第247話目標は常に定かでないとならないのだ。

  竜祥が語って来ている話に目を細められているような気がしては、運を頼って生きていくのは可笑しな話だとぼんやりと思って行きながら、彼が紡いで来ている言葉にはまったく否定できないと思っては、つい縮こまっては彼のもとから逃げ出していきたいと願っている斗奴雷、「うう…」斗奴雷の頑なに自分と目線を合わせようとしないでいるような様に困らされているようにも感じては、ぼんやりと顎を上げては自分たちの姿を見下ろして来ているような夕焼けに目を向けていく竜祥は、ぽつりと渇いた唇を開けていた、「人間は分かり合えるのだろうな。」


  ”ドクンー”刹那、竜祥のまるで彼に絶望を与えられては、脳内が悲しみで出来上がっている海に溺死してしまいそうな自分の事を助けに来てくれるような話を投げてくれていた事に、驚かされては思わず喉から間の抜けた声を発してしまう斗奴雷、「えっ?」まったりと瞼に細められている視界の中で斗奴雷の様を探して行きつつ、自分がどうして他人である彼にここまでの言葉を投げて行かないと気が済まないと思っているのかを、ぼんやりと考えていく竜祥、「俺が全部を司る時に、」軽く顎を引いては自分が発していた沈んでいるような声に驚かされているように、ビクッと眉毛を跳ねらせている斗奴雷の顔を睨んでいく竜祥、「俺に従わない奴を潰す。」


  自分の顔をぼんやりと映し出してくれて来た深い紫色の瞳が、自分が声に乗せていた一言に酷く揺さぶられている様を睨みながら、可笑しそうにと口角を上げて行きつつ、純白の斗奴雷にやきもちを焼いているかもしれないと、自分が執拗に彼に構って来た態度を分析していく竜祥は軽く右手の人差し指を立てていた、「その時だけが、」自分が紡いでいる言葉にまったく疑っていないようにと戸惑っている斗奴雷の顔を睨んでは、何度も左手で軽く自分の胸元を叩いていく竜祥、「全人類はちゃんと分かり合える日が来るんだよ。」


  竜祥が自分に向けて来ていた叶える日が永遠に来そうにない言葉に、彼が自分に投げて来ていた絶望が限界を破いては、却って可笑しく聞こえて来ているように感じてしまう斗奴雷は困っているようにとぱちくりして行きつつ、彼の顔を見つめていく、「そ、それはただの暴君じゃない…?」「人間は滑稽だ、」同じ社会で生きて来ては、自分と何処か似ているような気がしている斗奴雷が綺麗なまでに、どうでもいい他人に気を遣って行ける余裕を持っているのに、なのに目映く思える彼の存在の隣りにいる自分の為に平然と他人にリスクを擦り付けていける自分は、酷く汚らしく思えている竜祥は彼の存在に不満を覚えているように、何度も鼻翼に力を入れていき、「誰もが、お前も俺も自分の事しか考えないからだよ。」


  悔しそうに歯ぎしりして行きつつ、自分の激昂になって様に戸惑ってあんぐり口を開けている斗奴雷の事を見つめていく竜祥は言う、「話し合うのは可能だけど、」自分はきっと斗奴雷と言うイレギュラーにも思える存在を自分と、そして我妻に怯えているクラスメートたちと同じように、ただ社会に頭を下げて大人しくなって貰わないと、彼が自分の保身の為にやって来ていた事に、どんな支障を持たして来るのかを恐れているのに違いないんだと強く考えている竜祥は強く右手を握って行きつつ、ますます斗奴雷に自分と同じような思考回路をして貰っては、彼と言うイレギュラーを同化して行かないとと強く考えている竜祥は言う、「ちゃんと俺たちのような話の分かる人じゃないと言う条件を付けないとダメなのだろう?」


  宛ら自分が紡いだ言葉を認めたがらないでいるように自分顔を目線を逸らしては、渋々と頷いてくれている斗奴雷の態度に口角を上げられているように思えては、綺麗な彼がいずれにせよ、この汚い社会に汚されるのに違いないんだと強く思っている竜祥、「我妻操のような何もかも暴力で解決しようとしている人間が存在している限り、」左手で少しばかり興奮気味になれているような、加速していく心臓の鼓動を感じて行きながら、自分がしている事は斗奴雷の為の事でもあり、そして自分の為でもあるんだと強く考えてしまう竜祥、軽く彼の髪の毛を混ざったレモンの香りをしたひんやりとしている空気を吸い込んでは、お互いの為にプラスになれる事をしたいと思い、自分に同化されると、きっとこの上ない友になってくれる斗奴雷の為になら、少しばかり時間を費やしてもいいような気分になれている彼は補足するようにと声を発していた、「俺が保身の為にやっている事はまったく間違っていないんだよ。」


  「それは…」竜祥が自分に向けて来ている自信に満ちている声色をぼんやりと耳にして行きつつ、彼の話を認めないで落ち込んでいる自分と、彼の生き生きとしている姿を比べると、つい彼の方こそが正しいんだと納得してしまいそうな気がしている斗奴雷は、強く右手のひらに食い込んで来ている爪から与えに来る痛みを感じて行きつつ、竜祥の話をまったく論破出来ずにいる自分は無力だとぼんやりと思っている彼はぽつりと呟いていく、「そうかも…だけど…」


  「どうかな、」斗奴雷の自分の自信に満ちている理屈を飲み込もうとしている様に目を細められては、あと一押しだと強く考えている竜祥はまったりと彼に右手を向けて伸ばして行きながら微笑んでいく、「俺の理屈を飲み込んで、」自分の微かに汗ばんでいるような右手の手のひらに困らされているようにと眉間に皺寄せて行きつつ、まったりと額を上げてくれている斗奴雷の瞳を見定めていく彼は言う、「仲良く学校生活を送っていくのは。」


  「えっ…?」突然、竜祥が自分に向けて来る残虐にも思えるくらいの誘いに、眉毛を跳ねらされているような気持ちになっている斗奴雷は思わず間の抜けた声を発しては、ぼんやりと彼が自分に向けて来る淡い笑みを見つめていく、「それは…」ごくりと固唾を飲み込んでは竜祥が自分に見せて来ている微笑みの中に秘められている、尼姥姥のような虐められている、或いはこれから彼のように虐められてしまう人の苦しみと痛みに困らされては、心臓が虐められている人に鷲掴みにされているような気がしている斗奴雷は、ぽつりと渇いた唇を開けていく、「自分の為に誰かが虐められているのを目にしたとしても、」軽く鼻翼に力を入れては竜祥の事を拒んでいるようにと眉毛をひそめては、自分が誰かが酷く虐められているのを目にすると、勝手に動き出したりしないとは限らないと強く思っては、もし竜祥の話に頷いてたら自分にはもう虐められる人の為に何かしらの事をしてあげることが出来なくなるんだと強く思っている斗奴雷、「黙って見過ごせっていうの…」竜祥と組んでしまうと、彼が黙って見ている事を邪魔するのは彼への裏切りほかないように考えてしまう斗奴雷は、軽く脇を締めてはぽつりと弱っている声を漏らしていく、「かな…?」


  「ええ、」斗奴雷の未だに自分の誘いを認めたくないでいるように顰めている眉毛に、苦笑いしてみたくなっている竜祥は残念そうにと右手を引いて行きながら、別に急ぐ必要はないようにも思いながら、不安定にも思える斗奴雷の存在がいつクラスの中で人望を得ては、自分の代わりになってくるのかが定かではないんだとぼんやりと考えては、目を細めていく竜祥は軽く両手をポケットに突っ込んで行きながら、階段に向けて歩いていく、「当たり前の事だろう?」


  悔しがっているようにと歯ぎしりしている斗奴雷の横顔に一瞥しては、軽く鼻で笑っていく竜祥はまったりと右手を階段にあるガードレールに向けて伸ばしていき、「他人がどうなるのかは少しくらいしか支障をもたらす事が出来ない、」ゆっくりと針を挟んでいるよな違和感を与えて来る右足を階段に向けて踏み出しては、斗奴雷のような不安な奴には、正義こそが正しいと言う、笑えてしまう世界のカルチャーに洗脳されている民衆から見れば、どう見ても彼の方が正しく見えるのだろうと考えていく竜祥、「けど自分がどうなってしまうと、」軽く左手を握って行きながら、左足で階段を踏んでは、まったりと微かに疼く右足を左足の隣りに沿えていく竜祥は叱られていた子供のようにと俯いては、自分の顔を見ようとしないでいる斗奴雷の様を睨んでいく、「それは確実に、全てが自分の身に応えて来るんだぞ?」


  「うう…」自分と両親の事を知れるはずもない竜祥が自分に投げて来ていた赤裸々な現実に困らされては、思わず辛そうな唸り声を零していく斗奴雷、苦しそうにと歯を食いしばっては、ゆっくりと階段を下ろしている彼に付いて歩いて行きながら、自分が苦しめられるのは少しくらいは自分にも非がる故の事であり、それを無くす為には何倍もの苦しみを誰かに押しつけていくのは良くないんだと強く思っては、竜祥と組んでしまう自分がもし弱い誰かに全てのプレッシャーを擦り付けると、その人がまたして更に弱い人に嫌な思いを強いていくのであろうと考えていく斗奴雷は強く歯を噛んでは、ドミノ倒しのように段々倒れていく脳内にあるビジョンは、クラスメートがなし崩しに共倒れになる以外の未来が見えないような気がしてならないでいる斗奴雷は、自分の横顔を見つめて来ている微かに血走っている赤い瞳に潤んでいる深い紫色の瞳を向けては、竜祥の存在に恐れているようにとぽつりと呟いていた、「考えて…見る…」


  斗奴雷の素直に自分に従おうとしないでいる態度に、悩まされているような気がしてならないでいる竜祥、いざ斗奴雷が我妻に、或いはクラスの中で多くの人から邪悪だと思う奴が斗奴雷と言う正しく見えては、希望のシンボルのような存在が虐められるのを目にすると、クラスメートの中で一人でもトリガーになり、希望のシンボルであり、彼がいる限り自分がどれだけ虐められようとも、最悪の場合は必ずしも自分を助けに来ると言う認識を斗奴雷に課せいでいると言うのなら、斗奴雷が害悪に侵されるのを目にすると、発狂しては自分が虐められているのを連想するとなると、一気に形勢を逆転しに来ては、斗奴雷をクラスのリーダーにしては、害悪の奴らだけではなく、彼らがして来ていた事を無言で通させている自分にもとばっちりを食らってしまうのであろうと考えていく竜祥は、目を細めては、自分の脳内で構築している斗奴雷と言う不安定な存在が自分に与えに来る最大のリスクを思うと、軽く鼻で笑ってしまう竜祥は軽く喉に引っかかって来ているような唾液を飲み込んでは、まだクラスメートの中でそこまでの人望を集めていない斗奴雷に好き放題にさせると、いつ自分がディフェンスに入ってしまうのかは定かではないんだと思い、やはり斗奴雷に自分が操ることが出来なくなってしまうくらいに、成長する前で自分が何とか防ぐ手段を講じて行かないとと強く考えている竜祥は言う、「どうやら君はまだどうしようもないくらいに追い詰められた事がないみたいだね。」


  竜祥が自分に向けて来ている少しばかり憤っているようなニュアンスが込めている言葉に、口角をくすぐられているような気分を味わっている斗奴雷はつい子供の頃から、両親がずっと愛している雨依の為にも体を張っていたはずなのに、未だに自分の事をこれっぽちも許そうとしないでいる態度を思うと、無尽蔵なまでに深淵から這い上がって来ては自分に縛り付いて来ている両親の怒りに、苦しめられ続けている自分より追い詰められていない人はそうそういないのであろうと思ってしまう斗奴雷は引き攣っているような右側の口角を上げて行きつつ、霞んでいる視界の中で自分を見定めようとしている赤い瞳を探していく、「追い詰められてるのさ…昔から…」


  斗奴雷が自分に見せて来ている酷く落ち込んでいる様に目を細められてはぼんやりと階段を下ろして行きながら、横目で彼の顔を見ている竜祥、「そう?」自分に返事する気力すら無くしているようにと軽く頷いてくれている斗奴雷の様に、口角を上げられているような気がしつつ、追い詰められて来ているのに自分とは逆にも思えるくらいの道を選んでいる彼はやはり危険な存在だと強く思ってしまう竜祥は、横目で自分たちを待ってくれているようなガードレールの曲がりを気にする事無く、まったりと斗奴雷に胸元を向けては背中を手摺りに付けていく彼は言う、「知ってるか、俺が麻酔を買っていたサイトには麻薬とかも売ってるんだぜ?」


  ”ドクンー”突然、竜祥が自分に向けて来る意外なはずの言葉に見開かされつつ、麻酔を素人に売るようなサイトがそのようなものを扱っているのも可笑しくないように考えている斗奴雷、「えっ…」喉が軽く握られていたような気分を味わってはまるで自分に自慢しているようにと軽く口角を上げている竜祥の瞳の中に宿っている悲しみ困らされては、彼は一体どんなことを考えているのかが分からなくなっているように思えている斗奴雷強く歯を噛んでは、竜祥が既に麻酔に手を出していた以上、それ以上の不味いものを買って、使ってしまうかもしれないと思うとつい激昂になってしまう彼は、猛然と両手を竜祥の肩に向けて伸ばしていた、「やっぱり碌なサイトじゃないよそんなの!」


  自分に強く華奢な肩を握られていた事に驚かされてはビクッと眉毛を跳ねらせている竜祥の瞳を睨むように見つめては、強く眉間に皺寄せている斗奴雷は何度も鼻翼に力を入れていき、「ダメだよ?」竜祥は確かに百パーセントいい人とは言えないような気がしつつ、彼が自分を誘って来ているようにと彼を自分の方へ引くのも可能なのではないかと強く思っている斗奴雷は、切羽詰まったような心境に駆り立てられては急いでいるようにと声を発して行こうとする、「そんなものを使ったらー」


  斗奴雷の自分に心配してくれている態度に、心に悲しみを植え付けられているような気分を味わってしまう竜祥はつい無辜の子供のような彼に心を嬲られているような気分になりつつ、無理矢理斜め下の方向に向けてしまいそうな口角を上げては、正しいも邪悪もないんだと思っては、斗奴雷をほっておくと自分が危険なんだと思っては、ゆっくりと両手を上げて行きながら、自分の肩を掴んで来ていた彼の両手を下ろしていく竜祥は微笑んでいく、「分かってるって。」


  眉毛をひそめたままでまるで自分が紡いだ言葉を完全に信用していないような彼の心配性な態度を目にすると、つい彼はどうして自分自身の将来で遭ってしまうかもしれない危険について心配しないのかと困惑気味になれている竜祥は、チラっと横目で自分たちのことを待っているような階段のもとに向けて言う、「けど、ちゃんと歩いているだけなのに、」口角を軽く上げては流し目で揺るぎない眼差しを斗奴雷に向けていく竜祥は、軽く両肘を手摺りに付けていき、「急に誰かが麻薬を注射しに来ない事は誰かが保証出来る?」


  竜祥がまったりと自分に投げて来ていた言葉に見開かされては、彼が語って来ている可能性は全く無いとは言えないようにも思いつつ、そのような可能性が身に落ちて来るのは限りなくないに等しいように感じてしまう斗奴雷はぱちくりして行きつつ、彼から一歩を引いては萎縮しているようにと横目で彼の顔を見ていく斗奴雷はぽつりと弱っている声を漏らしていた、「ひ、被害妄想…?」


  斗奴雷が自分の真面目な話を茶化しに来ている態度に笑わされているように感じつつ、まったりと首を横に振っていく竜祥は彼が遭っている追い詰められている場面はきっとただ好きな人と歩いていくだけで、酷く殴られては、右足に傷跡を残されていた自分のとは桁違いな故に、気軽に自分とは関係していなさそうなものは皆ないようなものだと思えているのであろうと考えている竜祥は言う、「そうでもないんだよ、」まったりと細長い睫毛につられていく白皙の瞼の存在を気にする事無く、びしっと立っているのも億劫だと教えに来ているような右足に目線を落としては、自嘲気味に右側の口角を上げてしまう竜祥、「頭が狂っている奴がそれを言うのなら、」ゆっくりと目線を自分を警戒しているような斗奴雷に向けていく竜祥は軽く右手の人差し指を立てていき、「間違いなく被害妄想だろ、」


  竜祥が紡いだ半分の言葉に悩まされているようにと眉毛をひそめてしまう斗奴雷は、恐る恐ると強く汗ばんでいる両手を握って行きつつ、平然と野良犬の解剖していた彼は頭が狂っていないとははっきりと言えないでいる自分から見れば、彼が語っていた話は被害妄想なのではないかとぼんやりと考えている。ゆっくりと左手を上げて行きつつ、自分の胸元に当てている竜祥は目を細めては困っているようにと眉毛をひそめている斗奴雷の顔を見つめ、迷わずに声を発していく、「けれど俺がそれを言うのなら、」自分の事を信じてくれないでいるような彼の事を威嚇しているように、少しばかり顔を彼に向けて近づいていく竜祥は言う、「上手く自分をこのどうしようもないくらいに腐っている世の中で、」まったりと左腕を手摺りから離れては、ゆっくりと握り締めて行きながら自分の仕草に驚かされては、ビクッと眉毛を跳ねらせている斗奴雷の瞳を睨んでいく彼は言い放った、「自分の定まっていた目標を貫く為の一環となるんだ。」


  竜祥のやけに自信に満ちて、語っている言葉を疑っていない様に時々傲慢にも思える彼は、ただ当たり前の言葉を自分に向けて来ているだけのような気がし始めている斗奴雷は自分の存在を固定しに来ているような彼の赤い瞳を見つめては、ごくりと固唾を飲み込んでいた。斗奴雷のガードしているように軽く左肩を引いては右肩を自分に向けて来ている様に苦笑いしてみたくなっている竜祥、「いいか、斗奴。」宛ら斗奴雷の事を見逃していくかのようにと階段のもとに向けて左足を踏み出していく竜祥は、右手で手摺りを強く握りつつ、ゆっくりと左手の人差し指を立てていく、「目標は常に定かでないとならないのだ。」


  頑なに自分に従おうとしないでいる斗奴雷をいくら言い聞かせようとも無意味な事を知れた以上、徹底的に彼の事を潰すのか、彼に彼がして来ていた行為はどれだけ無意味なことなのかを証明しては恩を着せ、自分の仲間になって貰うのかのどっちを選ぶほかないような気がし始めている竜祥は軽く顎を上げては、やけに騒がしく聞こえて来る教室の音を気にする事無く、横目で教室に何かしらの事が起きているのかに気がついているような斗奴雷の横顔を睨んでいる竜祥は言う、「目標がぶれると、人生と言う道は連れてぶれてしまう。」斗奴雷を懲らしめには、クラスメートの目の前でしないとまったく意味のない事なんだと思いつつ、まるで殺されてしまいそうなくらいに苦しそうにと叫んで来ているようなクラスの中から伝わって来ている尼姥姥の声色を耳にしながら、程と言う言葉をまったく理解できていない我妻が我武者羅である故に、斗奴雷を試すチャンスが直ぐに訪れていたような気がし始めている竜祥は自分の歩幅に合わせてくれては、教室の方向に目線を固定している斗奴雷を見つめて言う、「目標がはっきりとしないと、ただでさえ険しい道はより歩く悪くなるんだ。」


  捨てられていた子犬のように潤んでは、困り果てているような深い紫色の瞳を自分に向けて来ている斗奴雷の顔を睨みつつ目を細めては、彼がしようとしている事をじっくりと邪魔して行こうと思っている竜祥は言い放った、「これだけはしっかりと覚えておくんだぞ。」「う、うん…」竜祥が自分に向けて来ていた彼の哲学に心を囚われているような気がしなくもないでいる斗奴雷は、つい自分とは同い年のはずの彼がどうしても自分よりずっと大人に見えているような気がし始めては、自分を嫌っている両親から離れていくべきなのか、それともちゃんと見返してやっては立派に人生を過ごしていくのかをぼんやりと考えている彼、自嘲気味に笑って仕舞いそうな彼は、自分の目標は定かではないんだなと悔やんでしまう彼は自分の顔を見つめて来ている竜祥に向けて、軽く頷いてはぽつりと呟いていた、「善処しよう…」


  「やめろー!」刹那、まるで自分の鼓膜を殴り込んで来ているような尼姥姥の叫び声に、眉毛を跳ねらされているような気がしてならないでいる斗奴雷は猛然と目線をクラスの方向に向けては、強く眉毛をひそめていく、「うっ?!」「やめろって…!」ニヤリと口角を上げては自分の胸元にある深いコーヒーの粒を嘲るような黄色の瞳を見つめて行きつつ、強く両手で自分のズボンを握っては、ズボンを下ろそうとしている我妻の酷く逞しく感じては、抗えないでいるような力を宿っている彼の太い両手に心臓を冷やされているような気分を味わっては、潤んでいる瞳で息遣いが荒くなっている我妻がしている行為を、黙々と見つめて来ているクラスメートたちが浮かんで来る沈んでいるような表情に絶望を覚えては、まるで自分に見られるのを恐れているように急いで目線を逸らしていくクラスメートたちに、口角を斜め下の方向に固定されているような気がしてならないでいる尼姥姥は強く自分のベルトを掴んで来ていた我妻の真っ赤になっている顔を睨んでいく、「脱がすなって…!」嗚咽まじりの声色で向きになっているようにと逞しい両足に力を入れては、自分の弱っている体を壁に叩き付けようとしているような我妻の血走っては、赤い蜘蛛に侵されているような眼を見つめていく尼姥姥は必死に渇いては、強く叫んでいるせいで痛く思える喉から声を絞り出していた、「頼むから脱がすなって…!」


  「いいんじゃねぇか~」自分の強靭な両腕を強く握っては少しばかり自分に抗っているせいで震えている尼姥姥の、繊細な乙女のような白皙の両腕に興奮気味になれては、ニヤリと口角を上げていく我妻はゆっくりと青筋が浮かんでいる額に皺寄せては尼姥姥の泣き出してしまいそうな顔を睨んで言う、「皆にお前の立派な森を見せちまいなよ~」前のめりになっていた我妻は自分が発していた興奮気味になれている声に合わせていくかのようにと、まったりと顎を上げて行きながら、流し目で自分たちの事に注目して来ては、クラスから離れるどころか、目を逸らすこともしていないクラスに残していた学生たちを眺めていく我妻は、つい自分が王者となっていたような気分になれては、潤んでいる瞳で自分の跋扈している様を無言で見つめる事しかできないクラスメートたちは弱者であり、尼姥姥を虐め倒そうとしている自分こそが強者なんだと強く感じている我妻は、口角を裂いて行こうとしているようにと、限界なまでに口角を上げてはクラスメートの事を睨んでいく、「な!皆も見たいって思ってるのだろう!?」


  宛ら自分たちの鼓膜を歪のようにも思える声色で嬲ろうとしているような我妻の叫んでは、驕っているような態度に悲憤を覚えつつ、悔やんでいるように強く歯を噛んでは、何度も鼻翼に力を入れてしまう折尾は彼の存在から感じて来る恐怖に震わされているような両手を握り締めて行きながら、チラっとまるで自分と同じようにお互いの態度を確かめようとしているような橙色の瞳を見てしまう、酷く震えてはまるで自分に助けを求めに来ているような尼姥姥の眼差しに、眉毛を跳ねらせているような気分を味わっている折尾は思わず勝手に彼から右側に目線を向けている自分に驚かされては、悔しそうにと強く両手を握っていく彼女は何度も足指に力を入れては、もし虐められている上半身の服を脱がれていた尼姥姥の為に、彼の事を救っていた斗奴雷のように買って出て仕舞ったら、自分にも我妻に丸裸にされてるんじゃないかと不安に喉を鷲掴みにされては、上手く息を吸いこめないでいるような気分になれている彼女は苦しそうにと肩を縮めては、戦慄している右手を喉元に付けては何度も痙攣しているようなくらいに、怖がっている喉元を落ち着かせようと考えている。


  折尾が自分の事を見たくないと語って来ていたように逸らしていた目線に見開かされては、渇いた唇が少しばかり開けられているような気分になれている尼姥姥はつい彼女が自分に向けて来ていた態度に、勝手に反応したように両腕で自分の胸元にある深いコーヒー色の粒を隠していた行為に悔やんでは、悔しそうにと歯ぎしりしていく彼は自分のベルトにかけていた我妻の両手に恨みを覚えては、猛然と鋭利な眼差しを自分のズボンを脱がないと気が済まないと知らせに来ているような我妻が浮かんでいく嗜虐的な笑みに向けては、酷くぶれては嗄れている声で叫んでいた、「皆黙ってるんじゃないか…!」

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