第236話僕の延命治療になってたりするんですよ?君は。


  惚けているような言葉を真顔で向けて来ている斗奴雷の態度に目を半開きさせている楽々花は思わず苦い笑みを浮かべては、軽く首を横に振って言う、「いや…違うからね?」宛ら自分が紡いだ言葉に納得出来ずにいるかのようにと眉をひそめては、軽く唇をすぼめている彼の愛くるしい子供のような態度に口角を軽く上げられているように思いつつ、ぼんやりと視線を自分たちが繋いでいたかのような手に向けてしまう彼女、「好きな…うう…」


  唇から出ようとしていた言葉に心を苛まれているように感じつつ、口角が斜め下の方向に向けられているような気がしてならないでいる楽々花は何度も鼻翼に力を入れては、決意したようにと強く彼の右手を握っていた、「す、好きな人がこんなにも不安になっているのなら!」自分のことを鼓舞しているようにと左手でガッツポーズを取っていた楽々花は猛然と額を上げては、自分の急な告白に見開かされている彼の顔を見つめていく、「わたしが何とか一緒にその重たいプレッシャーを分担したいからさ!」


  真っ直ぐな金色の瞳に心を奪われているように思えては、彼女の魔性にも思える眼から視線を逸らす事が出来なくなっているような気がしている斗奴雷はつい感動を覚えては、彼女がちゃんと自分の傍にいてくれていることを思ってしまうと、体が温かい漣に包まれているようにも思えてしまう彼は嬉しそうにと軽く鼻を啜っていき、「楽々花さん…」自分が何度も命を救ってくれていた彼に向けていた当たり前の台詞に感動を覚えている彼に目を細められては、何度も告白し合って来たのに、いざ冷静になると、つい上手く内心の思いを素直に声に乗せられないでいる自分に困らされている彼女は、可笑しそうにと軽く口角を上げては横目で彼の顔を見て行きながら、冗談交じりに声を発していた、「そこは”君”って言ってほしかったな?」


  彼女が自分に向けて来る言葉に目を細められては、軽く口角を上げていく斗奴雷は燦爛な笑みを自分の顔を映し出してくれている金色の瞳に向けて、まるで自分が浮かんでいる笑みに驚かされているようにと眉毛を跳ねらせている彼女の顔を見つめていく彼は、軽く右手の人差し指を立てていた、「恥ずかしいから無理です。」彼が淡い笑みを浮かべては、変に自分に期待させて来ている態度と返事のギャップに見開かされては、思わずけんか腰になってしまう彼女、「なんで笑いながら言う?!」


  「え、えっと…」軽く右手の人差し指で痒くなっている頬を掻いては、もし自分にとって彼女はただ自分に守られている偶像ではなく、普通の女の子だと納得してしまうと、告白し合っては本当に恋人になっているような自分たちが、同じベッドの上で座っているのはかなり心臓を刺激する物があるように感じては、辛そうにと喉に引っかかって来ているような唾液を飲み込んでいた斗奴雷、宛ら興奮気味になれては上手く息を吸いこめないでいる自分に飽きれているように目を半開きさせては、見逃してくれていたようにと軽く口角を上げてくれている彼女に目を細められては、微笑んでいく彼、「一言で言うなれば、」軽く歯を噛んでは自分と共に竜祥と言う奴に立ち向かおうとする楽々花はきっと竜祥の恐ろしさを知れると、彼に関して聞きに来ていたことを後悔するのであろうと思ってしまい、「化け物ですね…」ぽつりと渇いた唇を開けては、とりあえず自分が竜祥に遭わせていた出来事を知らせにいく前で、何とか彼女に怯んで貰えることを試ると同時に、頑なに竜祥の話を聞きたがる彼女に心の準備をして貰おうと考えている彼はぽつりと声を発していた、「理性のある怪物です…」


  やけに真面目そうな態度で自分に言葉を向けて来ていた斗奴雷の歯ぎしりしてしまいそうな様に困らされては、思わずぼんやりと小首を傾げてみたくなっている楽々花は自分の右手の中で震えているような彼の左腕を支えていくように、軽く右手で彼の繊細な手の甲を撫でて行きつつ、自分の手に驚かされているようにと眉毛を跳ねらせていた彼の顔を見つめつつ、ぽつりと疑問の声を漏らしていく、「それって普通に人間じゃないかな…?」


  「ううん…」自分のことをからかって来ているように、温かく柔らかい手のひらで自分の手の甲を撫でて来ている彼女が見せてくれている潤んでいる瞳を目にすると、彼女は間違いなく自分に落ち着いて竜祥に関して語って欲しいのであろうと内心でぼんやりと考えて行きながら、どうしても彼女の手付きがいやらしく感じてしまう自分の心は、きっと汚れているのであろうと内心で納得して行きながら、中々言葉の後半を紡ごうとしないでいる自分に悩まされているような彼女の瞳に、目を向けるとつい照れくさい心境になってしまう斗奴雷、「化け物なら見境なしに人を襲うのですけど…」彼女の体の柔らかさと彼女が楽々花日芽であることを極力意識しないで行こうと強く思っていた彼はつい、もし彼女が楽々花日芽ではなくなってしまったら、自分はなに平然と可愛さと麗しさを持ち合わせている女の子とベッドの上に座っているんだと、自分の脳内で叫んでみたくなっている彼はつい自分には一体どうやって彼女に接したらいいのかと悩んでは、彼女の柔らかい体を抱きしめては、白皙の頬に顔をくっついていたせいで、ますます彼女のことを意識しては体が焼かれているような思いに悩まされている彼は思わず苦しそうな唸り声を漏らしていた、「うう…」


  辛そうな唸り声を漏らしながら軽く右手を上げては額を押さえている斗奴雷の仕草に見開かされ、思わずあんぐり口を開けてしまいそうな楽々花は急いでいるようにと右手を彼の左手から離れては、迷わずに華奢な両手で彼の肩を抱えていき、「ど、どうしたの…?」軽く眉間に皺寄せて行きつつ、自分に肩を握られてはぼんやりと眉毛を上げていく彼の顔を見つめている楽々花は、つい彼が竜祥のことを少し考えたくらいで便秘しているようなくらいに辛くなってしまうのかと、内心でぼんやりと考えて行きながら、まるで自分に肩を握られていたお陰で自我を取り戻せていたような彼の瞳を見つめていく彼女は、ぽつりと声を発していた、「そんなにもやばい人だった…?」


  自分の肩を強く握って来る彼女の本気で心配して来ている態度に、口角を微かに強張られているように思えてしまう斗奴雷はごくりと固唾を飲み込んでは、恐る恐ると首を縦に振っていき、「え、ええ…」彼女の茹で卵のような柔らかく滑らかで、それにほんのりとした甘い匂いを放っていたような頬にもう一度くっついてみたいと言う思いに頭を占拠されていたような気がしていた斗奴雷は、眉間に皺寄せては真っ直ぐな瞳で自分のことを見つめて来ている彼女に、心の悩みを解かされているようにも思えては、自分のことを心配してくれている彼女に内心で感謝して行きつつ、目を細めていく彼は軽く頷いていく、「うん。」


  自我を上手く取り戻せていた自分に向けて眉をひそめたまま、厳かな表情を見せてくれては強く首を縦に振って、自分の両肩を放していく彼女から再び視線を自分のくっついていたような両足に向けていく斗奴雷は言う、「あいつは人を利用して、」まるで少しばかり彼女に慣れていたように距離を置いていた両膝を見つめて行きつつ、竜祥はとんでもないくらいの悪党なんだと内心で強く思ってしまいそうな気がしてならないでいる斗奴雷、「殺し合わせる…って、」引き攣っているような右側の口角を上げて行きながら、竜祥は彼のことを守るために平然と人に危害を加えていただけであり、意味もなくただ人の苦しむ顔を見たがる奴よりは少しだけはましだけれど、どれもが極悪の類に入る人間であることは間違っていないんだと思っている斗奴雷は言う、「昔の世界観ならそんな事は本当に文字通りには…」


  引き攣っているような左側の口角を上げては自分の左側に座ってくれていた彼女の存在を思ってしまうと、もし自分が人に傷つけると引き換えに楽々花の安全を保てると言うのなら、多分迷わずに人に傷つけていくのであろうと内心で思っては、未だに人に傷つける事と好きな人を守るの究極の二択の中で悩んでしまう自分はやはり竜祥より弱く、高校生の時で冷酷なまでに自分自身を守るのを優先にしていた竜祥のような、世の中で上手く生きていけるような天才ではないんだとぼんやりと思っている彼は苦笑いしながら、残念そうにぽつりと声を発していた、「出来なくもなかった奴なんですよ。」


  「え?」斗奴雷の何度も悩んでいたようにと語って来ていた竜祥と言う人の人物像に、あんぐり口を開けられているように思えては、喉を鷲掴みにされていたような気がしてならないでいる楽々花はぱちくりながら、軽く右手で自分の唇を隠して行きつつ、困っているようにと眉をひそめては横目で彼の顔を見ながら彼に尋ねていき、「人殺しだったの…?」楽々花が人殺しを恐れている様に目を細められているように感じつつ、自分が竜祥のやることを間近で見てきていなかったら、きっと彼女のように普通に人殺しのことを恐れていたのであろうと思っている彼は、残念そうにと首を横に振っていき、「ううん…」もし竜祥がただの普通の人殺しだったらとっくに法律に裁かれては、クラスに居た誰もが彼の存在を怯える必要もなくなっていたのであろうと思ってしまう斗奴雷は、チラっと自分に言葉を否定されては悩んでいるようにと小首を傾げている楽々花の顔を見ていく、「直接殺してはいないんだけど…そう遠くもないかと…」


  「マジか…」斗奴雷が紡いだ補足の話に唇を無理矢理こじ開けられているようにも感じては、ぼんやりとぱちくりしていく楽々花は引き攣っている口角を上げてくれては、自分に微かに充血している眼を向けて来ている彼の顔を見ていき、「そんな人が逮捕されないのかよ…」彼女が紡いだシンプルな言葉に苦笑いしてみたくなっては、探偵小説だったら犯人が十中八九逮捕されては、正義が勝つだろうけども、現実はフィクションよりずっと複雑なものであり、竜祥がやる事が当時の自分から見れば悪だけれども、今になると、極限なまでに追い詰められると、とてもじゃないが彼は純粋な悪とは言えないでいるようにも思えてしまう斗奴雷、「それが…理性のある怪物なんですね…」


  目を細めて行きながら自分は当時竜祥に従っていくべきだったのかと言う思いが、一瞬脳内を過ってはまるで自分の考えを否定して行くようにと軽く首を横に振っては、困っているようにと眉をひそめてしまう彼は、潤んでいる瞳で呆然と自分のことを見つめてくれている彼女を映し出しては、少なくとも保身の為に人を死へ追い詰めていたような輩に成り下がる前に、自分はちゃんと比較的に綺麗な状態で彼女に会えていたんだと思うと、自分が今までして来ていた決断の中で唯一悔やんでしまうのはきっと雨依を部屋から連れ出していたことだけであろうとぼんやりと思い、軽く歯を噛んでいた彼は俯いて行きつつ、太股ずらしては自分に近づいて来ている彼女に苦笑いしてみたくなっている彼は言う、「自分だけが酷く安全な立場に居たりするのです、それも常に…」


  斗奴雷が緊張のあまり自分に向けて来ている酷く抽象的にも感じてしまう言葉に目を細められては、少しくらいは場の雰囲気を和ませていこうと強く考えている楽々花は軽く両手を合わせて行きながら、ぽつりと声を発していた、「ゴクリ…」楽々花の自分が真面目な話をしている最中にふざけているような態度を挟んで来ていた事に、口角を軽くくすぐられているようにも思いながら、思わず目を半開きさせては彼女に文句を言ってみたくなっている斗奴雷は、金色の瞳の中にある自分の顔を見つめて行きながら、ぽつりと文句交じりの言葉を紡いでいき、「何でわざとらしく効果音を当ててるのですか…」


  自分が口にしていた少しふざけていた効果音に緊張感の呪縛から解かされているような彼の態度に、微笑んで行きながら横目で彼の顔を覗き込んでいく楽々花は誇っているようにと、軽く左手を胸元に当てて言う、「だって、ただ聞いているだけだとなんか詰まらないから、」ニヤリと口角を上げては彼の自分の悪びれないでいる様に驚かされている表情を凝視していく彼女は、軽く顔を彼に近づいていき、「ふざけてみました。」小首を傾げては唇を彼の頬にくっついて行こうとしているような彼女は、ぽつりと声を発していた、「だめ?」


  「うう…」まるで再び無理矢理自分の唇を奪おうとしているような彼女の態度に攻められては、思わず軽く上半身を引いてしまう斗奴雷はごくりと固唾を飲み込んでは、恐る恐ると顎を引いて言う、「ダメじゃないです…」軽く赤くなっている鼻翼に力を入れては、彼女から目を逸らしてしまう彼は恥ずかしそうに声を漏らしていた、「可愛いです…はい…」


  ハニカム姿で自分のことを褒めて来ている斗奴雷の態度に口角をくすぐられているように思えては、感動されているようにとピンク色の唇を開けていく楽々花、「おっ…」喉が彼が自分に向けて来ている照れくさそうな態度に軽く殴られているように感じては、幸せそうにと軽く口角を上げては上半身を引いていく彼女、「おお…」まるで自分が彼女に向けていた褒め言葉に、喋る機能を奪われていたようにと唇を開けている楽々花の態度に目を半開きさせて行きつつ、まるで珍しい生き物でも見ているように、感動しているような潤んでいる金色の瞳で自分のことを映し出して来ている彼女の顔を横目で見てしまう彼は、軽く右手の人差し指でこめかみを掻いて行きつつ、ぽつりと弱っているような声を上げていき、「ゴリラ?」


  彼がまるで自分に向けて来ているディスっているような言葉に細い眉毛を無理矢理跳ねらされていたように思えては、猛然と顔を彼に近づいていく楽々花は強くシーツに付けていた右手を胸元に当てては叫んでいた、「なんだよ?!好きじゃなかったの?!」けんか腰になれてはまるで自分のことをぶん殴ってみたくなっているような彼女の少しばかり憤っているような眼差しに向けて、ぱちくりしてしまう斗奴雷は恐る恐ると首を横に振って行きつつ、例え彼女が殴って来たとしてもきっと幼い子供とじゃれ合うような気分でするのであろうと内心で考えている彼、「う、ううん…」ごくりと固唾を飲み込んではまるで自分の解釈を聞くまでは口を聞いてやらないぞと知らせに来ているように、腕を組んでいる楽々花の拗ねている態度に口角を軽く上げられているように思いつつ、改めて自分の言葉に怒って来ている彼女がステージの上で輝く完璧な偶像ではないことを知らされているように思えては、嬉しそうにと目を細めていく彼は俯いて行きながら、小さな声を上げていた、「ゴリラは好きじゃなかった…けど…」


  彼が自分に向けてゴリラを語って来ている様に目を半開きさせて行きつつ、彼は自分のことをはぐらかそうとしているのではないかと内心で思って行きながら、不服そうにと鼻翼に力を入れてしまう楽々花は横目で彼の顔を睨んで行きつつ、不貞腐れるようにと艶やかな唇を尖らせていく、「わたしのことを言ってたつもりだけど…?」まるで自分の言葉を急かして来ているような彼女の話のニュアンスに目を細められては、恥ずかしそうに彼女に潤んでいる視線を向けていく斗奴雷は、胸元の奥にある荒れている心臓の鼓動を抑えて行くようにと、強く歯を噛んではごくりと固唾を飲み込んでいき、「楽々花さん型のゴリラならいっぱい買ってみようかと…」自分がぽつりと口にした言葉に眉毛を跳ねらされている楽々花の瞳を見つめていくのは、尋常じゃないくらいに恥ずかしく思えている彼は思わず肩を縮めては、彼女から目を逸らしていく、「思っている所存…」


  斗奴雷のまるで真っ赤になっては燃えて仕舞わないかと、不安を強いられてしまうくらいの繊細な耳殻を見せて来ている様に目を細めては、彼はきっと自分と同じように照れくさい心境に脳内を満たされているんだと強く思いつつ、恥ずかしい雰囲気を破っては、自分のために散々緊張とプレッシャーに挟まれ、押し潰されてしまいそうな彼の心境を和ませていこうと思ってしまう彼女は軽く右手で頭を掻いていき、「ごほ?」


  「うっ!」突然、まるでゴリラの真似をしてくれているようにと軽く鼻の下を伸ばしてくれては、わざと顎を引いている彼女がふざけているようにと斜め上の方向に目線を向けているヘンテコな表情に見開かされては、目の前にいる人は本当にアイドルだったのかと疑ってしまう斗奴雷は、つい可笑しそうにと繊細な右手の人差し指で頭を掻いている彼女のからかいに来ている表情に喉を刺激されては、唇をこじ開けようとしているような息に苦しめられてしまう彼は思わず猛然と彼女から顔を逸らしては、強く握っている右手を上げては唇を押さえていく、「ぷっ!」


  見えなくとも恥ずかしくなってしまうくらいに馬鹿げたポーズをしていた自分の姿にからかわれては、つい我慢出来ずに吹き出し笑いしていた斗奴雷のまるで自分に怒られて仕舞わないかと、急いで太股に付けてしまいそうな両肘を離れては背筋を伸ばしてくれては、自分を恐れているようにと震えている頭を向けて来ている態度に微笑んでいく楽々花、「おお、」軽く首を傾げて行きつつ、深い紫色の瞳に映し出されている自分の顔を見つめて行きながら、自分のさっきアイドルの欠片も残されていなかったような仕草のせいで彼の中にある綺麗な自分の印象は完全に潰されて仕舞わないかと、不安になってしまう彼女は取り繕うようにと流し目で彼のことを見て行きながら、淡い笑みを浮かべていく、「やっと笑ったね?」軽く両手を握っては彼が自分に笑ってくれるのなら、元々アイドルを止めていたような自分にはもう面子何て要らないと決意したようにと胸を張っては強く両手で胸元を叩いていく彼女、「ゴホゴホ?」


  宛ら自分にマシュマロのような柔らかい胸元をアピールしに来ているような彼女の、本気でゴリラの真似をしてはこれっぽちも異性の魅力を残されていない行動に困らされているように感じつつ、口角が彼女の仕草に無理矢理上に向けられているように思えては、彼女はどうしてここまでのことをしてくれるのかと悩んでしまう斗奴雷、「ううう…」”どどどー”まるで自分が笑い声を発するまではゴリラの真似を止めるつもりはないでいるような彼女の向きになっているようにと、繊細な眉毛に力を入れている様に刺激されては、喉が笑いに潰されてしまいそうに感じてしまう彼は、思わず恐る恐ると震えている左手をゆっくりと彼女の胸元に触れないで行こうと、気を付けながら彼女の左腕を握っていき、「は、恥ずかしくないのですかね…?」自分の辛そうに起伏している声に安心感を覚えているようにと両手を行動を止めている彼女は、恥ずかしそうにと軽く唇を噤んでは自分から目を逸らしていく様を見つめている斗奴雷はぽつりと呟いていた、「君は…」


  「恥ずかしいよっ!」自分のことをちゃんと自分であり、楽々花で全ての手柄を取って欲しくない時に、いつも楽々花で自分を呼んで来ていた斗奴雷がわざととも思ってしまうくらいに、楽々花に恥ずかしさを擦り付けようとしている自分の思いを裏切って来ている態度に歯ぎしりしてみたくなっている彼女は、猛然と段々燃えているようにも思える顔を彼に向けていく、「死ぬほど恥ずかしいから!」やけに大きな声を発している自分に驚かされているようにと眉毛を跳ねらせては、宛ら自分たちは誰かに監視されていないのかと懸念しているように、チラっと自分の後ろにあるカーテンに目線を向けては、恐る恐ると右手の人差し指を立てては唇に付けている斗奴雷の、自分に少し声を抑えて欲しいと語って来ている態度に向けて眉間に皺寄せて行きながら、不満そうにと軽く鼻翼に力を入れてしまう彼女はぷいと首を横に振っては、横目で彼の顔を睨んで言う、「そこは”君”じゃなくて楽々花にしなさい!」


  「えっ?!」彼女が楽々花であることを思ってしまうとつい彼女が自分の中にある綺麗な彼女の想像を、完膚なきまで潰しに来ているような気がしてならないでいる斗奴雷はつい困っているようにと眉をひそめては、何度も首を横に振っていく、「いやだよ…!」自分が必死に震えている喉から絞り出してた声色に見開かされている彼女の顔を見つめて行きながら、何度も鼻翼に力を入れてしまう彼は負い目を覚えているように彼女から目線を逸らして行きつつ、ぽつりと呟いていた、「何で楽々花さんがそんなことをしないといけないのですか…」


  斗奴雷が自分に向けて来ている話はなんとなく理解できているようにも思いつつ、彼が思っている綺麗な包装で飾られていた自分の印象を全部破って行こうと強く思ってしまう彼女は、不服そうにと唇を尖らせて行きつつ、彼の横顔を睨んでいく、「あんたに笑わせるために決まってるんでしょが!」「え…?」突然、彼女が自分に向けて来た当たり前のようにも思える言葉に、眉毛を跳ねらされていくようにも思えては、ぼんやりとぱちくりして行きつつ、彼女の顔を見つめてしまう彼は困っているようにと小首を傾げていき、「どうしてそのようなことを…?」


  素朴なまでに自分にシンプルな質問を向けて来ていた彼の微かに血走っていた眼を目にしてしまうと、彼は自分のために散々悩んではちゃんと休む事も出来なかったのであろうと思うと、つい肩が彼への感謝に焼かれているように感じては、申し訳なさそうにと唇をすぼめて行きつつ、軽く人差し指を突いていく彼女は言う、「だって…いっぱい悩んで来たのに…」悔しそうにと軽く歯を噛んでは自分はただ彼を邪魔する以外のことをしてこなかったんだと悔やんでいる彼女は強く白い歯を噛んでしまい、「なのにわたしは何の役にも立てなかったし…」チラっと横目でぼんやりと弱っている自分が紡いでいる言葉を聞きながら、軽く口角を上げてくれている彼を見ていく彼女、「それにいっぱい迷惑も掛けて来たんだしさ…?」まるで彼が自分に向けて来ている笑みに引かれているようにと、軽く胸元を彼に向けている彼女は右手を胸元に当てて行きつつ、彼の太股に視線を落としていき、「せめてギャグで笑わせるくらいのことはしないと申し訳ない…」彼への負い目に心臓を潰されてしまいそうな気がしてならないでいる彼女は、強く胸元を守ってくれていたようなクリーム色のカーディガンを握っては、ぽつりと呟いていく、「なんて思っててさ…」


  叱られていた子供のようにと軽く肩を縮めている彼女がぽつりと紡いだ一言に眉毛を軽く跳ねられていたように感じつつ、不服そうにと唇をすぼめていく彼女の愛くるしい表情にからかわれているようにと微笑んでしまう彼、「そうなんですか…」軽く視線を自分の手の甲に残されていた細い傷跡に向けていくと、当たり前のようにと口角を上げていく猫背になっていた彼はゆっくりと顔を彼女に向けては、金色の瞳の中に封じられているような自分に目を細められている彼は幸せそうにと声を発していた、「僕は全然いいんですよ?」宛ら自分が紡いだ一言に驚かされているようにと軽く細い眉毛を跳ねらせている彼女の表情から、軽く視線を彼女の握っていた右手に向けていく彼は言う、「喜んで君のために悩んでいるんだし、」微かに震えている彼女の両手を見てしまうと、つい彼女が無言で自分にして来ていたようにと彼女の繊細な手を握っては、支えて上げる事が出来ずにいる自分は酷く情けなく思えている彼は軽く歯を噛んでしまい、「君がいなかったら…」ごくりと固唾を飲み込んでは、自分がしようとしている行動に心を刺激されては、無性に恥ずかしくなっている心に苛まれている彼は、恐る恐ると左手を軽く彼女の手に向けて伸ばして行きつつ、視線を自分が座っていた回転椅子の方向に向けていき、「僕はもうあの柱とシルエットにやられるがままに全てを受け入れていたと思いますからね…」


  宛ら自分の手を探しに来ているようなシーツの上で、まったりと自分の太股に近づいてきている彼は恥ずかしさに苦しめられては、上手く自分と顔を合わせる事が出来ずにいる態度に口角をくすぐられているように感じては、心がやけに温かくなれているように感じてしまう彼女は軽く両手で彼の左手を包んでいく、「どうして?」「あ…」自分の左手を温かく包んでくれている彼女の、まるで小さな雨粒に濡らされていたような手のひらの感覚はやけに心地良く思えては、勝手に驚かされていたような声を漏らしていた自分の唇に苛立ちを覚えつつ、潤んでいる金色の瞳で自分の顔を固定しに来ているような彼女の態度に、照れくさい心境を植え付けられているような気がしては、ごくりと固唾を飲み込んでしまう斗奴雷は俯いて行きながら、彼女のやけに輝いている瞳を見つめてしまうと、体が蕩けてしまいそうな気がしてならないでいる彼はぽつりと呟いていた、「人と争うのは嫌なので…だから、」軽く歯を噛んでは自分に負い目を覚えているような彼女に、全然自分が彼女にして来ていたことを気にしなくだっていいんだと、どうして彼女の顔を見つめながら伝えて行きたいと強く願ってしまう彼は猛然と額を上げては、彼女の顔を見つめていく、「僕の延命治療になってたりするんですよ?」向きになっているようにと軽く眉毛をひそめていく彼は、自分が紡いだ些か滅茶苦茶のようにも思える話に驚かされている彼女の顔を見つめて言う、「君は。」


  

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