第348話パパとママ、仲良し。

  ”ドクンー”「え…?」刹那、否応なしに自分の心臓のドアに向けてくるノックにも思えるような一言を、紡いでくれていた義亜孔に眉毛を軽く跳ねらされているように感じては、思わず間の抜けた声を上げてしまう美空、いつも素直でいてくれる義亜孔が自分に向けてくれていた言葉の中には、きっと一切の嘘偽りも込めていないものであろうと思ってしまうと、自分に無邪気な笑顔を向けてくれている彼女の様を見れば見るほどに心を刺激されては、弱くされているような気分を味わっている美空、「ええ…?」


  娘に素直に褒められると、急にどうしたらいいのかが分からくなっているようにと、急いで紅潮していく頬を自分に向けに来ては、潤んでいく琥珀色の瞳で自分の顔を見て来ている美空の弱っては、頗る可愛く思える様に心を弾まされているような気がしつつ、淡い笑みを見せていく義威瀬は軽く顎を引いては、チラッと目線を床に置かれていた自分が描く作品に向けては、流し目で彼女の戸惑っている表情を見ていく彼はニヤリと口角を上げていき、「子供の頃の自分の真似かね?」


  「むぅ…」義威瀬の娘に心を揺さぶられている自分の事を助けようとしないで、却ってからかいに来ているような言葉に不満を覚えては、思わず唇を尖らせていく美空は不服そうにと何度も鼻翼に力を入れていく、「五月蠅いよ、連環画一つで当時の私の思いを滅茶苦茶にしたあほ。」向きになっては、原稿の束から取っていた一枚の紙に皺を残さないようにと、左手を横腹まで引いては、腕を組んでいく美空が自分に向けに来る少しばかり不自然にも思える様が、愛おしく感じてしまう義威瀬、「これはこれは…」


  母親の拗ねている態度に微笑んでいるような父親の照れくさそうにと、右手で後頭部を擦っていく姿勢に、眉間に皺寄せてしまう義亜孔、「むぅ…!」悔しそうにと唇を尖らせては、頬を膨らませていた彼女は自分の唇から零れていた不満な声に、顔を引かれているようにと共に自分の事を見下ろして来る二人の顔を交互に見て行きつつ、文句交じりの言葉を幼い声に乗せていく、「ちゃんと話を聞いてよ?」


  娘の自分と義威瀬に無視されている様に悔やんでは、腕を組んでいく姿勢に口角をくすぐられているように感じつつ、まったりと左手にある原稿を彼女の華奢な両手に向けていく美空、「ごめんね?」ぽつりと自分の唇から零れていた一言に、緊張を強いられているようにとビクッと繊細な体を軽く跳ねらせては、恐る恐ると自分に目を向けに来る娘の自分に苦手意識が芽生えているような反応に、苦笑いして見たくなっている美空は困っているようにと声を発していた、「私が可愛いって言ってたのでしょ?」


  「うん!」母親がようやく自分の話をちゃんと聞いてくれるようになって来る様に、口角を上げられているように感じつつ、チラッと目線を彼女の手にある原稿に向けていく義亜孔、「あくにお尻が痒くなってるねって、」刹那、自分の少しばかり喜んでいるような声で紡いだ言葉に、驚かされているようにと眉毛を跳ねらせていく母親の潤んでは、微かに血走っていた眼に笑っていく義亜孔は言う、「言うそうにないから。」

  

  「うっ!」娘が彼女に向けていた一言に撃沈されているようにと、口角が斜め下の方向に向けられている美空の鳩尾を嬲られているように、猫背になっている様に目を半開きさせて行きつつ、彼女に彼女が嫌って来ていた父親のような人間になって欲しくはないと、内心で強く思って行きつつ、義亜孔の美空を怒らせていたと勘違いしているようにと不安になっているように小さな両手を握りながら、どうやって彼女に話しかけてたらいいのかが分からなくなっているような様を見て行きつつ、まったりと右肘を太股に付けては、二人の様子を見ていこうと思っている義威瀬。

  

  「ま、ママ?」悔やんでいるようにと眉毛を顰めて行きつつ、不満そうにと赤くなっていた鼻翼に力を入れては、自分を威嚇しようとしているような母親の態度に、心臓を弱らされているように感じつつ、もしかしたらまた母親に難癖をつけられてしまうのではないかと、酷く不安になっている義亜孔は、小さな両手を握って行きつつ、脇を締めては、母親の顔を見上げていく、「あ、あくのお尻も頬っぺたも痒くなってませんよ…?」


  娘の彼女のことを恐れている様に不満を覚えては、悔しがっているようにと唇をすぼめている美空の、どうやって娘に返事を向けたらいいのかが分からないでいる姿勢に微笑んで行きつつ、流し目で彼女の顔を見ていく義威瀬、「ふん~」ぽつりと自分の唇から零れていく、彼女の存在をからかいにいるような声色に眉毛を軽く跳ねらされては、急いでいるようにと眉毛を顰めては、自分に目を向けに来ている美空の顔に、淡い笑みを浮かべていく義威瀬は言う、「どうやって子供の話を返していくのかな?美空選手?」


  またしても自分の事をからかいに来ては、自分と共に娘を上手く胡麻化していけるよう言葉を紡いでくれないでいる義威瀬の姿勢に苛立ちを覚えては、不服そうにと強く歯を噛んで首を横に向けていく美空、「ふん…!」自分の拗ねているようにと強く鼻から発していた音に、苛まれているようにと体を軽く跳ねらせていく義亜孔が自分に向けて来る態度に、心を困らされているように思いつつ、軽く歯を噛んでは、ぼんやりと自分の左手にある傷だらけの過去の自分が描かれていた原稿に目を向けていく美空、ごくりと固唾を飲み込んでは、自分が彼に描かれていた酷く弱っている顔を目にすると、つい自分の娘まで日々恐れのもとで暮していくような体験をして欲しくはないと強く思ってしまう彼女は、悔しそうにと軽く唇を噛んでは、決して父親のような態度を娘に向けてはいないけれども、似たような行動を、無意識のうちに父親のような屑と共に取っていたことに、悔やんでいく彼女は言う、「あく。」

  

  「は、はい!」宛ら自分がぽつりと声に乗せていた彼女の名前に、驚かされているようにと肩を跳ねらせては、猛然と自分の顔を見上げに来る娘の少しばかり誇張にも伝わって来る姿に、淡い笑みを見せて行きつつ、まったりと左手にある原稿を彼女に渡したいと思っている美空は本気の眼を義亜孔に向けていた、「あんたに体にこんな傷を残させたことあるのかな?」ぱちくりながら自分の顔を見てくる義亜孔に向けて軽く眉毛を顰めては、右手を胸元に当てていく美空は言う、「この私に。」


  母親がやけに深刻そうな口調で自分に言葉を投げて来ていたことに、ぱちくりして行きながら、丁寧に両手で彼女から原稿を受け取っていく義亜孔は、何度も首を横に振って言う、「な、ないです。」娘が自分に返してくれていた一言に安心感を覚えつつ、父親と同じような行動を取ったけれども、彼女に大怪我をさせていなかったと思うと、つい自分は手遅れになる前に、如何にか娘に向ける姿勢を整えるチャンスを得ているような気がしている美空は、自分の真剣な態度を恐れては、漠然と震えている潤んでいた眼で自分の顔を映し出して来ている彼女に言葉を向けていく、「それは私が一応加減していて、」


  左手を胸元に当てて行きつつ、自分の激しく鼓動を刻んでいる内心の感覚を感じて行きながら、どうやったら娘が自分とは違っていて、まともな人生を歩ませていけるのかを必死に考えて来たのに、自分たちが謝阿狗に襲撃されてしまいそうになっていた事を思い出していくと、つい自分には手遅れも何もなかったように感じては、切なげに視線を床に向けていく美空は悔やんでいるようにと唇を噤んでは、ぽつりと柱から与えて来る未来に対する畏怖に、震わされている声を漏らしていた、「あなたを愛しているからだよ。」


  美空の本気で弱っては、娘をどうやって扱って行けたらいいのかが分からないでいる様に、心を苛まれているように思いつつ、漠然と目を細めては、チラッと義亜孔のまるで自分たちに挨拶を交わしに来ているようにと、軽く揺れていたポニーテールに目を向けては、無理矢理と言っていいほどに、義亜孔を自分たちの傍に来る事を望んでいた自分が、彼女が娘に向ける姿勢を分からないと同じように、どうやったら彼女に言い聞かせたらいいのかが、分からないでいるような気がしてしまう彼は、悔やんでいるようにと腕を組んでは軽く唇を噤んでいた。


  母親が自分に向けて来る言葉は確かに間違ってはないようにと思いつつ、ぼんやりと小首を傾げてはぱちくりして行きながら彼女の顔を見つめていく義亜孔、「でも…」自分の唇から零れていく弱っているような声に、困らされているようにとぼんやりと小首を傾げていく彼女の事を見つめては、ごくりと固唾を飲み込んでいく義亜孔は恐る恐ると右手の人差し指で軽く自分の顎を指差して言う、「あく、ちょっと痛いよ?」


  忽然、まるで娘が紡いだ酷く切実な一言にからかわれているようにと、軽く繊細な眉毛を跳ねらせては、猛然と上げてしまいそうな口角を右手で押さえては、顔を逸らしていく義威瀬の様に一瞥しては、つい彼はコントを目にする気分でいるのではないかと、彼に文句交じりの言葉をぶつけて見たくなっている美空は、不服そうにと軽く鼻翼に力を入れては、チラッと目線を自分の顔を見つめて来る義亜孔に向けて言う、「痛くないなら覚えないのでしょ?」ぱちくりながらぼんやりと自分の顔を凝視して来る、娘の少しばかり自分の話に、納得しているようにと軽く頷いてくれている素直な態度に微笑んでは、自分も彼女もお互いに向ける扱いに困っている事を思うと、つい親子なんだなと、内心で思ってしまう美空は軽く左手の人差し指を立てて行きながら、右手で彼女の頭を擦っていく、「いけないことをすると、痛い思いをするんだって。」


  母親の軽く自分の頭を撫でてくれている態度に、悩まされているように思いつつ、自分はこれと言って悪いことをしていないような気がしつつ、ぼんやりと唇をすぼめては、チラッと目線を父親に向けてしまう義亜孔、自分に見られていることに戸惑っているようにと、小首を傾げていく父親の態度を目にすると、ついもし自分が無理矢理ハンバーガーを食べたいと言っていなかったら、自分たちは危険な目に遭う事もなくなるはずなんだと、心の中で漠然と思っては、父親の存在に弱らされているように感じては、ごくりと固唾を飲み込んでいた義亜孔、「ううう…」酷く悔やんでいるようにと眉間に皺寄せて行きつつ、母親は自分がハンバーガーを食べたいと語っていた時にこそ快く思わなかったけれど、本当に危険を招いてしまったら、これと言って自分を痛ませようとはしなかった事を思い出すと、つい不自然な気分になれているようにと感じている義亜孔は、ぼんやりと顔を彼女に向けて言う、「あくは…いけないことをした?」


  娘が素直に自分に投げて来ていた一言に、左側の眉毛を跳ねらせているように感じつつ、まったりと彼女の艶やかな髪の毛から右手を引いては、チラッと無言で自分たちの話を聞いている義威瀬に一瞥しては、彼にも会話に混ざっては、娘が投げて来る答え辛い質問を共に解決して貰いたいと、勉強はそこそこ出来ていた彼の賢さを頼っていきたいと切に思ってしまう美空は軽く鼻翼に力を入れては、横目で彼の顔を見つめていく、「したよ、パパの前でママを褒めないのが。」

  

  「おい…」宛ら無理矢理自分の喉を握りしめて来ては、声を上げらせに来ているような美空が娘に紡いだ一言に見開かされては、唇が彼女が紡ぐ乱暴にも思える一言に、こじ開けられているような気がしている義威瀬は、何度も鼻翼に力を入れていた、「うちの子に変な価値観を吹き込まないで貰おうか…」またしても物理的にも精神的にも、自分と義威瀬の間に挟まられているように、自分たちの顔を交互に見て来る義亜孔の態度を気にする事無く、散々自分のことをからかいに来ては、娘に向ける返答を手伝ってくれなかった彼が自分に向けて来たまともそうな話に、唇をすぼめられているような気がしている美空は、向きになっている子供のようにと強く左手を胸元に当てて言う、「私が産んだだから一個ぐらいはいいでしょ!」


  突然、彼女が自分に投げて来る否定することも、拒むことも出来ないような言葉に弱らされては、肩に込めていた力が否応なしに抜けられているようにと思えている義威瀬、「まぁ…」娘が自分に向けて来る無邪気な態度と、自分はこれからどうしたらいいのかと尋ねに来ているような顔に、淡い笑みを向けて行きながら、軽く左手で丁寧なまでに自分が描いていた原稿を取ってくれていた彼女の頭を擦っていく彼、「本当に一個ぐらいだけで止めてくれるのならばな…」


  「うん!」義威瀬が自分が彼に投げていた頗る狡く思える話に弱らされている、優しさを自分に見せてくれているような態度に、口角を上げられているように感じつつ、嬉しそうにと腕を組んでは強く頷いていく美空は言う、「よろしい。」宛ら自分の背中を押して来ているような母親が上げていた声に、眉毛を顰めていく義亜孔は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、猛然と揺るぎない眼差しを父親に向けていき、「ママは綺麗よ!知ってた?パパ。」急に元気に満ちているような声色で話を紡いでいく自分に、驚かされているようにと眉毛を跳ねらせている父親の顔を見つめて行きつつ、何度も鼻翼に力を込めていく義亜孔は補足するようにと声を上げていく、「世界で一番綺麗なんだよ?」


  忽然、娘に褒めちぎられている、娘の褒め言葉に驚かされては繊細な眉毛を跳ねらせたままで、紅潮していく頬に小さな笑窪を浮かばせている美空の酷く可愛く思えては、娘に弄ばれているような気分を感じさせに来る彼女の嬉しそうな笑顔を目にすると、ついどっちが子供なのかが分からなくなっているような気がして始めている義威瀬は、自分の返事を期待しているようにと、潤んでいる瞳で自分の顔を映し出して来る義亜孔に微笑んでいき、「知ってたよ、初めて会っていた時から。」「え?」自分が紡いだ一言に驚かされているようにと間の抜けた声を発していた美空の姿勢に、口角を軽く上げられたは、ぼんやりと義亜孔の手にある原稿を見下ろしていく義威瀬、「こんな上玉をクラスの隅っこに置いていく奴らは頭可笑しいんじゃないかって、」ニヤリと口角を上げては、自分が紡いだ彼女の存在をからかいに行くような話に、あんぐり口を開けに来ている美空に目線を向けていく彼は言う、「今になると思うぐらいさ。」


  義威瀬が紡いだ下心満載の半分だった言葉に見開かされては、つい子供の頃の彼に少しくらいはピュアな存在でいたいと思っていた美空は、軽く琥珀色の瞳で白い紙で出来上がっていた小さな山を見ていく、「当時は?」「うんうん!」すっかりと美空の仲間になっているように小さな両手にある原稿を自分に向けて来ては、自分の登場の心境を尋ねに来ている義亜孔の姿勢に微笑んでは、まったりと目線を紙の束に向けてしまう義威瀬、「こいつは寂しそうにしてたから、」チラッとあんぐり口を開けては、自分の話に絶句されている美空の顔に笑っていく彼、「構ってやろうって。」


  「素直過ぎるでしょが!」義威瀬が素直に語って来ていた一言を耳にすると、思わず強く左手を握っていた美空、歯ぎしりしてみたくなってしまう彼女は、ゆっくりと振り返って来ては、自分の彼から実情を知れた後の感想を尋ねに来るような娘の潤んでいる眼に、苦笑いして見たくなりつつ、漠然と小さなピンク色の指先に守られていたような彼の原稿を見てしまう彼女、「でも…本当に寂しかったから…」軽く白い歯で唇を噛んでは、惨めな自分に気を遣ってくれていた義威瀬は、やはり最初から自分の心を引いてくれては、そしてずっと傍で支えてくれているような、人生の光となってくれていた存在なんだと、内心で思ってしまう彼女は嬉しそうにと笑っていく、「良いけどさ。」


  忽然、まるで自分を驚かせようとしているようにと、軽く自分の左肩に触れて来ていた大きく感じては、酷く温かい感覚に見開かされているような気がしている美空、漠然と喉に引っ掛かって来ていたような唾液を飲み込んでは、ゆっくりと自分の体を包もうとしているような長い左腕に沿っては、義亜孔を自分たちの間に挟んで、少しばかり無理しているようにと上半身を逸らしてくれていた義威瀬が浮かべてくれている淡い笑みを見つめていく。


  「本当は、」潤んでは、子供の頃とまったく変わらないで、自分の顔をちゃんと少しばかり弱っているような琥珀色の瞳で映し出してくれている美空の様に、心をくすぐられているように感じつつ、口角を軽く上げてしまう義威瀬は照れくさそうにと微笑んだ、「両方かな。」刹那、否応なしに自分の胸元の奥を貫いて来るような、思わせぶりな一言を投げて来ていた義威瀬に見開かされている美空、「え?」


  母親が父親の言葉にあんぐり口を開けている様を無言で見上げて行きつつ、酷く弱っては、父親の態度に感動されているような彼女の様をもう少し見てみたいと思っている義亜孔は、無言で何度も鼻翼に力を込めては、二人の身体から漂って来るほんのりとした匂いを嗅いでいる。「こいつなら、」娘の小さな両手にある自分の作品を見下ろして行きつつ、軽く笑っていく義威瀬はまったりと目線をきょとんと自分の顔を見つめて来る美空の眼に目を向けていき、「なんか自分の作品を見ても、悪く言いに来ないって、思うし。」ぱちくりながら授業を受けている学生のように、自分が紡ぐ話を耳にしつつ頷いてくれている彼女に笑っていく彼は言う、「可愛いから話しかけてみたいな、なんて。」


  ”ドクンー”忽然、自分の事を子供の頃のような、無邪気な眼で映し出してくれていて、宛ら心臓を貫こうとしているようなくらいに、熱く思える彼が向けに来ていた眼差しに、口角が歯がゆい思いに斜め下の方向に向けられているような気がしてならないでいる美空は、思わず軽く歯を噛んでは、照れくさそうにと彼から顔を逸らしていく、「もう…こんな年になって夫婦にもなってるんだから、」軽く唇を噤んでは、自分が紡いだ半分の言葉を上手く理解できずにいるようにと、小首を傾げていく彼に一瞥している美空は恥ずかしそうにと軽く右側の口角を上げては、彼に文句交じりの言葉を投げていた、「ドキドキさせるなよ。」


  ”ちゅっ”宛ら自分の彼女の肩に触れていく左腕に応えて来ているようにと、軽く赤くなっていく顔を近づいて来ては、頬に温かい温度と彼女の香りを残しに来る美空のまったりと自分の顔から頬を引いては、照れくさそうにと俯いていく様に、目を細められているように思いつつ、自分は幸せを得ているんだと、楽しい思いに包まられているようにも思える心で漠然と感じていく義威瀬は、幸せそうにと笑っていく、「えへへ。」


  軽く自分の頬に当ててる両親の熱くなっているような雰囲気に、小さなピンク色の口角を支えられているように感じつつ、呆然と両手で父親の作品を握っては、二人の見つめ合っては、淡い笑みを浮かべていく様を交互に見てしまう義亜孔は、二人の間から伝わって来る幸せな思いに、内心に歯がゆい思いを強いられているように思いつつ、体がつられているようにと熱くなっているような気がしてならないでいる彼女は、ぽつりと小さな唇を開けていき、「パパとママ、仲良し。」


  無言でも自分たちのやり取りを見届けていたと、言いに来ているような娘が紡いで来た一言に見開かされては、つい彼女の小さな体を一瞬忘れていたような気分になれていた美空は、潤んでいる無垢な瞳を自分に向けに来ている義亜孔の様に、心を少しばかり退かされているように感じつつ、恥ずかしそうにと軽く歯を噛んでは、胡坐をかいて行きながら、両手で強く自分の足首を押さえてしまう彼女はぽつりと呟いていき、「まぁね…」


  軽く義威瀬の頬にキスをしていた普通ではあるけれども、決して娘に見られたくはない、彼の前では照れくさそうにしていた自分の姿に、内心から迸る歯がゆい思いを一層強化されているような気がしてならないでいる美空は、何度も鼻翼に力を込めて行きつつ、チラッと顔を無言で淡い笑みを見せてくれていて、まるで自分の恥ずかしい様を楽しんでいるような義威瀬に一瞥していく、「でないとこんなにも長く付き合っていないわ、」目を半開きさせて行きつつ、どうして自分だけが照れくさい思いを抱えないとならないのかと、彼に文句をぶん投げて見たくなっている美空は、チラッとぼんやりと真面目そうな眼で自分の顔を見上げに来る義亜孔に一瞥して言う、「私の両親よりずっとね?」

  

  母親が自分に投げて来るわざと困らせに来ているような言葉に繊細な眉毛を顰められているように思いつつ、四六時中に両親と一緒にいる自分のことを思うと、つい母親と彼女の両親の間には、何かしらの悲しい出来事が起きていないのかと、不安になっている義亜孔は軽く繊細な鼻翼に力を入れては、温かく感じてしまう空気を吸い込んでいく彼女は母親の顔を見つめたままで、彼女に尋ねていく、「ママのママとパパ?」


  娘の自分と両親の間でトラブルが起こっていたのを察してくれているようにと、やや弱っているような口調で言葉を投げに来る姿勢に、心を少しばかり悩まされているように感じては、ゆっくりと視線を小さな山を作り上げていたような義威瀬の作品に向けていく美空、軽く唇を噤んでは、ベンチの上に座っていた子供の頃の自分の絵に、苦笑いして見たくなりつつ、軽く白い歯を噛んでは、紙の上に描かれていた子供の時の自分に近づいてくるおんぼろの服装を着ていた女性の様に、悩まされているような気がしている彼女は丁寧に頷いては、紙に描かれている木々に目線を向けていき、「うん。」


  軽く小さな鼻翼に力を入れては、漠然と自分の琥珀色の瞳を吸い寄せに来ているような、大木の太い枝からゆらりと落ちて来ては、微風に乗っかっては、自分の目線を引こうとしているような落ち葉を見つめていた美空、ぼんやりと自分の臀部に当てて来ていた酷く硬く感じてしまうベンチの感覚に、心を曇らされているように感じつつ、苦しそうにと軽く歯を噛んでは、夕陽に茜色の艶を貰えていたような地面に寝転がっていた落ち葉の群れに、自分はそろそろ家に戻らなければならないんだと言う思いを、強いられているような実感を得ては、自分の白皙の腕に浮かべていた深い緑色の痣に、口角が一瞬にして斜め下の方向に向けられているように感じながら、胸元の奥からこみ上げて来る自分を悶絶させようとしているような辛い思いに涙目にされては、視野が傷心に汚らされているような気がしてならないでいる彼女は、悔しそうにと唇を噤んでは、俯いていく。


  「あ…」宛ら弱っている振りをしては、自分の事を誘ってくるような黒い髪の毛をしていた彼女の存在に、胸元を否応なしに引かれては、胸元の奥が強く鼓動を刻んでいて、自分の身体を守ってくれていたような、緑色のパーカーを軽く殴っているような気がしてならないでいる男の子、女の子の弱り切っているような様をぼんやりと見てしまうと、つい彼女が酷く困っていて、自分に助けを求めに来ているようにと感じてしまう彼は、何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、軽く眉毛を顰めては、酷く使い古されていた灰色のワンピースを着ていた女の子の悩みを聞き出しては、何とか解決してやりたいと切に願っている彼は強く歯を噛んでは、両手を握りしめて行きつつ、ゆっくりと彼女に向けては踏み出して行こうとする彼は、チラッと目線を己の右手にある全身が深い緑色のペンキに塗りつぶされては、己の存在に向かっては、声をぶつけようとするにも思える怪物の方に向けにいく彼。


  まったりと小さな右手にあるカードを翻して見ようとする男の子、呆然と自分に手にある説明を交わしに来るようにも感じて来るカードの上にある説明のメッセージを一瞬見ていく男の子、『苦しみを糧にし、成長しては、散り行く戦士。』モンスターは実は花のような存在である内容にやや戸惑う感情を強いられているように感じつつも、何となく格好いいイラストをしていたから、カードにある訳の分からない内容に納得しては、良いように思えている男の子は、如何にかヒーローのようにも思えるくらいに、酷く格好良く見えるくらいの、燃え盛っているような淡い緑色の炎が宿っているようにも感じて来る、緑色のゼリーのような体を持つ人の形をしていた凛とした怪物の存在を見下ろしては、つい相手の方から自信を得られているような気がしてならないでいる彼は、強く自分と怪物のことを肯定しにいくようにと、首を縦に振っては、カードをポケットの中に入れて見ようとしていく。


  「美空?」忽然、自分の唇から零れていた声に、驚かされているようにと弱っては落ち込んでいるような身体を、ビクッと跳ねらせていた娘が恐る恐ると目線を自分に向けに来る様に、淡い笑みを見せて行きつつ、軽く膨らんでは熱くなっているように思える口角を上げていく母親、まるで自分に上手く口角を上げらせてくれないでいるような自分の口角を阻んで来ては、鈍い苦しみをゆっくりと頬を伝っては、脳内に侵入しに来ているような感覚に、微かに苛立ちを覚えては、目を無理矢理細められているようにと思えている母親は、自分の腫れ上がっていた頬に、不安を強いられているようにと心配に満ちているよう眼差しを向けに来る娘の態度に、苦笑いして見たくなりつつ、ぽつりと声を発していき、「ほら、帰るぞ?」


  自分に顔の傷は大丈夫なんだぞと、言い聞かせに来るようにと軽く左手に添えられていた、右手にある緑色のビニール袋を上げて来る母親の目の下にある隈と、嬲られては、自分の両腕と同じように残されていた痣に、泣かされてしまいそうなくらいに、困らされているような気がしてならないでいる美空は軽く歯を噛んでは、切なげに眉毛を顰めていく、「お、お母さん…」


  まったりと自分の美空と言う名前をしていた彼女に向けて歩いていこうとする両足を、否応なしに止めに来ているような彼女の母親の酷い傷を負っているような様に、あんぐり口を開けられているように感じつつ、まるで自分にはまだ美空に話しかけていくのを諦めていないと語って来るようにと、上げていた自分の右腕に一瞥しては、軽く歯を噛んでしまう男の子は、彼女の母親が迎えに来ていた以上、もう自分に彼女の為に何かしらのしてやる必要はなくなっているんだと心の中で思って行きつつ、二人が美空のもとまで歩いて行こうとする自分の存在に、気付けていないことを内心で祈って行きながら、漠然と俯いていく男の子。



  


  

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