第220話実は俺は少しおバカな子が好きなんだよ。


  

  ぼんやりと右足を前に向けて踏み出しては、自分の顔を映し出してくれている輝いているようなピンク色の瞳はやけに眩しく思えては、まるで自分が徐々に彼女に近づいていくことに身体を引かれているように、背中をガードレールから離れては自分に向けて左手をかざしてくれては、満面の笑みを自分に見せてくれている夕焼けを背景にしている小夜の嬉しそうに自分に向かって走って来ている様に、心をくすぐられているような気がしてならないでいる竜祥、「遅くなってごめんな?」


  「ううん~」嬉々とした笑みを浮かんではピンク色の瞳で自分の微笑む姿を映し出してくれている小夜に目を細めていきつつ、まるで主人の楽しい気持ちを表してくれているような彼女の後頭部で左右に揺れている青色のポニーテールが非常に愛おしく思えている竜祥は、まるで子供のようにセーラー服を着こなしては楽しそうに自分のもとまで走って来ている小夜を見つめている。屈託のない笑みを浮かんだまま軽く両手を握っては黒い制服を着こなしていた竜祥の顔を見上げていく小夜は脇を締めては、ニヤリと口角を上げていく、「遅い方がいいよ!」


  「え?」小夜と共に帰路につこうと思いつつ彼女の左側を通していこうと思っていた竜祥は、つい自分を見つめては幸せそうに笑ってくれている彼女が紡いだ一言に違和感を覚えては小首を傾げていき、「なんでだ?」竜祥の自分の左側で自分に見せて来ている困惑している表情に向けて笑って行きながら、嬉しそうにと振り返っては、軽く上半身を彼の鞄を握っていた左腕に近づいて行きつつ、彼の顔を見上げていく小夜は彼に甘えているように言葉を紡いでいく、「もし早く出れたらわたしが迎えに間に合わなくなっちゃうんじゃない?」


  「あっ…」小夜が自分に向けて来ている純粋な笑みに心を捕らわれていたように思えては、つい照れくさそうにと彼女から顔を逸らしてはガードレールに向けて右足を踏み出しては、ぶっきら棒に声を発していく彼、「あほ。」「え?!」竜祥の軽く右手で左手にある鞄を受け取っている行動を気にする事無く、急に自分のことを罵倒しに来ていた彼の話に見開かされては、不満そうにと艶やかな唇を尖らせていく小夜は何度も鼻翼に力を入れていき、「なんでだよ!」


  小夜の拗ねている子供のようにと頬を膨らませている様に口角をくすぐられているように思えては、目を細めながら軽く胸元を彼女に向けてく竜祥は自分の赤い瞳に文句を向けたがっているような彼女に言う、「お前を待つのはデフォルト機能だよ、俺にとっては。」「うぉっ…!」竜祥が真面目そうな眼差しを自分に向けたまま、声に乗せていた一言に心臓を微かに刺さられていたようなくらいに、一回鼓動を強く刻んでいるようにも思いつつ、幸せそうにと小さな両手を握ってしまう小夜はつい彼に自分にそこまでのことをしなくてもいいんだぞと教えて見たいと思っては、まるで自分の反応を見るのが恥ずかしくなっているように振り返っては、帰路に向かって歩いていく竜祥の横顔に目を細めて行きつつ、無愛想にも感じてしまう彼の態度に向けて、文句を言ってみたくなっている小夜は照れくさそうにと軽く左手の人差し指でこめかみを掻いて行きながら、ぽつりと呟いていく、「嬉しい…」


  無理矢理平然としている態度を保とうと思っては、恥ずかしさに苛まれては拗ねているように斜め下の方向に向けていこうとしている口角を無理矢理抑えて行きつつ、チラッと横目で自分が紡いだ言葉に衝撃を受けては、しおらしくなっている小夜の紅潮している横顔に一瞥して、まるで自分が彼女の存在を滅茶苦茶気にしているんだと教えて来ているような破裂してしまいそうな心音に悔しい思いを強いられているように思いながら、彼女の肩を抱えてやろうと強く思ってしまう自分の思いを振り切って行くようにと視線を自分たちの右側にある淡い緑色の学び舎に向けていく竜祥は、何度も赤くなっている鼻翼に力を入れて行きつつ、左側で黙々と頷いて歩いている彼女に、自分の左手はもう鞄を持っていないんだぞと知らせていくように右手にある鞄を軽く上げては背中にかけていく竜祥。


  ぼんやりと軽く自分の右肩を軽く殴って来ていたようなコーヒー色の鞄の感覚を感じて行きつつ、まったく自分がしていた行動を見ていなければ、行動に隠されていた意味も分かってくれないでいる、恥ずかしさに顎を引かれるがままで俯いている小夜の横顔を見ては、つい怒れなくなっているように思えている彼はぽつりと唇を開けては、小さな吐息を吐いて、彼女の複雑な心境を自分に見せてくれているように、交尾している蛇のような混じり合っている白皙の指に視線を落としていく竜祥、宛ら自分が彼女に向けている眼差しに恥ずかしさを刺激されているようにと肩を縮めては、ごくりと固唾を飲み込んでいる彼女は目を瞑って、泣き出してしまいそうな仕草を見てはつい飽きれているようにと軽く右側の口角を上げていく竜祥。


  忽然、まったりと自分の左手に強く握られていた右手を、左手から救い出してくれているような微かに硬く感じてしまう大きな温かい感覚に瞼をこじ開けられているような気がしてならないでいる小夜は、驚かされていたようにびくっと肩を跳ねらせて、ぼんやりと細長い睫毛が向けていく先を見つめていき、「あっ…」まるで珍宝を手にしているように自分の右手を軽く上げては、屈託のない笑みを自分の艶やかな爪から自分に向けて来ている竜祥に見開かされてはぼんやりとぱちくりしている小夜。


  自分に触れては無理矢理両足の動きを止められていた小夜が浮かんで来ている呆然としている表情に微笑んで行きながら、軽く左手にある彼女の少し力を入れてしまうと壊れてしまいそうなくらいに柔らかく感じては、プリンのような繊細にも思える手を握っていく竜祥はぼんやりと自分を見てくれている彼女に、心臓の鼓動を加速されているように思いつつ、横目で彼女の顔を見ては少しばかり魂が抜けていたような彼女のことをからかっていこうと思っている彼は言う、「ちゃんと道を見て歩いていかないと危険だぞ?」


  「う、うん…」竜祥が自分に向けて来ている当たり前のようにも思えてしまう言葉と、人生今までいっぱい気を遣ってくれていたのに、未だに彼が自分に向けて来ている優しさを上手く慣れないでいる酷く暴れているような心音に苦しめられては、口角が照れくさい心境に斜め下の方向に向けられているように思えてしまう彼女は、真っ赤になっている頬を彼から逸らして行きつつ、ぽつりと艶やかな唇を開いていき、「ありがとう…」


  小夜が自分に見せて来る恐縮している態度に心を撫でられているように思いつつ、まったりと顔をまるで自分たちのことを待っているような公園の入り口に向けていく竜祥は、軽く温かく感じてしまう空気を吸い込んでは、顎を上げては横目でまた項垂れていた彼女を見ながらぽつりと声を発していた、「今は瞑ってはいいかな。」「え?」竜祥が自分に転んでしまわないようにわざわざ手を握ってくれていたのに、急に自分に目を瞑って欲しいと語って来ている姿勢に戸惑っては、いっぱい勉強して来ていた彼はもしかしたら頭が可笑しくなっていたんじゃないかと不安になりつつ、心配そうにと眉をひそめていく小夜。


  自分の正気を疑って来ているようなピンク色の瞳に目を半開きさせて行きつつ、ロマンの欠片も分かっていない小夜に苦笑いしてみたくなっている竜祥はぼんやりと目を細めて行きつつ、まるで自分の狭くなっている視界を全部埋めてくれているような小夜の存在を思うと自分が、少しばかり素直過ぎているにも思えている彼女の分のロマンも手に入れていこうと考えている彼は微笑んだ、「俺がちゃんとリードしてやるからさ?」


  ”ドクンー”忽然、竜祥が自分に向けて来ていた一言に見開かされてはつい激しく鼓動を刻んでいた心音に苛まれては、彼が自分に見せて来る何をされても許してしまう笑顔に、恥ずかしさを心臓に植え付けられているような気がしてならないでいる小夜は不機嫌そうにと唇をすぼめていき、「い、いいもん…」目を瞑っては彼しか頼れる事ができなくなるシチュエーションを想像してしまうと、つい心臓が爆発してしまいそうな気がしてならないでいる彼女は辛そうにごくりと固唾を飲み込んではぽつりと微かに震えている声を発していき、「一人でも歩けるし。」


  照れくさい気持ちに駆り立てられては、まるで自分の左手から右手を抜けようとしている小夜の態度に目を半開きさせて行きつつ、大事そうにと彼女の繊細な右手を掴んでいる左手に少しばかり力を入れていく彼は、不貞腐れるようにと声を発していき、「ダメ。」「なんでだよ…!」竜祥の自分の手を強く握って来ている態度に口角を強く斜め下の方向に向けて引っ張られているように感じては、羞恥心に背中を焼かれているように感じている小夜は、思わず地団駄を踏んでみたくなっては悔しそうにと眉間に皺寄せていく彼女はつい恥ずかしさで自分を殺そうとしている彼に向けて、文句を言ってみたくなっている、「強迫はよろしくないぞ?」


  少しばかり自分に怒って来ている小夜の態度に唇をすぼめて行きつつ、不貞腐れるようにと顔を公園の入り口に向けて行きながら、すらりとした右足を公園に向けていく竜祥は丁寧に彼女の右手を握りながら声を発していた、「だってお前と手をつないで帰りたいから。」


  「おっ…」少し強引にも感じてしまうくらいに自分の体を引いてくれては、帰路に導いてくれている竜祥が自分の手を大事に握ってくれている態度は丁度よくにも思えている小夜は、思わず痒くなっているように思えている肩を縮めて行きつつ、急いで自分の歩調に合わせながらも、少しばかり距離を前に置いていた竜祥の隣りに向けて歩いていき、「嬉しい…から…」ごくりと固唾を飲み込んでいく小夜は拗ねているように、横目で公園の垣を飾り付けているような色とりどりの花を見ている竜祥の横顔を凝視していく、「許す…ううん…」自分がぽつりと口にしていた言葉は少しばかり語弊があるように感じている彼女は、何度も首を横に振って行きつつ、自分が発していた微かに震えている声に興味を引かれているようにと顔を見てくれている彼に微笑んでいく、「していいよ…?」


  目を細めつつ恥ずかしさに霞まされているような視界の中で、茜色の雲の下にいるやけに格好良く思えてしまう彼と彼のことを飾り付けているような周りの景色をピンク色の瞳で映し出していく小夜は、ちゃんと彼と共に歩いていく事が幸福にも感じつつ、幸せそうにと口角を上げてしまう彼女は軽く左手を激しく鼓動を刻んでいる胸元に当てて行きながら、何度も首を横に振っていき、「う、ううん…」軽く視線を自分の逃してしまうのを怖がっているような彼の左手に向けていく小夜は、彼が自分に向けて来る熱い思いに応えて行くようにと強く彼の左手を握っていく、「したいの…」額を上げては自分の仕草に恥ずかしさを植え付けられているようにと眉毛を跳ねらせていた竜祥の顔を見つめていく彼女は、微笑んで言う、「わたしも。」


  「うう…」少しばかり曖昧な吐息が混じっていた小夜が自分に向けて来ていた、やけに扇情的に伝わって来ているシンプルな一言に鳩尾をぶん殴られては、心臓を貫かれているようにも思えてしまう竜祥は何度も微かに赤くなっている鼻翼に力を入れて行きながら、横目で彼女の潤んでいる瞳の中にある自分を見つめていく、「今晩は何が食べたいのかな?」竜祥があからさまに恥ずかしくなっては話を逸らそうとしている態度は可愛く感じてしまう小夜は、満面の笑みを自分の顔を映し出してくれている赤い瞳に向けて行きつつ、何度も首を横に振っていき、「ううん!今晩はわたしが作るよ!」強く照れくさい心境に震わされていた左手を胸元に当てては、ニヤリと右側の口角を上げていく小夜は横目で彼の顔を見上げて行きながら嬉々とした声を発していく、「折角の休みなんだしさ?」


  「ふん…?」まるで自分に何かしらの料理を作って来るのを楽しみにしているような小夜の姿勢に、心が微かに引かれているように感じつつ、いざ滅多に料理を作らないでいる彼女が酷く人間が食えたものでもない料理を出したとしても、喜んで食べていこうと内心で決めて行きながら、微笑んでいく竜祥は彼女のことを挑発していくようにと声を発していた、「お前が何か出来るのかな?」


  「失礼な!」まるで自分には不味いものしか作れないと語って来ている竜祥の態度に不満を覚えては、不服そうにと何度も鼻翼に力を入れて行きながら、軽く顎を上げては、左手を腰に当てていく小夜は凛とした瞳で彼の顔を見つめていく、「お母さんに唐揚げの作り方を教わったんだぞ?」小夜が自分に向けて来ている自慢しに来ている態度に目を半開きさせて行きつつ、彼女が自分にどんな物を作ってくれようとも、尋常じゃないくらいに喜ぶに違いないのであろうと思いながら、彼女に自分がそのような少しばかり安っぽい思いをしていることに気がついて欲しくないと、自分が素直に考えている言葉を彼女に向かわせないでいるプライドに不満を覚えつつ、唇をすぼめている彼女の拗ねている態度を見てしまうと、つい子供のような彼女をからかって見たいと思ってしまう竜祥は軽く口角に力を入れては顎を上げていき、「へー、偉いね。」


  「ううう…」まるで詰まらない文字を読んでいるような口調で自分に言葉をかけて来ている竜祥の態度に苛立ちを覚えては、思わず歯ぎしりしてしまう小夜は左手を握りしめていきつつ、絶対に彼に二度と自分から離れたくないと思ってしまうくらいの料理を作ってやると内心で誓いつつ、不服そうにと眉間に皺寄せている彼女は彼の顔を睨み名が喉から沈んでいるような声を絞り出していき、「馬鹿にしてるでしょ…絶対…!」


  憤っては声が少しばかり嗄れているような小夜の姿勢に見開かされては、彼女が声にした言葉もあながち間違っていないような気がしている竜祥はぼんやりと頬を膨らませている彼女の顔を見ながら、当たり前のようにと頷いていき、「うん。」「ああ!」あっさりと自分が馬鹿だと言うことを語って来ている竜祥の様に見開かされては、唇をこじ開けられているような気がしてならないでいる小夜は悔しそうに左手を握りしめて行きながら、唇を開けていき、「認めたわね!」


  小夜の本気で自分に怒って来ている態度に見開かされては、冗談を彼女に向けていたつもりであった自分に苛立ちを覚えては、ついさっき自分に上手く彼女に思っていること全てを語らせてくれなかったプライドに苛立ちを覚えては、急いでいるように何度も首を横に振っては弁解しようと考えている竜祥、「い、いや違うんだ…」竜祥の自分が本気で怒っている様に畏怖しているようにと、軽く鞄を握っている右手を上げて様に目を細めて行きつつ、不貞腐れるようにと顔を彼から逸らしていく小夜は不満そうに鼻翼に力を入れていき、「ふん…まぁ…」


  チラッと横目で負い目を覚えては悔やんでいるように眉間に皺寄せて行きながら、項垂れている竜祥の落ち込んでいる様を見ていく小夜は彼が言っていた言葉は間違っていないような気がしつつ、彼に落ち込まなくだっていいんだぞと教えて行くように顔を彼に向けていく彼女は言う、「確かにあなたと比べてしまうと…」軽く額を上げてくれてはチラッと自分に目を向けてくれている彼の顔を見てしまう小夜は、拗ねているようにと唇を尖らせて行きながら彼の胸元に視線を落としていき、「馬鹿かもしれないけどさ…」


  小夜のまるで自分がもしかしたら賢い人の方が好いているのではないかと、思っているような口調に口角を微かに上げられているように感じてしまう竜祥は可笑しそうに軽く笑って行きつつ、笑い声を抑えながら、少しばかり落ち込んでいる彼女が自分にどんな話を向けて来るのかを待ってみようと考えている。「いっぱい勉強したのに…」悔そうにと強く歯を噛んでは、チラッと視線を自分たちがさっき通っていた淡い緑色の学び舎に向けていく小夜は悔しそうにと、少しばかり朧気になっていた遠くの景色に悲しみ思えては、悔しい心境に頭を侵されているような気がしてならない小夜は歯ぎしりしながら、微かに震えている右手で黙々と自分が紡いでいる言葉を聞いてくれている竜祥の存在を感じて行きつつ、声を発していた、「目が段々悪くなっているのに…なのに…」


  つい鼻が痺れているように思えては、頭が痛くなっているように感じてしまう小夜は、思わず霞んでいく視界に不満を覚えては、彼の前では涙を零したくないと強く思いながら、胸元の奥からこみ上げて来る怒涛の如く悲憤に喉を奪われているような気がしてしまう彼女は言う、「なのにぃ…同じ高校に入れないだなんて…!」小夜の酷く落ち込んでいる様に目を細められては、思わず彼女の体を抱えてみたくなっている竜祥は酷く弱っているような右手で自分の手を掴んで来ている小夜の項垂れている様に目を細めていき、「別にいいんじゃないの?」


  「良くないわよ!」竜祥が軽々と自分が気にしている事に向けて来る返事に不満を覚えては、悔しそうにと唇を尖らせていく小夜は潤んでいる瞳で彼の顔を映し出して行きながら声を発していき、「一緒に登校したり…!」まるで自分がいっぱい勉強するのは彼と同じ学校で勉学するためであることに驚かされていたようにと、あんぐり口を開けている竜祥の顔を見つめていく小夜は不貞腐れるようにと呟いていき、「下校してみたいのにぃ…!」


  「まぁ…」小夜の酷く悩んでいる様に目を半開きさせて行きつつ、軽く右手を上げてこめかみを掻いていく竜祥はぼんやりと自分が上げていた声に顔を引かれているようにと、自分の顔を見上げてくれている小夜の瞳を見つめていき、「その…学校で一緒にいるとしても、」ぱちくりながら眉間に皺寄せては軽く鼻を啜っている小夜の態度に口角を上げられているように感じては、彼女の青色の髪の毛を撫でてみたくなっている竜祥はつい右手にある鞄は酷く邪魔なんだと思いつつ、彼女にそこまで落ち込んでたりしなくだっていいんだぞと教えたいと考えている彼は言う、「俺は勉強したり、学校の代表として色んなコンテストに出るから、」ぼんやりと自分が紡いでいる話を聞いては、納得しかねているように苦渋の表情を浮かんだままで、頷いてくれている小夜に苦笑いして行きつつ、補足するようにと声を上げていく竜祥、「もし受かっても多分学校で会う時間はないと思うだけどな…」


  竜祥が紡いだ話を聞いてしまうと、確かに彼が言っているようになったりするかもしれないだろうけれどと内心で漠然と思いながら、拗ねている子供のようにと公園に向けて歩いて行きつつ、唇を尖らせていく小夜はぽつりと呟いていき、「それでも一緒に学校に行ったりくらいはしたいのに…」小夜の自分が本来彼女のことをからかっていた言葉に、内心でずっと一人で我慢して来ていた思いを刺激されては、全部自分にぶちまけてくれている様に少しばかり悲しみを覚えると同時に、これは絶好のチャンスだと強く思ってしまう竜祥は横目で彼女の顔を見ながら内心でこみ上げて来る嬉しい思いを抑えて行きつつ、彼女に提案していく、「じゃ学校が貸してくれてたマンションで一緒に暮らして見る?」


  ”ドクンー”突然、項垂れていた自分の鼓膜を殴り込んで来ていたような竜祥の言葉に、眉毛を跳ねらせていたように感じては、猛然と潤んでいる瞳を彼に向けていく小夜、「えっ?!」酷く驚かされていたようにと大声を発して来ていた小夜の純粋な態度に微笑んで行きながら、例え彼女と一緒に暮らしても、きっと叔父さんの家で暮らして行くように大した事が起きたりはしないし、起こさせたりもしないのであろうと思っている竜祥は、まるで自分にもっとその話について聞きたがっているようにと左手を握りしめつつ、自分に顔を近づいて来ている小夜に微笑んでいく、「まだ決まってないだろ?」


  まったりとまるで自分たちのことを迎えてくれているような橙色に活気を奪われていたような枯れた葉のように、微風に揺らされている葉っぱに飾られていた木々に目を細めて行きつつ、まったりと自分の体を浄化しに来ているような爽やかな空気を吸い込んでいく竜祥はぱちくりながら、自分を見つめて来ている小夜に淡い笑みを見せていき、「お前の学校は家から遠いから、」小夜の自分が緊張しているぞと教えてくれているような震えている口角に、苦笑いしてみたいと思ってしまう竜祥は、彼女を誘惑するのも良くないと思いながら、彼女が寮生活で誰かに意地悪されないかと思うと、やはり自分が間近で面倒を見てあげるべきなんだと強く思っている彼は言う、「かと言って寮生活には慣れないのだろう?」


  「うう…」竜祥が自分に向けて来ている少しばかり大人な雰囲気を感じさせて来ている誘いに、口角を斜め下の方向に向けて固定されているような気がしてならない小夜は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、真面目そうに微笑みながら自分の事を見て来ている彼から目を逸らしては何度も痒くなっているように感じてしまう鼻翼を掻いて行きながら、ぽつりと呟いていく、「い、いい方向に向けて考えて見るけど…」忽然、まるで自分の唇から漏れていたような一言に、脳内が勝手に竜祥と同棲生活を送り始めてしまうと、自分たちの間から発生してしまいそうなハプニングに眉毛を跳ねらせていたように思えては、まるで自分の頭の中にある段々ピンク色に染まっていく思いを振り解くようにと何度も首を横に振っていく小夜は、憤っているようにと両手を握りしめて行きつつ、微かに艶やかな唇をすぼめては竜祥に顔を向けていき、「な、なんかそう言う話ではなくて…!」


  小夜が自分が彼女にかけていた言葉に耳殻までに赤くなっている様に無言で微笑んで行きつつ、初々しい彼女の事が好きなんだとぼんやりと思っている竜祥は大事そうにと彼女の右手を引いて行きながら、自分たちがちゃんと手をつないでは歩いて行ける事を、祝福してくれているような風に揺らされては、静かにも聞こえて来る葉と枝の揺れに目を細めていく竜祥。屈託のない笑みを木々に向けている竜祥の横顔を恐れているように彼に一瞥しては、逃げていくようにと視線を逸らしてしまう小夜は何度も鼻翼に力を入れて行きながら、痒くなっている背中の感覚を抑えて行くようにと華奢な肩をすぼめてしまう彼女は、チラッと横目で竜祥の顔を見上げていき、「一緒の学校がいいのって…」潤んでいる瞳で自分が発していた少しばかり震えている声色に、目線を引かれている彼の顔を見つめていく小夜は、恥ずかしそうにと軽く歯を噛んでは、地面に目を向けていた、「言おうと思ってたけどな…!」


  小夜の照れくさい心境に体中を焼かれているようなくらいに、真っ赤になっている横顔と煙が湧いてしまいそうな耳殻に嬲られている青色の髪の毛に目を細めていく竜祥は、これ以上彼女のことをからかってしまうと、彼女が可哀想だと思っている彼は軽く口角を上げては、まったりと顔を彼女から逸らして行きながら、彼女に自分のやけに痒くなっては、多分彼女と同じようなくらいに赤くなっている耳殻に、気がついて欲しくないと強く思っている彼は軽く白皙の喉元を伸ばしては、ゆっくりと温かい空気を吸い込んで行きつつ、ごくりと固唾を飲み込んで言う、「叔母さんのつてで貴族のお嬢様が通うような学校に入れてやったんだろ?」


  「まぁ…」竜祥がそれ以上自分に一緒に学校から配って貰っていたマンションの中で、共に日々を過ごさないかと聞きに来ないでいる態度に少しばかり残念にも思いつつ、彼がどうしても自分と一緒に暮らしたいさえ言ってくれるのなら、自分はきっと断るどころか二つ返事でいいよと答えていたのであろうにと、彼の平然としている横顔を潤んでいるピンク色の瞳で見つめては、つい文句を言ってみたくなっている小夜は拗ねているようにと彼から顔を逸らしていき、「それでも…あなたと一緒に名門校に入ってみたいって…」ぼんやりと霞んでいるような視界の中で軽く自分の右手を温かい手のひらで包んでくれている竜祥の大きく感じては、頼もしく思える左手を感じて行きつつ、照れくさそうにと左手の人差し指でやけに痒くなっているこめかみを掻いていく小夜はぽつりと呟いていき、「思っちゃうし…」軽く鼻翼に力を入れては、チラッと微かに朧気になっていた視界の中で竜祥の凛とした横顔を探していく小夜は、つい間近ではっきりと視界の中で彼の表情と仕草を楽しめないでいるのは残念に思えてしまい、「目が悪くなってて損した気分よ…」


  小夜の弱音を吐いてくれているようにと俯いては、ぽつりと艶やかな唇を開けては、落ち込んでいるように軽く鼻を啜っている態度に口角を上げられているような気がしてならないでいる竜祥は、軽く胸元を彼女に向けては、まるで自分の止めていた両足に合わせてくれているようにと、深いコーヒー色の靴を履いていた華奢な右足で軽く地面を踏んでは、ゆっくりと自分に胸元を向けつつ、小首を傾げている小夜の顔を見つめていく彼は無垢な瞳に守られているような自分の姿を見つめて行きつつ微笑んでいく、「実は俺は少しおバカな子が好きなんだよ。」

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