第192話父さんのような下種になったりしない…!

  忽然、入れ墨の男性がやけに起伏しているような声色で自分に向けて来ている親切にも感じてしまう言葉に戸惑っては、思わず小首を傾げていく竜祥は何度も鼻翼に力を入れ、軽く鼻を啜っていく彼はごくりと唾液を飲み込んで、熱くなっては涸れているように思えてしまう喉を潤って行きつつ、背中を自分の背中の温度を奪っては同じように冷たくしていた壁に当てたまま、壁を頼っては何とか立ち上がろうとしている。


  竜祥の酷く震えている骨と皮膚しか残されていないような衰弱していた両足に一瞥しては、彼が自分が紡いだ意味深な言葉に頷いてくれては、愚かにも思えて仕舞うぐらいに自分の話を鵜呑みにしては立ち上がろうとしている態度に向けて、軽く右手の人差し指を立てていく入れ墨の男性は言う、「尋問を受けて貰うぜ~?」”ドクンー”刹那、まるで自分の臀部が薄汚い床から離れて行くのを狙って来ていたような入れ墨の男性が自分に投げて来ていた言葉に見開かされては、心臓が酷く震えていたようにと思えている竜祥、「うっ!」苦しそうな唸り声を上げては自分が紡いだ言葉にショックを受けては、強く床に臀部をぶつけていた竜祥の目を瞑っていく様が滑稽にも思えてしまう入れ墨の男性は顎を上げては、横目で彼の本気で怖がっているようにと震えている眼で自分を映し出してくれている様を睨んでいく、「お前があの二人を殺したって可能性だってあるからな~?」


  入れ墨の男性が自分に投げて来ていた言葉に見開かされては、思わず強く歯を噛んでしまう竜祥は必死に鼻翼に力を入れては、鉄さびの臭いに侵されている空気を吸い込んでいき、「うう…!」気絶して仕舞いそうなくらいに苦しんでいる唸り声を上げていく竜祥はつい入れ墨の男性が紡いだ話に頭をぶん殴られていたように感じては、確かに自分には先ず母親を殺しては、父親の事を威嚇して彼に自首するような話を携帯電話越しで警察に伝わせて貰ってから、彼の事を殺してから着替えては証拠を隠蔽していく可能性が残されているんだと考えてしまう竜祥は歯ぎしりして行きつつ、既に死んでしまった父親が死んだにもかかわらず自分にとんでもない迷惑を残してくれているんだと強く思っては、鼻腔の奥が麻痺されているように思えては、両親を亡くしていただけではなく、亡くしていたはずの両親に呪われているんじゃないかと不安になっては、見る見るうちに霞んでいく視界に自分の心はもう、少しでも傷を負うことが出来なくなっているんだと強く思っている竜祥、「うぐっ…!」


  壁越しで伝わって来ている竜祥のやけに苦しんでいるような唸り声に目を細められては、ぼんやりと左腕にある透明な盾を見ていく男性は軽く上半身を反らしては、チラッとドアフレームに隠されていたような入れ墨の男性が浮かんでいる歪な笑みに心を苦しめられているように感じては、軽く歯を噛んでしまう彼は横目で入れ墨の男性を見つめて行きつつ、内心の怒気を抑えていく彼は軽く右手を上げてはぽつりと弱っているような声を漏らしていき、「あ、あの刑事…」


  またしても自分が竜祥の事を虐めていく途中で自分の話を邪魔しに来ていた盾の男性に苛立ちを覚えては不服そうにと顎を上げて行きつつ、軽く上半身を反らしては彼の顔を睨んでいく入れ墨の男性は言う、「ああ?」入れ墨の男性のまるで自分のことを拳銃で射抜こうとしているようにと軽く右手を銃に添えていく態度に見開かされては、ごくりと固唾を飲み込んでしまう盾の男性は軽く右手の人差し指でこめかみを掻いて行きつつ、恐る恐ると肩を縮めていく彼はチラッと視線で小汚い壁に隠されていた竜祥の方向を指してはぽつりと弱っている声を発していた、「子供相手にそのような冗談を言うのは…ちょっと…」


  「あ?」盾の男性が自分のやり方に向けて来ている文句に憤怒を覚えては、悔しさに駆り立られては、思わず強く歯を噛んでしまう入れ墨の男性は竜祥の存在を気にすることなく、何度も鼻翼に力を入れて行く彼は盾の男性の本気で困っているような顔を睨みつつ声を発していく、「俺のやる事にケチを付ける気?」軽蔑しているようにと横目で彼のことを見下ろしていく入れ墨の男性は軽く顎を引いては沈んでいるような声色で言葉を紡いだ、「くびにするんぞ?」


  「いっ、」入れ墨の男性が自分に投げて来ていた話に見開かされては、思わずあんぐり口を開けてしまう盾の男性はまるで自分にもうこれ以上何も言わないでと教えに来ているように、二人の死体の隣りで屈んでは軽く右手の人差し指を立てて行きつつ、唇に添えていく二人の行動に、口角が一瞬斜め下の方向に引っ張られていた彼、「いえ…!」厳かな表情を浮かんでは、仕事を探すのは困難だと思いつつ、ちゃんと家族を養っていけない自分にはちゃんと働かないとと強く思ってしまう彼は萎縮しているようにと肩を縮めて言う、「とんでもございません…!」大慌てで額をビールの瓶の欠片が残されていた床に向けていく盾の男性はごくりと固唾を飲み込んでは、喉から震えているような声を絞り出していた、「すみませんでした…!」


  盾の男性が左手にある盾と同時に自分に向けて頭を下げて来ている態度は滑稽にも思えては、口角がくすぐられているようにと思えている入れ墨の男性は、歯を噛んでは自分に恨んでいるような眼差しを向けて来ている竜祥の態度を目にすることなく、まったりと盾の男性のもとまで歩いて行く彼、「まぁ、そう慌てんなって、」軽く右手を上げては軽く盾の男性の左肩を叩いていく彼は自分の仕草に驚かされているようにと不思議そうに額に皺寄せて行きつつ、自分の顔を見上げて来ている彼のことを見つめていく、「俺もそんな権限を持っていねぇしさ?」


  宛ら自分の態度に頬を硬直されているように自分の顔を見つめて来ている盾の男性に向けて、軽く右側の口角を上げていく入れ墨の男性、「ほら、」横目で死体の周りで写真を撮ろうとしている二人に一瞥していく入れ墨の男性は自分が発していた声に顔を引かれているような二人の顔を交互に見ていきつつ、軽く右手の親指で寝室の隅っこで縮こまっている竜祥を指していきつつ、三人の顔を交互に見ながら言葉を紡いでいく、「お前らはちゃんと調べていろよ?」


  自分に返事して来ているようにと無言で頷いてくれている三人に目を細めては、ゆっくりと竜祥のもとに向けて歩いていく入れ墨の男性、「俺はこいつを連れていくから。」入れ墨の男性が呆然としている自分の顔を見つめながら紡いだ一言に見開かされては、心臓が鷲掴みにされているような気がしてならないでいる竜祥、「うっ…!」まるで自分の緊張している顔を楽しんでいるようにゆっくりと近づいて来ている入れ墨の男性に苛立ちを覚えつつ、悔しそうにと歯を噛んでしまう竜祥はついどうして自分を地獄のようにも思えてしまう家から連れ出すのは他の警察ではないのだろうと内心で叫んでみたくなっている彼。


  顔が強張っては悔しそうにと自分の顔を凝視しに来ている竜祥の無言で何度も鼻翼に力を入れては、苦しさに苛まれているようにと涙を零して仕舞いそうな反応に目を細めて行きつつ、両足を引いては震えている両腕で膝を抱えながら、自分の事を見上げて来ている竜祥の、少しも立ち上がろうとは思っていない様に不満を覚えては眉間に皺寄せていく入れ墨の男性は軽く左足で彼の痙攣しているような臀部を蹴っていき、「さっさと歩けやこの餓鬼が!」


  「うっ…!」強く自分の事を叱って来ている入れ墨の男性が紡いだ言葉に見開かされては、まるで自分の体を潰そうとしているような自分の右足に食い込んで来ているような湿っていた蹴りに喉を鷲掴みにされているような気がしている竜祥、「ううっ…!」宛ら自分の軽くの攻撃に心を完全に潰されていたようにと恐る恐ると震えている両手を上げては、頭を抱えていく竜祥の必死に目を瞑っては無言で涙を零していく様を睨んでいる入れ墨の男性は悔しそうにと強く歯を噛んでは、猛然と右手の人差し指で彼の段々赤くなっている顔を指差していき、「誰のせいでこんなくそったれの雨の日で働かないといけないって思ってやがんだ?」


  入れ墨の男性が自分に向けて来る態度はあんまりだと思いつつ、体が彼に蹴られていたせいでつい父親に残されていた今まで培ってきた畏怖が一気に爆発したように思えては、泣きたくないと強く思っている竜祥は否応なしに自分の目の下を越えていく涙の粒に苦しめられては、入れ墨の男性に舐められたくないと強く思っている彼は必死に歯を噛んでいく、「ううう…」


  ぼんやりと佇んでは入れ墨の男性に苦しめられている竜祥の事に気に掛けて行きながら、軽く両手を握ってしまう盾の男性は切なげに眉をひそめて行きつつ、ごくりと固唾を飲み込んでいく彼は俯いては、チラッと死体を調査しているような二人に目を向けていた。屈んでは呆然と竜祥の事を虐めている入れ墨の男性が紡いだ言葉を耳にしながら、まるで自分に挨拶しに来ているような母親の胸元にある血まみれの深紅の傷跡を見てしまうと、吐き気を覚えてしまう小太りの男性は軽く左手を上げては自分の口元を隠して行きつつぽつりと呟いていく、「それはちょっと賛成っすね…」


  小太りの男性が紡いだ話に見開かされては、思わずあんぐり口を開けてしまう盾の男性はまるで小太りの男性の話に賛同しているようにと何度も頷いている細身の男性に一瞥していき。軽く両手を上げてしまう細身の男性はつい静かにパトカーの中で座っては新聞でも雑誌を読めるはずの時間が、二人の死体と睨めっこしないといけなくなるのが遺憾に思いつつ、如何にも貧しそうな家庭に生まれて来た竜祥の事を思いつつ、彼の亡くなっていた両親の事を思うと、コネで自分たちに罰を与えに来る可能性は先ずはないと思っている彼つい竜祥に向けて文句を言いたくなっている、「自分も。」


  まるで二人が竜祥に向けている文句に驚かされているようにとあんぐり口を開けている盾の男性の横顔に一瞥しては、ニヤリと右側の口角を上げていく入れ墨の男性は必死に歯を噛んでは意地を張っているようにと痙攣している両足で強く床を踏み、背中を小汚い壁に擦りながら立ち上がっている竜祥の顔を睨んでいき、「ほら、分かったか?」不服そうにと眉をひそめつつ自分に向けて歩いて来ている竜祥の何度も鼻翼に力を入れては、右腕で涙を拭いていく様を見つめている入れ墨の男性は軽く顎を上げていく、「お前のせいで俺たちは残業しているみてぇになってるんだ、」体が痙攣しているように震えている竜祥の悔しそうにと歯を噛んでは、自分の顔を見上げて来ている様に苛立ちを覚えつつ、横目で彼の顔を見下ろしていく入れ墨の男性はまったりと右手を彼の左腕に向けて伸ばして行きながら、彼の左腕を握ろうと考えている、「感謝しろよ、あ?」


  宛ら震えている両足の代わりに自分の事を支えてくれているようにと自分の左腕の肘の裏を大きな親指を当てて来ている入れ墨の男性の、微かに怒っているような表情を見上げて行きつつ、もしかしたら彼は口こそ悪いけれどいい人だったりするのだろうかと彼が着こなしていた黒い制服を見るとぼんやりと彼の優しさにほのかに期待してしまう竜祥、「うっ?!」突然、まるで左腕を両断にして来ているような激痛に見開かされては、思わず勝手に曲がってしまう左腕の肘の裏を強く握って来ている入れ墨の男性が自分の苦痛のあまり目を細めている様を楽しんでいるようにと軽く顎を上げては、ニヤリと右側の口角を上げていく様に悲憤を覚えては、彼は立派な制服を着こなしている悪魔だと内心で強く思っている竜祥、左腕を千切ろうとするような痛みに、傷だらけの心が更に嬲られているように感じては、つい呻吟の声を漏らさずにはいられなくなっている竜祥、「ううう…」


  「ああ?」苦しそうにと歯を噛んでは、自分に体を引かれている竜祥の顔を見下ろして行きつつ、ペットのリードを引いている感覚で自分の右手の中で暴れているような彼の左腕を感じて行きながら、横目で彼の顔を見下ろしていく入れ墨の男性は言う、「感謝の一言も言えねぇのかよぉ?」軽く左手を小さな深い緑色のビールの瓶の欠片を付けていた使い古された錠に向けて伸ばしていく入れ墨の男性は、まるで自分がしていることは全部見えていないと言っているようにと、強張っている表情で二人の死体を見下ろしている二人の事を見ながら軽く左手にある金具を引いていく彼はチラッと俯いては悔しそうにと歯ぎしりしている盾の男性に一瞥しては、軽く鼻で笑って細身の男性がトレイから出た際にわざわざ丁寧に錠をドアフレームに当てていく必要は無いのにと言いたくなっては、苦しそうにと歯ぎしりしている竜祥の体を引いて行きつつ、竜祥の両親が死んでいた事を知れてたら、こんなおんぼろなドアを破っていく時に、もう少し力を入れては完全に潰していけたらな、とぼんやりと考えている彼は迷わずに右足で軽く薄汚い廊下を踏んで行きながら、不貞腐れるようにと言葉を紡いでいく、「折角親切なお巡りさんが支えているってのによぉ?」


  わざと右腕に力を入れている入れ墨の男性が自分の左腕に与えて来ている痛みに目を瞑っては、体を強く引いていくお陰で両親の多分無惨になっていた姿を見なくて済んだとぼんやりと思っている竜祥は、まるで躾けのなっていない犬を引いているように強引なまでに自分の体を前に向けては、例え自分が転んだとしても自分の体を引き続けていこうとしている入れ墨の男性の背中姿に苛立ちを覚えている竜祥は、悔しそうにと歯を噛んでいた、「あ、ありがとう…!」


  不満そうに鼻翼に力を入れてはまるで自分の喉から絞り出していた声に驚かされているような入れ墨の男性の顔を見つめていく竜祥、口角が斜め下の方向に固定されているように思えては、ただ自分の事をペットのように引っ張っているだけなら、自分が転んでも鬼頭焔硝と我孫子真乖に金を渡していかないでと懇願しても、聞いてくれなかった母親が自分にして来た事とは比べられない物なんだと思っているいる竜祥は強く鼻を啜っては、ぽつりと鼻水に汚されていたピンク色の唇を開けていき、「ご、ございます…!」


  「んだよ、」ぼんやりと階段を踏んでいこうと思っていた入れ墨の男性は自分に握り締められていた竜祥が自分に向けて来る言葉に口角をくすぐられているように思いつつ、ますます意地を張っている彼から手応えを感じては、興奮気味になれている彼はニヤリと右側の口角を上げていく、「人間の言葉を喋れるんじゃねぇか、」まるで自分が紡いだ嘲笑っている言葉に心を刺激されているように軽く歯を噛んでしまう竜祥の小汚い頬に浮かんでいく小さな角に目を細めつつ、見下しているように流し目で彼の顔を見つめていく入れ墨の男性は言う、「舌がねぇかと思ってたぜ、ったく、」軽く顔を無言で歯を噛では自分の事を血走っている眼で睨んで来ている竜祥に近づいていく入れ墨の男性は言葉を紡いで行きながら、彼の左腕を強く握っている右手の親指に力を入れていき、「手間かけさせやがってよ、クソガキが。」


  「ううっ!」まるで肘の裏にある筋を千切ろうとしているような入れ墨の男性の、怪物のようにも思えてしまう力に苦しめられては、つい体をびくっと跳ねらせてしまう竜祥は困っているようにと左腕から伝わって来ている激痛を我慢して行きつつ、入れ墨の男性に懇願しているようにぽつりと唇を開けていき、「い…痛い…です…!」ごくりと固唾を飲み込んでしまう彼は自分はどうしてこんな目に遭わないといけないのかと内心で何度も疑問に思い行きつつ、潤んでいる瞳で入れ墨の男性を映し出していく彼は可哀想な演技を試してみようと思っては、軽く眉をひそめて悲しそうにと彼に向けて言葉を紡いでいき、「止めてください…」


  「はっ、」竜祥の自分に弱っているところを自分に見せて来たら、自分は彼のことを見逃して行くんだとでも思っているような態度が甘すぎると彼に教えていくように強く鼻で笑っていく入れ墨の男性、「これはお前から貰ってる残業代なんだよ、」言葉を紡いで行きながら、強く竜祥を自分の右側まで引っ張っては自分の力に見開かされては、体が猛然と前のめりにされていたせでつい倒れてしまいそうな竜祥の体を睨みながら、否応なしに右手で強く彼の華奢な肩を握っては、左手の人差し指で使い古されたドアを指差していく入れ墨の男性は言う、「ぼろそうな家に汚い服、」ゆっくりと屈んでは竜祥の震えている頬に顔を近づいていく入れ墨の男性は、弱っては戦慄している肩を縮めている彼の顔を睨んでいく、「どうせ金持ってねぇんだろう?」

  

  「うっ…」宛ら自分の致命傷を抉りに来ているような入れ墨の男性が紡いだ一言に喉を殴られているように思えては、つい強く歯を噛んでしまう竜祥は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、もし自分にはお金持の家庭に生まれてこれたら今まで散々クラスメートに馬鹿にされることもなければ、もっとちゃんとした筆やノートを買えていたんだと内心で叫んでみたくなっている彼は、つい居なくなっていた両親が残してくれて来た悲しみに苦しめられては、悲しそうにと俯いていく彼。


  宛ら自分が紡いだ話に心を完全に潰されていたようにと俯いては苦しそうに涙を流していく竜祥の渇いた唇を噛んでは、涙を零していく横顔に向けてニヤリと右側の口角を上げては、見るからして虐められるべきのように感じてしまう彼の顔立ちと、彼が着ていた明らかに体のサイズに合っていないシャツを見下ろしていくと、強く鼻で笑っていく入れ墨の男性はまったりと立ち上がって行きつつ、右手を彼の汚く思えてしまう肩から離れていき、「貧乏人が一人二人死んじまったところで誰にも響かないよ、」まったりと腕を組んでは、竜祥にもっと泣かせては、自分のパトカーの中で静かに一日を過ごしては上手くさぼれなかった鬱憤をはらって行こうと思っている入れ墨の男性は言う、「ましてやお前みたいな殺人犯の息子みたいな奴になると、」


  ”ドクンー”刹那、入れ墨の男性が紡いだ言葉に無理矢理涙を止められていたように思えては、ただ生き残ることしか考えていなかった自分には全然父親が母親を殺してしまったら、自分は殺人犯の子供になってしまうんだと言うことを考える余裕はなかったんだと思ってしまう竜祥、「うっ…」竜祥が発している辛そうな唸り声を耳にしながら楽しんでいるようにと右手を顎に添えて行きつつ、何度も頷いていく入れ墨の男性はわざわざ彼を刺激するような言葉を紡ぐ必要もなく、ただ正直に彼にこれから出会っていく社会からの批難を先に知らせていくだけでも、彼の心は完膚なきまでに潰されてしまうのだろうと思っている彼は言う、「ますます何のために生きていくのかが分かいもんなんだぜ?」


  入れ墨の男性が必死に酒を飲むたびに狂ってしまう父親と、自分の精神と鼻を嬲って来ていた母親から全力で生き延びて来ていた自分に掛けて来ていたあまりにも思えてしまう一言を、噛み千切ろうとするようにと強く歯を噛んでいく竜祥は不服そうに充血しては潤んでいる瞳を彼に向けては恨んでいる眼差しで彼の事を見つめている、「ううっ…!」まるで全力で歯を噛む事で力を見せつけて来ようとしているような竜祥の微かな生き血が滲んでいく歯茎に目を細めてしまう入れ墨の男性は、軽く右手の人差し指を頬に当てて行きつつ、彼に向けて言葉を紡いでいく、「死んじまった方がいいと思うぜ?」


  憤怒に刺激されては強く両手を握っている竜祥の、彼の握り締めている拳を睨んでいく様を堪能して行きながら、もし彼が本気で自分に殴り掛かって来てたら自分にはそれなりの対応をせざるを得なくなるんだと思ってしまう入れ墨の男性、「これはマジでお前のために言ってんだけどよ?」ニヤリと右側の口角を上げて行きつつ、竜祥に自分の顔を殴りやすくするようにと軽く顔を彼に近づかせていく入れ墨の男性は、まったりと右手の人差し指を立てて言う、「犯罪者の家族になると、社会に出てもろくな仕事が見つかれないで、」


  忽然、入れ墨の男性が自分に掛けて来ていた一言に見開かされては、ぼんやりと唇を開けてしまう竜祥、「え…?」入れ墨の男性がわざわざ残業させていたような自分を刺激するために嘘を吐いていたのではなく、もし自分が父親が殺人犯だと言うステータスを残されてしまったら、両親が居なくなったところで少しばかり明るくなれたはずの自分の将来は一気にどす黒い物と化しては、自分にはいつまでたっても小夜に恩返し出来なくなるんだとぼんやりと考えてしまう竜祥。


  竜祥のまるで自分が紡いだ一言を上手く理解出来ていたような態度に目を細めて行きつつ、ニヤリと右側の口角を上げてく入れ墨の男性はつい彼みたいな子供なのにやたらと賢い子は嫌いだと思っては、絶望に侵されているようにと項垂れている竜祥の戦い意思を無くしていたような反応を眺めて行きながら、背筋を伸ばして言う、「そこら辺の乞食になっちまうからよ。」


  「ううっ…!」自分には父親と同じような人間になりたくないとどれだけ願っても、もともと彼の遺伝子を引き継がれている自分にはいっぱい努力する以外の可能性は残されていないんだと思いつつ、彼が殺人犯である事と彼が殺していた人は自分の母親である事を世間に知らされてしまったら、自分は本当に乞食になる以外、まともに稼げそうな手段を無くしてしまうんだと悔やんでは、必死に震えている両足で強く小汚い廊下を踏ん張っては、戦慄しているような霞んでいる視線を入れ墨の男性に向けていく彼は苦しそうにと喉から嗄れていた声を絞り出していた、「ぼ、僕は…!」


  竜祥のまるで自分が彼に掛けていた言葉は間違っているんだと言いに来ている様に眉毛をひそめて行きつつ、軽く左側の眉毛を上げていく入れ墨の男性、「ああ?」入れ墨の男性の自分を威嚇しに来ているような形相を気にすることなく、彼にすら勝てないようじゃ、これから遭っていく災難には立ち向かえないんだと考えていく竜祥は強く戦慄している両手を握っては、彼の顔を睨んで言う、「父さんのような下種になったりしない…!」


  竜祥がまるで喧嘩を売りに来ているようにと怒りに満ちている声で紡いだ言葉に左側の眉毛を跳ねらされていたように思えてしまう入れ墨の男性、「はっ!」竜祥の真っ赤になっている額から浮かんでいく青筋に目を細めて行きつつ、自分は泣いてなんかいないと言っているように左腕で涙を拭いていく彼の仕草を嘲笑っているように、両手を軽く上げては肩をすくめていく入れ墨の男性、「おいおい、とんだ親不孝だな?」歯ぎしりしている竜祥の不満そうな表情をもっと近くで見ては、彼の事をもっと刺激して、自分を殴って貰おうと考えている入れ墨の男性はまったりと言葉を紡いでいき、「可愛がってやろうじゃねぇか、」横目で竜祥の握り締めている両手を見下ろしながら、脳内でどうやって自分に手を出していた彼を懲らしめていこうと考えている入れ墨の男性、「お前の逝っちまった親父の代わりによぉ?」


  自分に怒らせようとしている入れ墨の男性の顔を見上げては、悔しそうにと右手を握り締めていく竜祥は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、自分の体よりずっと大きな彼と戦ってしまうと、まったく格闘技を習っていない自分にはきっと死ぬほど酷い目に遭ってしまうのだろうと強く考えている彼はごくりと固唾を飲み込んでは、まるで自分の返事を待ってくれているような入れ墨の男性の顔を見上げて行きつつ、軽く鼻を啜っていく彼はぽつりと渇いた唇を開けていき、「解雇は…」まるで自分の口から漏らしていた話に驚かされているようにと眉毛をひそめたままで右側の眉を上げていく入れ墨の男性の事を見つめている竜祥は、彼の顔を睨みながら補足するようにと震えている声で言葉を紡いでいく、「怖くないのかよ…君は…!」


  「ほぉ~?」竜祥が自分に投げて来ていた話に口角をくすぐられているように思えては、ニヤリと右側の口角を上げていく入れ墨の男性は可笑しそうにと横目で彼の体を見下ろして行きながら声を発していき、「脅しのつもりかね?」まるで自分が紡いだ言葉に声を発して返事をするのを畏怖しているようにとごくりと固唾を飲み込んでいく竜祥の体を睨んでいく入れ墨の男性、「はっ、」強く鼻で笑ってしまう彼は軽く肩をすくめて行きつつ、竜祥に自分の力を見せつけていくかのようにと両手を握り締めていく、「言ったろ?」宛ら自分が紡いだ話を上手く理解できずにいるようにと眉をひそめている竜祥の顔を見下ろしていく入れ墨の男性は、まったりと腕を組んで行きつつ、傲慢にも思えてしまうぐらいに自分の顔を睨んで来ている竜祥を見つめていく彼は言う、「両親がくたばっていたお前には頼れるもんが俺たちしかいねぇんだ、」まるで自分が紡いだ言葉の中に秘められている意味を分かってくれていたようにとあんぐり口を開けている竜祥の事を見つめては、軽く右手を顎に当てては、顎を擦っていく入れ墨の男性、「もちろん一時的なものでな?」


  入れ墨の男性が紡いだ言葉をぼんやりと耳にしながら、両親を無くしてしまう自分には頼れる相手はなくなっていたように思いつつ、ぼんやりと項垂れていく竜祥は脳内を過っていく小夜の顔を思い出してしまうと、つい悔しそうにと強く歯を噛んでは、もう散々自分にとって唯一の救いである彼女にいっぱい迷惑をかけては、必ずしも弱っている自分の事を見捨てたりはしない彼女が自分が今こんな目に遭っているのを知られてしまうと、きっと自分を受け入れてくれるのだろうと考えつつ、彼女に償えないぐらいの借りを残したくないと強く思っては、いざ彼女が殺人犯の子供と一緒に暮らしているんだと周りの人間に知らされてしまったら、彼女も酷い偏見に遭わされてしまうのに違いないと強く思っている竜祥はごくりと固唾を飲み込んでいた。

  

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