第334話弟とわたし、どっちが重要なのよさ!

  弟の自分に投げて来る一歩間違えれば殺人犯になるような話に、唇を大きく開けられているようにと感じてしまうと同時に、自分たちのお婆さんより年寄りの方にお前は何をしようと思ってるんだと、叫んで見たくなっている兄。「息子の為に体を張るんだぞ!」顎を上げては、自分はあくまでも息子を最優先にしては、自分が少しばかり便乗しては楽な人生を歩んで行きたいと、強く思っている弟は兄に向けては、右手の人差し指の中指を立てていた、「ダブルミーニングで俺の息子を馬鹿にしたらあかんで!」


  弟の本気で九十代のお金持ちの女性がいたら、迷わずにひもになっていくつもりでいる様に飽きれては、本気で訳の分からない話を紡いで来る彼に笑い芸人の道を薦めて見たくなってしまう兄は、真剣に彼と会話していた自分が根本的に阿保だったんだと心の中で思って行きつつ、何度も首を横に振っていき、「もういいよ…」不満そうにと眉間に皺寄せては、自分に彼の思いに向けてコメントをして欲しがっているような彼の態度に向けて、引き攣っているような右側の口角を上げて行きつつ、話を締めて行こうと考えている兄は言う、「君の事も竜祥君の事も、」まったりと左手を上げては、軽く向きになっているような弟の右肩に置いていく兄は軽く口角を上げては、彼の瞳を見つめて言う、「なんか大変な時に遭ったら、」揺るぎない眼差しを彼に向けては、軽く右手を胸元に当てていく兄は言い放った、「僕は何とかすると約束しよう。」


  兄が自分に紡いでくる人生に置いてのスランプを解決してくれる言葉に、半分くらい安心しているように感じては、自分と竜祥の人生の輝きを掴めるかもしれないでいる質問に、まだ返事をして来ていないでいる兄の瞳を見つめていく弟は言う、「二人の結婚は?」弟の頑なに二人に結婚させようとする態度に目を半開きさせて行きつつ、何度も鼻翼に力を入れては、つい彼は自分の子供に幸せに暮らして欲しいのか、それとも一生不幸に陥って欲しいのかが分からなくなっているような気分になっている兄は、ゆっくりと彼の肩から左腕を引いていく、「だから法律…」


  兄の素直に自分たちをより親しい関係になって行けるような家族に、しようとしないでいる様に目を半開きさせて行きつつ、チラッとまるで主人の心境を代弁しに来ているような、彼の項垂れていた左手に一瞥していく弟、「ねぇねぇ~」丁寧に両手で兄の少しばかり湿っているような感覚を自分に与えて来る左手を包んで行きつつ、前のめりになっては、トーンを上げていく弟、「結婚させようよ~」満面の笑みを浮かべては、自分が彼に向けていく少しばかり恥ずかしく思える態度に、見開かされている兄の顔を見つめていく彼、「ににぃ~ね?」横目で兄の顔を見つめては、軽く右目を瞑っては、彼にウィンクを送っていた弟は彼に甘えているようにと、彼の左腕を左右に揺らしていき、「弟分ですから~させやしょうよ~」


  酷く気持ち悪く伝わって来る弟の声と行動に、口角が斜め下の方向に固定されているような気がしてならないでいる兄、息が弟が自分に見せに来る姿勢に、止められているような気がしてしまう彼は軽く唇を噛んでは、自分に可愛くアピールしに来ているようにと、何度も瞬きしに来る弟の今すぐに止めて貰いたい行動に、腹部を抉られているような気分になれている兄、「はぁ…」ぽつりと沈んでいるようなため息を吐いては、自分の左手を酷く温かい両手で包んで来ている弟の逞しい両腕に目線を落としていく彼、「まぁ…」チラッと唇をすぼめてくれては、肩を縮めている弟の交際を求めに来る乙女のような姿勢に腹を抉られては、吐き気を覚えてしまう兄は恐る恐ると目の前にいるモンスターのようにも感じて来る彼から目線を逸らしていき、「目が覚めたら自分が言っていることはどんだけ無茶なのかは分かってくれるか…」


  兄の意地悪しているように、自分に上手く彼が呟いていた一言を聞かせてくれないでいるような姿勢に、目を細められているように思えては、強く両手で彼の左手を包んでは、軽く伸び上げていく弟、「ねぇ?」ぽつりと渇いた唇を開けては、酒の臭いに満たされているような息を、兄に向けていく彼は屈託のない笑みを兄に見せて行きつつ、微笑んでいた、「結婚しようぜ~二人に~」


  弟の自分が彼の言葉に頷いて行かないと、今日は病院から返してくれないでいるような酷く粘って来ては、しつこく思える態度に絶望を覚えつつ、丁寧に頷いていく兄、「いいだろう。」「おお!!」刹那、自分の将来の人生を勝ち組に入れて貰えるような一言を、自分に向けてくれていた兄に感激を覚えては、思わず飛び跳ねて見たくなってしまう弟は猛然と両手をかざしてしまい、「やった~お兄ちゃん大好き~」強く自分の恩人にも思えては、自分に人生を再スタートさせてくれる兄の華奢な体を強く抱えていく弟は、苦笑いしている彼に甘えて行くようにと唇をすぼめていく、「ちゅーしようぜ~」


  無理矢理自分の顔面にキスしようとしているような弟の態度に困らされては、恐る恐ると上半身を彼から引いて行きつつ、右手を上げては、彼の火に焼かれているようなくらいに熱くなっていたような頬に当てては、自分から離れて貰いたいと切に思っている兄は、ぽつりと弱り切っているような声を発していた、「要らないから…」兄の頑なに自分の唇を拒んで来る様に目を半開きさせて行きつつ、残念そうにと唇を尖らせていく弟は、不満そうにと声を発していき、「ちぇー」


  「ほら、」まったりと腕を組んで行きながら、軽く顎で自分たちの事を待ってくれているようなエレベーターのドアを指していく兄は、自分の視線につられているようにと、軽く右手で後頭部を擦りながら振り返ってしまう弟の背中姿に微笑んでいく、「君はお嫁さんのことを見なくていいのか?」忽然、兄が自分に投げて来ているヒントを与えて来ていたような話に、眉毛がビクッと跳ねらされているような気がしてならないでいる弟は、漠然とぱちくりして行きつつ俯いていき、「そうだったな…」ごくりと固唾を飲み込んでは、何度も鼻翼に力を入れて行きながら、チラッと目線を自分の輝かしい将来を掴めよと、催促しに来ているような廊下の向こう側にあるガラスに目線を向けてしまう弟、宛ら自分の存在と心を鼓舞しているようにと強く頷いては、右手を握りしめていく彼は猛然と振り返っては、自分を待ってくれているような兄に目線を向けていく、「それじゃ、行ってくるぜ?」自分の少しばかり自棄になっていた状態から立ち直っている姿勢に、喜んでくれているようにと軽く口角を上げてくれては、丁寧なまでに頷いてくれている兄に微笑んでいく弟は言い放った、「小夜のお父さん?」


  「あ、ああ…」一瞬にして自分の微かに彼の元気になられていた姿に、弾まされていた心臓を冷やしに来ているような、弟が投げに来た言葉に口角が斜め下の方向に固定されているような気がしてならないでいる兄、まるで自分が彼に向けていく態度を楽しみにしているようにと、燦爛な笑みを保ったままで、自分に親指を立てて来ては白い歯を見せつけに来ているような弟の姿勢に、軽く頷いていく兄はぽつりと弱っているような声を発していき、「行って来い。」


  まるで自分の許可を得ていたようにと猛然と振り返っては、エレベーターに向かって歩いていく弟の態度に、心を少しばかりくすぐられているように感じつつ、まったりと俯いていく兄は自分の足元にある無地のタイルを見下ろしていた。ゆっくりと前に向けて踏み出していくすらりとした自分の右足に、合わせてくれては視野の中で動いていたようなタイルの様に、口角を微かに上げられているような気分を味わっている兄。


  「おかえり~」少しばかり弾んでは、楽しそうにと自分に向けて来ていた甘えに来ているような声色に、額を軽く上げられているように思えては、幸せそうにとベッドの上で座っては、両手を真っ白な布団の上に置いていた嫁の笑顔に目を細めていく兄、「うん、ただ今。」彼女が自分に向けに来ている幸せに満ちているような表情に、心をくすぐられているように感じては、まったりと彼女の左側にある椅子に向けて歩いて行く彼は申し訳なさそうにと、軽く繊細な眉毛を顰めては、彼女の笑みを見ていく、「ごめんね?」ぼんやりと小首を傾げて行きつつ、宛ら自分が彼女に向けていた話を上手く理解できずにいるような彼女の態度に、苦笑いしていく兄は軽く左手を彼女の布団の上に置いていた白皙の左手に向けていき、「少し見ていくって言ったのに、」呆然と目を細めて行きつつ、チラッと彼女の白皙の左手からサイドテーブルの上に置かれていた、円環の金色のピアスに目を向けてしまう兄、左手にある彼女の酷く柔らかく思えては、少し力を込めてしまうと、壊れて仕舞いそうな左手を大事に掴んで行きつつ、ピアスの存在に心を弾まされているような気がしている彼は、まったりと目線を彼女に向けていた、「こんなにも長引いちゃってさ?」


  「いいのいいの~」逞しい左手で自分の手を握ってくれていた彼の手のひらから、伝わって来る温もりに口角を上げられているような気がしてならないでいる彼女は、幸せそうに微笑みつつ、自分の顔を映し出してくれている彼の瞳を見つめていき、「それよりうちの娘はー」刹那、無理矢理話を紡ごうとする自分の鳩尾を軽く殴っては、眉毛を顰めさせに来ているような酒の臭いに、鼻翼を操られているようにと何度も繊細な鼻翼に力を込めていく嫁、「うん…?」自分が発していた困惑気味の声につられているようにと、小首を傾げてしまう兄の顔を見つめていく彼女は、まったりと右手を自分の顎に当てていく、「なんか臭わない?」


  「え?」忽然、眉毛を顰めつつ、真剣そうな姿勢を自分に向けに来る彼女の態度に戸惑っては、ぼんやりと自分たちしかしない夕陽に黄金の色に染め上げられているような病室を見渡していく兄、「そんなはずないよ…」軽く左手を彼女の白皙の手から引いては、鼻先を自分の微かに上げていた脇に向けてしまう兄は、まったく変な臭いを感じていないでいる自分が可笑しいのだろうかとぼんやりと思っては、チラッと目線を悩んでいるようにと唇をすぼめている彼女に向けて言う、「一日二回も風呂に入ってたんだけど?」


  「なにそれ…」彼が自分に投げて来ていた一言に不満を覚えては、不服そうにと眉間に皺寄せていく彼女は、何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、軽く背筋を伸ばしては、左手を胸元に当てていく、「ベッドで寝込んでいるわたしへの当て付けなのかしらね…?」刹那、自分が彼に投げていた文句交じりの話に驚かされているようにと、ビクッと左側の眉毛を跳ねらせていた彼の顔に向けては、右側の口角を上げて行きながら、まったりと顔を近づいていく彼女は言う、「お父さん?」


  ”ドクンー”突然、否応なしに自分の体を彼女の方向から退かしに来ているような、補足する話を紡いで来ていた彼女の体から漂って来る、ほんのりとした甘い香りと、彼女が自分を呼んで来ていた呼び名に、羞恥心をくすぐられているように感じつつ、ごくりと固唾を飲み込んでいく兄、「お、お父さんって、」照れくさい思いに顎が否応なしに引かれているようにと感じてしまう彼は、軽く右手の人差し指で痒くなっている頬を掻いて行きつつ、自分の萎縮している姿勢に免じて、これ以上心をくすぐりに来ないでいる彼女のゆっくりと背筋を伸ばしていく華奢な様に目を向けてしまう兄、「な、なんか…」まったりと脳内に浮かべて来る小夜の寝顔と小さな両手に、心を弾まされているように思えては、目の前にいる嫁の様を目にすると、つい自分は世界中にいる一番の幸せ者なのではないかと、実感している彼はぽつりと声を発していた、「実感が湧いてしまうね?」


  「えへへ~」彼の素直に喜んでくれている事を教えてくれているような、彼の紅潮していく白皙の頬に心をくすぐられているように感じつつ、まったりと右手の人差し指の人差し指を立てては、流し目で彼の事を見ていく彼女、「でしょ?」満面の笑みを浮かべては、自分に向けて丁寧なまでに頷いてくれている彼の存在に、頬をくすぐられているように感じては、ついもっと彼のもとに行きたいと思ってしまう心の思いに、脳内を幸せに煩わされているような気分になり、幸せそうにと両手を握っては、胸元に当てていた嫁、「って!」猛然と胸元に当てていた両手から顔を上げては、急に大声を上げていた自分に見開かされては、急いでいるようにと両手を自分に向けては、出産した後なんだからちゃんと休んでおくれと、語って来ているような彼の本気で心配して来る姿勢に、心の中にある彼への思いが更に刺激されているような気がしてならないでいる彼女、「何で話を逸らすのよ!」不貞腐れるようにと唇を尖らせては、彼から目線を逸らして行きつつ、軽く右手で自分の髪の毛を弄っていく彼女は、チラッと横目でぱちくりしている彼の表情を見ていき、「どっかでお酒を飲んで来ていないわよね、」不満そうにと何度も鼻翼に力を入れては、目を半開きさせて行きつつ、まったりと顔を彼に向けていく彼女は、ゆっくりと繊細な右手の人差し指を彼の微かに赤くなっていた鼻先に向けて言う、「あんた。」


  「いや?」自分に甘えに来るようにとひんやりと感じてしまう柔らかい指先で、鼻先を突いて来る彼女の甘えに来る姿勢に、口角を上げられているようにと思いつつ、自分は弟が無理矢理誘いに来ないと、酒を飲まないんだと言うことぐらいは、彼女は知れていたはずなんだと思ってしまうと同時に、彼女の冷たく感じてしまう指先の感覚に体を苛まれているように感じては、まったりと両手を上げて行きつつ、彼女の手を温めていこうと考えている兄、「そんなはずないでしょ。」


  丁寧なまでに大きな両手で自分の左手を包んでくれては、宛ら自分の心臓に触れて来るようにと、体をくすぐりに来る彼の行動に背中を押されているような気がしてならないでいる彼女は、唇を尖らせていた、「じゃ証明してよ。」「え?」彼女が自分に向けて来る酷くむちゃぶりにも思えてしまう一言に戸惑っては、思わず間の抜けた声を発してしまう彼は呆然と小首を傾げて行きつつ、自分に期待に満ちているような眼差しを向けて来ては、宛ら自分が彼女は自分に期待していることがばれるのを恐れているようにと、直ぐに目を逸らしていく彼女の姿勢に困らされている彼は、ぽつりと声を発していく、「いや…飲んでいないものをどうやって証明しろって言うのよさ…?」


  彼の自分の考えを理解してくれないでいる姿勢に、目を半開きさせに行きつつ、不服そうにと唇を尖らせてしまう彼女は、まったりと右手を胸元に当てて言う、「わたし、つい最近まで妊婦だった。」「ええ…」急に当たり前のような話を自分に投げに来る彼女の言葉にぱちくりして行きながら、漠然と小首を傾げてしまう彼、「そうだけ?」まったく自分の考えを分かってくれないでいる彼に飽きれては、猛然と顎を上げてしまう彼女は自慢しているようにと右手の親指を立てては、言い放った、「だから匂いに敏感なんだ!」


  忽然、彼女が自分に投げてくる暴力的にも伝わって来てしまう一言に見開かされては、唇が否応なしにこじ開けられているような気がしてならないでいる彼は、恐る恐ると肩を縮めていき、「そ、それで?」自分の考えをやっと分かってくれているようにと、萎縮していく彼の微かに赤くなっている頬に、心の中にある羞恥心をつられているようにと、自分の口角を斜め下の方向に向けているようにと思えてしまう彼女は、照れくさそうにと彼から目線を逸らしていく、「キス…したら一発で分かるかも…って、」自分の唇からぽつりと飛び出ていた一言に、緊張を強いられているようにと一瞬自分の左手を包んでくれていた両手に、力を込めていた彼の強張っているような顔に目線を向けてしまう彼女は軽くピンク色の唇を噛んでは、ぽつりと声を発していた、「言ってみようかな…?」

  

  彼女の弱気になってから補足しに来る言葉に苦笑いして見たくなりつつ、まったりと左手を彼女の自分に包まられていた白皙の手から引いては、飽きれているようにとこめかみを掻いて行く彼はぽつりと呟いていき、「言ってますからね…お嬢さん?」「うううっ!」自分の心臓をからかいに来ているような一言を、向けに来ていた彼のまるで自分とキスしたがらないでいるような姿勢に不満を覚えては、不服そうにと眉間に皺寄せていく彼女は猛然と右手の人差し指を彼の喉元を指差していき、「ほら!さっさとキスなさい!」大きな声を上げている自分に、見開かされている彼が浮かべて来る驚愕の表情に弱らされては、思わず彼から顔を逸らしてしまう彼女は、ぽつりと呟いていた、「寂しかったんだからね…!」


  羞恥心と戦いながら、自分に甘えに来る彼女の可愛らしく感じて来る姿に、口角をくすぐられているように感じては、恐る恐ると頷いてしまう彼は申し訳なさそうにと後頭部を擦っていき、「う、うん…ごめん…」目を半開きさせに来ては、不貞腐れるようにと唇を尖らせている彼女の、白皙の瞼に狭まられていたような瞳に、口角をを上げられているように感じてしまう彼は、まったりと目を瞑っては、ゆっくりと臀部を椅子から離れていた。

  

  ”ちゅっ”軽く自分の唇にぶつけに来ていた尖っていた、小さなプラスチックのような感覚に、歯がゆい思いを強いられているように思いつつ、頭皮が酷く痒くなれているような気がしてならないでいる彼女は、思わず軽く白い歯を噛んでいた、「う…」まったりと微かに酒の臭いが混じっていたラベンダーの香りを連れては、自分の顔から引いていく温かい温もりに、必死に閉じていた瞼がゆっくりと開けられているように思えては、微かに潤んでいるような視野の中で自分の顔を見つめてくれては、まったりと口角を上げて行きながら微笑んで来る彼の仕草に、心を奪われているような気がしてならないでいる彼女は照れくさそうにと、自分の両足を守ってくれていた真っ白な布団に目を向けては、内心からこみ上げて来る恥ずかしい思いに、頬を焼かれているようにと感じてしまう彼女は、恐る恐ると右手で軽く自分の髪の毛を弄っていき、「えへへ…」


  酷く子供らしく照れくさそうにと笑って来る彼女の無邪気な様に、心を弾まされているように感じては、軽く左手で自分の痒くなっている温かい頬を掻いていく彼、「どうだったか?」彼女の事を抱きしめて見たくなってしまう姿勢を、自分に向けていた彼女から逃げて行くようにと、黄金を敷いていたような病室に目線を向けていた彼は、軽く鼻翼に力を入れては、何事もなかったかのようにと微かに霞んでいた視野の中で、彼女の様を探していた、「分かりそう?」


  「ううん…」軽く喉に募って来る酷く温かくなり、甘く感じてしまう唾液を飲み込んでは、自分が幸せの海に浮いているようにと感じてしまう彼女は、恐る恐ると右手を胸元に当てて行きつつチラッと小首を傾げては、否定していく返事を紡いだ自分に眉毛を跳ねらせていた彼の顔を見つめていき、「ちょっと故障したかも…」宛ら自分に絶句されているようにとあんぐり口を開けに来ては、ぱちくりしている彼が見せに来る様に、心を刺激されているような気がしている彼女は、軽く右手の人差し指を立てていた、「だからもう一回。」


  「え…?」ぽつりと自分の唇から飛び出ていたまんざらでもない声に、怯んでいるようにと軽く握っていた右手を布団の上に置いては、拗ねている子供のようにと唇をすぼめに来る彼女に、淡い笑みを見せていく彼は言う、「しょうがないね…」”ちゅっ”軽く瞑っていた瞼に連れて来ていた黒い視野の中で感じて来る、ほんのりとした甘い香りに口角が微かに上げられているように感じつつ、まったりと瞼を開けていく彼は、まるで瞼を開けている自分に驚かされているようにと猛然と顔を逸らしては、自分の唇に柔らかい感覚を残してくれていた彼女の横顔を見つめていく、「どうかな?」


  「う、うん、」ごくりと固唾を飲み込んでは、まるで自分を彼のもとから逃してくれないでいるようにと、丁寧に左手を掴んでいた彼の存在に心を弱らされているように思いつつ、萎縮しているようにと何度も頷いては、一刻も早く彼が自分に甘えて来る波のような鼓動から逃げないと、つい幸せな気分に泣かされてしまいそうな気がしてならないでいる彼女は、軽く右手で自分の少しばかり疼く腹部に当てて行きつつ、猛然と彼に目線を向けていた、「確かにお酒の臭いはしていないわね。」


  忽然、自分が紡いだ一言に眉毛を操られているように、ビクッと左側の眉毛を跳ねらせていた彼の瞳に目を細めて行きながら、彼と同じようにと困っているように眉間に皺寄せてしまう彼女は、チラッと彼が着こなしていたシャツに目線を向けていく、「でも、なんか服に酒の臭いが付いているんだよね…」刹那、まるで自分の唇から漏れていた一言に反応していたようにと、自分の左手を握っていた両手に力を込めていた彼の緊張しては、顔が少しばかり硬直しているような様を見つめていく彼女は、ゆっくりと彼に顔を近づいていき、「どっかに遊びに行ってた?」


  ぱちくりながら弟の事を良く思わないでいる彼女に、わざわざ彼と会っていた事を知らせては、機嫌を損ねてしまう必要はないんだと心の中で考えていく彼は、ごくりと固唾を飲み込んでは、苦い笑みを浮かべて行きながら、軽く左手でこめかみを掻いていく、「こんな短い時間の間は無理でしょ…」「ううう…?」彼のあからさまなまでに自分に何かしらの重要な話を隠しに来ている様に、眉間に皺寄せられているように思えては、不服そうにと唇を尖らせて行きつつ、思わず疑っているような眼差しを彼に向けていく彼女は声を発していき、「本当に?」


  「まぁ…」彼女の自分から全ての話を聞き出さないと、ちゃんと出産した後の体を休んでくれないでいる様に目を半開きさせて行きつつ、素直に少しさっき起こっていた話をして行こうと考えている彼は、ぽつりと小さな声を発していく、「竜炎とバッタリ会ってたから、」忽然、自分が紡いだ一言に眉毛を跳ねらせては、絶句されているような彼女の態度に苦笑いしていく彼は呟いていた、「少し話をしててね。」


  「ほぉ…」まったりと丁寧なまでに自分の左手を温めてくれているような彼から左腕を引いては、自分のあからさまなまでに不機嫌になっている姿に、弱らされているようにと肩を縮めていく彼の事を見つめて行きながら、腕を組んでしまう彼女は言う、「あの人は酔っぱらってたのね。」「ええ…」彼女のやや怒っているような様に心臓が縮められているように思えては、つい行けないことをして仕舞ったような気分になってしまう彼は、悔しそうにと軽く歯を噛んでは、左手で後頭部を擦っていき、「まぁ。」


  自分に彼の心にある思いを見られたくないと語って来ているようにと、目線を自分から逸らしていた彼の紅潮していた横顔を見つめていく彼女は、軽く両手を自分の左足の隣りにある布団に付けて言う、「抱きつかれてた?」彼女が自分に投げて来ている少しばかり可笑しく思える質問に戸惑いつつ、漠然と首を縦に振ってしまう兄、「まぁな。」彼のまるで酔っぱらっていた弟の恐ろしさを知れないでいるようにと、当たり前のように頷いて来る様に、心が縮めているようにと感じている彼女は不安そうにと軽く両手を握っては、心配に満ちている眼差しを彼に向けて言う、「あんまり関わらない方がいいよ?」まるで自分が紡いだ一言に無言で反論しに来ているようにと軽く歯を噛んでは、白皙の頬に小さな角を浮かばせていた彼の瞳を見つめて行きつつ、彼が酔っぱらっていた弟に殴られたりしないのかと考えては、彼を無くしてしまいそうな気がしてならないでいる彼女は切なげに鼻を啜っていき、「なんか怖いしさ。」


  本気で自分が殺人犯と一緒にいるんだと、思い込んでいるように眉間に皺寄せては、不安に満ちている眼差しを向けに来る彼女に飽きれては、彼女は少しばかり自分を過保護しているのではないかと思ってしまう兄は、軽く左手の人差し指で困っているような口角を掻いて行きながら、祈りを捧げているようにと両手を握っている彼女に微笑んでいこうと考えている、「そういう訳には行かないよ、」自分が紡いだ返答に悲しみを覚えているようにと、眉毛を顰めていく彼女の事を見つめて行きつつ、右手を胸元に当てていく彼は言う、「僕のたった一人の弟なんだぞ?」


  彼のどうしても碌な人間とは思えないでいる弟と共に、地獄に行こうと考えているような様に、心臓を苛まれているように思えては、もう子供も一人産んでいた以上、彼に勝手に命をかけてしまうかもしれないリスクを、負わせる訳には行かないと強く考えている彼女、「うう!」強く両手を握っている自分が上げていく唸り声に、見開かされている彼の瞳を見つめては、猛然と左手の人差し指で彼の喉仏を指差していた彼女、「弟とわたし、どっちが重要なのよさ!」


  

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る