第462話無理なことなんてないのよ、成したいかどうかだ。

  呆然と自分の目の下を撫でていくほんのりと温かく感じて来る、流れていく糸のような感覚に目を細められているような気分になり、漠然と自分とはどうだって良く思えるはずなのに、白山の分の憎しみも全部シルエットにぶつけて行きたいと願っている竜祥は、自分の代わりに涙を零していくのを手伝ってくれていて、涙を零しているのを隠してくれるような大雨と真っ黒のようにも見えてしまう雲を見上げていく彼は呟いていた、「そうだったのか…」「うん…」自分のマイナスな感情につられては、沈んでいくような声を発してくれている竜祥の様に、傷だらけになっていた心臓が少しばかり救われているような気がしている白山は、悔しい思いに引かれているようにと目線を地面に向けにいき、「親と妹が…自分は…」


  苦しんでいるような唸り声が混ざっている声で言葉を紡いでいく自分は、まだ竜祥のような人間の輝きにも思えるくらいに、強い者に屈したりせずに、シルエットに歯向かおうとするような方の前で、自分の情けない話をしていくのかと、心の中で自分を叱咤していく白山はぽつりと渇いていた唇を開けては、戦慄しているような声を発していた、「どうしようもなくて…」顎が悔やむ心境に無理矢理震わされているようにと感じてしまう白山は、懸命に自分の顎を胸に向けて引こうとするような歯がゆい思いと戦って行きつつ、何度も鼻翼に力を込めていき、「逃げてしまいました…!」自分は本当に頑張って悲しみしか生まれないでいる現実と戦ったんだと、自分に教えに来るようにと唇から飛び出ていた唾の大雨に嬲られては、同化されていく様を見下ろしていく彼は言う、「悔しい…!」宛ら喉元に引っ掛かって来ては、上手く自分に竜祥に言葉を向ける事が出来なかくなるような唾液に苛立ちを覚えては、思わず強く両手を握っていく白山は猛然と彼に目を向けにいき、「です…!」


  「ふん…」白山の重たい気持ちに体を押しつぶされてしまいそうな現状に、目を細められているように思えては、自分がもし彼の悔しみや悲しんでいる思いを如何にかする事が出来てたら、とっくに自分を纏って来るような苦しい思いを如何にかしていたんだと、情けないとも言えないくらいに、豪胆にも思えてしまうくらいに現実が彼に与えていた悲しみに向かっては、涙を零していけるような元気を残している白山の態度を見下ろして行きつつ、どの道にしろ自分たちが残されていた時間は大していないんだと、彼の酷く悔やんでは、生きていくだけで、どれだけ頑張ろうとも、結局のところは悲しみで出来上がっていた渦に溺れていくだけであることに、気がついているような様に鼻腔の奥を震えているような気がしている竜祥は、軽く右側の口角を上げては、まったりと左手を上げては、彼の大雨に濡らされている左肩に置いて言う、「次を探して来て貰おうか?」


  「うっ…!」軽く自分の左肩に手を置いてくれては、弱り切っているような自分の存在を鼓舞してくれるような竜祥の姿勢に、見開かされているようにと強く感じては、思わず大慌てで額を上げにいく白山は、軽く強張っているような口角を上げてくれていて、無言で涙を零しに来るのに、苦しみが募っている笑みを自分に向けに来る竜祥の態度に、心を強く鼓舞されているようにと実感しては、自分は、彼のような人間になるために頑張るんだと願っていく白山は猛然と胸を張っていき、「うぃっす!それではー」


  ”バァンー!”突然、酷く聞き馴染んでいるようにも思えるような轟音で、殺風景にも感じてしまうくらいに、自分と同じように大事な物を亡くしては、どうしようもないでいる白山との会話を、阻んで来た地面を揺さぶりに来るような轟音と、空気を揺らしに来るような爆発音に目を細めて行きつつ、軽く鼻翼に力を込めては、流し目で自分たちの目線を奪おうとしているような黒い煙と化しては、まったりと空に帰ろうとしている雲を見上げていく竜祥。”パター”猛然と転んでいたようにと左手で小汚く感じてしまうパイプを握っては、パイプはどうだっていんだと言いに来るようにと地面に置いていくように、軽く左手でパイプを左側に向けてずらしていく虹色のモヒカンをしていた巨漢は、大慌てで両手を地面にある水溜りに付け、必死に首を横に振っていく図体の大きな男性の彼が目の当たりにしていた物を拒んでいるようにと、自分に潤んでいる眼を向けに来ている様を見下ろしていく竜祥は軽く鼻翼に力を込めては、自分たちには悲しみに耽っていく時間もないんだと内心で思っていく。


  「うう…!」可愛い女の子になっているようにと強く両手を地面に付けては、四つ這いになっているような巨漢の自分たちの方に向かって走って来ようとする様を、ぼんやりと見て行きつつ、あからさまなまでに命を亡くしていくのを恐れているような巨漢の情けない姿勢に、目を半開きさせていく白山はチラッと目線を黒い煙を漂わせていた転がっていた巨漢の前方にあった道の方に向けに言う、「また爆発かな…」巨漢の惨めにも思えるくらいに両手を急いで地面から離れては、爆発に波及されたくないでいるような様を観客となっているような自分たちに披露しに来る様に、口角をくすぐられているように感じつつ、呆然と目線を自分の前に佇んでいる白山の横顔に向けにいく竜祥は声を発していた、「怖いのかな?」


  自分の眉間を軽く突いて来るような竜祥の無理矢理にも思えるくらいに、自分の星を封じていたような灰色の瞳を、彼の方に向けて引っ張りに来るような態度に眉間に皺寄せて行きつつ、大きく唇を開けに来ては、強く空気を吸い込もうとする惨めな巨漢から目を逸らしていく白山は、向きになっている子供のようにと強く両手を握っては、丁寧に地面に置いていた杖に触れて来る竜祥の顔を見上げて言う、「そんなことはありませんよ!」自分に自分が語っている話が本当なら行動で示してみてと語ってくるようにと、軽く顎を上げに来ては、自分の後ろにある道を指しに来る竜祥の態度に心を励まされているようにと強く感じては、自分も人類全員の生活を狂わせに来ていたシルエットに歯向かう、リーダーである竜祥の力になっていけるんだと、強く誇りを抱えている白山は猛然と顎を上げて言う、「では行ってきます!」


  宛ら話をしている自分たちの存在を無視しようとするようにと、自分の右側を通っていこうとする、驚愕のあまり上手く声を発することすらできなくなっている顔面に、腐っているようにも感じて来る焦げていた血肉を纏っている巨漢の、生き地獄を目の当たりにしてたような様に鼻腔の奥をくすぐられているように感じつつ、酷く驚かされている故に思うが儘に走っていく事すら出来なくなっているような巨漢の態度に、口角が目一杯上げられているような気がしている竜祥軽く鼻で笑っては、自分の前に向けて走っていく白山の背中姿に軽く左手を左右に振らして行きつつ、右手を杖から離れていた、「おお良い心がけだ、頑張っておくれよ~」


  ”フー”刹那、まるで引力に逆らっているんだぞと自分に知らせに来るような、酷く奇妙のようにも感じてしまう体が宙を舞うような感覚と、自分が無理矢理通っては、逃して貰っていたはずなのに、時間が遡っている道具でも手にしていたのではないかと、思わせに来るような自分の視野の右側からゆっくりと前に向けて移動しているようにも見えてしまう、軽く右手を上げていた竜祥の目を細めては、自分を睨むようにと見つめに来る様に、心臓が否応なしに冷やされているようにと強く感じている巨漢。


  ”たー”突然、無理矢理自分の臀部にぶつけに来るような湿っているような感覚に、心臓を冷やされているようにと感じつつ、まるで自分は一体どうして急に元の位置に戻されていたのかを知らせに来るようにと、軽く右手を上げては左右に振らしていく竜祥の片手で容易く自分の身体を引けていたことに、自分には決して怪物のような相手に敵えたりはしないんだと言うのを、心の奥に植え付けられているようにと感じては、思わず何度も首を横に振ってしまう巨漢、「もう無理だぁ…!」


  懸命に太い喉元を膨らませては、嗄れていたような声を絞り出し、懇願しに来るようにと両足を地面に付けたままで、急いでいるように両足をずらしに来ては、急いでいるようにと両手を自分の右足に向けて伸ばしに来る巨漢の様を、軽蔑していくようにと見下ろしていく竜祥はゆっくりと両手をポケットに突っ込んで行きながら、丁寧に前のめりになって行きつつ、自分に彼を逃がして欲しいと祈って来るような巨漢を睨んでいく、「無理って事はないさ、ほれ、」忽然、まったりと自分がポケットに仕込んでいた、人々にハイテンションに仕上げていけるような道具に目を奪われては、畏怖に満たされては、涙を零れてしまいそうなくらいに弱っている瞳で自分の両手にある注射器を映し出して来る巨漢に向けて、ニヤリと右側の口角を上げていく竜祥、「元気になれるお薬だぞ?」


  自分に注射器の存在を見せつけに来るようにと軽く両手にある銀色の注射器を左右に振らしていく竜祥の、ゆっくりと注射器を自分の顔面に向けて近づかせに来る様に、心臓を射抜かれているようにと実感している巨漢、頭が悪魔としか思えないでいる竜祥に操られては、無理矢理横に向けて振らされているようにと感じてしまう巨漢は、必死に渇いていたような喉から声を絞り出していき、「無理無理無理!」畏怖に震えているような両手で必死に彼の両足を抱えて行きながら、何度も鼻翼に力を込めては、もうすぐ世界が終わってしまうかもしれないのを知りつつも、やはり自分は最後の一秒まで生きては、発狂している竜祥と同じようなシルエットが急にこれは全部ただのいたずらで、生き残っていた人類こそが本物の人間であり、未来を切り開くようなルートを期待していけるんだと、兎に角竜祥に殺されるのも、彼のために死んでいくのも拒んで行くんだと言う思いに、脳内を満たされているようにと強く感じては、猛然と右手で自分に嗅いではいけないと語って来る、鼻腔の奥を通り、脳内に登って来るような人間が焦げた臭いに操られているようなくらいに、痙攣している右手の人差し指で煙がまだ立っているような方向を指差していく巨漢は言う、「ここら辺の宝箱は十中八九爆発しちまうんだよ!」


  巨漢が自分に向けに来る自分が彼よりずっと詳しく知れているような話を、自分に教えに来ている様に目を細められているように感じては、彼の苦しみの余り涙を思うが儘に零していく事すら出来なくなっているような態度を、内心で満喫していきながら軽く右側の口角を上げては、小夜が自分に送ってくれていた大切なズボンを彼の小汚い両手で汚していた事を思うと、つい彼に万死を与えていくべきなんだと強く思ってしまう竜祥は、丁寧に彼に向けて注射器を握っていた左手の人差し指を立てていく、「これはシルエットの奴が俺らを恐れている証拠さ、」自分が彼に向けていた言葉はあんまりだと言いに来るようにと、絶句されているようにとあんぐり口を開けに来る巨漢の漠然としている顔に向けて、歪であろうと感じてしまう口角を最大限なまでに裂いていく竜祥は笑っていた、「でないとこんなにも汚い手段を使う必要はないのだろう?」


  竜祥の自分を死なそうとするような話を投げに来ていたことに、心臓が確実に温度を奪わられているようにと強く感じては、背中がやけに熱くなっているような気分になり、一刻も早く自分には敵わないでいる相手のもとから逃げ出していかないと、自分にはまだ生き残っているのかどうかも定かではないでいる女の子たちと、幸せなパラダイスを作り上げていく希望を奪わられるんだと強く思っていく巨漢は、大慌てで両手を彼のもとから引いては、迅速なまでに自分が逃げて来ていた方向に向けて伸ばしていく、「無理無理!」


  ”シュー”刹那、自分と楽しく死に行くのを誓ってくれていたはずの巨漢が、急に自分を裏切っていたような真似をし始めている様に、傷心を覚えられているような気分になり、迷わず両手にある契約を強化していけるような道具を彼の喉元に向けては突っ込んでいく竜祥。「あ…」まったりと自分の両手の親指に抗いに来るような注射器の感覚を心の中で感じて行きつつ、自分には確実に彼のことを支配することが出来たんだと自分に知らせて来るようにと、間の抜けたような声を零して来る巨漢の漠然と虚しき瞳を暗い空に向けていく姿を見下ろしていく竜祥は、軽く右側の口角を上げて言う、「無理なことなんてないのよ、」丁寧に自分の両手にあるゴミとしか思えなくなっているような銀色の注射器を軽く外側に向けにいく彼は、何度も鼻翼に力を込めていた、「成したいかどうかだ。」


  ”ぴちゃー”まるで自分にもう立ち上がってもいいんだよと知らせに来ているようにと、地面に転がっていた小さく聞こえて来る注射器の音をぼんやりと耳にしていきながら、つい何度も自分の胸部を強打しに来るような心臓の鼓動に、口角を上げられているような気分になり、暗闇のような曇り空を照らそうとしているようにと思える、段々赤くなっていく視野に喉元を激しくくすぐられているようにと強く感じている巨漢は、軽く両手を地面に付けては、まったりと上手く力を込める事が出来なくなっているようにと錯覚してしまう両足に力を入れていき、「えへへ~ういっす~」


  視野が徐々に立ち上がっていく自分のバランスを崩されているような胴体につられては、大きく震えているような気分になり、無性に笑ってみたいと言う思いに、口角を最大限なまでに上げられているような気分になっている巨漢は、折れているような右手を軽く汗に濡らされていたこめかみに当てて行きつつ、彼に酷くハイテンションになれているような注射器を施されていた自分の存在に、もう興味を失せていたんだと自分に知らせに来るようにと、まったりと自分がさっき逃げ出して来ていたような場所に向けて、地面に捨てていた地味のようにも感じて来るパイプを握っていく竜祥の狂っているようにも思えるスーツ姿に、笑っていく巨漢は言う、「成していきやす~」


  ”パパパー”自分が彼に教えていた話を本気で信じているようにと急いで左手をポケットに突っ込んでは、遠くに向けて走っていく巨漢の携帯電話を少しばかり変形させていくぐらいに、強くひ弱そうな携帯電話を握りしめては、携帯画面を見下ろしていく姿を嘲笑っていくようにと鼻で笑っていく竜祥、「けれどそれは人間社会にとっての話であり、」ぼんやりと傷心に脅かされているような眼を、自分の右手にあるひんやりと感じて来る大雨に濡らされては、結局のところ、何に使えるのだろうかも分からないでいる真っ黒なパイプと、取っ手だと自分に自己主張しに来るような少しばかり曲がっていたような黒い尻尾に一瞥していく、「こんなにも巨大な柱相手だと、」先端が少しばかり尖っているようなパイプに眉間に皺寄せられているような気がしている彼は言い続けていた、「無理だらけだよ。」漠然と傷心に脅かされているような沈んでいるような赤い瞳を、自分たちの行動を見据えているような柱に向けては、頭が悶々としているような気分に吐き気を覚えられているようにと感じつつ、無理矢理自分の身体を濡らしに来ては、体温を高めようとしている意地悪な雨に、心を冷やされているようにと強く感じている竜祥はぽつりと声を発していき、「流石に。」


  「やや~」自分に挨拶を交わしに来るようにと、まったりと黒いパイプと一体化していたような小さな黒い身体を浮かべに来る酷く気持ち悪く思えては、潰してみたいと思ってしまうシルエットの存在に歯ぎしりしてみたい思いを、強いられているように感じては、軽く鼻翼に力を込めてしまう竜祥は軽く繊細な眉毛を顰めていき。「これはね~」竜祥の全くもって急に現れて来ていた自分に興味を示さないでいる態度は、無粋のように感じつつ、まったりと小さな腰を曲がっては、可愛くアピールしていくようにと、小さな右手で自分の体とくっついていたようなパイプを叩いていくシルエットは、ニヤリと左側の口角を上げては、横顔で竜祥の姿を見上げていく、「タダノぱいぷって呼ぶんだぞ~?」


  自分に彼が作り出していた色を変換していけるような柱と比べると、随分と地味のようにも感じて来るパイプを誇示しに来ているように自分に向けては、軽く小さな左手の親指を立てに来るシルエットの存在を見下ろしていく竜祥は、何度も鼻翼に力を込めていき、「どんな効果があるのかな?」「硬い。」自分は良い質問をしていたと言わんばかりに背筋を伸ばしては、当たり前のようにと腕を組んでは自分に頷いて来るシルエットが紡いだ、脳を疑ってしまいそうな説明に眉毛を跳ねらされているようにと強く思える竜祥、「え…?」


  まるで自分が彼に向けてた説明の言葉を上手く理解してくれないでいるようにと、軽く顔を自分に向けて近づいて来る竜祥の態度を見上げて行きながら、ゴミを拾ってしまったと言わんばかりに眉間に皺寄せに来る彼に向かっては、強く右手の人差し指を立てていくシルエットは言った、「非常に硬い。」自分に色んな手下を死なせていたのに、大した道具を手に入れる事が出来なかったと言う絶望を強いて来ようとする、シルエットの自分のとっくに絶望そのものとなっていた心を舐めているようにも思える態度を、向けに来たことに目を半開きさせにいく竜祥は何度も鼻翼に力を込めて言う、「それだけかな?」


  自分の顰蹙を買いに来るような彼が投げに来た言葉に唇を尖らせて見たくなってしまうシルエットは、ゆっくりと小さな両手を組んでいく、「それだけとは心外だね!」自分の説明を補足しようとする態度に、微かに興味を引かれているようにと軽く左手を握っては、顎を上げに来る竜祥の雨に濡らされては、身体を濡らしに来る雨の粒と戦っているような小さく見えてしまう髭を見上げて行きながら、軽く右手の四本の指を立てていくシルエットは自慢していくようにと言い放っていた、「四個を集めると机を作り上げる事が出来ちゃうかも?」


  ”フー”シルエットが自分に知らせに来るどうだって良く思える情報に飽きれては、思わず何度も首を横に振って見たくなってしまう竜祥は、自分の右手を軽く後ろに向かって振られては、猛然と自分の目の前にある雨粒を引いていくような尖っている音を空中で放っているパイプの存在を感じて行きつつ、まったりと両手をポケットに突っ込んでは、酷くゆっくりと見えてしまう尖っている弾丸の如く自分の身体に触れようとする大きな雨粒を睨んで行きながら、軽く右側の口角に力を込めては、鼻で笑っていく。


  ”バァンー”忽然、まるで自分に天然の無料シャワーを浴びらせに来るようにと、一斉に自分の身体にぶつけに来ていた情熱的にも思えるような雨の群れに、目を半開きさせてみたくなりつつ、軽く右肩を巨漢が離れていた方向に向けては、両手で自分の喉元にあった自分と共に進めてくれるようなヘンテコなコップの存在を守っては、顎を斜め下の方向に向けて引いて行きつつ、如何にか顔面にある壊れていたような黒いマスクを守って行こうと思っては、少しばかりしゃがんでいた竜祥は、丁寧に両手で自分のコップに触れて行きながら、大切そうにとコップを軽くかざして行きつつ、小夜が残していたコップに傷を付けていないのかと、懸念して行きながら、自分は無事なんだと知らせに来るような、かすり傷もつけられる事が無かったコップの存在に、歪んでいたようにも思える右頬を軽く上げられているような気分になり、ゆっくりと両手にあるコップを軽く下ろしていく竜祥は、自分にドリンクを奢ってくれるぞと言いに来るようなコップに募っていく雨に、悩まされているようにと感じている、「はぁ…」


  まったりと振り返っては、自分に捨てられていたことに文句を語ってくるようにと、酷く分厚く感じていた壁に蜘蛛の巣を植え付けては、地面に小さな石を転がせていた微かな灰色の煙を湧いていたパイプと、シルエットのまるで彼を有無を言わさずに投げていた自分に、文句交じりの言葉をぶつけて見ようとするようにと赤い舌を吐き出して来ては、強く大きくなっては、天に向けて行こうとするような白くなっているような両手を、一瞬にして存在を無くしているんじゃないかと思わせに来るような、小さな頬の両側に向けているのかどうかも分からなくなっている様に飽きれては、ぽつりとため息交じりの声を零していた、「どうなってんだ…」ぽつりと自分の唇から零れていく絶望に満たされているような言葉は、酷く可笑しく感じている竜祥は、呆然と自分の顔を洗ってくれるような黒い空を見上げて言う、「この世は。」


  呆然と自分が作り出していた大きな白い手の上で佇んでは、自分に興味を無くしているような竜祥の酷く無愛想にも感じて来る様に飽きれては、軽く首を横に振って見たくなっているシルエットはチラッと目線を黒いダウンジャケットに守られていたようにと、深い紫色のシャツを着こなしていた野黒新の隣りで大きなダウンジャケットで頭を守って貰っているような、青色の蝶々の髪飾りを付けていた利佳の自分の姿を見上げに来ては、あんぐり口を開けている様に笑って行きつつ、軽く大きな手の上にある自分の小さな右手を野黒新に向けては左右に振らしていくシルエット。


  「あれは…」自分に夢の世界に迷い込んでいたのではないかと、思わせに来るような大きな手の存在に脳天を嬲られているような気分になり、自分はもしかしたら本当に夢でも見ているのではないかと強く思っている利佳は、漠然と脳内を満たそうとする言葉を紡いでいく、「なんだ…!」利佳の全くもって自分たちを招待しようとするようなシルエットが向けに来る、酷く遠くに居ようとも、危険だとしか思えないでいる姿に心を微かに冷やされているような気持ちになり、思わず軽く歯を噛んでいく野黒新、『行ってみよう。』


  自分を鼓舞しに来るようにと自分に揺るぎない眼差しを向けに来る、自分の大好きな人の態度に口角を軽く上げられているように感じつつも、自分よりずっと早く歩いて行けるのに、遅い自分の両足の行動に動きを合わせてくれている野黒新の姿勢に、酷く感動されているように感じては、シルエットがまた何かしらのことをしていたのではないかと、心の奥で知りながら、怖く思えても、野黒新がちゃんと自分の傍にいてくれるのを思うと、つい自分はどんな危険であろうとも、平気で彼と共に乗り越えて行けるんだ強く考えていく利佳、「う、うん…!」


  利佳の野黒新の話に同意しては、急いでいるようにと彼の匂いを纏っていたダウンジャケットをかざしたままで、自分の方に向かって走ってくる様に笑って見ようと思っていくシルエットは軽く両手を叩いていた、”ふ~”宛ら自分の身体を乾かしに来ているような、酷く爽やかにも感じて来る風を送って来ては、存在しなかったかのようにと淡い青色の光の粒と化しては、天使の羽のように空に向かって消え去っていくシルエットの自分たちを大雨の中で照らす光となっているようにと、空に大きな白い羽根を作り上げては、自分たちを包んで来た暗闇を退かそうとしている様に、とっくに知れていたように、自然を弄んでいくのが当然だったシルエットやりたい放題である姿勢に、いちいち怒っていくのですら詰まらなくなり始めている自分の思いに、笑って見たくなっている竜祥は丁寧に右手にある杖の取っ手に触れては、悲しみを与えに来るような壁に目線を向けにいく竜祥はぼんやりと目を細めていた。


  呆然と自分の歩幅に合わせてくれているようにと起伏しているような壁の存在を見つめて行きつつ、自分の心臓をくすぐりに来ているような光に照らされている青色の髪の毛の中に混ざっていた光を放っているような白髪を見ていく竜祥は、自分の事を鼓舞していくようにと軽く鼻翼に力を込めては、自分が着こなしていた少しばかり可笑しくにも思えるようなスーツを見下ろしていく、飽きれているようにと目を半開きさせて行きながら、軽く鼻を啜っては、自分の左側の胸を守ってくれるような青色の布と、黒い基調のスーツと、色が分けられていたようなズボンにため息をついて欲しいと、言われているような気がしてならないでいる竜祥は、つい自分の前で嬉々として顔を浮かべては、楽しそうにと繊細な体を左右に揺らして行きながら、鼻歌を口ずさもうとするような小夜に笑って行きながら、やや困っているようにと軽く右手の人差し指でこめかみを掻いて言う、「聞いてもいい?」


  


  


  

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る