって言ってたのでしょ?」叱られていた子供のようにとやけに困っているような顔を自分に向けに来る竜祥の様に、口角をくすぐられているように思えては、軽く体を起こしていこうと内心で思って行きながら、丁寧に右手を上げては、自分を見下ろして来る彼の汗ばんでいるような頭を擦っていく小夜は、まるで自分に意地悪しに来ているような上、手く自分に立ち上がらせてくれないでいる右足の疼きに、歯がゆい思いを強いられているように感じつつ、軽く彼の黒い髪の毛を擦っていく彼女は言う、「だから問題ないって、すぐに治るんだって!」


  やけに力強く自分に話を向けに来る小夜の様に目を細められているように感じては、つい彼女を守っていくべき立場にあるはずなのに、情けないくらいに彼女に泣き顔を見せては、苦しんでいる姿を彼女の青色のコンタクトを付けていた瞳に、映し出されている自分は本当にどうしようもない奴なんだと、内心で自分を軽蔑していく竜祥は割れているようなくらいに、苦しんでいるような気分を与えに来る震えている喉元から声を絞り出していた、「俺は…俺は…」竜祥の恐る恐ると彼の弱り切っているような両手を自分の胸に向けに来る様に、笑って見たくなりつつ丁寧に立ち上がっては、大人しく傷を負っていた自分に座らせてくれないでいるような彼に、飽きれてしまいそうに感じつつ、可笑しそうにと子供の頃に戻っていたような彼の泣き顔を抱えて行こうとする小夜は言う、「うん…」


  素直に自分に抱えられたくはないんだと、自分に知らせに来るような自分の両腕に頭を抱えられていると言うのに、自分の腹部に顔面をつけようとしないでいる意固地になっている彼に、微笑んでいく小夜は囁くようにと声を発していた、「ちゃんと聞いているよ?」小夜の自分の内心にある本当は彼女を守れては、自分たちのこれからの幸せな人生を蔑ろにしていたシルエットに向けて、復讐していきたいと言う思いを、彼女がもしかしたら危険な目に遭ってしまうと言う不安に詰まっている考えに、阻まられているようにと強く感じている竜祥は、ぽつりと渇いていたような唇を開けにいき、「無理なんだ…」


  自分の眉間を軽く突いて来ているような言葉を投げに来ていた竜祥の、地面の底に向かって消え去ってしまいそうなくらいに、弱っている態度に目を細められているような気分になり、思わず軽く歯を噛んでは、彼が感じている全ての苦しみは、全部自分でカバーしていきたいと願っている小夜。「お前を戻って来いって…」苦しそうにと自分の意向とは関係なしに、鼻先から零れては、彼女の服装を汚そうとしているような鼻水の存在に、歯がゆい思いを強いられているようにと強く考えている竜祥は、ぽつりと鼻水に濡らされていた唇を開けにいき、「言ってたけど…本当は…」


  震えては、とっくに霞んでいた自分に上手く彼女の麗しく思える姿を見せてくれないでいるような視野を、恨んでしまう竜祥は辛そうにと強く鼻を啜っては、声を発していた、「それ以外の事は…」丁寧に自分に顔を向けたままで、泣きじゃくる子供のような自分の燃えているように感じつつ、酷く冷めては、空っぽになっている不思議なまでに矛盾していて、自分を殺めようとしているようなくらいに感じて来る、苦しんでいる感覚に苛まれている頬に、繊細な両手の親指を付けに来る小夜の顔を見つめていく竜祥、「大して思っていなくて…」

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