第362話見たいの?

  発狂しているようにと苦しんでいる嗄れていた叫び声を発している須賀の、急いでいるようにと左手にある帽子を強く握っては、被っていこうとしている様に目を細められているように感じつつ、ごくりと固唾を飲み込んでは彼の辛そうにと灰色の瞳から零れていく透明な涙の粒に、心を苛まれているようにと思ってしまうと同時に、自分の両腕の中で震えているような美空の身体を強く抱えては、ごくりと固唾を飲み込んでいく義威瀬は、須賀は可哀想だと思っては行けないんだと、美空が穿いていたスカートに目線を落としていくと、須賀のような奴には二度と立ち直れる事が出来ないくらいのトラウマを、負ってもらった方が、彼も大人しくなってくれるはずなんだと、内心で強く考えている義威瀬。


  ”ギー”突然、まるでクラスメートたちにもう少しでも多く須賀の無様な姿を見て欲しいと、語っているような彼の右足に引っ掛かっては、彼の身体を倒そうとしているような椅子の彼の背中を押しては、彼の倒れて貰いたがっている様に見開かされては、迷わずに強く両腕で美空の身体を抱えては、彼のもとからずらしていこうとする義威瀬。宛ら自分の身体を掴もうとしているようにと前のめりになっては、倒れ込んでしまいそうな須賀の自分に向けて伸ばして来る、酷く気持ち悪く思える両手に見開かされては、つい勝手に須賀から伝わってくる畏怖に、反応しているようにと小刻みに震えている頭を左右に振らしていく美空、「ああ…!」必死に歯を噛んでは、まるで未だに自分が穿いていたスカートを狙っては、剥がそうとしている彼の気持ち悪い両手に苛立ちを覚えては、思わず強く右足を上げては、彼の胸元に向けて蹴りを入れていく美空は必死に繊細な喉元に力を込めては、叫んでいく、「きゃああああああー!」


  「うぉ…!」忽然、否応なしに自分の身体を無理矢理ずらしに来るような美空の繊細な右足から伝わって来る重たい蹴りに、眉毛を跳ねらせているような気がしてならないでいる須賀は、痛みと自分に媚びて来ていたはずの彼女が向けに来た蹴りに悶絶してしまいそうな思いを抱えていきつつ、思わず白い目を向いてしまう彼は彼女に拒まられるがままでに、酷く重たくなっているような頭を床に向けていく。


  ”ドー”刹那、有無を言わさずに自分の視野を真っ黒に染め上げに来るような痛みに、眉毛を強く顰められているようにと思えてしまうと同時に、鼻腔の奥から段々液体が漏れて来ては、鼻を濡らそうとしている感覚を気にする余裕は、まるで自分の強く床に倒れていた身体を押して来るような、自分の左側から伝わって来るクラスメートたちの嘔吐の声に奪わられているように思いつつ、口角が斜め下の方向に固定されているような気がしてならないでいる須賀は苦しそうにと強く歯を噛んでは、何度も鼻翼に力を込めて行きながら、割れているようなくらいに疼いているような気分を与えに来る両手で、酷くひんやりとしていて、クラスメートたちの自分をクラスから追い出そうとする声に合わせているように、自分を冷やしに来る床の冷淡にも思える態度に、涙目にされているような気がしている須賀は恐る恐ると霞んでいた視野の中で、自分の胸元を強く蹴りを入れていた美空の様を探していき。


  小刻みに揺らいでいく夜にあるネオンのような琥珀色の瞳と、自分の事を睨んでは、迸る怒気が宿っている眼で自分を見下ろして来る義威瀬の、汚物を見ている態度に口角が引き千切られているような気がしてならないでいる須賀は、悶絶してしまいそうな絶望に体を抱かれている感覚に耐えて行きながら、どうして自分がいっぱい金を払って来たのに、貧乏な庶民にここまで侮辱されないとならないのかと、悔やんでは、目の下を撫でに来る涙の粒の冷たい感覚に、嘲笑われているような気分を味わって行きつつ、不満そうにと疼く右ひざを引いては、強く地面に当てていく須賀は歯を食いしばっては、教室の後ろにあるドアに潤んでは血走っていた灰色の瞳を向けていく。


  「さっさと失せろよ!」忽然、まるで自分の事をボールと勘違いしているようにと、小汚い右足を守っていた靴先を自分の左肩に向かってくる乾里娘の左手で彼が来ていたシャツの襟を握りながら、唇と鼻先を隠しているような様に絶望が一層深まっているような気分になっている須賀。”ドー”「てめぇの居場所なんざねぇんだよ!」軽く須賀の左肩を蹴っては、一刻も早く彼に自分たちの視野から消え失せて欲しいと願っている乾里娘は、歯ぎしりしながら眉毛を顰めては、大怪我を負っているようにと歯を食いしばっている須賀の渇いた唇から滴り落ちて来る透明な唾液に、吐き気を覚えながら叫ぶようにと声を上げていく、「呆けが!」


  恐る恐ると右手で乾里娘に微かな掠り傷も出来たりはしないはずなのに、酷く重たく感じては、自分の身体を潰していける程の力量を持つような蹴りに、体中を嬲られているような感覚に涙目にされていく須賀はゆっくりと痙攣しては、上手く自分に立たせてくれないでいるような両足で床を強く踏んで行きつつ、自分の存在から目を逸らしていた美空の紅潮していた横顔を見つめて行きながら、彼女にもう一度自分に彼女の事を従順なペットに仕上げるチャンスを与えて欲しいと願っていく須賀は、軽く震えているような右手を霞んでいた視野の中にある彼女の顔に向けて伸ばして言う、「美空…ちゃん…」


  「知らないわ…」自分の頬を守ってくれているような義威瀬の体温を感じて行きつつ、軽く眉毛を顰めては、自分に無理矢理苦しい思いを強いて来ようとしていた須賀の存在を、思い返していくと、彼もきっと父親のように自分に辛い思いを強い続けるのに違いないんだと、内心で強く思ってしまう美空は、震えているような両手で無言で自分を守ってくれていて、優しく自分の存在を支えて来た義威瀬の温かい身体を抱えて行きつつ、自分に優しくしてくれていて、なんの見返りも求めたりしないでいてくれるのは、義威瀬だけなんだと、内心で強く思っている美空は苦しそうにと軽く鼻を啜っては、チラッと吐き捨ているような眼差しを、自分に目線を向けたままで、もう一度自分に彼と話をするチャンスを与えて欲しいがっているような須賀の酷く気持ち悪く思える様に向けて彼を睨んでいく彼女は、ぽつりと声を発していた、「あなたのことなんか。」


  「うっ!」有無を言わさずに主人のような自分であり、ずっと彼女に餌を与え続けていた自分の突き放しているような美空が向けに来ていた一言に、口角が殴られているように感じつつ、まるで自分に見たかと、自分のペットを両手で抱えては、我が物顔を自分に向けに来る義威瀬の事を睨んで行きながら、歯を噛み砕いていこうとするくらいに強く歯ぎしりして行きながら、怒りと悲しみに挟まられては、酷く震えているような両手を上げて行きつつ、自分の頭を抱えていく須賀、「うううああ…」


  自分に早くクラスの中から消え去ってくれと、自分の事を罵ることすらしたくないでいるようなクラスメートたちが自分から頬を逸らしては、手で口元を押さえては、腹部を押さえている様に、自分はそこまで醜い怪物だったのかと、彼らに尋ねて見たくなりつつ、自分だって彼らと同じ人間であるのにと叫んでも、ひたすらに自分の心にある虚しい思いを強化するだけであろうと思い、自分は世間に受け入れられることのない、化け物なんだと言う事を再認識されているような気がしてならないでいる須賀は、思わず猛然と疼く右ひざを千切ろうとするように前に向けて踏み出しては、強く自分の汗ばんでいる頭に濡らされていたような両手を前に向けて伸ばして行きながら、喉から苦しんでいる声を上げていく、「うあああ!」


  酷く慌てているようにと両手を上げて行きながら、空中で泳いでいるようにとドアに向かって去っていく須賀の背中姿に、目を細められているように感じつつ、気持ち悪い物を目にして仕舞ったなと、内心で強く思っては、ゆっくりと目線を自分の右足の靴先に向けてしまう乾里娘は軽く鼻翼に力を込めては、靴先を床に付け、綺麗にして行くようにと左右に擦って行きつつ、眉毛を顰めたままで、横目でドアの方向を睨んで行きながら、ぽつりと沈んでいるような声を発していた、「本当に人間じゃなかったな…あいつ…」


  乾里娘が自分たちの代わりに、須賀を追いだしてくれていたことに内心で感謝して行きつつ、軽く左手で自分に縋ってくるような美空の頭を丁寧に擦っていく義威瀬は微笑みながら、彼女の顔を覗き込んで言う、「もう大丈夫だよ…」怒りと興奮に震わされていた声に、軽く顔を引かれているようにと汗ばんでは、黒い髪の毛をくっつかせていたような額を自分に向けに来る美空の酷く衰弱しているような顔を見下ろして行きながら、軽く左手を彼女の紅潮していた白皙の頬に触れていく義威瀬、「怖い奴は俺が蹴っ散らしてやったから。」


  自分に安心感を与えてくれていて、不思議な魔法を使えるような義威瀬の酷く温かく思える手のひらの感覚を感じて行きつつ、幸せそうにと口角を上げていく美空はぽつりと声を発していた、「うん…」美空のまるで義威瀬のコバンザメになっているように、彼のもとから離れようとしないでいる態度に口角が最大限なまでに上げられているように思いつつ、軽く右手を腰に当てては、左手で鼻先を擦っていく乾里娘、「へっ~」


  自分の強く胸元の奥から絞り出していた笑い声に、眉毛を微かに跳ねらせている義威瀬の瞳を見つめて行きつつ、猛然と左手の親指を立てては、彼に向けていく乾里娘は微笑んでいき、「さっきは見損なったと思ってたけど、」チラッと横目で帽子を脱がされていたような須賀の外見から与えられた衝撃を、上手く耐えることが出来なかったようにと嘔吐の声を漏らし続けているクラスメートたちに一瞥しては、強く右手を義威瀬の力を抜けては、彼に抱きついていた美空に弱らされていたような肩に置いていく乾里娘、「やるじゃないか。」


  「まぁ…」文字通りに自分を支えに来る乾里娘の力強く思える右手の感覚に、口角が軽く上げられているように感じつつ、ぼんやりと目線を自分を抱えては、須賀がもうなくなっているのにも関わらず、自分の身体を解放しようとしないでいる美空の華奢な様を見下ろしていく義威瀬、彼女の少しばかり硬く感じてしまう体に苦笑いして見たくなりつつ、無言で右手の彼女の後頭部を擦って行きつつ、彼女に頼られているのは悪くないように思い始めている彼は、ゆっくりと目線を乾里娘に向けていく、「美空ちゃんが悲しんでしまうようなことはしたくないからな…」


  義威瀬が彼女に向ける感動的な台詞を耳にしては、軽く鼻を啜っていく美空の目を半開きにしては、まるで中々彼女と義威瀬のもとから離れようとしないでいる自分に、文句をぶつけて見たくなっているようにと、唇を尖らせに来る美空の態度に苦笑いして見たくなりつつ、困っているようにと左手を上げては、後頭部を擦ってしまう乾里娘、「それじゃ、」軽く右手の親指でドアの方向を指差しては、兎に角二人から離れて行かないと、義威瀬といちゃつきたいと思っている美空に、恨まれてしまうような気がしている乾里娘はぱちくりながら、美空の思いにまったく気が付いていないような義威瀬に苦笑いしていき、「俺は行ってくるわ、」ぼんやりと頷いては、どうしてわざわざあんな奴を見るのかと、自分に聞きに来るような彼の不明瞭な青色の眼に目を半開きさせて見たくなっている乾里娘は、自分が適当に離れている理由を作っているからだと、彼に言えないでいる美空に睨まれては、萎縮している心に文句をぶつけて見たくなっている乾里娘は、ぽつりと声を発して行きながら、右手を上げては、胸元をドアの方向に向けて言う、「あの怪物の最後を見届けてやりたいしさ~」


  酷く物好きのようにも思える乾里娘の左手で椅子に置いていたリュックを手にしては、急いでいるようにクラスから離れていく背中姿に苦い笑みを向けては、彼がいなかったら自分だけだと上手く須賀を追い出すことは出来なかったかもしれないと思っている義威瀬は、内心で彼に感謝して行きながら、軽く頷いていた、「うん。」未だに自分にしがみついては、自分の身体を放そうとしないでいる美空の両腕と、腹部にくっついて来るような胸元に、ぱちくりして行きながら、軽く両手を彼女の繊細な肩に置いていく義威瀬、「ほら、戻ろう?」自分が彼女に向けていた言葉を快く思わないでいるようにと、艶やかな唇を尖らせに来る美空の姿に苦い笑みを見せて行きつつ、軽く右手の人差し指を立ててしまう彼は提案するようにと声を発していき、「まだ怖いと言うのなら、お家まで送るよ?」


  義威瀬が自分に向けに来る至れり尽くせりにも思える態度に、目を細められているように思えては、自分は幸せにどっぷりと沈んでいるような気がしてならないでいる美空は丁寧に頷いていく、「うん…でも…」ゆっくりと自分の両腕に抱えられていた彼の少しばかり硬直していたような体から手を引いては、懇願しているようにと潤んでいる琥珀色の瞳で彼の顔を映し出していく彼女は言う、「ちょっとだけ、」ごくりと固唾を飲み込んでは、軽く左手で自分が穿いていた淡い青色のスカートを掴んでしまう美空は、右手の人差し指と親指を合わせて行きつつ、軽く右手を上げて言う、「時間をくれない…?」


  ぱちくりながら自分がまた何か困っている問題にでも遭って仕舞ったのではないかと、自分に聞きに来るようにと頷いてくれては、軽く眉毛を顰めている彼の自分の存在を酷く大事にしてくれている態度に、胸元の奥を温められては、体中が熱気を放っている漣が流れているような気がしてならないでいる美空は軽く両手を抱えては、胸元を押さえていく、「お礼がしたいの…」美空の自分にお礼をしようと、少しばかり水臭く思える言葉に、口角を上げられているような気がしては、まったりと振り返っていく義威瀬、「いいって事さ、」ゆっくりと自分が机に置いていた、自分に勇気を与えてくれていたようにも思える作品を、椅子に置いていたリュックの中に入れて行きつつ、微笑んでいく彼は言う、「お礼なんて要らないよ、」屈託のない笑みを浮かべては、不満そうにとピンク色の唇を尖らせに来る美空を見てしまう彼は、つい彼女はどうして拗ねてしまうのだろうかと、漠然とした質問を抱えて行きつつ、彼女に微笑んでいく、「君が無事でいてくれるのなら。」


  大人しく自分に従ってくれないでいるような義威瀬の態度に、眉毛を顰められているように感じては、不服そうに赤くなっていた鼻翼に力を込めてしまう美空は、迷わずに両手を彼の左腕に向けて伸ばしては、急いでいるようにと立ち上がっていき、「だからこそお礼がしたいのよぉ…」酷く弱っているような自分の恥ずかしい思いに震わされているような声に驚かされては、軽く繊細な眉毛を跳ねらせていた義威瀬の顔を睨むようにと見つめては、照れくさい思いに息遣いを荒くされているような気分になれている美空は、軽く右足で床を踏んで言う、「い、いいから…」自分の両手に有無を言わさずに体を引かれている義威瀬が、浮かべているきょとんとしている顔を横目で見ては何度も鼻翼に力を込めていく美空は、ぽつりと震えている声を絞り出していた、「ちょっと付き合って…!」「う、うん…」自分に酷く重要な話があるようにと語って来ているような美空の姿勢に、ぱちくりして行きつつ、恐る恐ると頷いては、自分の手を引いて来る彼女の白皙の左手を見下ろしていく彼は、ぽつりと弱っているような小さな声を発していく、「分かったよ…」

  

  宛ら自分に彼女の左手から逃がさないようと、強く自分の右手を握っていた美空の腕を見つめては、彼女の白皙の手をかざしているようなベージュ色のタイルを見下ろしては、少しばかり困っているようにと、引き攣っているような右側の口角を上げて行きつつ、軽く左手で自分の頬を掻いてしまう義威瀬は、白い座席を背景にしては、自分に胸元を向けに来ていた美空の俯いて、軽く唇を噤んでいるような姿勢に戸惑いつつ、困り果てているようにと自分たちの両側にあるピンク色の壁を交互に見ていく義威瀬は、酷く狭い場所に連れて来た彼女は一体何がしたいのだろうかと、悩んでいる彼はぽつりと渇いた唇を開けてしまい、「えっと…美空ちゃん…?」


  自分が彼女に向けていく声に応えてくれているようにと、軽く少しばかり汗に濡らされていた彼女の左手を自分の手から引いていく美空の俯いては、言いづらそうにしている様に向けて小首を傾げていく義威瀬、「こ、ここは…」嗅いだことのない香りを放っているような白い座席に一瞥しては、頬が恥ずかしい思いに焼かれているように感じつつ、泣き出してしまいそうな気がしてならないでいる義威瀬は、懇願しているようにと軽く肩を縮めて行きつつ、横目でまるで自分の逃げ道を塞がっていたような銀色の錠が付けていたピンク色の壁を見て行きつつ、自分の声は誰かに聞かれたりはしないのだろうかと、酷く不安になっている彼は、ぽつりと小さな声を呟いていく、「どうして僕をこんなところに…?」


  義威瀬の自分の内心にある歯がゆい思を刺激しに来るようにと小さく聞こえては、震えているような声色に、口角が斜め下の方向に向けられているように思いつつ、強く両手で自分が穿いていた淡い青色のスカートを握っていく美空は、必死に白皙の喉から声を絞り出していき、「ふ、二人きりに…なりたいから…」何度も鼻翼に力を込めては、軽く眉毛を顰めては、彼に何かしらの文句でもあるのかと、聞いて行くようにと潤んでは、少しばかり赤くなっていた琥珀色の瞳を彼に向けていく美空は言う、「です。」


  美空の自分と同じように微かな香りを放っている自分たちがくっついてしまいそうなくらいに、狭く思える空間の中で文句交じりの言葉をぶつけに来た様に、困らされているような気がし続けている義威瀬、「そ、そうなのか…」引き攣っているような右側の口角を上げて行きながら、軽く右手の人差し指で汗ばんでいるようなこめかみを掻いては、一体どんな用があったら、こんな場所に連れ込もうとするのかと、彼女の頭に聞いて見たくなっている彼、「それで?」


  小首を傾げている自分の真似をしているようにと首を傾げては、ぱちくりながら自分が上げていた声に、困らされているような彼女に目を半開きさせていく義威瀬、「二人きりになって、」ごくりと固唾を飲み込んでは、酷く自分との距離を詰めに来ていたような狭い空間の中にいる美空の存在に、胸元の奥を鷲掴みにされては、激しく鼓動を刻まされているような気がしてしまう彼は、ぽつりと弱っているような声を発していく、「何がしたいのよさ?」


  義威瀬が自分に向けに来る素朴な疑問をぼんやりと耳にして行きつつ、彼の自分と同じように緊張しては、握りしめていた両手を見下ろしていく美空は、まったりと痙攣しているような左手を上げて行きながら、胸元に当てては、泣き出してしまいそうな琥珀色の瞳を彼に向けて言う、「あんたも…」ぼんやりと自分の話を耳にして行きつつ、操り人形と化しているようにと頷いて来る彼の、自分の畏縮しているような顔を映し出してくれている瞳を見つめていく美空は、ぽつりと艶やかな唇を開けていた、「気になったりするのか…?」


  「え?」まるで自分の背中を後ろにあるひんやりとした壁にぶつけさせに来るようにと、徐々に顔を近づかせている彼女の唇から零れていた一言に見開かされては、つい彼女の唇から零れて来る桃色の香りに、微かな興奮を覚えては、喉元が彼女の存在に鼓舞されているような心臓に、殴られているような気がしてしまう義威瀬は、ぽつりと弱っているような声を発していく、「何が?」


  「ほ、ほら…」義威瀬の本当に自分が彼に向けていた質問の内容を知らないでいるような態度に、口角が歯がゆい思いに斜め下の方向に固定されているような気がしてしまう美空は、思わず胸元を彼のもとから引いては強く両手でスカートを掴んでいき、「スカートの下に何があるのかって…」”ドクンー”刹那、まったりと彼女が紡いだ一言に、合わせているようにと額を上げに来る、美空が自分の困り果てているような顔を映し出して来る琥珀色の瞳に、眉毛を軽く跳ねらされているような気がしてならないでいる義威瀬、「うっ…」


  喉が興奮と緊張に鷲掴みにされているように思えては、彼女の体から漂ってくる嗅いだことのない香りに、涙目にされているように感じつつ、思わず汗ばんでいる後頭部を後ろにある逃げ道を塞いでくるようなピンク色の壁に当ててしまう義威瀬、「そ、それは…」ごくりと固唾を飲み込んでは、口内がやたらと唾液を分泌し始めているように感じては、勝手に震えている両足の力が、酷く愛おしく見えてしまう彼女に奪われているような気がしてならないでいる義威瀬、「ちょっとくらいは…」必死に白い歯を噛んでは、目を瞑っていく彼は自分に攻めて来る彼女に降参しているようにと、弱り切っているような声を発していく、「気になるけどさ…」


  義威瀬のまるで麒麟の真似をしているようにと必死に白皙の喉を伸ばしては、顎を上げていく様に戸惑いつつ、ぼんやりと小首を傾げては、チラッと目線を自分が穿いていたスカートに向けていく美空は、漠然と小さな左手の人差し指を頬に当てて言う、「水色のパンツしかないんだぞ?」「ううっ?!」刹那、否応なしに自分の瞼をこじ開けに来ているような、美空が向けに来る当たり前のような口調に見開かされては、思わず猛然と彼女に顔を近づかせてしまう義威瀬、「きゅ、急にパンツとか言わないでよ!」


  酷く慌てている義威瀬の向きになっているような姿勢に戸惑いつつ、漠然と小首を傾げたままで、軽く左手で自分の両足をくすぐりに来るようなスカートを握っては、起伏させにいく美空、「どうしてパンツなんかを見たいって、思っちゃうのかな?」まるで自分の両足にある波のようにと起伏しているスカートに、気を惹かれているようにと自分の両足を見下ろしに来る義威瀬の青色の眼を見つめていく彼女、「変じゃない?」義威瀬は自分を誑かそうとしていないのかと、微かに不安になっている美空は不機嫌そうにと唇を尖らせて行きつつ、彼に尋ねていく、「ただの布よ?」


  「うう…」執拗に須賀が彼女に向けていた行動の中に隠されていた思いを、男である自分に聞こうとする美空はいささか残酷のように感じつつ、体が緊張と微かな興奮に硬直されているような気がしてならないでいる義威瀬。「うん?」可愛らしく自分に曖昧にも思えるくらいに、朧気になっていた視野の中にある彼女の琥珀色の眼に、口角が斜め下の方向に固定されているような気がしては、息遣いが彼女の体から放っている、胸元の奥を引いて来るような平坦のように感じてしまうと同時に、もっと嗅いでみたいと思うような香りに乱されているようにと感じている彼、「変…じゃないと思うよ…」


  軽く鼻翼に力を込めては、つい彼女の温かく感じては、触れて見たくなる頬に、顔を無理矢理逸らされているような気がしては、ごくりと固唾を飲み込んでいく義威瀬、「パンツの中にも…」軽く白い歯を噛んでは、自分は無垢な彼女に何を言おうとしているのかと、勝手に色んな本を捲って来ていた自分の頭を殴ってみたくなっている義威瀬は、涙を零してしまいそうな青色の眼を彼女に向けて言う、「布の他にも…」畏縮しているようにと自分を溺れさせようとするような唾液を飲み込んでいく彼は、顎を目一杯引いていた、「色々あるのでしょ?」


  「ある…」義威瀬が自分に投げて来ていた言葉にぱちくりして行きつつ、まったりと脳内を浮かべてくる黒い糸に納得しているようにと軽く頷いてしまう美空、「けど。」軽く右手の人差し指でこめかみを掻いて行きつつ、お金を彼に渡してしまうと、自分が父親に殴られてしまうから、彼が喜んでくれるようなお金がかけないお礼を何とかしてやりたいと、今までずっと傍で親切にしてくれていた彼に、恩返ししていきたいと切に願ってしまう美空は、照れくさそうに軽く両手でスカートを掴んでいく、「見たいの?」


  ”ドクンー”「えっ?!うっ!」刹那、まるで自分が見たいと語ってしまったら、大人しく見せてくれると語りに来るような美空が自分に投げて来ていた一言に、眉毛が頭上に行ってしまいそうなくらいに跳ねらされているような気がしては、猛然と左手を上げては、自分が彼女と二人きりで狭い空間の中にいる事を他の誰かに知らせてはならないと、強く考えては、否応なしに左手を上げては、自分の大きく開けていた唇を潰すようにと叩いていた義威瀬。


  酷く興奮気味になれている自分の態度で喜んでくれているような、美空の軽くピンク色の口角を上げに来る様に、心臓を握り潰されてしまいそうに感じつつ、何度も首を横に振っては、女の子なのにまったく恥ずかしい知識を知れないでいる彼女には、ちゃんと彼女自身を守って行けないのだろうと思ってしまう義威瀬、、「い、いや!」猛然と両手を彼女の華奢な肩に向けて伸ばしては、自分がちゃんと彼女をエスコートしていかないとと強く思っていく彼は軽く眉毛を顰めては、急に肩を掴みに行った自分に困らされては、弱っている子猫のようにと繊細な両手を上げに来る美空の眼を睨むようにと見つめていく彼は言う、「ダメだよ!そんなことをしたら!」

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