第408話無邪気なあの子を殺めたのはてめえだぞ!

  息子は酷く悩んでいるのを自分に教えに来るような、ドアの向こう側から伝わって来る彼の弱り切っているような唸り声を漠然と耳で感じて行きつつ、何度も鼻翼に力を込めては、ドアのもとに置かれていた、淡い光に照らされている白い米粒と艶やかにも感じては、自分の腹部に潜めていた食欲を喚起しに来ているような肉に、一瞥していく父親は軽く鼻翼に力を込めては、チラッとトレイから目をドアの方に向けに言う、「お前、ちゃんと肉を食えてんか?」


  突然父親がまたしても訳の分からない飛んでいるような話題を、自分に振ってきていたことに戸惑いつつ、ぼんやりとぱちくりして行く斗奴雷は、恐る恐ると頷いていき、「う、うん…」宛ら自分の腹部の奥を抉り込んでくるような空腹感に、元気を少しばかり奪われているような気がしつつ、弱っているような左手で軽く腹部を擦っていく彼は、ぽつりと弱っているような声を発していく、「少々ね…」


  あからさまなまでに弱っては、元気が伴っていないような返答を自分に向けに来る息子の態度に、心臓を弱らされているような気分になり、思わず眉毛を顰めては、ドアに彼への心配を零していきそうな眼差しを向けにいく父親は、声を発していた、「ちゃんと肉を食わないと立ち直れないもんなんだぞ?」まったりと背筋を伸ばして行きつつ、息子が部屋から出てくる時が酷く痩せては、微風に倒されるような体型でいて欲しくはないと強く思っていく父親は、軽く腕を組んで行きつつ、ドアを見つめて言う、「ういを亡くしてた時の俺も滅茶苦茶反省しててな、」軽く眉毛を顰めては、目線をドアのもとに置かれていたご飯と肉に向けにいく父親、「肉なんざ一切食わなかったんよ。」


  部下の話から食事の問題にすり替えようとしているような父親の態度に、苦笑いしてみたくなりつつ、軽く赤くなっていた鼻翼に力を込めては、右手の手の甲で鼻先を擦っていく斗奴雷は、飽きれているようにと目を半開きさせにいきながら、ドアを見つめていく、「部下の話はどうしたのかな…?」斗奴雷が自分に投げに来る飽きれているような態度に、苦笑いしてみたくなりつつ、軽く口角を上げては、組んでいた両手を解していく父親は、微かな傷心が宿っている目線をドアのもとに向けにいき、「その阿保部下も肉を食えなかったんだ。」父親が急に自分に向けに来る弱り切っているような声色と、傷心に耽っているような言葉遣いに戸惑いつつ、彼と部下の間にある何かしらの問題でもあったのではないかと勝手に想像しては、ストーリーを脳内で紡いでいく斗奴雷はぼんやりとドアを見つめては、父親が自分に向けに来るやや困っては、悲しみを引き摺っているような態度に、感染されているようにと弱っているような声を発していく、「そうなのか…」


  「まともな事をしないさ、ちょっと車を出して貰ったら高級車に追尾しちまうしよ。」漠然と脳内を過っていく鈍間のようにも思える部下の様に、目を細められているような気がしては、可笑しそうにと軽く笑っていく父親は言う、「幸いの事に大して高い車じゃなかった、こっちのは。」軽く歯を噛んでは、つい鈍間にも可愛らしい所が何箇所ぐらいが有ったのではないのだろうかと、阿保だけれども常に懸命に頑張ってたりとかするとこに、自分は彼に悪いことをいっぱいしたなと、何度も思って来たことに、自分は本当に重たい罪を沢山犯してしまったなと、懺悔してみたくなっている父親、悲しみにと軽く右側の口角を上げては、飽きれているようにまったりと首を横に振っていく父親は、残念そうにとドアに言葉を向けにいき、「で、その鈍間は妻を殺してたらしい、」”ドクンー”刹那、否応なしに自分に酷く重たく感じて来る言葉を向けに来ていた父親に、絶句されてはあんぐり口を開けられているような気分を味わっていく斗奴雷は、漠然としている眼差しをドアに向けに行った、「えっ…」


  自分が彼に向けに行った話を上手く理解してくれないでいるような息子が、自分に返してくる不信しているような声に目を細められているような気がしては、自分も未だに信じがたい話なんだと漠然と感じている父親は、ぽつりと渇いていたような唇を開けにいき、「死刑にされちまった。」父親がさりげなく自分にとんでもないようにも感じてしまう話を向けに来ていたことにあんぐり口を開けられているような気分を味わっている斗奴雷は、思わず眉毛を顰めては彼に尋ねていた、「なんで…?」


  「肉が食っていなかったからって、」自分の唇から零れていた自分の同僚が妻を殺していた原因が、酷く滑稽のようにと感じては、思わず笑ってしまいそうな気がしてならないでいつ父親は、嘆いているようにと何度も首を横に振って言う、「会社の中で可笑しさ噂をしてたもんよ。」父親はもしかしてわざと自分をからかいに来る為に、作り話を向けに来ていたのではないかと内心でぼんやりと考えて行きながら、そのような理由で人を殺める人間はいないだろうと、父親に言ってみたくなっている斗奴雷は、ぽつりと飽きれているような声を発していた、「そんな阿保な…」


  「ああ、」息子のまるで自分の内心にある思いを代弁してくれているような一言に、口角が無理矢理上げられているような気分になり、可笑しそうにと笑っていく父親はドアに言う、「阿保だよ、しょっちゅう叱ってやったんだ。」軽く両手を握っては、組んでいた右足の脛に両手を下ろしていく父親は、まったりと額を上げては天井を見上げて行きつつ、声を発していき、「愚図で何も上手く熟せないどうしようもない野郎だったよ、」大昔の出来事が今になると少しばかり懐かしく感じて来る父親は目を細めては、もし自分がもう少し部下に優しくして行けたら、相手は別の道を歩めたのかもしれないと、ぼんやりと傷心に向けて推して来るような懺悔の思いに、心を困らされているような気分になり、軽く歯を噛んでは、ドアの向こう側にいる息子の事を思うと、ついこれが悪さをいっぱいして来た自分の報いなのだろうかと思ってしまう父親は、ぽつりと弱っている声を発していく、「体に変な香の臭いを会社の中に連れて来るしさ。」


  父親が自分に向けに来た話をよくよく分析してみようと思っている斗奴雷は、やや困っているようにと小首を傾げて行きつつ、ドアを見ていき、「まさか僕に肉をちゃんと食べないと殺人犯になるとおっしゃるつもり…?」「ううん、」息子が自分に向けに来る自分の脳内で勝手に出来上がっていた理論を、述べに来てくれていたことに、口角をくすぐられているように感じつつ、可笑しそうにと軽く鼻で笑っていく父親は、まったりと前のめりになって行きながら、傷心に耽っては、赤くなっていた鼻を啜って言う、「肉は少しぐらい食べとけって話だ、」ぼんやりと額を上げては、頑なに自分に顔を向けようとしないでいる、部屋に引きこもって来た息子の態度に、困らされているような気がしてならないでいる父親は、詰まらなさそうにと軽く自分が履いていた紺色の靴下を掻いていき、少しずつ斗奴雷の内心に自分と言う存在を溶け込んでは、彼に少しくらい様子を見させて貰えるようなチャンスをゆっくりと作っては、彼の将来に向ける打開策を講じて行こうと思っていく父親は、声を発していた、「食べたくても食えないガキがわんさかと居るからな。」


  「うっ…」突然、父親が自分に言い聞かせに来る弱らせに来ているような話に、口角が斜め下の方向に向けられているようにと思えては、思わず辛そうにと軽く歯を噛んでしまう斗奴雷は、拗ねている子供のようにと鼻翼に力を込めて言う、「分かった…」息子が自分に返してくる肯定しているような言葉に、少しばかり元気を貰えているような気分になり、まったりと口角を上げては、微笑んでいく父親はドアに笑っていき、「飯を取らないのか?」


  まるで自分を部屋の中から誘き出そうとしているような父親が自分に向けに来る言葉に、口角が一瞬にして斜め下の方向に固定されているような気がしている斗奴雷は、恐る恐るとごくりと喉に引っ掛かっていたような唾液を飲み込んでは、ドアに言葉を向けていく、「父さんが離れてからにするよ…」息子が自分に投げに来る自分を拒んでいるような話に、心を困らされているように感じては、可笑しそうにと軽く口角を上げては、ただ息子の顔を見たいだけだと言うのに、どうしてこうも難しく感じてしまうのであろうと、内心で漠然とした思いを抱えていく父親はドアに言う、「様子を見させないのか?」


  父親の今日で自分の顔を見ないと廊下から離れたりはしないと語ってくるような口調に、口角が床に向けて強く引っ張られているような気がしてならないでいる斗奴雷は、何度も鼻翼に力を込めては、軽く唇を噤んでは、弱っては戦慄しているような人差し指を突いていく、「人に見られたくない…」息子が自分にかけに来る微かな希望が込めているような話に、心を弾まされているような気分になり、可笑しそうにと口角を上げては、まったりと右手の人差し指を立てにいく父親は、もう少しきっと落ち込んでは、引きこもっている斗奴雷の為になって行けるような事をする努力を、持ち出していこうと強く思っては、ドアに言葉を向けにいき、「それは困るな。」


  まったりと左手を胸元に向けて付けて行きつつ、自分の話に困らされているような無言でドアの向こう側で、自分の紡ごうとする言葉を待ってくれているんだぞと、自分に知らせに来るような、微動だにしないでいるように感じて来るドアの向こう側にある床の感覚を、心の中で感じて行きながら、軽く目線を自分の胸に当てていた左手に向けていく父親は声を発していた、「保護者として、ちゃんと子供の様子をしっかり見守っていかないと、」


  目を細めて行きながら、ぼんやりとさっき自分と斗奴雷の話を盗み聞きしては、急いでいるよにと駆けつけに来ていた母親の、どうしても息子を恨んでいて、きっと誤解でしかないでいる雨依の問題をいつまでたっても斗奴雷に押しつけては、彼のただでさえ弱っているような心を完膚なきまでに叩きのめさないと気が済まないでいるような形相に、悲しみみを植え付けられているように感じつつ、軽く歯を噛んでは、無理矢理でも口角を上げては、斗奴雷に少なくとも自分は彼と面と向かって話をしていけるのを、楽しみにしているんだと言うのを確認に伝えていかないとと強く考えていく父親は言う、「ガキの要求を定期的に応えてやらねぇと、」


  軽く自分の胸元の奥を過っては、自分にはもう償うことが出来ないでいたような、大切な娘を亡くしていた時の衝撃と悔恨に、体中が鷲掴みにされては、握り潰されてしまいそうな気分を味わっている父親は、軽く白い歯を噛んでしまい、ごくりと固唾を飲み込んでは、何度も鼻翼に力を込めていく父親は、急いで斗奴雷に自分の熱気が込めているような思いを伝えて行かないとと強く感じては、自分は純粋に彼は部屋の中で上手くやっていけるのかどうか、何かしらの不自由はないのかと、気になっているだけなんだと言うことを、伝えていきたいと願っていく父親はぽつりと渇いていた唇を開けていた、「また肉を見たくないで、」胸元の奥を掴んでは潰そうとしているような思いに、口角が斜め下の方向に向けられているように感じつつ、軽く鼻翼に力を込めては、思わず自嘲気味に笑ってみたくなっている父親は声を発していく、「ベジタリアンになるような日々を過ごすのはもう懲り懲りだぞ。」


  忽然、父親が自分に向けに来る雨依の事を仄めかしているような言葉に、心を悩まされているような気分になり、思わず苦しそうにと歯を噛んでは、もし雨依が自分のせいでもう一度病院に送られてしまうような破目にならなかったらと、一瞬本気で考えては、雨依の死は自分が間接的に関わっていたしかないんだと、責任から逃げて行くようにも思えるような話を、内心でぼんやりと考えて行きつつ、母親が長年自分にぶつけに来ていた態度を思うと、つい子供の時の過ちから逃げて行かないと、自分はこれからの人生と向き合っていく覚悟が、完全に奪われてしまうんだと強く感じている斗奴雷は軽く歯を噛んでは、苦しそうにと喉に募っていたような唾液を飲み込んでいき、「うっ…」


  宛ら自分の思いは確実に彼に伝えていたんだと、自分に知らせに来るような斗奴雷がぽつりと漏らしていた、本気で苦しんでいるような声色に、心を突かれているような気分になり、自分は単に彼の妹への思いを利用しているに過ぎないのではないかと、考えていく父親は苦しそうにと歯を噛んでいた、「ういの時の過ちを…」ドアを直視ていく勇気を無くされているような思いを抱えては、息子は決して母親が思っているような最悪の子供ではないんだと、内心で強く思って行きつつ、純粋に部屋の中に引きこもっているだけで、何かしらの悪さを働かそうとしないで来ていた斗奴雷の事を思うと、つい自分は人生今まで雨依を亡くしていた責任を、母親が全部子供の頃から斗奴雷に向けて来たのが当たり前に思っていたことに気がついては、子供の頃から尋常じゃないぐらいのプレッシャーを抱えて来たから故に、今になると自分に顔を見せるのも拒んでしまうような状態にしてしまったんだと、内心で酷く悔やんでいく父親は苦しそうにと鼻を啜っては、今の自分はただ善良に感じ来る彼の事を利用しているような気分になれている父親は、悔やんでいるようにと強く両手を握っては頭を下げて言う、「もう繰り返させないでくれ、頼む。」

  

  やけに辛そうな思いが込めていたような口調で、自分に言葉を向けて来ていた父親の存在を思うと、ついもう長い間二人に顔を見せなかったのを思って行きつつ、軽く鼻翼に力を込めては、自分にご飯を作ってくれる優しい父親の事を思うと、単純に息子と言う責務を勤めている自分には、せめての返しを彼にしてやるべきなのではないかと、内心で強く考えていく斗奴雷はゆっくりと臀部を自分に温められていたような床から離れて行きつつ、恐る恐ると戦慄しているような左手をドアノブの方に向けて伸ばしていく、「分かった…」


  ”ドクンー”「あっ…」刹那、有無を言わさずに自分の胸元の奥を、跳ねらせに来るような息子が自分に返してくれていた返答に、眉毛を上げられているような気分になり、漠然と唇を開けては、思わずひんやりとした空気を吸い込んでいく父親は、ぼんやりと瞬く間に霞んでいく視野の中で、小気味いい音につられているようにと後ろに向けて引いているようなドアを見つめては、感動に口角を嬲られては、斜め下の方向に向けられているような気分を味わっている彼。


  ”ギィー”まるで自分に父親の顔を見れるようになっているんだぞと、自分に祝福を送ってくれているようにと音を上げに来る蝶番の存在は、少しばかり邪魔のように感じつつ、軽く鼻翼に力を込めては、廊下から部屋の奥に差し込んで来る淡い光とドアとドアフレームの間に、挟まられていたようなトレイの存在と足を組んでいた父親の姿勢に、緊張を強いられているような気分になりつつ、ごくりと固唾を飲み込んでは、口角が有無を言わさずに斜め下の方向に固定されているような気がしている斗奴雷は、ぼんやりと潤んでは泣き出してしまいそうなくらいに、母親の存在に苛まれては、泣き出してしまいそうな深い紫色の瞳で、自分の視野の中で姿を完全に現してくれるようになっていたような父親の顔を映し出して言う、「父さん…」


  やけに髪の毛を伸ばしては、髭を思うが儘に剃れなかったような息子が自分に向けに来る、自分を怖がっているようにと肩を縮めているような態度が酷く可哀想に感じつつ、息子がようやく今まで彼の事を蔑ろにして来た自分に、顔を見せてくれるようになっていたことに僥倖にも感じては、涙目にされているような気がしてならないでいる父親は、丁寧に自分の顔を固定しに来るような深い紫色の眼に向けて首を縦に振っていく、「うん…」


  ”ドドドー”突然、またしても戦車の如く自分の耳に殴り込んで来ては、有無を言わさずに自分の皮膚を寒気で起爆しようとするような畏怖を、植え付けに来るような足音に見開かされては、思わず急いで自分の左手に引かれていたようなドアを父親の方向にぶつけて行かないと自分は危険なんだと、鳥肌が立っている皮膚に知らされているような気分を味わっている斗奴雷。


  ”パー”刹那、否応なしに自分がドアの前に置いていたトレイを蹴っ飛ばしに来るような、異常なまでに長く感じてしまうすらりとした足に絶句されては、あんぐり口を開けられているような気分を味わっている父親は、つい目の前で起きていたことを上手く信じられなくなり、漠然としているような目線を噛みしめていた歯を自分に見せつけに来るようにと、口角を裂いていく母親の顔を見上げていき。


  猛然と左手をドアの方向にぶつけては、ようやく素直にドアを開けに来ていた悪魔に、二度と自分と雨依が住んでいた屋根の下で生活させていく訳には行かないと内心で強く思っては、自分に右足に蹴っ飛ばされては、宙を舞うような米の粒と艶やかな深い赤い色の衣を着こなしていた肉の塊を気にしていく事なく、強く米粒にくっつかれては、斗奴雷と言う名の悪魔の援軍になっているように自分に上手くドアを退かせないでいる米粒の存在に苛立ちを覚えては、猛然と強く右足で床を踏んで、急いでいるようにと右手をドアの方向にぶつけていく母親は、必死に怒りに赤く染め上げられていたような喉から嗄れては、人間には聞こえなくなっているよう声を絞り出していく、「このくそったれがぁ!」

  

  ”ドンー”刹那、否応なしに自分の顔面にぶつけに来ては、視野を真っ黒に染め上げに来るような痺れているような感覚に、体が有無を言わさずに後ろに向けて倒されているような気分を、強いられているような気分を味わっている斗奴雷は漠然と骨の髄から脳内にこみ上げに来ているような苦しみを感じて行きつつ、辛そうにと強く歯を噛んでいき、「うっ!」宛ら敵を目の前にしているようにと、強くドアを蹴っ飛ばしては、彼女に蹴っ散らされているような斗奴雷の姿を見下ろしては、血走っている眼を目から飛び出せて貰っているような母親の姿に、眉毛を有無を言わさずに跳ねらされているような気分を強いられているような気がしては、内心にある焦燥感に駆り立てられては、思わず急いで倒れ込んでは、上手く立ち上がって来る事が出来なくなっているような斗奴雷を、如何にか助けに行かないとと強く考えていく父親は大きな唇を開けては、急いでいるようにと母親の背中に向けて右手を伸ばしていく、「お前っ!」


  ”パーンー”強く左手で自分が常々に思って来ていた、自分に悪魔の形相を上手く見せてくれないでいるようなドアを、永久的に潰していこうと言う思いを、まき散らしていくようにと左手で自分の斗奴雷を処刑する思いを阻んでくるようなドアを退かしては、何度も鼻翼に力を込めて行きつつ、苦しそうにと眉毛を顰めては、必死に自分の方向から両足を引いていく息子の苦しんでは、悶絶して仕舞いそうな態度を睨むようにと見下ろして行きつつ、強く両膝を床にぶつけに行っては、悪魔が住まう部屋から漂って来る自分の鼻腔の奥を侵しに来ているような臭いを気にしていく事なく、目一杯鼻翼に力を込めては、強く息を吸い込んでいく母親は猛然と両手を倒れ込んでは、自分に歯向かうことが出来なくなっているような斗奴雷の胸元を鷲掴みにして行き、「てめえだぞ!雨依を!」


  「やめろって!」母親の斗奴雷を殺そうとしているようなオーラを醸し出しに来ては、部屋を震わせているようなぐらいの轟音を上げに来ることに、喉元が怒りに鷲掴みにされているような気分を味わっている父親は、必死に両手で彼女の肩を掴んで行きながら、何とか斗奴雷の体にしがみついているような母親の体を剥がして行こうと強く考えていく、「なんでまた話をー」


  自分に自由に臭うような部屋の空気を吸う権力すら、与えてくれないでいるような母親が、自分にぶん投げに来るような怒気に満ちているような声色に、口角が斜め下の方向に固定されているような気分を味わって行きながら、無理矢理自分の体を床から離れようとする人間とは思えないでいる、真っ赤に燃えているような顔面を自分にぶつけに来るようなぐらいに、近づいて来ては、喉から自分を潰しに来るような罵声を絞り出して来ていると同時に、飛沫で自分の顔を汚そうとしているような様に、胸元の奥が悲憤に退かされてしまいそうな気がしては、母親への恨みに脳内にある理性を焼き千切られて仕舞いそうな気がしてならないでいる斗奴雷は、必死に両手を握り締めては、母親を殺そうとしているような胸元の奥にある醜く感じては、歪んでいるような思いを、微かでも零してはならないんだと懸命に思って行きつつ、如何にか理性を保って行こうと切に願っていく彼、「ううっ…!」


  強く両手で自分の怒りに満たされているような肩を掴んで来ては、無理矢理自分を斗奴雷の腹部から剥がそうとしているような父親の存在は、酷く邪魔のようにと感じては、悔しそうにと歯ぎしりして行きながら、何度も鼻翼に力を込めていく母親は強く両肩を左右に振らしては、如何にか自分を阻もうとしているような父親の存在を退かし、悪魔にまるめ込まれていた彼に大人しく自分が悪魔を処刑にする場面を見て貰いたいと、強く思っていく母親は猛然と両足で小汚い服をシーツにしていたような床を踏ん張っては、猛然と斗奴雷の体を上げようとする、「無邪気なあの子を殺めたのはてめえだぞ!」


  「うううっ…!」母親が自分に投げに来る強ち濡れ衣とも思えないでいるような叫び声と、怒りに全身を抱かれているような彼女を如何にか止めようとしているようにと、強く彼女の体を抱えては、彼女を止めるような話を紡ぎながら、自分の腹部にかけに来ては、吐き気を催促しに来るような圧力を与えに来ている母親の存在に、涙目にされているような気分になり、歯を噛み砕こうと必死に怒りを抑えようと思って来ていた、自分の胸元の奥を過っていく、全てが自分が悪いんだと言う思いに、まだ狂っているとしか思えないでいる母親に、せめての反抗をして行こうと強く思っていた自分の方が可笑しんだと切に思ってしまう斗奴雷、「ごめんなさい…」


  突然、まるで自分の母親の両肩にかけていた両手を無理矢理剥がしに来るような、息子が鼻声で紡いだ一言に眉毛を跳ねらされているような気分になり、漠然と床から無理矢理弱り切っては、震えているような体を母親に上げられるがままに受け入れているような、彼のピンク色に染め上げられていくこめかみを通るような透明なレールを見下ろしていく父親。「ごめんなさい…」必死に謝っても自分の事を許そうとは、微塵も思っていないような母親が自分の胸ぐらを握り締めに来ては、自分が上げている謝る言葉を全てを奪おうとしているようなくらいに、高い声で大音量で言葉を紡いでくる態度に、自分は唯一謝るのはきっと彼女の息子で生まれて来た以外の、どんな出来事でもないはずだと強く思い。


  どうして自分にはこんな呪いでしかないようにも思える家庭に生まれて来てしまったのだろうかと、漠然としている思いを抱えて行きつつ、鼻腔の奥が苦しみと悲憤に詰まらされては、上手く空気を吸えなくなっているような気分になり、辛そうにと強く渇いていた唇を噤んでは、如何にか自分に涙を零していくことすら快く思わないでいる母親に許して貰っては、自分にちゃんと生活していける程の資金を貯めてから、自分を部屋から追い出して行く寛容を与えて欲しいと切に願っていく彼は必死に悲憤に焼かれては、酷く惨めに感じつつ、見っともないようにも思えるような声色を喉から絞り出していた、「ごめんなさい!」


  ”パー”「あっ…」忽然、否応なしに自分斗奴雷の苦しんでいる姿勢につられては、辛い思いの中から解放しに来るようにと強く右手に力を込めては、右手を上げていた母親の態度に、あんぐり口を開けられては、絶句されている父親。自分には確実に大事な娘を奪っていた法律では捌いてくれないでいる悪魔に、重たい一撃を食らわせることが出来たんだと自分に知らせに来るような呆然と唇を開けては、ぼんやりとしている目線を自分の左側にある部屋の壁に向けている斗奴雷の見る見るうちに赤くなり、微かに膨らんでいるようにも見えてしまう左頬を睨んでは、何度も鼻翼に力を込めにいく母親は、必死に霞んでいく視野の中で両手を彼の喉元に向けて伸ばしている自分の両手を見定めていこうと強く思って言う、「なのになに可哀想な振りをしてやがんだ!」強く彼の頬を引っ叩いていたことで、彼に可哀想な演技をしても無駄なんだと言うことを確実に理解して貰えたように、傷心と虚ろの眼を壁の方向に向けている斗奴雷の横顔を睨み付けにいく母親は、強く両手にある彼の胸を推していくようにと床に向けてぶつけて行きつつ、嗄れては、痛く感じて来る喉から声を絞り出していた、「死ねよお前!!」

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