第178話こっそりと嗅いでみようなんて思ってなかったのですよぉ…!


  楽々花が自分に向けて来ていた親切にも思えてしまう言葉に感動を覚えているように思えては、万が一自分が気付いていないだけで、彼女に辛い思いをさせながら、キスをしてしまわないとと思うとつい申し訳ない心境に胸元を満たされているように思い、強く目を瞑っていく彼は叫ぶようにと言葉を紡いでいき、「き、気にするのっ!」眉間に皺寄せつつまるで叱られているようにと左手を胸元に当てては、潤んでいる深い紫色の瞳で彼女のぱちくりしている表情を映し出していく斗奴雷は言う、「僕は気にするの!」


  「ふん…」彼が自分に投げて来ていた話に目を細められては、自分より女の子らしくデリケートな彼の言葉にヒントを貰えたような気がしては軽く顔を彼から離れてしまう楽々花は、もしかしら自分には何かしらの変な匂いを言葉を紡ぐ度に出しているんじゃないかと不安になっている彼女、一瞬にして気まずくなっているような気がしては口角が斜め下の方向に引っ張られているように思えている彼女は額を地面に向けたままでぽつりと呟いていた、「これからはいっぱい歯を磨いて行こう…」


  楽々花のまるで自分の些かデリケート過ぎたかもしれない思いに従ってくれているようにと呟いていた一言に恥ずかしさを覚えつつ、口角が微かに斜め下の方向に向けられているような気がしている斗奴雷は照れくさそうにとごくりと固唾を飲み込んでは、ぽつりと興奮に震わされているような声を上げていき、「は、話を逸らさないでくださいよぉ…」宛ら叱られていた子供のようにと自分が上げていた声に、額を上げられては不服そうにと唇をすぼめて行きつつ、自分の顔を上げて来ている楽々花の軽く右足でアスファルトを踏んでは、道端で立ち尽くそうとしている姿勢に飽きれているようにと目を半開きさせてしまう斗奴雷、苦笑いする彼は軽く左手の人差し指で頬を掻いては自分の顔を映し出してくれている潤んでいる金色の瞳を見つめて言う、「僕も君ならまったく気にしたりしないから。」


  まるで自分がさり気なく紡いだ一言に驚かされているようにと細い眉毛を上げていく楽々花の、無垢にも感じてしまう自分に向けて来る態度に微笑んでいく斗奴雷、まるで自分の右腕にくすぐられているように軽く華奢な肩を左右に振らしていく楽々花に微笑んで行きつつ、自分の右腕を左手で抱えていた彼女の体の柔らかさに心の鼓動を強く加速されているような気がしている彼は何度も鼻翼に力を入れて行きながら、チラッと視線を喫茶店に向けて言う、「久守が気絶している振りの話をしよう?」


  斗奴雷の自分に抱えられていたせいで自分の胸元に当てていた右腕が、自分の体にくっついていた故にむずがゆくなっているようにと軽く右腕をずらしては、自分の胸元から離れようとしているような仕草に目を半開きさせて行きつつ、チラッと彼の紅潮しては困っているような頬に一瞥していく楽々花、彼が自分のことを嫌になっていたのではなくただ恥ずかしがっているだけであることに安心感を覚えては、ニヤリと右側の口角を上げてしまう彼女は流し目で彼の顔を見上げて行きつつ、曖昧な眼差しを彼に送っていき、「き、気にしないんだ…?」


  楽々花が自分に投げて来ていた言葉に緊張を覚えては、素直に久守について話そうとしないでいる彼女に困らされつつ、彼女と口付けしていた事で、つい口の匂いを気にしていた自分が紡いだ言葉のせいで、彼女も変に口の匂いを意識し始めている様に目を細められては、恐る恐ると頷いていく斗奴雷はぽつりと呟いていき、「う、うん…」軽く左手の人差し指で赤くなっている頬を掻いては、自分が言いだしていた話故にちゃんと彼女に返事をしないとと強く思っている彼は、照れくさそうにと強張っているような右側の口角を上げて行きながら、彼女の潤んでいる金色の眼を見つめていく、「気にしませんよ…」


  軽く顎を引いては、チラッと彼女の艶やかな唇に一瞥してしまうと、ついやましい心境になってしまう彼は声を抑えて行きつつ、ぽつりと呟いていき、「キス出来ただけでなんていうか…ちょっと…うっ、」自分が紡ごうとするちょっとと言う言葉じゃ、さっき彼女に唇を無理矢理奪われていた気持ちを語られないと強く思っては、何度も首を横に振っていく斗奴雷はぼんやりとぱちくりしつつ自分の頬に眼を固定されているような彼女に向けては、照れくさそうな笑みを浮かんでは、恐縮しているようにとぽつりと弱っているような声を発していた、「ううん、かなり得した気分になるから…」


  斗奴雷が自分に向けて来た話に見開かされては、口角を彼の声に上げられているような気がしてならないでいる楽々花は猛然と足先に力を入れて踵を地面から離れては、彼の顔面に攻めていくかのようにと興奮気味の声を発していた、「じゃしょう!今すぐに!」またしても否応なしに自分の唇を奪おうとしに来ているような楽々花の姿勢に見開かされては、思わず少しばかり彼女から上半身を引いてしまう斗奴雷はぱちくりながら鼻翼に力を入れては、強く白い息を吐き出している楽々花を見ていき、「く、久守の話をしましょう…!」


  頬が温かく当てて来ている彼女の吐息に焼かれているように思えては、ほんのり甘い香りを感じさせて来ている楽々花の息に喉を鷲掴みにされているような気分になれては、まるで自分が紡いだ一言に悲しんでいるようにと眉をひそめ行きつつ、冷静を取り戻せているようにと唇を尖らせながら踵を地面に付けてしまう楽々花に苦笑いしていく彼は説明するようにと、軽く左手の人差し指を立てていく、「変な気分になって家に帰らなくなると大変ですから…!」肩を縮めては、必死に喉から声を絞り出していく彼は自分の説明していたような一言に機嫌を直せているようにと満面の笑みを見せて来ている彼女に苦笑いしていき、「い、家に戻ってからその件について相談しよう?」軽く上げていた左手を引いて行きつつ自分が紡いだ言葉で表情をコロコロと変えていく彼女のまるで子供のような態度に心をくすぐられているように感じては、もっと彼女のことを大切にしようと思いながら、ちゃんと久守から彼女を守れていたことを思うと、彼女がちゃんと自分の腕を抱えられている事を感じつつ、存在するかどうかは分からない優しい神に祈りを捧げてみたい気分になれている彼はぽつりと声を発していき、「今は急に襲って来る輩が現れてしまう可能性があったりするので…」


  斗奴雷が自分と一緒にマンションに戻ってくれたらいっぱいキスしてくれると口にしていたような話に、口角を上の方向に固定されては下がることが出来なくなっているような気持ちになっている楽々花は、嬉しそうな笑みを浮かべたまま金色の瞳で彼の顔を映し出している。無言で自分の話を聞いてくれている楽々花の少しばかり加速している様な胸元の鼓動に心を撫でられている様な気がしては、恥ずかしそうにと彼女の潤んでいる眼から目を逸らしては、軽く唇を噛んでしまう彼は補足するようにとぽつりと声を上げていた、「少なくともマンションの中にいるよりは…」


  斗奴雷のハニカム姿に微笑んで行きつつ、これ以上本気で自分のことを襲いそうにない彼の事をからかってしまうと、彼の頭が沸騰しては煙が浮かんで来てしまうんじゃないかと思っている楽々花は再びすらりとした右足を前の向けて踏み出して行きつつ、横目で彼の顔を見上げていき、「じゃ、一つだけ教えてくれない?」「は、はい…」楽々花の上機嫌そうに微笑んでくれては、マンションに向けてまったりと歩いている歩調に合わせて行きながら、自分たちはいつモヒカンの男性のような存在に襲われてしまうのかが分からない以上、少しばかり彼女に催促しては、急いでマンションに戻っていた方がいいように思いつつ、彼女のまるで自分とデートをしているような嬉しそうな表情を目にすると、つい彼女とまったりと歩いて行きながら、家に戻ろうと考えてしまう斗奴雷は、彼女のせいで甘くなっている自分に飽きれているようにと軽く左手の人差し指で頬を掻いて行きながらぽつりと声を発していく、「どうぞ。」


  まるで自分が紡いだ一言に返事をしてくれているようにと満面の笑みを浮かべたまま頷いてくれている彼女に微笑んでは、またしても昨夜のように延々と語ってしまうかもしれないと思いながら、それはそれで悪くないような気がしてしまう彼は横目で彼女の顔を見つめては、冗談交じりに言葉を紡いだ、「一つだけですからね?」斗奴雷が口にしたまるで昨夜の自分たちの事を揶揄しに来ていたような話に淡い笑みを浮かべて行き、まったりと両腕で彼の右腕を抱えていく楽々花はチラッと横目で彼の顔を見上げては彼に尋ねていた、「わたしの口の中って、」まるで自分はちゃんと聞いているよと教えてくれているように頷いてくれている斗奴雷に向けては、ニヤリと右側の口角を上げてしまう彼女、「どんな匂いをしてるの?」


  ”ドクンー”猛然と自分の心臓を殴り込んで来ていた様な彼女の一言に見開かされては、つい返事に困ってしまう斗奴雷、「えっ?!」まるで自分の心情を代弁してくれていたような間の抜けた声を上げていたことにぱちくりし行きつつ、楽々花のまるで自分の態度に叱られているようにと軽く肩を縮めては、萎縮しているように軽く顔を自分から離れては、艶やかな唇に力を入れて、まるで口内から息を出そうとしないでいる様な不自然な姿勢に苦笑いしてしまう彼。


  斗奴雷が自分に見せて来ている困っている様な表情に怖くなっては、もしかしたら彼はずっと自分の口内の臭いを我慢して来ていたのかと不安に駆り立てられては、背中が恥ずかしさに焼かれているように思えては、心が羞恥心苦しめられているせいで思わず泣き出して仕舞いそうになっている楽々花は恐る恐ると震えている声を上げていた、「に、臭うの…?」「うっ、」楽々花が自分が彼女に見せていたややこしい態度に叱られているようにと萎縮しては、泣き出して仕舞いそうな態度を目にしてしまうと、つい彼女のことを強く抱えて上げたいぐらいに愛おしく思えてしまう彼女の体に向けて、何度も首を横に振っていく斗奴雷、「ううん…なんか…」ごくりと固唾を飲み込んでいく斗奴雷はぼんやりと唇を開けては白い吐息を漏らしては寒風に苛まれている様な潤んでいる金色の瞳に目を細められている彼は軽く笑っては、照れくさそうにと彼女から目を逸らして言う、「桃の香りがする…んです…」軽く歯を噛んでは、つい嗅いだことのないはずの彼女の口内の匂いに目を細められてしまう彼はぽつりと呟いていく、「懐かしいような…愛おしい匂いが…」


  「ほ…」彼の困っている様にと紡いだ一言と赤くなっている耳殻と、チラッと自分の反応を確かめに来ている様な姿勢に口角を緩められているように感じてしまう楽々花、「ほほぉ…」目を細めて行きつつ、意味深な声を上げていく楽々花は左手で強く彼の右腕を抱えては、猛然と右足を前に向けて踏み出しては、自分に進む道を断たれては困っている様な深い紫色の瞳に向けて、軽く右手の人差し指を立てていく彼女は嬉しそうにと言葉を紡いだ、「ちなみにあんたのはー」


  「うあああ?!」楽々花が自分の口の匂いを知らせようとしている態度に見開かされては大慌てで左手を伸ばしては、否応なしに軽く手のひらを曲がらせては彼女の艶やかな唇を塞がっていく斗奴雷、「止めてください…!」懇願しているようにと自分に唇を隠されている楽々花の戸惑っているようにとぱちくりしている様を見つめては、軽く眉をひそめてしまう彼はつい自分の口内にはもしかしたら変な匂いがあったりするかもしれないと思っては、自分に言葉を止められている彼女から軽く左手をずらしては、申し訳なさそうにと俯いてしまう彼はぽつりと弱っている声を発していき、「腐った卵みたいな匂いとか言われたら金輪際口を開いたりはしなくなっちゃいますから…!」


  唇を尖らせては斗奴雷が自分の唇を隠しに来ていた時で軽く舌を出しては、彼の手のひらを舐めてやろうと思っていた楽々花は困り果てている様な彼の態度に苦笑いしては、彼の微かに薄荷のように思えてしまう口内の匂いを思いつつ、彼の卑屈になっている姿勢に苦笑いしてしまう楽々花は言う、「そ、そんな酷い匂いをしていないわよ…」まるで自分が紡いだ一言に興味を引かれているようにと熱気を放っている様な眼差しで自分の顔を見つめて来ている斗奴雷から目を逸らしていく彼女は、ぽつりと唇を開けていき、「別に。」


  「ううう…」楽々花が自分に投げて来ていた曖昧にも思えてしまう話に好奇心を引かれているように思えては、自分の口内は一体どんな匂いをしているのだろうかと気になってしまう斗奴雷、胸元の奥からこみ上げて来ている好奇心に苛まれては、つい唸り声を上げてしまう彼はチラッと自分が上げていた唸り声に眉をひそめて行きつつ、心配そうな眼差しで自分の顔を見てくれている彼女に一瞥していき、「ど、どぶみたいな感じでした…?」


  「へへ…」斗奴雷が悩んだ末に自分に助けを求めに来てくれている態度に口角をくすぐられているようにも思えてしまう楽々花は横目で彼の顔を見つめながら、彼のことをからかっていくようにと右手の人差し指を口元に当てて行きながら彼に尋ねていき、「気になる?」「う、うん…」もし自分の口内には変な匂いがあったりしたらこれからは携帯電話でも使って楽々花と話をしていこうと考えている斗奴雷、口の中のまだ自分には知れない匂いに苛まれている様な気がしては、俯いたまま楽々花と面と向かって話すことが出来なくなっているように思えている彼はぽつりと呟いていき、「き、気になるけど、ぐ、具体的には知りたくないです…!」何度も鼻翼に力を入れては、眉をひそめて行きつつ、自分が口にしていた矛盾だらけの言葉に困らされている様な金色の瞳に一瞥してしまう彼、「ずっと引き込って来たのですから…」軽くひんやりとした息を吸い込んでは、他の人ならまだしも、もし彼女に自分の口内は変な匂いがするだぞと教えられてしまったら、自分のメンタルはきっと二度立ち直ることが出来なくなってしまうぐらいに潰されるのだろうと不安になっている彼は自分たちに踏まれていたアスファルトを見下ろしては、ぽつりと呟いていく、「全然口の匂いとか気を回す必要がなかったから…」

 

  斗奴雷の萎縮しては口内の匂いを知るのを恐れている様な態度に目を半開きさせては、さっきあんなにも格好良く自分を救ってくれていたヒーローが口の中の匂いを気になっては、縮こまっているようにも思えてしまう仕草に心をくすぐられているように思えては、まったりと胸元を彼にくっついていく楽々花は嬉々とした声を上げていき、「大丈夫だよ~」宛ら彼の体を左側に向けて倒れさせようとしているように上半身を彼に預けていく楽々花は嬉しそうにと笑いながら彼に言う、「なんかレモンみたいで爽やかな匂いをしてたから。」


  楽々花が嬉しそうにと自分に話をしてくれている態度にぱちくりして行きつつ、もしかしたら彼女は自分に気を遣ってくれては朗らかな態度で自分を騙そうとしていないかと不安になってしまう斗奴雷は、ぽつりと弱っている様な声を発していき、「れ、レモンですか…」彼女が紡いだ例えに違和感を覚えては、微かに眉をひそめてしまう彼はごくりと固唾を飲み込んで行きつつ、何度も赤くなっていた鼻翼に力を入れては彼女に尋ねていき、「す、酸っぱいのですかね…?」


  斗奴雷の卑屈な態度に目を半開きさせては、彼がどれだけ彼の口内の匂いを気になっているのかを垣間見えている様な気がしてならないでいる楽々花は可笑しそうにと軽く笑っては、彼に向けて言葉を紡いでいく、「爽やかな匂いって言わなかった…?」楽々花の少しばかり自分が紡いだ口内の匂いに関する話に飽きれているようにも思えてしまう態度にぱちくりして行きつつ、チラッと自分たちから離れていた様な喫茶店に一瞥してしまう斗奴雷、「ま、まぁ…いいでしょう、」ごくりと固唾を飲み込んでしまう彼は自分に嬉々としている表情を見せてくれては、嫌な表情や仕草の一つも見せてくれないで、自分にくっついてくれている楽々花の反応と出会ってからの口の中に匂いを嗅いで仕舞いそうな距離になっていた時の彼女のリアクションを思い出して行きつつ、自分には多分口臭はないはずだと信じている斗奴雷は軽く頷いて言う、「君にとってはそのような匂いであるのなら…」


  まるで自分が発していた口内の匂いに関して納得していた話に微笑んでは、ようやくその話が終わったのかと言っているようにと軽く肩をすくめては何度も首を横に振っていた楽々花の顔を見つめては、彼女が自分の口内の匂いを知れている事に微かに違和感を覚えてしまう斗奴雷、「そ、それと…ですね。」やけに言いづらそうにと自分に話しかけて来ている斗奴雷の態度に小首を傾げて行きながらぼんやりと潤んでいる彼の瞳を見つめていく楽々花、「なに?」


  楽々花が自分に見せて来ている純真な表情と、自分の内心で紡ごうとする言葉に挟まれている様な気がしては、口角が斜め下の方向に向けて引っ張られているようにも思えてしまう斗奴雷は照れくさそうに軽く左手の人差し指で頬を掻いて行きながら、チラッと彼女の呆然としている表情を見ていき、「口の匂いを嗅ぐんだ…君って…」刹那、斗奴雷が一瞬にして自分が紡いだ言葉の核心に触れていた様な話に絶句されている様な気分になれている楽々花、「うっ!」


  自分が紡いだ話に驚かされているようにとビクッと肩を跳ねらせていた楽々花の恥ずかしさに苦しめられては、唇を噤んでいる態度を目にすると、彼女の照れくさそうに心境につられているような気がしては、軽く左手の人差し指で頬を掻いてしまう彼は微笑んで言う、「僕は、さり気なく…ううん…」自分が紡いだ言葉が嘘になってしまいそうな気がしては、初めて現実で彼女と会っていた時のことを思うとつい彼女の何もかも気になりつつ、急いで彼女をこの危険な場所から連れ出していかないとと言う思いに駆り立てられていた記憶を思い出してしまう彼は、自分が声にしていた言葉に硬直されているような彼女の瞳を見つめては、つい恥ずかしくなっては、彼女の潤んでいる金色の瞳から逃げているようにと目を逸らして言う、「君のを主動的に気になってたんだけど…」


  斗奴雷が照れくさそうにと自分に投げて来ていた話に目を半開きさせては、少しばかり嫌な気になるはずなのに、彼が自分の事をちゃんと気になってくれていた事を思うと、思わず嬉しそうにと笑ってしまう自分は変になっていたのだろうかと考えている楽々花は、まるで既に素直に全ては白状していたから、自分の返答が聞きたいと言いに来ている様な斗奴雷の自分の心に攻めに来ている様な眼差しにから顔を逸らしては、ぼんやりと空を見上げて行きつつ、ぽつりと声を上げていた、「まぁ、気付いてたわ。」


  「えっ!?」刹那、楽々花が紡いだ話に見開かされては、思わずあんぐり口を開けては、そこまで彼女の口内の匂いを気にしていなったはずなのに、会って少しの間で彼女に自分と一緒に安全な場所に連れて行きたいと言う思いに駆り立てられていたせいで、彼女に対するやましい気持ちが全部上書きされていた様な気がしてしまう彼は、まるで自分に飽きれているようにと目を半開きさせている彼女の顔を見つめては、きっと彼女の内心だと自分は変態だと思われているんだと思っては、口角が斜め下の方向に引っ張られているような気がしては、もしかしたら彼女に嫌われてしまうんじゃないかと言う思いに苦しめられては、思わず涙目になってしまう彼はこっぴどく叱られていたようにと切なげに唇をすぼめていき、「ち、違うんです…!」


  恥ずかしさと彼女に嫌われてしまうと言う思いに駆り立てられては、思わず強く歯を噛んでしまう斗奴雷はつい彼女が酷く自分の言葉を勘違いしているのではないかと思ってしまい、「始めて現実で会っていた時だけなんですよぉ…!」叱られていた子供のように眉をひそめて行きつつ、軽く鼻を啜ってしまう彼はつい自分がさっき口にしていた言葉が変質者以外の何者でもないように思えては、ごくりと固唾を飲み込んでいく彼は潤んでいる深い紫色の瞳で自分の嗚咽まじりの言葉にぱちくりしている彼女の事を映し出していく、「主動的気になってと言いましたけど…」慌てて左手を胸元に当てては、自分は彼女と一緒に居られる事を利用しては、自分の良からぬ欲望を満たそうなんて事を少し思ってくらいで止まっていて、一つも実行していないことを彼女に伝えて行きたいと強く思っている彼は言う、「気になってただけで…!」切羽詰まった気持ちに駆り立てられながら、喉が緊張に詰まらされては上手く言葉を紡げなくなっているように感じている彼は、ごくりと固唾を飲み込んでいた、「こっそりと嗅いでみようなんて思ってなかったのですよぉ…!」


  涙目になっている斗奴雷のまるで泣き出して仕舞いそうな姿に見開かされては、叱られているようにと肩を縮めている彼のことがやけに可愛く思えている楽々花は、つい彼の右腕に軽く胸元に当てていたせいで、彼の体の震えが胸元の奥にこっそり入って来ているように思えては、頬が焼かれているような気がしてならないでいる彼女は軽く鼻翼に力を入れてはごくりと固唾を飲み込んでは彼の顔を見上げていく。「さっき君がその質問を聞きに来なかったら…!」楽々花の無言で自分のことを見つめて来ている様を見つめては、変質者だと思われたぐらいで酷く弱っている自分のメンタルは滑稽にも思いつつ、彼女に嫌に思われているかもしれないと思うとついメンタルがチキンより弱くなってもいいように思えている彼は俯いては、辛そうに声を震えているような喉から絞り出していく、「ぼ、僕は…」


  「あっ、」斗奴雷のまるで無言で彼の、自分の存在で恥ずかしさと悲しみに挟まれているような態度を堪能しているせいで涙を零して仕舞いそうな姿勢に見開かされては、思わずぱちくりしてしまう彼女は急いでいるようにと右手を上げて行きつつ、彼のやけに熱くなっている頬に当てて言う、「ああ…泣かないで?」小首を傾げて行きつつ、淡い笑みを浮かべていく楽々花は叱られていたようにと自分の顔を見つめてくれている彼に淡い笑みを見せて行きつつ、別に彼に口内だけではなく色んなところの匂いを本気で嗅がれてもいいような気がしている楽々花は、彼の無垢なまでに自分と接して来てくれている態度に心をくすぐられているように思えては、申し訳なさそうにと言葉を紡いでいき、「わたしが悪かったからさ…?」


  「ううう…」楽々花が優しく自分の左頬に当てて来ていた手のひらの感覚に口角を斜め下の方向に向けて引っ張られているような気がしてならないでいる斗奴雷は、何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、彼女から目を逸らしてはぽつりと呟いていく、「別に泣いてませんし…」斗奴雷の自分と視線を合わせるのを恐れているようにと自分から顔を逸らしていく様に口角をくすぐられているように思えては、嬉しそうにと笑いながら小首を傾げていく楽々花、「そう?」


  「うん…」彼女が自分に向けて来ているシンプルな一言に向けて唯々諾々と頷いてしまう斗奴雷は軽く鼻を啜っては、自分が彼女に少しぐらいに落ち着いて口内の匂いに関して話ができるようにと紡いだ言葉が墓穴を掘っていたんだと思えては、変な言葉を紡いだせいで自分の愚かさに泣かされそうになっている事に悔やんでしまう彼。宛ら自責しているようにと項垂れては、まるで自分が紡ごうとする言葉が気になっているようにチラッと自分に目を向けて来ている彼の存在が微笑ましく思えている楽々花、「でも可笑しいな?」  軽く右手を彼の頬から離れていく楽々花は、お互いに向けている真心はまったく変わっていないはずだと思っては、自分が彼の口内から漂って来るやけに鼻腔に優しく思えてしまう匂いが魔性に思えていた事を大人しく教えてしまったら、きっと彼のように涙目になってしまうぐらいに恥ずかしさに嬲られてしまうのであろうと強く考えている彼女、まるで自分の体を貫こうとしているような深い紫色の瞳から顔を逸らしては、無理矢理引き攣っているような右側の口角を上げていく彼女は軽く右手の人差し指を立てて行きつつ、言葉を紡いでいく、「わたしがさっき言っていた気付いていたと言ったのは、」


  楽々花が紡いだ言葉に気を引かれてはまるで自分に自分の口内の匂いを嗅いでいた事について、これ以上尋ねて来て欲しくないと言っているようにとまったりと右足を前に向けて歩いていく楽々花にぱちくりしてしまう彼。「久守さんのことを抱えて階段に行こうとする時、」チラッとぽつりと自分の口から漏れていた話に驚かされているようにと細い眉毛を跳ねらせていく斗奴雷の表情に一瞥してしまう楽々花は、わざとらしく話題をすり替えようとしている自分の事を思うと、潤んでは充血している彼の深い紫色の瞳に申し訳なく思えている彼女はまったりと右手の人差し指を引いて行きながら、演技をしているようにと屈託のない笑みを彼に見せては、彼の前で恥ずかしさのせいで泣かされたくないと思っている彼女は言う、「なんか彼女がサポートしてくれているような感じで、全然楽だったんだ。」

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