第198話この死にぞこないみたいな宝物をマントにしようかな…?

  自分でももう完全に死んでいたのだろうなと思っているぐらいの自分の体には、まだ声を発する事に驚かされ、間の抜けた声を発している竜祥の戸惑っているようにとぱちくりしている様を見つめている久守はニヤリと右側の口角を上げて行きつつ言葉を紡いでいく、「全部…ちゃんと聞こえてましたよ…?」横目で竜祥のどうやって自分の体に接したいいのかと悩んでいるような表情を見つめて行きつつ、彼の事をからかっていくかのようにと起伏しているような声を上げていこうとする久守、「竜祥君…」


  ”ドクンー”突然、久守の弱っている声で自分のことを呼んでくれていた事に見開かされては、脳内を過っていく小夜の存在に苦しめられ、思わず強く歯を噛んでしまう竜祥、「うっ…!」竜祥のまるで自分がぼんやりとしている声色で紡いだ言葉に傷心を覚えているような態度に戸惑いつつ、思わず小首を傾げて見たくなっている久守、「今度は、ちゃんと眠るから…」ぼんやりと自分の消え去ってしまいそうな臍に一瞥していくと、軽く口角を上げては自分に沢山の時間を残してくれていた体と神様に感謝を覚えている久守は微笑んでいき、「もう…邪魔しないでね…?」

  

  弱り切っている声で自分に話をしてくれていた久守の言葉に苦しめられては、つい自分から離れていた小夜の事を思い出してしまう竜祥は彼女の声色に悲しまされては、苦しそうにと喉に力を入れていき、「あ、ああ…」まるで親にこっぴどく叱られていた子供のようにと震えている竜祥の軽く顎を上げていく様を見つめて行きつつ、必死に涙を零らせようとしないでいる彼の軽く鼻を啜っている様を凝視してしまう久守、「えへへ…」まったりと透明になっては消え去っていたような両手を自分の温かく思えてしまう胸元に当てて行きつつ、彼の事を守って行きたいと強く思っている久守はまるで体から離れては、幽霊にでもなっている自分の存在を見つめに来てくれているような彼の眼差しに微笑んでは、軽く消えていたような右手を伸ばして行きつつ、彼の赤くなっている鼻先に触れていく、「小夜さんに…子供みたいなあなたのことをいっぱい話をしてきます。」


  自分が紡いだ言葉を無言で反応してくれているようにと口角を斜め下の方向に向けている竜祥の表情に、淡い笑みを浮かべている久守はゆっくりと顔を彼に近づいていき、「それでは、ご武運を。」耳鳴りを覚えてしまう竜祥は自分の胸元で伝わって来ている久守の言葉に体中を苦しめられているように感じては、どうして彼女はこれ程に強かな精神を持っているのに、彼女の命を奪った自分のことを呪ったり強く叱って来ないのかと考えてしまう彼は、悲しそうにと眉をひそめて行きつつ、必死に彼女に返事を紡いでいこうと思っている、「ああ…」


  視界が久守が向けて来ていた何度も心臓を殴り込んで来ているような言葉に刺激されては、自分はひ弱な彼女に負けていたんだと教えて来ているような目尻からゆっくりと熱く感じてしまう頬を擦っていく、ひんやりとした風に温度を奪われている雫に噛みしめていた歯をこじ開けられていたような気がしてならないでいる竜祥、「約束しよう…」霞んでいる視界の中で空を跨ぐ銀色の線を見つめている彼はごくりと固唾を飲み込んでは、ぽつりと鼻水に汚されている唇を開けていき、「俺は決して二度と斗奴の奴と楽々花と言う女に手を出したりしないことを…」


  竜祥が自分に投げてくれている言葉を耳にすると、つい口元を上げられているように感じてしまう久守は、幸せそうにと目を細めて行きつつ、ぽつりと声を発していき、「やっぱり…優しんだ…」満面の笑みを浮かべては自分の体を見下ろしている竜祥の頭を見つめていく久守は、ゆっくりと宙を舞う体を彼に寄せて行きつつ、声を上げていく、「あたしの…竜祥さまは…」竜祥に振られているような感じになれているのには、重々承知だけれども、やはり彼に本気で惚れていた、生きていた頃の自分の為には、まだ彼に何かしらの言葉を紡いで行きたいのだと、強く願っていく久守はぽつりと弱り切っているような声で、言葉を彼の方に投げにいく、「そう言えばあたしの好物はまだ覚えてていらっしゃったのですか…?」


  自分の眉毛の間に違和感を残そうとするようにも伝わって来る一言を、言いに来る久守の弱り切っていた声に、戸惑う気持ちになりつつ、思わず軽く眉毛を顰めにいく竜祥は、恐る恐ると声を発しにいく、「ブルーベリー味のゼリーだろ…」「えへへ…」丁寧に竜祥が自分の方に投げに来る優しさに満たされているようにも思えるくらいの言葉を、ぼんやりと聞いて行きつつ、もう少し彼と話をしてみたいなと、自分の我が儘は神様に許して貰えるのだろうかと、やや心配と不安に、体を無くしていたはずの自分の思いに、挟まられているようにと強く感じている彼女は言う、「違いますよ?」


  自分の眉毛を軽く跳ね上げに来るようにも感じてしまうくらいの一言を、自分の方にぶつけに来ていた久守のやや自分のことをからかいに来るような口調と共に、自分に甘えに来るような子供みたいな声色で紡いで来た台詞に、更なる戸惑う心境にされているようにと強く考えている竜祥、「えっ…」丁寧に失っていたようにも思える両手で、軽く竜祥の体を抱えに行こうとする久守は軽く目を細めては、言葉を彼の方に向かっては、紡いでいく、「あたしの好物は、」


  振られているはずなのに、尚まだ彼への思いと未練を絶ち切れないでいる自分は、ひょっとしたら軽い女なのではないのだろうかと、内心で自分をこんな風に仕上げに来ていた竜祥に、ちょっとばかりの文句交じりの台詞を向けて見たいと強く思ってしまう久守は、自分の胸の奥を引いて来るような竜祥の赤い瞳を見つめにいき、「あなたですよ、竜祥さま。」


  ”ドクンー”突然、否応なしに自分の胸の奥を跳ねらせに来る程の一言を、当たり前のようにと自分にぶつけに来ている久守の、心に響いて来ているような声色に、口元が無理矢理にも思える程に、斜め下の方向に向けられているようにと強く感じていく竜祥は、思わず強く白い歯を噛んでいき、「うっ…」漠然と竜祥の自分の存在で悔やんでくれているようにも思えるくらいの弱り切っては、やや懺悔しているようにも伝わって来る声に、目を細められているような気がしてならないでいる久守は、軽く口元を上げては見ようと思っては、言葉を彼に向けにいく、「ブルーベリーは綺麗な色をしてますから…」


  自分が彼の方に投げにいく、彼からしてみれば訳の分からない言葉になるのであろう台詞に、眉毛がやや刺激されているようにと、眉毛を跳ねに来る彼の瞳の奥を覗いて見ようとする久守は言う、「願わくば、生まれ変わる時が来れたら…」彼に向けにいく話はちゃんと届いているのだよと、自分に無言で証明してくれているようにと、悔やんでいくようにと、目線を地面の方に向けにいく彼の姿を見つめては、つい彼に愛されている小夜の存在が、非常なまでに羨ましく感じては、自分にはそのような幸運に恵まれていないなと、内心で残念なる思いを抱えていく久守は言う、「あなたを…包むゼリーになり、」自分が彼の方に投げにいく未練に満たされているような台詞は、まだちゃんと生きている彼からしてみれば気持ち悪いのだろうかと、内心で悔やんでしまう久守、「守って上げたいな…」


  自分の顎を無理矢理にも考えるほどに操りにに来ては、自分に何度も首を横に振らせようとするくらいの久守が自分に向けに来る台詞に、鳩尾が軽く突かれているような気持ちになる竜祥は、漠然と目線を自分らの存在を見守ってくれているような星空に向けにいく、「無理だろうよ…」優しいはずの彼の軽く口元を上げに来ては、自分が彼に向けにいく思いを拒んでくるような台詞を紡いでは、投げに来ていると言うのに、やや楽しんでいるようにも見える表情に、戸惑う感情を植え付けられているようにと強く実感している久守は、思わず彼の方にぱちくりして見ようとする、「え?」


  自分に傷つけられていた久守とは、もう出会わない方がいいような気がしては、どうしても出会ってしまうと言うのならば、自分は彼女を守れるようなひと時くらい、美しく感じてしまう彼女の人生に残しては、彼女にせめての罪滅ぼしをしてやりたいのだと、願っていく竜祥は漠然と内心に響く彼女の思いに、応えを紡いで行こうとする、「体の大きさが桁違いだぞ。」


  竜祥が微かに自分への思いを感じさせに来るようなくらいに、優しく思えては、自分の失っていたはずの体を包もうとする態度に、目線が彼の方につられては、夜空の方に向けられているようにと強く考えてしまう久守、「えへへ…」軽く小さなる両手を握って行きつつ、自分はどうしてこうなっていたのかは上手く知れないけれども、決して無愛想って訳ではなかった好いている竜祥と、真心で会話していけるようなチャンスを用意してくれていた神様に、感謝して見ようと強く思っていく久守は、威張っているようにと軽く小さな顎を上げにいき、「それは感心しないな。」


  いつまでも彼の隣りに付き纏ってしまいそうな自分の彼の方に向けにいく強気なる声に、眉間に皺寄せられているようにも思えるくらいの竜祥の困惑気味になろうとも、やはり素敵のように考えてしまう表情に笑ってみようとする久守は、軽く小さな右手の人差し指を立てては言い張った、「だって恋いの湖に陥っていく乙女は、」自分の彼に向けて紡ごうとする話に、やや照れ臭い思いを強いられているようにと強く考えては、思わず恥ずかしそうにと口元を上げて見ようとする久守は、幽霊のような状態にいると言うのに、人の真似をしているような図々しい自分は死んでも残念な奴だなと思っていく彼女は言う、「どんなことだって出来ちゃったりするパワフルなる存在ですよ。」


  久守が自分に投げに来る、強ち嘘でも強がっていると言う訳でもなく、もう既に命を失っていたはずだと言うのに、まだちゃんと自分の心を通しては、魂に話しかけに来る状態になっていられる彼女は、凄まじい存在なのだと、胸の奥で強く感じつつ、ついどんな教科書にも、今のような不思議な感覚を解釈していけるような描写はないのだと、言い切れるような気がしてならないでいる竜祥は、ぽつりとやや渇いていたような唇を開けにいき、「そうだったのか…」


  「うん…」竜祥の丁寧に口元を上げに来ては、自分を甘やかしに来るような台詞を自分に返してくれていたことに、死人に付き合わせて貰っている彼に申し訳ない事をしてしまったなと、内心で強く感じて行きつつも、自分にだって、どうしてこうなれるのだなんて知れるはずないのになと、ただ純粋にもう少し、より多く彼と話をしては、繋がりを持ちたいのだと、漠然とした思いを抱えつつも、諦めの悪い女だとは、思われたくないなと、強く考えているのに、やはり彼に胸の奥を引かれているようにと、失っていたはずの内心で強く感じている久守は言う、「なんてそのような来世への期待は気持ち悪いのですかね…」


  「ううん…」まったりと首を横に向けて振っては、久守のやや怯んでしまいそうにも伝わって来る言葉に、目を細められているような気がしては、自分にだってあり得ないくらいの思いを強く抱いては、必ずしも叶えてやろうと考えている故に、尋常じゃないくらいの驚きを自分にぶち込んでくれている、今の久守の存在を頼っては、やや可能性を見出しているような、いかれていたのであろう頭で強く感じている竜祥は、思わず自分のぼんやりとしているようにも思える脳内で、自分の存在を軽く嘲るようにと笑って行こうとする、「そんなことはないと思うぞ…」


  「じゃ…」竜祥のやはり優しい人間であるのだと言うのを、自分に知らせに来るような、ちょっとばかり優柔不断のようにも思えなくもないでいるくらいに、好いている女性が居ると言うのに、まだ死んでいた幽霊を口説いているようにと、勝手に感じていく久守は思わず軽く口元を上げては、流し目で彼の存在を見ていき、「あたしの好物である竜祥さま味のゼリーを味わってみてもよろしいでしょうか。」「えっ…」一瞬にして自分の鳩尾を貫くほどの、自分の胸に押し込んで来ていたようにも伝わって来る台詞を、投げに来る久守の態度にぱちくりして見ようと思いつつ、つい自分には一体どんな返事を幽霊状態になる彼女に向けてたらいいのやらと、困惑気味にされているようにと強く思ってしまう竜祥は恐る恐ると、喉元に引っ掛かりに来るような唾液を飲み込んでいく、「まぁ…」


  彼女に魂を吸い取られるんじゃないのだろうかと、内心で漠然とした気持ちを抱えつつも、ここで簡単に殺される訳にはいかないけれども、同じ幽霊状態になれると、自分の野望を叶える為には、少なくとも人間の状態でいるよりは、可能性が大きくなれるんじゃないのだろうかと、ぼんやりと自分でも訳の分からない思いを強く抱えては、試みてみようじゃないかと、内心で強く思っていく竜祥は言う、「いいのだろう…」


  「ふん…」複雑なる思いに苦しめられているようにも見えて来る竜祥が、彼のことをちょっとばかりからかおうとする自分に、本気なる返答を向けに来ている状態に、目を細められているような気がしては、ついもうこれ以上彼の存在をからかってたりはしない方がいいのではないかなと一瞬思い、でもやはり自分に色んな夢を抱かせに来ていたのに、ちゃんと叶えてくれないでいる彼にちょっとした、夢を勝手に見ている悪い女のいたずらを噛ましてやりたいのだと、願っていく久守は思わず軽く右手を上げては、自分の額に添えにいき、「ああ、やっぱりダメですね、」


  まるで自分には一体どんなことに遭っていたのだろうかと、困惑気味になれているようにと、ぱちくりしに来る竜祥の自分の姿を上手く見えないでいるせいで、周りの空気を見比べて見ようとして行きつつ、戸惑っている姿になれている現状に、笑って見ようとする久守は無念なる思いを抱えつつも、声を漏らしていく、「賢いブルーベリーちゃんとはね、」自分の事を先生だと思っては、随ってくれているようにと、軽く白皙の顎を引いては、戸惑う感情に表情を脅かされているようにも見える竜祥の様に、笑って見ようとする久守は言う、「嘘つきを見破れてたりするのですよ?」


  軽く繊細なる眉毛を上げに来ては、彼には一体どんな嘘を自分に向けに来ていたのだろうかと、困惑気味になりつつ、自分に尋ねようとする彼の存在に、胸が否応なしに引かれては、丁寧に彼の存在を大切に抱えて見たくなっている久守は、悲しそうにと呟いていく、「どんな凄く装っても…」ぼんやりと目を細めて行きながら、傷だらけにされているようにも思えるくらいのオーラを、醸し出して来る竜祥の存在を、例え何も貰えなくとしても、やはり彼のことを大切にして、守っては包んでやりたいのだと、強く思っていく久守は言う、「全部見抜いてやるから…」


  自分には一体どんな言葉を彼に向けたがっているのだろうかと、軽く首を傾げようとする竜祥のやや子供のようにも見え始める状態に、笑ってみようとする久守は言い続けにいく、「真相を見抜けるのですよ~?」ぽつりと自分の唇から飛び出る、自分にはちゃんと信じていけないようにも思えるほどの一言に、やや困らされているような気持ちになり、見破っていたと言う訳ではなく、ただ何かしらの違和感に勘付いているだけであり、それにその嫌な勘を破いてはリアルで確かにいくのが、極めて困難である、弱い己の心だと、至難の業のようにと強く考えてしまう久守は、残念そうにと、引き攣っているようにも思える口元を上げに行きつつ、自分にはもう淘汰されていたのだと、内心で強く納得しては、もう散々彼のことをからかっていたから、もういいんじゃないかなと、思ってしまう久守はぽつりと声を上げにいく、「ダメですよね、竜祥さまは。」


  軽く右手の人差し指で彼のやや紅潮していた、寒風に冷やされていくのであろう頬に触れて見ようとする久守は、振られているのに、まだ彼の善良を利用しては、彼に甘えにいく自分はひょっとしなくとも、大変気持ち悪い奴なのであろうなと、もうそろそろ彼のもとから離れて行こうかなと、寂しい気持ちを抱えつつ、言葉を紡いでいく彼女、「他に好いている子がいるのに、」自分の口から漏れていくような言葉に、悔やむ感情を強いられているようにと強く考えては、ついもう体を失っていたはずなのにも関わらず、喉元が悲しみと苦しみに詰められては、一瞬上手く話を自分の大好きな彼に向けにいけなくなっているような気がしている久守は言う、「あたしの心を奪ってさ。」


  自分が勝手な真似をしていたせいで、優しい彼女の存在を散々痛めつけに行ったことに関しては、尋常じゃないほどの罪悪感を感じている竜祥は、呆然と自分に支えられている久守の段々冷めて行きそうな体温を感じていく竜祥は、ぽつりと胸の奥にあるどうしようもない思いを呟い行こうとして行きつつも、自分の罪は漏れなく罪であり、許しを乞うことも、罪に懺悔しては、無くすようなこともないのだと、胸の奥で変にも思われるのであろう思いを強く抱いていく彼、「ごめん…」


  やけに素直になり自分に謝りに来るような竜祥の態度に、目を細められているような気がしてならないでいる久守は、思わず軽く口元を上げて見ようと思っては、内心にある悔やんでいるような虚しい思いを、漠然と抱えていく彼女は思わず軽く息を吐いて見ようと思っていき、「ふん…」残念そうにと笑っては、自分がそろそろ彼のもとから離れていかないとだなと、心が段々彼のもとから離れては消え去っては、いなくなってしまいそうな思いに、ちょっとばかり悩まされているようにと強く考えている久守は丁寧に目を瞑っては、来世では果たして本当に会えるのだろうかと、彼の子供になってみたいと一瞬思っては、ついもうあまりにも素敵過ぎるような彼とは、もう会わない方がいいんじゃないかなと、内心で強く思ってしまう久守は、胸にある彼への未練は段々悲しみと悔恨に化しては、ぼんやりと虚しい感情を抱えていく久守は、思わず軽く笑ってみようとする、「やっぱり無理だわ…」


  自分の魂を奪おうとしていたのではないのだろうかと、強く考えさせに来ていた久守が自分の方にぶつけに来る一言に、見開かされているような気持ちになり、思わずぱちくりして見ようとする竜祥、「え?」丁寧に竜祥の頬と少しばかり距離を置いて行きたいのに、ついつい彼に引かれては、離れられなくなっているような虚しい感情の中に秘められている、彼への愛に悩まされては、自分がもし人間の状態にいたのなら、きっと血を吐いてしまうくらいの虚しい思いを、抱えてしまうんじゃないのだろうかと、内心でぼんやりとした思いを抱えて行きつつ、自分の体の口元から零れてしまいそうな生き血に一瞥しては、改めて竜祥に大切そうにと、己の存在を抱えて貰えている現状に納得しては、自分には酷く幸せになれるようなひと時を、確実に得られたようにと、内心で強く思っていく久守は、丁寧に目を瞑って言う、「お互い滑々な肌をしているから…」自嘲気味に笑っては、もう自分の存在は何処にもないやと強く感じてしまう彼女、「掴めないや。」


  弱っている声で自分に話しかけてくれている久守の精神に心から脱帽しているように思えては、苦しそうにと軽く歯を噛んでしまう竜祥は何度も頷いて行きつつ、ぽつりと透明なオブラートに包まれていたような唇を開けては、白い吐息に飾られている口に返事をしていき、「ああ…」霞んでいく視界の中で久守の穏やかに眠っているような顔を見つめていく彼は切なげに眉をひそめて行きつつ、軽く彼女の生き血に引っ張られているような感覚を覚えている右手の親指を彼女の口元に向けていきながら、彼女の白皙の頬を汚していた生き血を軽く拭いていく彼は苦しそうにと寒風に温度を奪われては、赤くなっている鼻を啜って言う、「お休み…」ぼんやりと徐々に透明になっていくような体を竜祥の胸元にくっついては、流し目で自分のことを見下ろしてくれている彼の顔を見上げていく久守は幸せそうにと目を瞑っては、軽く唇を彼の頬に向けていた。


  ”ふー”忽然、まるで自分の頬と戯れて来ているような冷たい風に黒い髪の毛をくすぐられては、自分の頬っぺたに口付けしに来ているような風の感覚にほのかに甘い苺の香りを覚えているようにと感じては、倒れていた久守が彼女の体から消え去っていく際に自分の頬っぺに彼女の唇の感覚を残してくれては、自分の両腕の中から消え去っていたんだとぼんやりと想像してしまう竜祥、「うぐっ…」胸元の奥からこみ上げて来る悲しみに打ちひしがれているように思えては、思わず苦しそうな唸り声を発してしまう彼は悔しそうにと歯を食いしばっては、彼女の体を強く抱えて行きつつ、空を見上げて行きながら、まるで自分の事を慰めているようにと佇んでいる柱に浮かんでいる初雪のように、まったりとまろやかな月の光に微かな青色の光を添えているような柱の体に落ちていく粒を見つめている。


  自分の事を恨んでは怒りに満たされているような赤い瞳で睨んで来ている竜祥の眼に口角をくすぐられているように思えては、ニヤリとピンク色の口角を上げてしまう深い紫色の髪の毛をしていた男の子、宛ら自分を殺そうとしているような怒気が宿っている竜祥の姿勢を気にしていないようにと軽く繊細な首を右側に向けて傾げていく彼は、自分の微かに跳ねていた深い紫色の髪の毛で肩をくすぐっていくかのようにと何度も少しばかり尖っていたような髪の毛で肩を擦って行きつつ、チラッと深紅の瞳でぼんやりと目を瞑っている淡い黄色の体をしていた久守の段々透明になっていく魂と、鮮血に汚されていたコーヒー色のコートを繋がらせているような右手の小さなピンク色の指先に一瞥していく彼、静かに両手で苦しそうにと鼻を啜って行きつつ、歯を食いしばっては無言で涙を流して行きながら泣き声を抑えようとする竜祥の事を抱えている久守の事を見ていく男の子、まるで何の未練も残されていないかのように淡い笑みを浮かべている久守の微かに光を放っているような魂に目を細めては、竜祥に抱えられていた彼女の体を彼女の黄色の魂を繋がらせていたような指先をゆっくりと離れていく男の子。


  宛ら自分の離れていく指先に答えてくれているようにゆっくりと消え去っていく久守の魂に目を細めて行きつつ、宛ら竜祥の事をまだ守りたいと語って来ているようにと小さな淡い黄色の粒と化しては、彼の体を包んで行くように寒風に乗せられては彼が着こなしていた白いシャツを撫でていく様を見つめている男の子、淡い黄色の粒に飽きれているようにと軽く両手を上げては肩をすくめていく男の子は何度も首を横に振っていきながらぽつりと声を発していき、「ああ~」怒りに顔色を赤く染め上げられている竜祥の事を小馬鹿にしているようにとニヤリと右側の口角を上げていきながら、流し目で彼の事を見つめていく男の子はふざけているような口調で言葉を紡いでいく、「感謝して欲しいもんだぜ~まったくもう。」


  淡い黄色の蒲公英の種と化しているようにとまったりと宙を浮いては、竜祥のもとから離れていく淡い黄色の粒に一瞥していくと、ゆっくりと両手を伸ばしては自分の反らしている体に合わせてくれているような臀部にくっついて来ていた白い球のような椅子が徐々に糯のような体を伸ばしてくれては、自分の背中を支えてくれているような感覚を感じていく男の子は深紅の瞳で細い黒いパイプで組み立てていた空気を囲んでいたような机の上で佇んでいるような、パズルの如く色とりどりの小さな欠片で出来上がっていたスクリーンに浮かんでいる泡沫のような竜祥の歯ぎしりしている様を見つめている男の子は、ニヤリと右側の口角を上げていき、「この子がこんなにもきみと喋っていけるのはね~?」


  黒いパイプに囲まれていた空気をからかっているようにと小さな両足を上げては、ピンク色の足指で机をくすぐっていく男の子はゆっくりと白い糯のように伸びては自分の背中を支えてくれていた椅子から体を離れて行きつつ、目を細めては曖昧な眼差しを軽くを鼻を啜っては久守の体を見下ろして行きつつ、震えているような頬を彼女が被っていたボンネットに付けていく竜祥の顔を見つめていく、「全部このぼくのお陰なんだぞ?」


  まったりと腕を組んでいきつつ不満そうにと鼻翼に力を入れている竜祥に文句を言っているように、唇を尖らせていく男の子は細い眉毛をひそめて行きながら、軽く右手の人差し指を立てていき、「なのにぼくの事を感謝してくれないで、」軽く顎を上げては左手を胸元に当てていく彼は切なげに言葉を紡いでいき、「まるで敵を見ているのような目線を睨んで来るなんて~」竜祥の本気で悲しんでは白い歯を食いしばっては、歯ぎしりして行きながら涙を零している様は少しばかり可哀想に思いつつ、心を刺激されているように思えては、嗜虐的なまでに右側の口角を上げていく彼は竜祥の事を嘲笑っているようにと起伏しているような声を発していた、「とんだ恩知らずね~きみって。」


  ぼんやりと自分の微かな淡い黄色の光が残されていた右手の人差し指の指先に目を向けていく男の子は、不満そうに唇を尖らせて行きながら不貞腐れるようにと流し目で竜祥の呆然と久守の体を大事そうに抱え佇んでは、悲しみと寒風に刺激されては赤くなっている頬を見ていく男の子は言う、「折角最初のイベントの為に用意していた宝物の一つをその可愛いお嬢ちゃんに使ってやったのにさ?」


  ”フー”宛ら猛然と糯のような白い椅子から離れては立ち上がっている自分に驚かされているように、自分の周りにある深い青色の暗闇のような部屋に浮かんでいた星々は一目散に部屋の隅っこに逃げていき、自分の事を恐れているような小さな光の粒を気にすることなく、華奢な両足で自分の足の裏を受け入れてくれているような温かい深い青色の床を踏んでいく男の子、「なのに!」宛ら泡のようにモニターから浮かんでいる竜祥の真似事をしているようにと、右手を握りしめていきつつ悔しそうにと歯ぎしりしてしまう彼は悲しそうにと声を発していき、「なのにまだぼくの事を悪者扱いするなんて!」


  叱られていたようにと眉間に皺寄せては唇をすぼめていく男の子は竜祥の充血している眼に、口角をくすぐられているように感じては、ニヤリと右側の口角を上げていき、「もう~!」竜祥の向きになっているような怒りを楽しんでいるようなゆっくりと腕を組んでいく男の子は、嬉しそうに腕を抱えて行きながらまるで歪な笑みを浮かんでいる自分の事を映し出してくれているような、宇宙の如く黒く見えてしまうぐらいの深い青色の天井を見上げていく彼はまったりと白皙の右手を頬に添えては、まるで滑らかな白皙の頬に退かされているようにとまったりと細い首筋に沿っては、自分の胸元を撫でていく男の子は残虐なまでに口角を上げたままで横目で竜祥の顔を見下ろしていき、「ますますきみに期待してしまうんじゃないのよ~」まったりと上半身を前に向けて傾けていく彼は軽く左手の人差し指で竜祥の怒気に染め上げられているような赤い頬に触れていき、「この乙女殺しめ~うふ~~」


  竜祥の悔やんでは何も上手く考えられなくなっているような様に鼻腔をくすぐられているように思いつつ、彼の事をこれ以上からかっても大して意味がないようにと思えている男の子はチラッと深紅の瞳で自分の右手の人差し指を映し出していき、「でも困ったな…」宛ら自分がぽつりとピンク色の唇から漏れていた言葉に合わせているように、軽く左手を上げては自分の深い紫色の髪の毛を掻いてしまう彼は言う、「もう一度使っていた道具をこのまま命がけで宝物を探して来る勇者に使わせるのもなんか、」軽く肩をすくめて行きながら口角を上げていく男の子はふざけているようにと、喉に力を入れては起伏しているような声で言葉を紡いでいき、「勇者さんに対する敬意がなっていないようにも思っちゃうしさ~?」軽く眉をひそめては左側の眉毛を上げていく男の子は曖昧な眼差しで竜祥の事を見ていき、忽然、当たり前のようにと自分の目に入って来ているような黒いスーツに包まれている久守の体に眉毛を上げられているような気がしてならないでいる男の子、「あっ。」


  脳内を過っていく思いに驚かされては、思わず間の抜けた声を発してしまう男の子はまるで瞬きを忘れていたように、竜祥の赤い瞳に映し出されている久守の肩にかけていたスーツを見つめていく、「これはいいね…」まるで自分の内心の思いを代弁してくれているような言葉に説得されているようにと、小さな両手を黒いパイプに付けては何度も頷いていく男の子、「うんうん~!」嬉々とした声を発しては興奮気味になれている彼は思わず何度も白皙の鼻翼に力を入れていき、猛然と右手の人差し指を立てては竜祥の瞳の中に映し出されている久守の肩を指差していく彼は言う、「これなんだね!きっと!」


  大きな声を発しては、迷わずに左手を強く握っていく男の子は自分のことを見下ろしてくれているような深い青色の壁に見せつけているようにと、喉を微かに引っ張っては白皙の皮膚を天井に見せつけて行きながら、自分はなんて可愛い顔をしているのだろうと一瞬思っては、自分に照れてしまう彼は自分の顔立ちにくすぐられているような右側の口角を上げて行きながら、軽く右手を頬に添えて言う、「優しい神様のぼくに親切な自然がモチーフを生み出していたのだった~!」


  ”ドクンー”刹那、まるで自分の胸元の奥を殴って来ているような激しい鼓動につられているような、無数の蟻に体中を食い千切られているような感覚と、体中がやけに熱くなっては冷めているような矛盾している感覚に苛まれている男の子、「ううう…」思わず悶絶して仕舞いそうな唸り声を上げてしまう彼は苦しそうにと眉間に皺寄せて行きつつ目を瞑っていき、「ううっ…!」瞬く間に白い額に浮かんで来る透明な汗の粒に苛立ちを覚えてしまう男の子は苦しそうにと歯を放していきつつ、ゆっくりと右手を額に添えていく、「この死にぞこないみたいな宝物をマントにしようかな…?」


  まるで自分の胸元の奥を苦しめて来ているようなウイルスに、自分は全然大丈夫だと言っているようにと歯を食いしばってはごくりと唾液を飲み込んでいく男の子は、何度も額から滴り落ちて来る汗に濡らされている鼻翼に力を入れては、微かな光が過っていく深紅の瞳で竜祥のと久守のことを映し出して行きつつ、揺るぎない声を発していた、「うん、そうと決まれば…」無理矢理強張っては痙攣しているような右側の口角を上げて行きながら、戦慄している左手の人差し指を立てていく彼は言う、「まずはきみが用意してくれていたもう一つのメインプランを見せて貰おうっと…」


  自分が紡いだ訳の分からない話に口角を上げられているように思えては、自分は体を苦しめて来ている毒を馬鹿にしてやったぞと震えては、どす黒い虚しい感情に囲まれてしまいそうな内心で強く叫んでいく男の子は、猛然と怒気が宿っているような深紅の瞳で竜祥と久守のことを浮かばせている泡沫から、彼らの左側にある欠片を睨んでは靄がかかったような灰色の瞳を映し出していく。ぼんやりとまるで自分の視線を固定しに来ているような屋敷から零れている白い光を見つめては、無言で緑色の線を引いていたかのような黒い袖に包まれていた両手で膝を抱えては、コーヒー色の床の上で座っていた須賀は軽く歯を噛んでいきつつ、ひんやりとした空気を吸い込んでいく。


  まったりと押入れに背中を当てては、アヒルをモチーフにしていたような左足を包んでいた小さな靴下で黒い押入れのスライドドアに当てていた折尾、右手にある灰色のカバーに包まれていた携帯電話を握っていた彼女は、チラッと無言でカーテンに隠されてしまいそうな窓際のもとでひんやりとした床に座っては、白いカーテン同士に隠されていたような細い糸のような視野の中で、屋敷の側面を見つめている須賀の黒い帽子に包まれていた後頭部を見つめては、何も口にしようとしないでいる彼に目を半開きさせては、宛ら須賀に観念したようにと軽く首を横に振っては、まったりと右手にある携帯電話を黄色のカーディガンにあるポケットに入れていく彼女は、チラッと薄暗い部屋の隅っこで深紅の鞘に守れていた刀を両手で抱えては、須賀の真似をしているようにひんやりとした床の上で座っていた森田に目を向けていく。


  「うっ!」忽然、まるで自分の眼差しに体を刺さられていたようにとびくっと体を跳ねらせていく森田の仕草を緑色の瞳で映し出してしまうと、口角をくすぐられているように思えてはニヤリと右側の口角を上げていく折尾は、まったりと背中を押入れから離れていきつつ、小さな右足を冷たく思えてしまう床に付けていく彼女は嬉々とした歩調で森田に向けて歩いていく、「あのさ?提案だけどさ?」


  目を細めてはぼんやりと淡い光を零している屋敷のことを見つめていた須賀は、まるで自分の背後をくすぐりに来ているような折尾の甘えに来ている子供のような声を気にすることなく、まったりと腕を組んで言う、「却下だ。」忽然、森田のまるで自分にどうかしていたのかと尋ねて来ているようにと軽く細い眉毛を上げていた様を、緑色の宝石のような瞳で映し出していた折尾は否応なしに自分が紡ごうとしている言葉を遮って来ていた須賀のにべもない声色で紡いだ一言に見開かされては、不満そうにと頬を膨らませていく彼女は何度も繊細な鼻翼に力を入れていき、「うむぅ…!」


  悔しそうにと両手を強く握ってはゆっくりと振り返っていく折尾が着こなしていたカーディガンの縁に付けていた黄色のフリルの飾り物に、口角をくすぐられているように感じては、チラッと猫背になっていた須賀に一瞥していく森田は軽く右手を鞘から離れては苦笑いしながら、折尾の体から漂って来る桂の香りに軽く熱くなっているようにと思えている頬を掻いて行く。


  「まだ何も言っていないのにぃ!」不服そうにと眉をひそめてしまう折尾は、まるで自分の怒っている態度はどうでもいいと語って来ているように黙々と建物を見つめている須賀の背中を睨んでいき、「酷いよ!須賀きゅん!」宛ら主人と合わせているようにと立てていた人差し指と、右腕を強く上げていたせいで猛然と自分の耳に入って来ている音に目を半開きさせていきつつ、飽きれているようにとチラッと灰色の瞳で憤っては頬を膨らませている折尾を映し出していく須賀は言う、「どうせろくでもない言葉しか言わないのだろう、お前は。」


  「ううう…!」須賀が自分に向けて来ている冷酷にも思える態度に不満を覚えては、何度も鼻翼に力を入れて行きながら、猛然と腕を組んでしまう折尾はぷいと首を横に向けていき、「ふんだ!」折尾のまるで幼い女の子のように拗ねている様はやけに可愛く思えてしまう森田は右側の脇で肩を締めて行きつつ、可笑しそうに上げている右側の口角に左手を添えては、何とか上げて仕舞いそうな口角を押さえて行きながら、まるで折尾に怒られることを慣れているようにと黙り込んでいる須賀の背中に目を細めていく彼、「まぁまぁ…」軽く左手を上げてはまるで自分が発していた声色が救いだと語って来ているように、猛然と自分に振り返って来ては強く華奢な両手を抱えている折尾の潤んでいる緑色の瞳に一瞥してしまう森田、まるで自分の心を吸い寄せているような彼女の瞳に心臓の鼓動を操られているような気がしてならないでいる彼はごくりと固唾を飲み込んでは、照れくさそうにと彼女がさっき背中を付けていた押入れに目を向けて行きつつ、軽く左手で後頭部を擦っていく、「最後まで話を…」弱っているような声色で言葉を紡いで行きながら、仲介しようと思っている彼はチラッと黙々と屋敷を観察している須賀に目を向けていき、「聞いてあげましょうよ…?」


  「うんうん!」森田が自分の味方になってくれている態度に艶やかなピンク色の口角を支えられているように思えては、小さな両手を握りしめて行きつつ、急いでいるようにと森田のもとまで駆けつけていく折尾は、満面の笑みを自分の顔を薄暗い環境の中で映し出してくれているコーヒー色の瞳を見つめて言う、「流石森田だね!優しいね!」嬉しそうにと甘い香りを連れてきているような折尾が自分のもとにある床に、白いニーソックスを付けて来ている様に心臓の鼓動を加速されているような気がしてならないでいる森田は、つい背中が彼女の存在に焼かれているように感じては、照れくさそうにと軽く左手で痒くなっている頭皮を掻いて行き、「あはは…」


  自分に満面の笑みを見せてくれている折尾の存在に口角を斜め下の方向に向けて引っ張られているような気がしてならないでいる森田は、軽く鼻翼に力を入れては、まるで自分に口付けしようと思っているように脇を締めながらまったりとファンデーションに塗りつぶされていたような可愛く思える顔を徐々に近づいて来ている彼女の様に、心が微かに破裂して仕舞いそうな気がしてならないでいる彼はごくりと固唾を飲み込んでは、困っているようにと軽く左手の人差し指でこめかみを掻いて行きながら、潤んでは魔性にも感じてしまう彼女の緑色の瞳から視線を逸らして言う、「多分電気をつけるとか、ターゲットから一旦目を背けてご飯でも漁っていこうとしか言わないのだろうけどさ…」


  「うっ…!」忽然、まるで自分の心臓を穿って来ていたような森田が紡いだ一言に見開かされては、思わず苦しそうにと眉をひそめては、苦しそうにと歯を噛みしめながら華奢な右手で自分の胸元を鷲掴みにしていく折尾、「森田君って…」まるで自分の苦しんでいるような態度に驚かされているようにと大慌てで両手を上げている森田の顔を見つめていく折尾は、切なげに鼻を啜ってはぽつりと彼の存在を恐れているような口調で語っていき、「もしかしたらエスパーだったの…?」


  自分が紡いだ一言がクリティカルヒットにも思えてしまうぐらいに衝撃を受けては、少しばかり自分から離れて貰えていた折尾の顔に嬉しく思いつつ、彼女に胸元が破裂して仕舞いそうなぐらいに、胸元が膨らんでいるような感覚を与え貰えなくなるのが少しばかり悲しく思えている森田、「あはは…」渇いた笑い声を発してはまるで自分たちのことを気になり始めているようにチラッと横目で隅っこにいる自分たちに目を向けて来ている須賀に一瞥していく森田。


  忽然、まるで自分に見られていることに驚かされているようにと顔を屋敷に戻しては、自分の視界の左側で自分にどうかしてたのかと聞きに気ているようにと小首を傾げている折尾に一瞥する森田は、苦笑いして行きつつ声を発していた、「違いますよ…ただ…」「うう?」まるで彼女に気を遣っては言いづらそうにとしている森田が紡ごうとする話を理解していないような疑問の声を発している折尾の、白々しくにも思えてしまう声に目を半開きさせていく須賀はぽつりと黒い襟に隠されていたような渇いた唇を開けていき、「お前はもうその話を何十回もしていたからだよ、いい加減うんざりだぜ。」須賀が平坦な声で自分の代わりに内心の思いを語ってくれていたことに感謝して行くと同時に、左側の眉毛を跳ねらされていたような気がしてならないでいる森田はぱちくりして行きつつ、叱られている子供のようにと艶やかなピンク色の唇を尖らせて行きながら、両手を白皙の太股に付けていく折尾の弱っている様を見ては、つい彼女のアヒルの髪飾りに固定されていたような髪の毛を撫でて見たくなっている森田は黙々と喉を詰まらせに来ているような唾液を飲み込んでは、己の欲望を抑えているようにと右手を握りしめていく。

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