第148話あなたとずっと一緒にいるよ?

  宛ら自分が紡いだ一言を上手く理解してくれないでいるように小首を傾げている母親の顔を睨みつつ、彼女がさっきの話を理解できないままでいいと思っては、自分の両親はダメなんだと思ってしまう竜祥、酒ばっかり飲んで来ていた父親の毎月の収入は鬼頭焔硝と我孫子真乖が、さっきで訳の分からない話をした後で集めていた半分すらいないことを思うと、人を騙せずにちゃんといっぱい金を稼いでいく方法を見つけ出して、小夜に会いに行こうと思っている竜祥は、まるで自分を恐れているようにと肩を縮めている母親を見つめつつ声を発していく、「それにね、母さん、」自分が発していた冷たい声に困らされているようにと眉をひそめている母親の顔を睨んでいく竜祥は目を細めて行きながら、彼女の事を小馬鹿にしているようにと軽く右側の口角を上げては、左手を胸元に当てていき、「ぼくはこれからもっともっと図書館に行くようになるから。」


  自分が紡いだ一言に納得してくれているように恐る恐ると何度も頷いてくれている母親の態度に目を細めて行きつつ、軽く鼻で笑ってしまう竜祥は鋭利な光を過らせていた赤い眼で彼女の事を睨みながら言葉を紡いでいた、「きみが家事をする時も、食材を買う時もだ。」竜祥のやけに決意に満ちている声色に戸惑いつつも思わず小首を傾げてしまう母親はごくりと固唾を飲み込んでは、ぽつりと間の抜けた声を発していき、「え?どうして…?」母親のまったく自分がどうして図書館に拘っているのかを理解できずにいる様を目にしてしまうと、愚かさをさっきで自分に見せつけてくれていた母親と真逆の道を辿っていけたら、少しぐらいはまともな人間になれるはずなんだと強く思ってしまう竜祥は軽く胸元に当てていた左手を握りしめて行きつつ、前に向けて行きながら憤っているような声色で言葉を紡いでいく、「知識が、本から得られるそれが、」強く歯を噛んでは何度も鼻翼に力を入れていく竜祥は軽く首を前に向けては、迷わずに言い放った、「ぼくを低能と区別を付いてくれるからだ。」


  まったりと振り返っては母親の自分が発していた差別の言葉に驚いてはあんぐり口を開けている様に、興味を持っていないようにと揺るぎない眼差しを遠くにある茂に向けていた竜祥。宛ら緑色の葉っぱの中で青色の蝶々と戯れているような真っ白な花に一瞥した竜祥。悔しそうにと歯を噛んでは、俯いていた彼は自分の繊細な両手に握らされていた教科書を睨むように見つめては、自分の事を囲んでくれているような花園から漂って来ている淡い香りに心を癒されているように思いつつ、目を細めてしまう彼はチラッと水色の水晶で作り上げていたような机の上に置かれていた使い古されてたエコバッグに目を向けては、軽く歯を噛んでしまう彼は残念そうにと何度も首を横に向けて振りつつ、まるで自分の事を照らしてくれているような青色の空を飾り付けているような極彩色のガラスで出来上がっていた天井をぼんやりと眺めては、ちゃんとしたランドセルも買えない家に絶望を覚えてしまう彼は丁寧に両手にある教科書を握りしめては、自分の運命は間違いなく自分の両手にあるんだと強く自分に言い聞かせている彼は歯ぎしりしながら、再び視線を教科書に向けては、何度も見ていた教科書にもっと知識を書けないのかと文句を言いたくなっている。


  「また一人でこんなところで勉強しているんだね。」”ドクンー”刹那、まるで現実に打ちひしがれては猫背になっていた自分の背中を優しく支えて来ているような女の子の声色に見開かされてしまう竜祥。黄色の花で作り上げていたような靴はフリルの靴下を履いていた白皙の両足を飾り付けては、まったりと自分の左側を通って来ている青色の髪の毛に心を奪われては、ぼんやりと潤んでいる赤い瞳で呆然と自分の顔を見ては、宛ら自分と目が合っていた事に嬉しく思えているようにと上げていくピンク色の口角と、白皙の頬に浮かんでいた笑窪に心を奪われては、一瞬、緊張を覚えていた竜祥は桜色の瞳に添えて、自分を映し出してくれていると同時に、鼻をくすぐって来ている薄荷の涼しく感じる香りに目を細められては、左側の口角が自然と上げてしまう彼は自分は幸せ者なんだと考えつつ、両手をゆっくりとランドセルの帯に添えていく小夜の小首を傾げては、呆然と彼女の美貌に見とれていた自分に何か遭ったのかと尋ねて来ている眼に羞恥心を覚えてしまう竜祥。


  「あ…」間の抜けた声を上げては、急いでいるようにと小夜から目を逸らして行くと同時に左肩を彼女の胸元に向けてしまう竜祥、小夜が自分を探しに来てくれていたことを思うと、体中が恥ずかしさに焼かれているように思えてはやけに熱く感じてしまう彼はごくりと固唾を飲み込んでは、隣りで佇んでいる小夜のまるで上手く自分に何かがあっていたのかを聞き出すまでは、座ったりしないぞと言っているような桜色の瞳に幸せを覚えてしまう彼。


  「まぁ…」軽く鼻翼に力を入れては、何度も熟読していた教科書はどうでもよく思い始めている竜祥は、まったりと汗ばんでいる両手で握っていた教科書を水晶で作り上げていた机の上に置いて行きつつ、恐る恐るとチラッと小夜の戸惑っている顔に一瞥していき、「いっぱい勉強して、いい大学に入って、」小夜の自分が発している平然としている声色を耳にしていたお陰で安心したようにと、まったりと臀部を丸太のような椅子に付けては、両手で丸太を握って、当たり前のように軽く自分の左側に向けてずらして来ている仕草に、心が爆発してしまいそうな気がしている竜祥、口角が斜め下の方向に向けていた竜祥はチラッと机の上に置いていた小汚いエコバッグに一瞥しては、一瞬にして自分に幸せな夢を見せてくれている小夜はやはり自分を苦しめて来ている現実から、自分の事を救い出してはくれないんだと思ってしまう竜祥、「ごみ…」自分が言いかけていた一言に見開かされては、急いでいるようにと小夜に顔を向けていた竜祥。


  猛然と自分に顔を向けて来た竜祥のやけに緊張しているような態度に戸惑いつつ思わず小首を傾げては、ランドセルを肩から下そうとしていた小夜は思わず軽く左手の人差し指を頬に添えていき、「うむ?」「うっ…」小夜の自然と発していた疑問の声ですら愛おしく思えては、照れくさそうにと彼女の白皙の頬から目を逸らしていく竜祥、小夜に汚い言葉遣いを聞かせてしまうと、無垢な彼女は怪我されてしまうと考えつつも、何度も鼻翼に力を入れていく竜祥はぽつりと声を発していき、「残念な生活から逃げ出すんだ。」


  「ふん~」竜祥が紡いだ言葉に見開かされては口角をくすぐられているように思えている小夜は、ゆっくりと両手で掴んでいたランドセルを机の上に置いて行きながら、ニヤリと右側の口角を上げていく彼女は、頑なに自分と顔を合わせようとしないでいる竜祥の紅潮している横顔を覗き込んで行きつつ、頬に小さいインクの跡が付けていた彼に微笑んでは、まったりと右手の人差し指を立てて行きながら、彼の頬にあるインクの跡を拭いて行こうと考えている小夜は微笑んだ、「偉いね、竜祥くんって。」


  忽然、まるで学校のトイレにある水道水で洗っていた自分の小汚い顔を、浄化しに来てくれているようにと感じてしまう小夜の温かい指先の感覚に体が爆ぜらされて仕舞ったようにと思えている竜祥、「うう…」まるで自分の徐々に熱くなっている頬を楽しんで来ているようにと撫でていく小夜の仕草に口角が斜め下の方向に固定されては、萎縮しているようにと肩を縮めてしまう竜祥は恐る恐ると潤んでいる赤い眼で彼女の自分の横顔に注目している様に一瞥しては、小さな黒いカラスのマスクを付けていたゴムで日差しに照らされている髪の毛を束ねていた小夜の白皙の肌に心臓をくすぐられては、残念そうにと目を細めてしまう竜祥はゆっくりと視線を自分のインクに汚されていた右手を見下ろしては、左手の横を黒く染め上げていたインクに目を細めていく。


  「竜祥くんって、」竜祥の赤くなっている頬に口角を支えられているように感じているこ小夜は、嬉しそうに微笑みながら彼の頬からインクを拭いでいき、「万年筆を使っちゃうんだね。」「うん…」自分の頬に当てていた小夜の指先の感覚がずっと残って欲しいと思ってしまう竜祥は、照れくさそうにと軽く右手の人差し指で痒くなっている頬を掻いて行きつつぽつりと弱っている声を発していた、「図書室でただでインクを貰えるから、」自分の胸元の奥に浮かんで来ている理由に目を細められては、残念そうにと笑ってしまう竜祥はチラッとまったりと自分の頬から指先を離れていく小夜に一瞥していく、「万年筆の方がシャーペンより都合がいいんだ。」


  「ふん?」竜祥が自分に向けて来ていた説明に眉をひそめつつ、唇をすぼめていく小夜はチラッと竜祥が着ていた大きめのピンク色のシャツに一瞥しては、ソースが滲み付けていたシャツに目を細めては、竜祥は服装のせいで図書室にいる管理人に毛嫌いされてしまはないかと思っては、一瞬不安そうな表情を浮かんでいた小夜はまるで自分の表情に反応してくれているように、切なげに項垂れていく竜祥の落ち込んでいる様に見開かされては、大慌てで両手を上げていく彼女、「シャーペンはいらない?」軽く左手を胸元に当てては、首を前に向けてしまう彼女は、自分が紡いだ一言に苦い笑みを浮かべている竜祥を見つめながら、軽く左手を胸元から放して机の上に置いていたランドセルに向けて行きつつ、声を発していき、「あたしはいっぱい持っているよ?」自分が紡いだ一言にぼんやりと頷いてくれている竜祥の仕草に目を半開きさせては、もしかしたら彼は自分が彼に自慢しているんじゃないかと勘違いしているのではないかと不安に思ってしまう小夜は無理矢理口角を上げては、彼に元気になって貰いたいと思いつつ、声を発していた、「プレゼントにしちゃおうか?」


  「いいさ。」小夜が右手を胸元に当てたまま自分に気遣ってくれている態度に口角をくすぐられているように思いつつ、まったりと背筋を伸ばしていく竜祥は万が一クラスメートに自分が小夜の鉛筆を使っていることがばれてしまったら、自分はまだしも彼女まで嫌になるクラスメートたちに馬鹿にされたり、意地悪されるのだけは何としても避けたいと強く思ってしまう竜祥は自分に断られては残念そうにと唇をすぼめている小夜を眺めては、軽く笑ってしまう彼は何とか言い訳を考えようと思いつつ、唇を開けていき、「一つの道具を徹して使った方が、」忽然、自分がまだ完全に完璧な言い訳を思い付く前に、小夜に違和感を感じさせないようにと口にしていた台詞に喉を詰まらされていたようにと思えてしまう竜祥は、小首を傾げながら自分の話を待ってくれている桜色の瞳を見ては、気まずそうにと軽く歯を噛んでいた彼は思わず小夜の無垢な表情から目を逸らしていた、「何かといいんだよ。」


  「そう?」竜祥がやけに万年筆に拘っている一言を耳にしてしまうと、ついぱちくりしてしまう小夜はぼんやりと彼の横顔を見ながらぽつりと声を発していき、「先生に怒られたりしない?」小夜のまるで自分の体験を述べていたような話に鼻をくすぐられているように感じては、小夜のようなまともな家庭に恵んで貰えなかった自分にとっては、叱られたぐらいでちゃんと学校で知識を学んで行けるのは人生に残されていた唯一の希望のように感じてしまう竜祥、つい猫背になってしまう彼は軽く握っている両手を太股の上に置いては、ぽつりと声を発していく、「字が綺麗に書けてから、」小夜の本気で自分の事を心配してくれている態度に心をくすぐられているように感じている竜祥は恥ずかしそうに軽く右手の人差し指で頬を掻いて行き、「もうされなくなった。」


  竜祥が紡いだ言葉に安心感を覚えてしまうと同時に寂しさを覚えている小夜、口角を上げては嬉しそうな笑みを浮かべて行こうと思う彼女は、軽く左手で胸元をなで下ろして行きながら微笑んで言う、「そうだったんだ~」軽く左手の人差し指を頬に当てては横目で竜祥の頷いてくれている姿を見ていく彼女は、竜祥の事をからかっていくかのようにと言葉を紡いでいき、「あなたの字は綺麗だもんね?」小夜が自分の事を褒めてくれていた一言に心が弱くなっているような気がしてしまう竜祥は、ぼんやりと首を縦に振っていき、「うん…」弱っている声を発しては、貧乏でちゃんとした万年筆ですら買えないでいる自分には小夜とは釣り合わないようにと思ってしまう彼は、つい縮めてしまいそうになっているような気がしてしまう彼はぽつりと弱っている声で呟いていた、「君はいいのかえ…?」


  竜祥の潤んでいる赤い瞳の中にある自分の顔を呆然と見つめては、首を傾げていた小夜は素直に内心の疑問を口にしていき、「何が?」小夜の無垢な姿とまるで自分たちの存在を囲んでくれているような、彼女がいる故にやけに綺麗にも思えている花園に溶け込んでは、微かな白い蕾をしていた水色の花のような彼女とホームレスのような小汚い自分を比べてしまうとつい自分には小夜を汚さないように、彼女とある程度の距離を置いて行くべきなんだと強く思ってしまう竜祥、「僕は…」小夜と一緒にいられないでいることを思うと、つい悲しみを覚えては、悔しそうにと軽く唇を噛んでしまう竜祥は、小夜はもっと立派な家庭に産まれて来ていた子供と一緒にいるべきなんだと強く思ってしまう彼は、無理矢理口角を上げて行きつつ、宛ら自分から何かしらの違和感を覚えているように、両手を太股の上に置いてはやけに真剣な眼差しで自分を見て来ている小夜に言う、「ほら…ちゃんと毎日のようにお風呂に入れないし…」桜色の瞳は花園の中にあるどのお花よりもずっと綺麗に思えてしまう竜祥は自分の額を粘って来ていたような黒い髪の毛を見上げてしまい、「髪型も汚いしさ…」


  竜祥が弱っては宛ら捨てられてしまいそうな子犬のような口調で自分に向けて来ている話に心をくすぐられては、竜祥の弱っている様を見てしまうと、つい心が強く鋭利な針に刺されていたようにと感じている小夜は軽く右手を胸元に当てて行きつつ、首を横に振って言う、「ううん、全然気にしないよ?」自分の当たり前のように紡いだ一言に見開かされている竜祥の眼に捕らわれているように見えてしまう小夜は、嬉しそうにと言葉を紡いでいく、「だって、家族だものね?」


  「うっ…」小夜が自分にかけてくれて来ていた一言に鳩尾を強く殴られていたように思えてしまう竜祥、口角が斜め下の方向に向けて引っ張られていく彼は小夜は決してただ自分の事を家族だと思っているだけで、自分に近づいて来ていたのではないと信じつつも、彼女が自分を家族だと思っている故に構ってくれるかもしれないと言う可能性に苛まれている竜祥は落ち込んでいるようにと軽く頷いては、ぽつりと渇いたピンク色の唇を開けていき、「うん…家族…だもんね…」軽く歯を噛んでしまう竜祥はつい小夜と家族であるはずなのにどうして素直に喜べないのだろうと思いつつ、つい目を細めてしまう竜祥は小夜と家族になるのはいささか早かったように思えては、神は自分にとんでもないぐらいのいたずらを仕込んで来ていたんだと考えている。


  竜祥の微かに落ち込んでいる態度に目を細められては、軽く右手で自分の胸元にあるフリルの飾り物を握っては、胸元の奥が針に刺さられている感覚が彼と家族である事に、痛みが深まっているように思えてしまう小夜は軽く首を横に振っては、落ち込んでいる竜祥の応援をしてあげては、彼と一緒に元気になって行こうと思っている彼女は強く両手でガッツポーズを取っては、軽く首を前に向けていき、「まさかいとこ同士だったとはね!」宛ら急なまでに元気になれている自分に驚いている竜祥のぱちくりながら、軽く上半身を引いている態度に不満を覚えつつ、唇をすぼめてしまう小夜は軽く右手の人差し指で彼を指差して言う、「道理であなたは他の男の子とは違うって思ってたわけだよ、」ニヤリと左側の口角を上げては、猛然と左手の親指を立てていく小夜は言う、「これは間違いなく縁だよね?」


  小夜のまるで眩しい太陽の如く自分を照らしてくれている姿勢に目を細められては、軽く鼻翼に力を入れていく竜祥はつい残念そうにと俯いては、自分たちの影を弄んで来ているような椰子の木の大きな葉を眺めては、つい憂いに耽ってしまう彼は揺らいでいるような葉を見つめてぽつりと呟いていた、「縁…なのかな…」竜祥のまるで自分と彼の縁を否定しに来ているような話に見開かされては、思わず唇をすぼめていく小夜は眉間に皺寄せつつ、強く左手を胸元に当ててしまう彼女は何としても竜祥に自分と彼の縁を否定して欲しくないと強く思っては、否応なしに声を発していた、「縁だよ!」


  やけに強い口調で自分に言葉を投げて来ていた小夜の声に見開かされては、思わずぱちくりしてしまう竜祥は向きになっている小夜の潤んでいる桜色の瞳を眺めては、ごくりと固唾を飲み込んでいく彼は呆然と首を縦に振っていき。竜祥が自分の話を認めてくれていた態度に頬をくすぐられているように感じては、まったりと口角を上げて行きつつ横目で彼の顔を見ていく小夜は言う、「お父さんにあなたのことを言った時に驚いてたわ、それにほら!」宛ら遊園地に行ったかのようにと両手を広げては、まるで戸惑っている竜祥を抱きしめようとしているような小夜は満面の笑みを彼に見せて行きながら声を発していく、「同じクラスに入れてたんじゃない?」揺るぎない眼差しで竜祥を見つめては猛然と右手の人差し指を立てていく彼女は言う、「これはもう縁以外の何物でもないでしょ?」


  「うん…」小夜が自分だけに見せてくれている元気に満ちている姿に目を細められては、軽く口角を上げずにはいられなくなっている竜祥はチラッと自分の身体を守ってくれていたような小汚いシャツに一瞥しては、軽く歯を噛んでしまう彼は元気があるだけじゃ何も解決出来ないと強く思っては、小夜に貧しい自分が遭ってしまう差別に巻き込んで欲しくないと思っている竜祥は悲しそうにと潤んでいる赤い瞳で彼女の顔を見つめては、ぽつりと声を発していき、「でも、君は嫌われてしまうよ?」


  「え…?」竜祥のまるで自分から遠ざけようとしている一言に見開かされては、心が冷めているように思えている小夜は思わず切なげに細い眉毛をひそめていき、恐る恐ると震え始めている両手を握って胸元に当ててしまう彼女はぽつりと艶やかな唇を開けていき、「もうあたしに飽きちゃったの…?」”フー”猛然と臀部を丸太のような椅子から離れては否応なしに強く両手で竜祥の肩を握っていく小夜はつい大きな声を発していた、「いとこだから!?」


  「い、いや…」宛ら顔面を自分にくっついて来ようとしている小夜の行動に見開かされては、何度も鼻翼に力を入れていく竜祥は自分の身体を焼いて来ているように思えてしまう心臓の鼓動に苛まれつつ、ごくりと固唾を飲み込んでいく彼はチラッと泣き出してしまいそうな桜色の瞳で自分を見て来ている小夜に一瞥してしまい、「そういうのじゃない…」小夜の向きになっている姿に目を半開きさせては、照れくさそうにと軽く右手の人差し指で頬を掻いていく竜祥はつい彼女が紡いだ一言を考えては、彼女に飽きるはずがないけれど、従妹にそのような言葉を言ったら変のように思い、自分にはどう答えたらいいのかが分からなくなっている彼、「って言ったら可笑しいけどさ…」


  まるで自分が紡いだ言葉に困らされているようにとゆっくりと、自分の肩から両手を離しては臀部を椅子に付けていく小夜に一瞥する竜祥、「僕とつるんでいると、」左手を小夜が自分の鼻先に残されている薄荷に匂いに加速されている胸元に当てている竜祥は、桜色の瞳の中にある自分の顔を真面目に見つめては、声を発していた、「クラスの皆に嫌われてしまうよ?」竜祥が自分に投げて来ていた一言に困らされてはどうして自分は彼と一緒にいると他の人に嫌われてしまうのかが、分からずにいる彼女はぼんやりと小首を傾げつつ彼に尋ねていく、「何で?」


  小夜が投げて来た素朴な質問にあんぐり口を開けられては、どうやって彼女に返答したらいいのかが分からなくなっている竜祥、「な、何でって…」気まずそうにと歯を噛んでは、小夜に嫌われたくないと思いつつ、彼女にちゃんとこれからも自分と一緒にいると、他の人に嫌われてしまう可能性を伝えないといけないと思っている竜祥は軽く左手で自分の胸元のシャツを握っては、潤んでいる赤い瞳で彼女の顔を映し出していき、「ほら、臭うのだろう…?」


  竜祥が紡いだ言葉に目を半開きさせては、まるで自分の鼻に侵食しに来ているような煙草と香の臭いに苛まれているように思えてしまう小夜は、軽く右手の人差し指で詰まってしまいそうな鼻先を擦って行きながらぽつりと内心の思いを口にしていた、「まぁ、少しぐらいは。」突然、小夜の艶やかな唇から飛び出て来ていた自分の体が臭う事に体の芯を抉られているように感じては、思わず苦しそうな唸り声を発してしまう竜祥、「うっ!」


  自分の話を聞いていた竜祥のまるでボクサーに殴られているような反応に見開かされては、あからさまに落ち込んでいる彼の事を見ては大慌てで両手を上げてしまう小夜、「き、傷ついたら謝るよ!」眉をひそめて行きつつ無理矢理口角を上げている竜祥が見せて来ている苦笑いしている姿に心を苦しめられているように感じては、前々から彼は貧しい家庭に産まれて来たと知れていた小夜は眉をひそめて行きつつ、両親に彼は家族だと言ったら家まで一緒に帰って貰えるんだと強く思っている小夜は言う、「うちのお風呂を使う?」


  小夜が貧しい自分を手伝ってくれている言葉に心をくすぐられているように思えては、彼女の自分に気を悪くしたような事で緊張している様に安心感を覚えては、自分は彼女に体の臭いのせいで嫌われていない事を知ると、微かに嬉しく思いつつ、小夜にさえ嫌われなければ他の人はどうでもよく思えている竜祥は照れくさそうにと軽く右手の人差し指で頬を掻いて行き、「い、いいよ…」ぼんやりと目を細めて行きながらもし、父親が自分が勝手に小夜の家に行っては風呂に入っていたことを知らされてしまうと、大した事が出来ないくせしてやたらとプライドが高い父親にぶん殴られてしまうように思えている竜祥は弱っている声で呟いていた、「父さんにばれてたら怒られちゃう…」


  竜祥が自分の提案を断って来ている言葉に悲しみを覚えては、彼に家に来てもらっては、両親に彼にちゃんとした服を買って貰って彼にプレゼントにしようと思っていた小夜、「そう。」ぽつりと平坦な声を発しては、諦めていた自分に返事をして来ているようにと軽く頷いていた竜祥の態度を見つめては、迷わずに両手を彼に向けて伸ばしていく小夜。刹那、否応なしに自分の太股の上に置いていた左手を有無を言わせずに両手で包んで来ている柔らかい手のひらの感覚に、心臓が同化されているように柔らかくなれているように感じてしまう竜祥、「うっ?!」驚いては思わずビクッと体を跳ねらせていた竜祥は恐る恐ると丁寧なまでに両手で自分の左手を握ってくれている小夜の微笑んでくれている表情を見つめては、平然と笑みを浮かべている彼女の笑顔はやけに眩しく思えてしまう彼はつい何度も彼女の笑みに心に温かい漣を広がらせている自分に飽きれては、彼女につられているようにと微笑んでいた。


  「でもね、」目を細めて行きつつ、竜祥が自分に向けて来ている笑みに安心感を覚えてしまう小夜は、自分の両手の中にある彼のインクに汚されていた左手を見下ろしては、自分とクラスメートや教師の知らない所で一生懸命に頑張って勉強をしている竜祥は格好良く思えている小夜は軽く額を上げては、チラッと彼の顔を見つめて言う、「あたしはいいんだよ?」”ドクンー”刹那、小夜の真面目な表情で紡いだ一言に唇をこじ開けられているようにと感じてしまう竜祥は、思わず間の抜けた声を発してしまい、「え?」


  竜祥のあんぐり口を開けている姿に微笑んでは彼に説明するようにと目を細めて行きつつ強く両手で彼の左手を握っていく小夜、「他の皆があなたの事を嫌っても、あたしは代わりに彼らを嫌って上げるし、」」自分が口にしていた言葉は滅茶苦茶だと思いながらも、竜祥の敵に回したり彼に意地悪する人たちと仲良くなりたいとは思えないでいる自分はあながち間違っていた言葉を言っていないように思えては、ゆっくりと自分の両手の中で痙攣しているような彼の左手から視線を呆然としている竜祥に向けていく彼女は言い放った、「あなたとずっと一緒にいるよ?」

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