第240話二度と俺から離れる事が出来なくなるんだぞ?


  斗奴雷が自分に投げて来ていた意味深な一言に悩まされては、ぼんやりと視線を自分の靴先に向けて行きながら、左手で顎を擦っていく竜祥、「常識が解毒剤なのか…?」チラっと疑っているような眼を斗奴雷に向けては、自分が本当に罹っているかどうかも知らないでいる病気に関して詳しそうな彼は、一体どんな学問を研究して来ていたのかが気になり始めている竜祥はぽつりと呟いていき、「どんな病気がこんなヘンテコなからくりをしてんだ…」


  竜祥がぽつりと中二病について分析し始めている態度に目を半開きさせては、思わず苦笑いして仕舞いそうな自分の口角を押さえていくようにと左手を上げては、自分の両側の口角を軽く握っていく斗奴雷はぽつりと疑問の声を発していく、「一応聞いてもいいかな…?」斗奴雷が彼が詳しそうんな病気に患わされている自分に質問を向けて来ている態度は和やかにも感じては、彼は謙遜な人なんだと内心で考えていく竜祥は言う、「何がな?」軽く口角を上げては自分に質問を向けようとしている斗奴雷のことを見てしまうと、彼は自分の知らないでいる病気をはぐらかそうとしているのではないかと強く思っては、猛然と顔を彼に近づいていく竜祥、「ってか、君にはその中二病を患っていないのか?」横目で彼の顔を見て行きつつ、さほど多くはないけれども、流行りの病は一通り見て来ていた自分の知らない病を知れている彼は、自身がその病気に患っている可能性は高いように思い直している竜祥はぽつりと声を発していく、「詳しそうだけど?」


  「患ってはいない…」竜祥が自分に向けて来る返事しづらい質問に困らされては、たまにやけにリアリティのある、姫を守れるような王子になれていた妄想しても、素直に彼に教えにいくはずもないんだろうと思っている彼はぽつりと声を発していた、「と思うよ。うん、」自分の言い分に納得しているようにと強く頷いていく斗奴雷は言う、「多分…」「ふん…」斗奴雷が自分に見せて来ている迷いが混じっていた返答と態度に目を細められつつ、流し目で彼の顔を見ていく竜祥、「何で?」


  「何でって…」竜祥がまたしても自分にどう返事をしていたらいいのかが分からない問題を投げて来ていた事に、苦笑いしてみたくなっている斗奴雷は困っているようにと左手で後頭部を擦っていき、「妄想癖はないから…」「ほぉ…」斗奴雷がぽつりと唇から漏らしていたような真実に目を半開きさせて行きつつ、どうやら自分には詳しくない分野では妄想癖を中二病と語っている事を脳内で分析しては、横目で彼の顔を見ていく竜祥は軽く鼻で笑っては、命に別条のない病なら、自分が小夜を守っていく妨げにならないんだと思っては、自分が発していた沈んでいるような声色に見開かされては、驚愕の表情を浮かんでいる斗奴雷の深い紫色の瞳を睨んでいく彼、「お前、俺がクラスよりずっと凄い組織を仕切れるのが妄想だと言っていたのか?」


  「まぁ…」竜祥が自分の不意に漏らしていた言葉を拾っては、自ら中二病の意味を理解していたのは少しばかり凄く思いつつ、つい自分が彼に勝る自信を持っている分野に踏み入れて来ている彼に闘争心を燃やしては、自分にだって簡単に話だけで分析出来るんだと内心で呟いている斗奴雷は、多分役に立ちそうな色んな分野に置いて、竜祥が持っている知識は、ゲームと進学テストに関わる問題しか学んでいない自分より多いんじゃないかと思っては、恐る恐ると肩を縮めて行きつつ、竜祥の顔を伺っていき、「そうなるかな…?」


  「ふん…」斗奴雷の自分を恐れている態度に微かな不満を覚えつつ、まったりと腕を組んでは、納得しているように一回首を縦に振っていく竜祥、「なるほど。」自分の声色に緊張を覚えているようにごくりと固唾を飲み込んでいく彼の白皙の喉に一瞥しては、弱っている人のために買って出ては、自分の方が上の立場にいるのを知れても自分に媚びようとしないでいる斗奴雷こそが、いざという時自分のために体を張ってくれるような逸材だと思っては、自分を小馬鹿にしていた彼をこのまま退かしていくのは勿体無いと考えている竜祥は、ニヤリと口角を上げては平然としている声を発していた、「確かにまだ成していない事を先に人に自慢するのは良くないかもな。」


  「おお…」我妻を呼び出しては自分のことをこっぴどく殴って来させようとするんじゃないかと考えていた竜祥は、やけに平坦な声で自分に言葉を向けて来ている態度に安心感を覚えている斗奴雷は、ぽつりと安堵の吐息交じりの言葉を紡いでいき、「怒って来るかと思ってたよ…」まるで自分に脱帽しているような声色で話しかけに来ている斗奴雷の態度に口角を無理矢理上に向けられているように思えている竜祥は、目を細めて行きながら、軽く自分の右膝に視線を落としていく、「この程度のことで怒ったら小夜を思う時間が減っちまうだろうが。」


  忽然、竜祥が口にしていた小夜の名前の人は確か彼の従姉妹だったんじゃないかと思っては、雨依の存在を思い出していたせいで勝手に小夜のことを年下の妹だと考えていた自分の思いは、多分間違っていないように思いつつ、如何にも女性って感じの名前をしていた従妹にそれまでの思いを当たり前のようにと口にしていた竜祥は、少しばかりヤバい奴なんじゃないかと思っている斗奴雷、「えっ…」


  自分が小夜への思いに怯んでいるようにと軽く両足を引いて行く斗奴雷の姿勢に、左側の口角を上げられているように思えては、他人が自分に向けて来る目線はどうでもよく思えている竜祥は、軽く顎を上げては左手の親指で自分の顎を指差して言う、「いつかは証明してやろう、数百人、」まったりと口角を上げて行きつつ、目を細めては自分の声に合わせては立てていた左手の人差し指に視線を向けていく竜祥、「或いは数千人、」軽く中指を立てては流し目で斗奴雷の絶句されている姿を見ていく彼、「それこそ運が良かったら数万人を仕切る場面をさ?」


  竜祥がやけに本気の声色で紡いで来る言葉に目を細めているように思えては、やけに自信に満ちている彼が紡いだ言葉は強ち妄想でもないように思いつつ、両親に、主に母親に否定されて来ていた自分にだって立派な人間になれては、見返していく夢を持っているくらいだから、我妻に従わせては、クラスのリードを手に掴んでいる彼にもきっとそれなりの野望を抱えているのであろうと思っている斗奴雷、「まぁ、それは別にいいけど。」


  潤んでいる瞳で自分の顔を見つめて来ては、やけに生き生きと見えてしまう竜祥が夢と言う名の未来を語って来ている様が酷く眩しく思えては、つい怯んでいるように軽く自分の右手にある鞄に視線を落として、母親に見返していくのは多分無理だと思ってしまう斗奴雷は軽く歯を噛んでは、せめてちゃんと社会人になれては、家から逃げ出せるお金を持って行きたいと願いつつ、竜祥のことを小馬鹿にしていた自分の方こそが愚の骨頂だと思っている彼は自嘲気味に笑っては、チラっと視線を竜祥に向けていき、「今は君がどうやって我妻の奴に従わせていたのか、」軽く左手の人差し指を立てて行きつつ、竜祥のような情熱を持っている人の傍に居ると、少しくらいは学べるものもあるんじゃないかと内心で期待しつつ、彼がクラスメイトを虐めている我妻を従わせているのを思うと、彼と仲良くなって行けたら、クラスメイトの安全も自分が保証して行けては、他のクラスの人も守って行けるんじゃないかと綺麗な夢にも思える思いに、苦笑いしてみたくなっている斗奴雷は、きっと自分の方こそが世界を救えるヒーローとかを語る中二病の類の人であるのだろうと考えつつ、目を細めては赤い瞳に映し出されている自分には例え妄想でも、そこまで偉い妄想ではなくただ身の回りの人が守れたらそれでいいと本気で考えている自分は、スケールの小さな男だと自嘲してしまう彼はぽつりと声を発していた、「或いはどうやって我妻からクラスのリードを取り戻せていたのかを知りたいんだよ。」


  斗奴雷の畏縮しているようにと自分に質問を向けて来ている態度に目を細めて行きつつ、軽く笑っていく竜祥は言う、「いいだろう。」内心にある酷い病気を患っては小夜から無理矢理剥がされる可能性がなくなっているのを思うと、重たい石に潰されてしまいそうなくらいに辛く思えた胸元が一気に解放されているように感じている彼は、軽くひんやりとした息を吸いこんでは、横目で斗奴雷の顔を見つめていき、「俺は別にあいつにクラスの中でグループを作って、」軽く左手の人差し指を立てて行きつつ、自分が発している声を真面目そうに聞いてくれている斗奴雷の顔を見つめていく彼、「グループに入らない奴を陰湿なことをしろなんて一言も言ってなかったんだぞ?」


  竜祥の潤んでいた赤い瞳の中に閉ざされていたような自分の姿を見つめて行きつつ、彼が何度も同じような言葉を繰り返して来ていることを思うと、そもそ彼はわざわざ彼と比べては酷く弱い自分に何度も嘘を吐く必要はないように思えている斗奴雷は、ごくりと固唾を飲み込んでは、深い紫色の瞳で彼の表情を映し出して行きながら、軽く首を縦に振っていた。「ただ、」ぼんやりと流し目で自分の立てていた左手の人差し指を見ていく竜祥は軽く鼻で笑っては、ニヤリとピンク色の口角を上げていき、「そいつがトリガーとなっていただけの話だ。」「うん…?」竜祥のまるで彼の立てていた左手の人差し指を我妻と見なしているように、人差し指のことを馬鹿にしているように笑っている態度に困らされている斗奴雷はぼんやりと小首を傾げて行きつつ、ぽつりと渇いた唇を開けていく、「どういう事…?」


  斗奴雷が自分に向けて来る簡単にも思えては、返事するには少しばかり時間がかかってしまう質問に目を半開きさせて行きつつ、チラっと目線を校門に向けていく彼は軽く鼻翼に力を入れては、ぽつりと小さな声を漏らしていた、「小夜がまだ学校で勉強しているはずだし今日の晩御飯は簡単なものなんだから…」竜祥の独り言を呟いている態度に目を細められてはぼんやりと彼の顔を見つめていく斗奴雷、「なの話…?」


  彼の酷く自分と我妻の間に何かがあっていたのかを聞きに来ている態度に、口角を上げられているように感じつつ、自分の凄さを知れると、賢いはずの彼はきっと自分の為に働いてくれるのであろうと感じている竜祥は呆然と自分の顔を見つめて来ている彼に一瞥しては、微笑んでいく、「もう少しだけ話をしようか。」「は…」竜祥のまるで自分の問題を解決するのを楽しみにしているような態度に戸惑いつつ、ぼんやりとぱちくりしていく斗奴雷は恐る恐ると肩を縮めては彼に尋ねていき、「話してくれるのか…?」


  斗奴雷の答えを得ているはずなのにまだ質問を自分に向けて来ている彼は、用心深い人なんだと思っている竜祥はまったりと彼から顔を校門に向けては、自分の瞳を奪いに来ているような茜色の雲を見上げて言う、「俺は弱いんだ。」「えっ…」突然、竜祥が自分に向けて来ているあまりにも意外な言葉にあんぐり口を開けられているように感じては、無理矢理にも思えるくらいに我妻に黙らせては、自分のことを守ってくれていた彼はきっと謙遜でそのような言葉を紡いで来ていたのであろうと考えている斗奴雷は、軽く渇いた唇を舐めてはゆっくりと視線を彼の繊細な胸元から両足に向けていき、「そうには見えな…」忽然、まるで自分の唇を閉ざしに来ているような竜祥の微かに震えているようにも見えている右足に視線を固定していくと、本当に武力で物事を語るのなら、彼はきっと我妻に嬲られては泣き言を言う時間もないのであろうと思っている斗奴雷、口角が軽く斜め下の方向に向けられているように感じている彼は補足するようにとぽつりと弱っている声を漏らしていた、「くもないけど…」


  斗奴雷のあからさまに自分の右足の傷を気になり始めている態度に口角をくすぐられているように思えては、目を細めて行きつつ軽く笑っていく竜祥、「あはは…」自分が発していた少しばかり怒りが混じっていた笑い声に驚かされているようにと、眉毛を少し跳ねらせては急いでいるように自分に顔を向けて来ている彼の瞳に微笑んでいく竜祥は、軽く右足を彼に向けていき、「これはね?」前に向けていく度にまるで自分に上手く右足を使わせてくれないでいるような膝の中に入っている針の感覚に苛立ちを覚えている竜祥は、軽く歯を噛んでは、右手にある鞄を強く握っていく、「わざと治療しないでいるんだよ。」


  「え?」竜祥がまたしても自分に意外な返答を向けて来ている事に眉毛を跳ねらされているように感じては、彼はきっと何かしらのトラブルに遭っては、或いは産まれた時から何かしらの医学では治れない傷を負っていたんだと考えていた斗奴雷、軽く強張っているような右側の口角を上げてくれては自分の顔を睨むように、見つめて来ている彼のことを目にすればするほど、訳の分からない人なんだとぼんやりと考えている斗奴雷はぽつりと呟いていた、「なんで…?」


  斗奴雷が自分に尋ねて来ている当たり前のような質問に鼻腔の奥をくすぐられているように感じてしまう竜祥は軽く笑っては、右手にある鞄で軽く右膝を叩いていき、「人はどれだけ汚らしい生き物なのかを、」ゆっくりと鈍い痛みが走っている右膝から、目線を戸惑っているようにと眉毛をひそめている斗奴雷に向けていく彼、「永遠に覚えるためなんだからさ?」竜祥の酷く人類に絶望しているような言葉に心臓を抉られているように思えては、つい母親が実の息子である自分に向けて来ていた無愛想な態度に心を囚われているように思えては、不服そうに軽く歯を噛んでいく斗奴雷は、竜祥の話を聞いた瞬間で直ぐに母親のことを思い出していた自分を認めないでいるようにと、何度も首を横に振って行きつつ、ごくりと固唾を飲み込んでは、クラスメートを虐めて来ていた我妻の様を思い浮かんでしまうと、竜祥が語って来ている言葉は全否定することは出来ないと強く考えている斗奴雷。


  「もちろん、」俯いては自分が紡いだ言葉に悲しみを覚えているような純粋にも思える斗奴雷に向けて右側の口角を上げては、軽く左手の人差し指を立てていく竜祥は言う、「小夜のような見ているだけで笑っちゃう可愛い人もいると思うけど、」まったりと左手を右膝にある鈍い痛みに刺激されているように、共に蘇って来ている衰弱していた自分の存在を抹殺しようとしていた二人の、自分を甚振る事で快感を得ていく様に苛立ちを覚えては、悔しそうにと強く左手を握っては眉毛をひそめて行きつつ、溢れんばかりの憤怒が宿っている鋭利な眼差しを斗奴雷に向けて言う、「俺には自分がずっと彼女のような人としか周りにいないと思う程に、傲慢じゃないんだよ。」 


  竜祥が自分に向けて来ていた言葉は真理にも思えては、彼がどうして我妻のことを止めていなかったのかと、彼がどうして跋扈していた我妻を手下にしていたのかを理解できているように思えている斗奴雷、ぼんやりと視線を彼の足元に向けては、自身を守るために強い人を弱らせては、一時のボディーガードにしている彼がやっている事は、間違っていないと知りながらも、認めたくないでいる自分は可笑しいのだろうかと考えている斗奴雷は、辛そうにと喉から声を絞り出していく、「そう…だよな…」


  「未然に防ぐのさ、」まったりと左手を胸元から離れて行きつつ、自分の右足に視線を落としていく竜祥は軽く鼻で息を吐きだしては、声を発していた、「そもそも未然ではなく、」軽く顎を上げては眉をひそめて行きつつ、まるで自分の言い分に納得していないかのような斗奴雷の瞳を見つめていく彼は言う、「グループの外側にいる人を仲間にするか、」目を細めて行きながら横目で自分と階段の間を隔てようとしているようなガラスを見ていく竜祥、「排除していくのかと言うシンプルな考えだと、」軽く歯を噛んでは自分には間違っている事を一つもしていないんだと内心で考えている彼は、喉から悔やんでいるような声を絞り出していき、「いずれ俺の番が来るんだ。」


  竜祥のまるで我妻を手下にしたがらないでいるような態度で紡いだ言葉に、目を細められているように思えては、彼は自分が畏怖していたような極悪非道の人間ではないはずだと内心で自分に言い聞かせていく斗奴雷。横目で斗奴雷の自分の言葉に納得してくれているような態度に口角を軽く上げられているように感じては、自分に弱みを握られている我妻とは違っていて、斗奴雷を取り込んだ方が自分と彼の立場が逆転しても、自分を死へ追い詰めに来る可能性は極めて低いと考えている竜祥は言う、「教師もそう言うクラスの秩序を破る奴は嫌いなんだよな?」軽く左手を胸元に当てては、自分はクラスの安全を守っているんだと、訳の分からない正義感に操られているようにも思える斗奴雷に思わせたいと強く考えている竜祥、「危ない事になると、真っ先に担任が責任を取らないといけなくなるからだ。」


  竜祥が自分に向けて来る教師まで分析していた後で我妻を鎮圧していた行動を耳にすると、つい同じ高校生なのに、勉強とゲームしか知らないでいる自分と彼が考えている事がかけ離れているように思えては、やはり竜祥は凄い人であり、尊敬し始めている斗奴雷は眉毛をひそめて行きつつ、やけに自分に親しそうに接して来ている竜祥はそのような少しばかり複雑にも思える事を考えているのに、無暗に自分に近づこうとはしないはずなんだと考えている斗奴雷、「君は…どうかしたのかな…?」竜祥のことを警戒していくようにと眉毛をひそめて行きながら横目で彼の顔を見つめては、尊敬してもいい彼は決して自分のことを我妻とは違っているように扱いにしないとは限らないと自分に言い聞かせている斗奴雷、「我妻に。」


  斗奴雷が好奇心に駆り立られては声に乗せていた一言に口角を軽く上げられているように思いつつ目を細めては、自分たちしか残されなくなっていたドアの周りを見渡していく竜祥は、軽く左手をポケットに突っ込んでは顎を上げていた、「教師と少し取り引きをしたって訳じゃないけど、」竜祥が紡いだ曖昧な言葉に心臓を一瞬冷やされていたように思えては、彼が本当に学校を裏で仕切っているんじゃないかと思っていた自分が少しばかり恥ずかしく思えている斗奴雷は、自分が妄想癖があるかもしれない事を間接的に言いに来ているような竜祥に目を半開きさせていく。


  斗奴雷の急に拗ねている子供のようにと軽く渇いた唇を噛んでいる様に戸惑いつつ、まったりと左手の人差し指を立てては横目で彼の顔を見下ろしていく竜祥、「暗黙の了解でお互いに通している訳だ。」自分が紡いだ言葉に困らされては、強く眉毛をひそめていた斗奴雷の、一瞬にして自分が紡いだ言葉に隠されていた意味を分かっていたかのようにと眉毛を跳ねらせている様に向けて、口角を上げていく竜祥は言う、「賢い人はわざわざ言葉を交わすまでもなく、」軽く左手の人差し指を左右に振らしていく彼は斗奴雷に自慢しているようにと声を上げていき、「分かり合えるものなんだぞ?」


  竜祥が自分に向けて限りなく回答に近いヒントに口角を彼の賢い頭脳へのリスペクトに、斜め下の方向に固定されているように思えている斗奴雷はごくりと固唾を飲み込んでは、何度も震えているような鼻翼に力を入れていく、「何をしたのかは…」軽く歯を噛んでは、竜祥がやっている事が本当に自分の妄想なんじゃないかと思ってしまうくらいに、現実味のない事だとぼんやりと考えている斗奴雷、「具体的なは分からないけど、」まったりと腕を組んでいきつつ、まるで自分が解答を声に乗せるのを楽しみにしているようにと笑ってくれている竜祥の顔を見つめていく彼、「君は、我妻とそのグループを黙らせていた事で、」軽く歯を噛んでは、賢い過ぎるようにも思えている竜祥は確かに自分が思うような教師と、暗い取り引きをしていないのであろうと思いつつ、教師と彼の間が起きていた形のない取り引きは、とてもじゃないが高校生である自分の想像を上回っているように感じている斗奴雷、「先生の信頼を得ていたのか…?」


  斗奴雷の自分がしていた造作のない作戦に驚かされては、あんぐり口を開けてしまいそうな姿は少しばかり滑稽にも感じては、可愛くにも思えている竜祥、目を細めて行きながら子供の時から否応なしに、両親に命をかけられている人と人の駆け引きを強いられて来ていた自分と楽しそうに両親に守られつつ育って来ていた高校生とは、経験して来ていた地獄の数が違うんだと自慢するより、脳が怒りに潰されてしまいそうな気がしてならないでいる竜祥は軽く口角を上げていた、「まぁ、簡単な話だよね。」


  竜祥が自分に向けて来ている少し自慢しているような態度に眉毛をひそめて行きつつ、つい自分がしたいと言うのなら出来なくもないようにと、自分でも可笑しく感じてしまう自信に口角を上げられてしまいそうな気がしては、竜祥が自分に向けて来ている赤い瞳を睨むようにと見つめていくと、つい彼は一体どうやって小さなスケールのグループを作り上げていた我妻に弱らせていたのかと、疑問に思い始めている斗奴雷はやけに自信に満ちている笑みを自分に向けて来ては、まるで彼には出来ないことなんて一つもないんだと語って来ているような竜祥の様に、心を冷やされているように思えては、背中が焼かれているように感じてしまう斗奴雷は軽く鼻翼に力を入れては、竜祥がしていた事は聞いているだけなら自分にでも出来るような予感をしているけれど、実際自分が我妻が跋扈していた時期になると、ただ出来る限りそのような輩とぶつからない事しか思っていなかったのを思い返していくと、つい聡明なだけではなく、勇気も確実に持っていて、リスクを恐れないでいる竜祥は一体何者なのかと疑問に思い始めている斗奴雷は言う、「どうやって我妻を…?」


  斗奴雷の心の中で自分の存在を考え始めている様に目を細めて行きながら、自分が紡いだ言葉を瞬時で理解している彼のことを思うと、やはり我妻のような愚か者より、自分のペースについて来れる斗奴雷と組んでいた方が、自分にはより安全を獲得できると考えている竜祥、「それを知りたいのかな?」ニヤリと右側の口角を上げては自分が発していた起伏しているような声色に見開かされては、恐れているようにと自分のもとから一歩を離れていく斗奴雷の顔を見つめて行きつつ、軽く左手を胸元に当てては、我妻の秘密を知れると、彼も自分と同じように我妻に常に何かしらの弱みがないのかを調べられるのであろうと考えている竜祥は、まだ自分のように物事をやり抜ける程の度胸を身につけていない彼には少し酷な思いを強いたくないと考えている、「二度と俺から離れる事が出来なくなるんだぞ?」


  ”ドクンー”「えっ…?」突然、竜祥が自分に向けて来るやけに曖昧にも思える言葉に心臓を貫かれているように思えては、男には全くもって興味のない自分と、多分自分と同じで女性しか愛せないでいるのであろうと我妻の存在を考えると、男に男を二度と離れられなくなるに当たって必要なものはかなりヤバい存在なんだと恐れては、ごくりと固唾を飲み込んでいく斗奴雷は肩を縮めて行きつつ、左右の人目を警戒して行きながら軽く左手を上げては、自分の口元を隠していく彼は軽く竜祥に顔を近づいていく、「まさか…」緊張に喉を鷲掴みされているように思えては、声が勝手に震え始めているようにも思えている彼はぽつりと渇いた唇をこじ開けられていく、「ま、麻薬を…?!」


  斗奴雷のまるで自分にヒントを向けて来ているような話に目を半開きさせて行きつつ、まだ高校生相手にはそれまでの手段を行使する必要はないとは言え、予備になれる方法はいくら有っても困らないと考えている竜祥は、無理矢理上げてしまいそうな口角を抑えて行きながら、飽きれている振りをしながらぽつりと渇いた唇を開けていた、「なんでそうなるのかな…?」宛ら自分の演技を鵜呑みにしているようにと軽く左手で胸元をなで下ろして行きつつ、安堵の吐息を吐いている斗奴雷の態度は可愛く思えている竜祥はニヤリと口角を上げては、かつての自分も多分彼のように単純な目で世界を見ていたのであろうと考えている竜祥は言う、「暴力と陰湿な手段を頼ってクラスの皆の良き勉強の環境を邪魔する奴には、」


  急に厳かな口調で言葉を紡ぎ始めている竜祥の態度にぱちくりして行きつつ、ごくりと固唾を飲み込んでは、やけに真面目な話を紡いでいる彼の瞳に映し出している少しばかり畏縮している自分の顔を見ていく斗奴雷。わざとらしく勿体ぶっている自分に合わせて来ているようにと息を吸わないで待って来ている斗奴雷の様に、鼻をくすぐられているように感じては、少しばかり照れくさい気持ちになれている竜祥は横目で彼の顔を見ていき、「同じように暴力と陰湿な手を頼らせて貰う他ないだろう?」


  竜祥が自分に向けて来ている遠回しにしている言葉に目を細められては、はっきりと自分に我妻に一体どんな事をしていたのを聞かせてくれないでいる彼は、きっと胸を張れるような事をしていないのに違いないのだろうかと考えてしまう斗奴雷はぽつりと呟いていく、「何だよ…」困っているようにと眉毛をひそめて行きながら、横目で彼の事を見ていく斗奴雷、「チンピラでも雇ってたのか…?」


  


  

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