第279話あなたを助けに行くよ?あたしの主人公さん?


  



  


  「うん…」自分の大好きな和流が自分のことを酷く懐かしく思える呼び名で呼んで来ていた事に、微笑んで上げてみたくなっては、一番の笑顔を彼に見せれないでいる自分に困らされているように思えては、宛ら自分を彼のもとから連れ去るのを観念したようにと、自分の段々重たくなっている体を床の向こう側に向けて沈ませようとする感覚に、いよいよ自分は本格的にダメになっちゃうかと漠然と考えている白野、「少し…眠く…なって…」戦慄して来ては、自分のために死神と全力で戦って来ていたような瞼は、まるで既にこの世から離れてはいなくなっていたかのように、ゆっくりと閉ざして来ては自分の視界を隠そうとしている事に少しばかり残念にも思いながら、苦渋な思いに心を囚われてしまう白野はぽつりと弱っている声を発してた、「来ちゃったわ…」

    

  まだ自分と会話したいと言うニュアンスを込めて来ていた彼女が自分に向けてくれていた言葉に、口角をくすぐられているように感じては、つい辛そうにと淡い笑みを浮かんで上げて見たくなっている和流、「うん…先に…眠ってて…」ぼんやりとしている視界の中で野黒新のことを探していこうと思ってしまう和流は、彼女が自分と話をしていたせいで、ずっと大切にして来ていた野黒新とは、あんまり話を出来なかったことを思い出していくと、きっといっぱい自責しては、またしても人生の暗闇に落ちてしまう彼に何かしらの助言をして上げては、あんまり悔やんだりしないでと、彼女ならきっとこう囁くのだろうと思いつつ、ぽつりと渇いた唇を開けては、彼女に先にいってくれては、自分のことを待ってくれて欲しいと思っている和流。


  「ううん…」視界が段々真っ黒になっていく感覚から伝わって来ている不安を、漠然としている体で感じていきつつ軽く右手にある彼の左手を握っていきつつ、自分は彼からいなくなってしまうと、多分自分と同じようにもうあんまり時間が残されていない彼は残り時間の中で悔やんでは、泣き出してしまうのだろうと思ってしまう白野、「あなたと…」軽く口角を上げて行きつつ、子供のような寂しがり屋の和流を一人にしたくはないと願っている彼女は、ぽつりと自分と繋がってくれては延命処置になってくれているような彼の曲がっていた左手の感覚を、暗闇の中でぼんやりと感じて行きつつぽつりと呟いていた、「一緒に眠りたいの…」


  「そうなのか…」まるで野黒新に顔を向けようとしていた自分の左耳を引いて来ているような彼女が、自分に向けにくれていた一言に口角を少しばかり上げられているように思えては、勝手に微笑んでしまう和流、「じゃ…もう少しだけ…」目を細めて行きながら、暗くなっては上手く自分に彼女の艶やかなピンク色の髪の毛を見せてくれないでいる視野を恨んでしまう和流は、どう考えても笑えるような状態ではないはずなのに、彼女とは本当はずっと両想いであることを思うと、つい体に纏って来ている痛みと、死にたいと思ってしまうくらいの、さっき受けていた絶望は全てどうでも良く思い始めている彼はぽつりと呟いていた、「待っておくれ…?」


  沈んでいくような暗い世界の中で自分を受け取ってくれては、自分はまだ生きていることを教えにくれている和流の声に微笑んで見たくなりつつ、丁寧に頷いて行こうと考えてしまう白野はぽつりと渇いた唇を開けていき、「うん…」白野がちゃんと自分と約束してくれていた事に酷く安心感を覚えては、彼女が約束を破いたりはしないはずなんだと漠然と期待している和流はゆっくりと目線を項垂れては、苦しみに嬲られながら唇を噤んでいた野黒新のことを見つめていき、「新…」宛ら自分の弱り切っては多分彼には上手く聞き取れないはずの声に驚かされているようにと、ビクッと肩を跳ねらせては、急いで自分に光を無くしては、まるで自分の視野に染め上げられていたような酷く黒く見えてしまう瞳に微笑んでいこうとする和流、「ありがとう…」


  ”ドクンー”刹那、酷く嗄れては上手く聞き取れない声色で自分にお礼の言葉を向けに来ていた和流の、自分に微笑んでいるように強張っている頬を弄ってくれている態度に見開かされては、ぼんやりと噛みしめていた歯を放しては、自分には彼にお礼を言われるようなことをしたのだろうかと呆然と考えて行きつつ、自分の口内に広がっていく鉄さびの味を漠然と味わっていく野黒新。


  宛ら自分がぽつりと呟いていた一言を信じられないでいるようにと絶句しては、自分にちゃんと声を聞こえていたと簡単な声も上げてくれないでいる野黒新の態度に、苦笑いしてみたくなり、段々胸元の上にある重圧に体を床に沈まされてしまいそうな感覚と、脳内に浮かんで来るまるで自分を迎えに来ているような、徐々に自分に近づいてきている彼女との昔の日々に心を苛まれているように感じては、急いで彼に話をしていかないと、自分にはもうそんなに時間が残されていないんだと悔やんでいる和流は言う、「自責なんかしないで…?」


  潤んではぼんやりと涙を零していた和流が自分のことを見つめて来ては、自分の荒れ狂ってはどうしたらいいのかすら分からないでいる気持ちに察してくれていて、酷い傷を負ってしまってはいつ消えてなくなってしまうのかも分からないのに、慰めに来てくれている様に心を貫かれているような気がしている野黒新、「あ…」自分が懸命に彼に投げていた一言を上手く聞き取れていたぞと、知らせにくれているような間の抜けた声に口角を少しばかりくすぐられているように思えている和流は言う、「どうせ…死ぬ身だったんだしさ…」


  和流の自分と同じように自分たちの為にいっぱい無理をして来ていた野黒新を慰めてくれている話を漠然と耳にして行きつつ、上手く野黒新の顔を見れなくなっているのは酷く残念にも思いながら、彼がちゃんと一人でもこれからの日々に向かって行けるのかどうかが、不安になっている白野はぽつりと和流の話を補足するようにと声を発していき、「そう…あたしたちに…」喉がガラスに刺さられては、上手く自分に言葉を紡がせてくれないでいる感覚に、苛立ちを覚える余裕すら無くしていた白野、「最後の時間を稼いでくれてて…」軽く瞼に力を入れていこうと考えてしまう彼女は潤んでは、暗闇となっていた視野の中でまるで自分に彼の方向を知らせにくれているような、和流の体から漂って来る冷たくなっていく鉄さびの臭いとは違っていて、温かく思える温度と臭いを頼っては、野黒新の方向に顔を向けようとする彼女は、感謝な気持ちに涸れていた喉を任せては、ぽつりと弱り切っている声を発していき、「ありがとうね…新…」


  「うううっ…」瞼が濁っていた液体に汚されていた白野が抉られていたような目を自分に向けたままで、自分に言葉を向けにくれていた事に感動を覚えつつ、自分にはまったくもって上手く二人を守れなかったと悔やんでは、二人にお礼を言われる資格なんて持っていないんだと悔やんでいる野黒新、自分の視野に潤いを与えに来ているような温かい涙の感覚に、心を苛まれているように感じつつ、苦しそうにと渇いた唇を開けていく野黒新は恐る恐ると戦慄しては、上手く力を入れる事が出来ずにいる左手を白野の大きな傷跡を残されていた胸元に向けては、彼女の傷を自分の身体で隠して上げては、全部の苦しみが自分に抱えて貰っては、二人を守って上げたいのにと、二人の傷だらけになった身体を見てしまうと、つい現実にはなってくれないでいる妄想のような思いを、悲憤に満たされている脳内で考えていく野黒新、「うが…」


  ”ピチャー”宛ら自分に彼が酷く悔やんでくれては、涙を零してくれているんだと知らせにくれているような床から立てていた小さな雨が、地面に当たったような音に微笑んで上げたいと思ってしまう和流、「泣かないで…うっ…」もっと自分たちのために努力してくれていた野黒新に、何かしらのアドバイスでもしてあげたらと思っているのに、割れては上手く自分に声を上げらせてくれないでいる喉に悩まされては、つい苦しそうな声を発していた和流。


  「悲しむ顔は…見たくないから…」漠然と自分と繋がってくれていた和流の左手の感覚を感じては、彼にもうあんまり喋りたくないでいる自分の代わりに、野黒新を慰めて貰おうと考えていた白野はつい自分の耳に挟んで来ているような彼が上げていた辛い声に、自分はまだまだ休んではダメなんだと考えていく彼女は言う、「あたしが…」もし自分が野黒新を失って行くのを思うと、自分は間違いなく発狂してしまうのだろと思って行きながら、野黒新に悲しまないでと言っていくのも無駄だと思いつつ、子供のような無垢な彼に悲しませて仕舞ったなと、ぼんやりと悔やんでしまう白野は辛そうにと唸り声を零している彼の方向に顔を向けては、ぽつりと呟いていた、「眠ってから泣きなさい…?」


  「うううっ…」白野のまるで自分に笑って欲しがっているような、自分に向けてくれていた冗談交じりの言葉に心臓を嬲られているように感じては、勝手に顰めていく眉毛に不満を覚えつつ、辛そうにと軽く白い歯で唇を噛んでは、二人に心配や不安を残したままで人生を終わらせたくはないと願っている彼、ぼんやりとピンク色の唇を開けていた白野の呆然と自分の方向に顔を向けてくれているのに、宛ら自分の身体を通っては別の世界を見据えている様に喉元を痛撃されては、苦しい心境に顎を無理矢理引かれては、霞んでいた床を見つめていく野黒新、「うぐっ…」


  自分が彼に言い聞かせていた一言を聞いてしまうと、ますます悲しくなっているようにと身体から熱気を放ってくれては、自分たちを包もうとしているような野黒新の体から感じて来る温度に微笑んでいく白野、「冗談よ…泣いてもいいわ…」漠然と床から立てて来ている自分たちを迎えにくれているような、悲しみで出来上がっていた雨の音を耳にして行きつつ、人生はしょうがない事が多過ぎるのだろうと内心で呟いて見たくなっている白野、「悲しんだもの…」白野が自分に泣いてもいいと許してくれていた一言に、斜め下の方向に向けて引かれていた口角が更に床に向けて引かれているように思えては、辛そうにと鼻を啜っていく野黒新は唯々諾々と戦慄している頭で頷いていた、「うん…」


  まるで自分たちに彼のことを構わないでくれと知らせに来ているようにと、顔を横に向けていく野黒新の態度に目を瞑らされているように感じている和流、「ねぇ…しずくちゃん…」彼をどれだけ慰めて行こうとも、責任感の強い彼から見ればただ却って彼の心に傷を残すだけなのであろうと、漠然と考えていく和流、「ぼくは…もう…」暗くなっていた視野の中で自分の左側で少し生臭い吐息を零してくれている白野の存在を探していく和流、「眠ってしまいそうなの…なんか…」激しく鼓動を刻んでは、自分に死ねと語って来ていた胸元の奥が段々氷と化しては、もう自分を放っておいていたような気がし始めている和流はぽつりと弱っている声を漏らしていた、「目の前が真っ暗になっててね…」


  和流の嗄れていた声色で自分には、中々彼に告げる勇気を持たないでいる言葉を呟いてくれていた事に、苦い笑みを浮かべて見たくなっている白野、「あたしも…」漠然と自分はもしかしら本当に彼と一緒に手をつないでは、あの世に行けるんじゃないかと思っては、少し心を救われているような気がし始めている白野は言う、「なんだね…?」和流に甘えて行くように、微かに弱っている空気に掻き消されてしまいそうな声を少し起伏させていた白野、「最後に…ちゃんと…」聴覚を奪いに来ているような段々二人から離れているような感覚に、心細い思いを強いられているように感じては、つい泣き出してしまいそうなくらいに悲しんでは、死後の世界がなくとも、せめて彼と共にいなくなりたいと願ってしまう白野は、ぽつりとちゃんと彼のお嫁さんになってから言ってみたい言葉を声に乗せていた、「下の名前を呼んでくれないかな…あきと…」


  「大好きだよ…」自分に皮肉を言いに来ているような彼女の憎めない声に微笑んでしまう和流は、彼女から離れているようにも感じつつ、宛ら自分を包んでくれているようなやけに温かく思えては、光っている場所に身も心も委ねて見ようとする彼、「ううん…生涯、君を愛して来たよ…」体を無くして行くと同時に力が少しばかり湧いて来ては、浮いているような気がし始めている彼は漠然と走馬灯のように自分を迎えにくれているような、彼女の綺麗なウェディングドレスを着こなしていた様に微笑んだ、「しずく…」


  「うん…」宛ら自分を彼から無理矢理剥がそうとしていた暗いを払ってくれては、温かい淡い黄色の光に満ちている世界を連れて来ては、自分に微笑んでくれている和流の真っ白なスーツを着こなしていた様に見開かされつつ、感動されては、口角が斜め下の方向に向けられているような気がしてならないでいる白野、「愛しているわ…」恐る恐ると両手を上げてくれては、人生今まで見えて来ていたどんなものより愛おしく思える彼の、まったりと右手を向けに来てくれては、ロンググローブを付けていた自分の手を取ろうとしている様に、瞳が濡らされているように思えてしまう彼女、「あきと…」


  彼に触れたい思いに両手を操られては、ゆっくりと両手を彼の方向に向けて行きながら、まったりと視野に入って来る自分たちの目線を引きたいがっているような黒い帯に困らされては、ぼんやりと自分たちのことを祝福してくれているように、淡い黄色の世界に入れて来ているような彼と出会って来た日々の思い出で出来上がっていたフィルムに困らされては、酷く温かくなれている胸元で自分と同じように幸せな心境に包まられては、笑ってくれている彼の肩に両手をかけていく白野、「他人が飽きれるくらいに愛してるわ…」


  軽く頷いてくれては、感動されているあまり上手く言葉を紡げなくなっているような和流の、丁寧に左手で優しく自分の背中をお推して来ては右手で自分の後頭部に触れて来ている感覚に、自分は間違いなく幸せを抱えているんだと思ってしまう白野、彼の自分に触れたがっているような赤くなっていた耳殻に一瞥すると、つい内心にある恥ずかしさに操られては、彼の横顔から目線を右側に向けてしまい。


  忽然、宛ら自分に見せて貰いたがっているように大きな木に守られては、揺れていく葉の影に飾られながら、嬉々とした表情で両手にある童話を握っていた子供の頃の自分に目を細められてしまう白野、「あたしが…」丁寧に両手を彼の背中に回っては、もっと彼に近づいて行きたいと願ってしまう彼女は軽く爪先に力を入れていき、「エイリアンなんかから…」自分に抱えられていた白野の、自分の心に話しかけているような声色に見開かされては、あんぐり口を開けていた和流はぱちくりながら、彼女が自分に向けにくれていたいたずらっ子のような笑顔を見てしまい。


  ”ちゅっ”まったりと自分の右頬に触れて来ている弱っては、少しばかり戦慄しているような唇の感覚に見開かされては、宛ら桃の香りを自分の身体の奥に残したがっているようにと、ピンク色の髪の毛で軽く自分の紅潮して行く頬に触れて来ていた白野の仕草に見開かされてしまう和流、「あ…」間の抜けた声を発しては、自分のことをしょうがない奴だと言いに来ているようにと微笑んでくれては、目を細めてくれている彼の頬からまったりと顔を引いて行きつつ、ゆっくりと温かい両手を彼の顔に添えていく白野、「あなたを助けに行くよ?」横目で彼の顔を見つめて行きつつ、いたずらっ子のようにと口角を上げてしまう彼女、「あたしの主人公さん?」


  「うん…」温かくなれていた体に小さな漣を起こしてくれていたような白野が、自分に向けてくれていた一言に口角をくすぐられているように思いつつ、ぼんやりと顔を彼女に近づいていく和流、「よろしくね?」自分の頬に添えてくれていた両手を引こうとしないでいる彼女の真似をして行くようにと、軽く両手を彼女の白皙の肌に触れていく彼、「僕の…お姫様…?」ゆっくりと自分に近づいてくれている彼の顔と唇に、心をくすぐられているように感じては、まったりと目を瞑っていく白野はぽつりと小さな声を上げて行きつつ、彼に引かれているようにと彼の唇に触れていた、「あきと…」


  幸せそうにとピンク色の口角を上げては、酷く弱っては、上手く聞き取れないでいる声で和流の名を呼んでいた白野の目を瞑っては、微動だにしないでいる様に、戦慄している視界を向けていく野黒新、顎が酷く震えては否応なしに二人がもう自分から離れては、二度と自分のもとに戻ってくれたりはしないと知らせにくれている、二人の身体から完全に消え去っていた心の鼓動に口角を斜め下の方向に固定されているように感じつつ、まったりと鼻腔に侵入しに来ているような鉄さびの臭いに、頭を狂わされているような気がしては、大きく震えては、上手く物事を考える事が出来ずにいる口を開けていく彼。


  身も心もを最大限なまでに傷つけられていた二人の体を見てしまうと、ついどうしたらいいのかと分からなくなってしまいそうな彼は、呆然と顎を上げては自分の顔を見下ろしてくれているような天井を見上げては、瞳を満たしては目尻から零れていた涙が可笑しなくらいに、悲憤に止められているように感じている彼、「ふふ…」震えている体の奥から自分のことを馬鹿にしているような息がこみ上げて来ては、自分の火と化していた怒気に焼かれていた喉を通り、否応なしに自分に笑わせに来ているように感じてしまう野黒新、二人を亡くしていたと漠然と考えては、自分の人生に置ける最後の重要な二人を、自分の失敗のせいで失ってしまったと思うと、つい自分がサーカスにいるピエロより何百倍も滑稽のように感じては、もっと色んな人に自分の無様な姿を見せて上げては、笑わせていく事に、自分のこれからの日々を過ごして行く価値を見出そうと考えてしまう野黒新、口角が歪なまでに上げているように感じては、宛ら拗ねているようにと斜め下の方向に向けているような気がしては、世界を恐れているようにと目線を自分の右側に向けていく彼。


  ”ドクンー”まるで自分の存在を嘲笑って来ているような軟体動物と化していたように、床に倒れていた亀裂していた怪物の体に心を嬲られているように感じては、まったりと歯を食いしばっていく野黒新は、鼻翼を弾けようとしているくらいに力を入れては、怒りに満ちている血走っている眼で、自分に無理矢理壁に嵌められていたエイリアンの小首を傾げていた状態を睨んでいき、「ああ…」


  自分の言うことを聞いてくれないでいるようにと、勝手に喉から零れていく音が可笑しく思いつつ、軽く鼻で笑ってしまう野黒新はゆっくりと悲しみに力を奪われていた両手を床に付けたままで、有無を言わさずに両足に力を入れては、ゆっくりと曲がっているような足で猫背になっていた体を支えて貰いながら、もし自分がピエロになってしまうと、人間にだけではなく、人間と言う道を違えていたものにまで笑わされること考えていく彼は、項垂れたままで自分を馬鹿にしているようにと腹部を甲にしては、亀の真似でもしていたような亀裂していた怪物の体を睨んでいき。


  ”ドクンー”理屈抜きで体の芯から頭上までこみ上げていては、自分の頭蓋骨を破いて来ていたような憤怒に無理矢理左足を上げられているような気がしている野黒新、”バァン!”猛然と自分に踏まれては当たり前のように揺さぶられていく地震に、揺れられているような壁を睨みながら、自分の脛を包んで来ているような温かい液体と潰されていた豆腐のような左足のもとにある感覚に、内心にある憤怒がますます刺激されては、歓喜しているようにと亀の甲から飛び上がって来ていた赤い雫に、服を汚されていく野黒新は歯ぎしりしながら首を傾げていきつつ、自分に戦慄されている天井を睨んでいく、「があ…」


  口が怒気にこじ開けられているように思えては、二人が自分にいっぱい話をしてくれていたのに、自分の声で二人に最後の言葉を向ける事が出来ないことを思うと、またしても自分はもう二度と子供の時からずっと付き合って来ては、自分の弱っていた時にも自分を忘れる事無く、何とか支えようと努力してくれていた人を亡くしていたと、いよいよ自分を思ってくれる人が全員を失っては、死にぞこないである自分しか生きていないである事を思い出されている野黒新、悲憤に止められていた眼が内心にある虚しさに刺激されては、口角が再び戦慄し始めている彼、霞んでいく視界まで自分の事を苦しめに来ているような気がしてならないでいる野黒新は、己の右手を握り潰そうとしているようなくらいに手を握っては、有無を言わさずに亀の頭に怒りに操られている拳を投げていきつつ、喉を引き千切ろうするように叫んだ、「があああああああああああ!」


  「ああああああー!」限界なまでに上げていく紅潮していく皮膚に包まられていた喉は、主人に苛まれては爆ぜてしてしまいそうな思いを我慢しながら、強く喉を嬲っていき。”シュー”まったりと橙色に染め上げられていた空から滴り落ちていくひんやりとした粉雪が、漂って行けようとしていたレールを無理矢理変えていたような鋭い音は、否応なしに必死に叫んでいた男性の喉を過っては、男性の喉元に赤いブリッジを残しては、ゆっくりと温かい手のひらに戻っていた。


  ”ドンー”軽く右手にあるバタフライナイフを握っては、赤い瞳で体から分離しては、まったりと小石が募っていた地面に落ちていた男性の頭に一瞥しては、宛ら男性の事を馬鹿にしているようにと軽く鼻で笑っていく竜祥は、ニヤリと上げていた右側の口角を保ったままで右手にあるバタフライナイフを軽く外側に向けて退けては、左手をポケットに突っ込んだままで顎を上げて行きつつ、自分の存在を見下ろして来ているような紫色と化しては小さな黒い粒を漂わせていた柱の体を睨んで行きながら、悔しそうにと歯を噛んでは、何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、ゆっくりと左足を前に向けて踏み出しては、男性の体に赤い蝶の入れ墨でもして貰っていたような右手をバタフライナイフを連れては、ズボンにあるポケットに入れて行きながら、宛ら空にある夕陽を男性の体と共に眺めていたような女性の体に一瞥しては、上げていた口角が更に刺激されていたかのようにと上げてしまう彼。


  ”ザザー”白い粉雪に飾られていたかのような淡い赤い色の着物を着こなしていては、スニーカーで軽く地面にある小石を踏んで行きながら、自分に向けて歩いて来ようとする森田の悔やんでいるようにと歯を噛んでは、左手で鞘を握っている姿を眺めて行きつつ、軽く顎を上げていた竜祥は目を細めながら微笑んでいく、「お勤めご苦労様?」「竜祥さん…」自分の事を迎えに来てくれているような燦爛な笑みを自分に向けてくれている竜祥の姿に、目を細められているように思えては、辛そうにと軽く歯を噛んでしまう森田は申し訳なさそうに視線を足元に向けていき、「いえ…」軽く歯を噛んでは、自分の事を信用してくれては任務を託してくれていた彼と、彼と同じように自分を温かく迎えてくれては、共にミッションに身を投じていた須賀と折尾の存在を思うと、つい彼の前では頭を上げれなくなっているように感じつつ、苦しそうにと鼻を啜っていく彼はぽつりと弱っているような声を上げていき、「言われた通り誰にも連絡しないでここに来ました…」


  内心からこみ上げて来ている悔しい心境と、野黒新が上手く彼が重要視している二人を助けて行けたかどうかが気になりつつ、連絡しないと言われていた故に、須賀と折尾の事も心配になっては、任務に失敗しては何もできなかった自分はダメダメだと自責している森田は左手にある鞘を握りしめて行きつつ、ぽつりと呟いていく、「拙者は…全然でした…」「そうな事はないさ、」森田の素直に自分が紡いだ言葉に従ってくれていた一言に、口角を少しばかり上げられているように思えては、軽く肩を竦めていく竜祥は自分が発していた一言に目線を引かれているようにと、自分に顔を向けて来ている彼の瞳を見つめていき、「君は間違いなく、俺が考えていた作戦を進めてくれていたんだから、」疲れているようにと小首を傾げて行きながら、流し目で森田の事を見つめて行きつつ、軽く左手の親指を立ててしまう竜祥、「誇っていいと思うよ?」


  竜祥が自分に投げに来ていた言葉に悩まされては、ぼんやりと眉毛を顰めて行きつつ、小首を傾げてしまう森田は言う、「作戦…?」「ええ、」森田が着こなしていた着物に目を細められているように思いつつ、野黒新と戦っていたと連絡して来ていたのに、体に少しも傷を負っていないことを思うと、野黒新の人柄が垣間見えているように思えては、宛ら野黒新が既に遭っていたはずの地獄にくすぐられているようにと、右側の口角を上げてしまう竜祥、「モンスターでも恐れるくらいの鬼を作り上げ、」軽く顎を上げて行きつつ、自分の事を睨んで来ているような柱を見つめてしまうと、つい胸元の奥からこみ上げて来ている憤怒に脳内を焼かれているような気がしては、ポケットに突っ込んでいた右手を軽く握っていく竜祥は、沈んでいるような声を発していた、「そいつに神に復讐して貰う作戦だよ。」



  

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