第137話あなただけを助ける英雄になるのよ!

  竜祥が左手を上げては自分にティッシュを渡そうとしてくれている行動に困らされては、チラッと彼の汚られていた両手に一瞥してしまう女の子、「ティッシュがあるのに…」軽く鼻を啜っていく彼女は思わず困惑気味の眼差しで彼の顔を見てしまい、「どうしてさっきは使わなかったの?」女の子のまるで自分の左手からティッシュを受け取ろうとしないでいる姿に鼻の奥をくすぐられては、飽きれているようにと軽く笑っていく竜祥、「ぼくの手は汚いからさ、」まったりと左手にある真っ白なティッシュを彼女の目の下にある透明なレールに向けて行きつつ、真剣に彼女が零れている涙を拭いて行きながら自嘲気味に言葉を紡いでいる彼、「どうせ汚いなら、ティッシュで拭くのも拭かないのも同じじゃない?」宛ら自分が紡いだ一言に不満を覚えているようにと眉毛をひそめている女の子の表情を気にすることなく、軽く左手にあるティッシュで彼女の左目の下の涙を拭いていく竜祥、「でもきみは綺麗だからさ。」


  「ううっ!」まったりと自分の頬を過っては鼻腔にラベンダーの香りを残してくれているティッシュに目を細められてしまう女の子、目を細めながら優しく自分が零れていた涙を拭いてくれている竜祥が卑下になっている言葉に苛立ちを覚えては、彼の前で泣いている自分の事を思うとつい弱っては、彼から顔を逸らして行きつつぽつりと声を発していく、「そ、そんなことないよぉ…」


  「そうかな…」女の子が自分が紡いだ言葉を否定して来ていたように呟いた一言にぱちくりして仕舞っては、ゆっくりと彼女の涙に濡らされていたティッシュを引いて行く彼、女の子のまるで自分がぽつりと漏らしていた一言に同意しているようにと頷いてくれている様に苦い笑みを浮かべては、彼女の涙がついていたティッシュを握りしめて行きつつ照れくさそうにと左手の人差し指でこめかみを掻いていく竜祥は言う、「めちゃくちゃ綺麗だと思うけどな…」


  ”ドクンー”突然、竜祥が補足しに来ていた一言に見開かされては、猛然と額に皺寄せては、彼に顔を向けていく女の子、「ち、違うよぉ…」何度も鼻翼に力を入れては、竜祥の呆然としている姿と彼がさっき自分に投げて来ていた言葉に心臓を強く殴られているような気がしてならないでいる女の子、「あ、あなたの手は別にそんなにも汚くないって…」弱っては肩を縮めていた女の子は竜祥が紡いだ自分の心を引いているような一言に、身体が鷲掴みにされているような気がして仕舞っては、恐る恐ると彼の地面に汚されていた右手に一瞥していく、「言いたいのよ…」


  女の子が萎縮しては泣き止んでくれていることに、自分に親切にしてくれていた女の子を泣かしていた罪悪感が大分減っているような気がしては、目を細めていた竜祥は軽く頷いていき、「うん、ありがとうね。」ゆっくりと左手で握りしめていたティッシュをポケットに突っ込んで行きつつ、眉をひそめていた彼は申し訳なさそうに自分が紡いだあしらっていたような一言に不満を覚えているようにと頬を膨らませている女の子を赤い瞳で映し出していき、「ごめんね?泣かせちゃって…」


  チラッとまるで自分の右手の手のひらをくすぐりに来ていたようなティッシュの包装に目を細められては、軽く口角を上げてしまう竜祥は迷わずに右手にあるティッシュを女の子に向けて差し出していき、「これ、お詫びに上げるから。」宛ら自分が取っている行動に見開かされているようにと、あんぐり口を開けている女の子に淡い笑みを見せてしまう竜祥は説明するようにと右手を女の子に向けたまま、チラッと視線を縁石の前に置いていたビニール袋に向けて行き、「スーパーでお父さんの代わりにビールを三本買った時に、」軽く左手の人差し指で頬を掻いては、おまけで貰っていた物を人様に詫びる為に使うのはちょっと失礼のように思いつつ、自分には他に大した物を持っていないような気がして仕舞っては、ぱちくりながら自分の言葉を待ってくれている女の子に苦笑いする彼は言う、「おまけでくれてた奴なんだけど…」


  「ありがとう…」竜祥のまるで自分がティッシュを断ってしまうんじゃないかと不安になっている姿に、口角をくすぐられているような気がして仕舞っては、無暗に彼に困っていることを聞いて、解決できないまま彼を傷つけていた自分に優しくしてくれていた彼は善良な人間なんだと思ってしまう女の子は、丁寧に温かい両手を竜祥の右手に触れていき、「あなたは使わないの…?」ティッシュの包装を握ってくれている女の子のピンク色の指先が、自分のティッシュの包装を握っていた人差し指に触れていたことに見開かされては、動悸がしていたような身体に困らされてしまう竜祥、「あ…」ぼんやりと胸元の鼓動に操られてはあんぐり口を開けていた竜祥は両手で握っていたティッシュを上げては、小首を傾げている女の子に屈託のない笑みを見せていき、「うん、必要ないからさ。」


  「うう…」竜祥の爽やかなまでに右手で後頭部を擦っていく姿勢に唇をすぼめていく女の子は、つい自分の両手で握っているティッシュと彼の微笑んでいる顔を交互に見て行き、「必要になるかもでしょ?」女の子が自分に投げて来ていた一言に口角を上げられては目を細めてしまう竜祥は、ゆっくりと右手を後頭部から下ろして行きつつ彼女が手にしていたティッシュに目を向けてしまい、「でもぼくが使ったら、」チラッと宛ら彼女の髪の毛に染め上げられていたような水色のティッシュの包装から桜色の瞳に目を向けていく彼は当たり前のように微笑んだ、「きみは涙を拭けなくなるのでしょう?」


  ”ドクンー”刹那、竜祥が平然としている声色で自分に向けて来た一言に驚かされているようにと眉毛を上げては、心が耳元で強く跳ねていたような音を聞こえていた女の子、「え?」女の子の両手でティッシュを握ったままティッシュを仕舞おうとしないでいる姿に口角をくすぐられては、彼女は自分に遠慮しているように思えている竜祥は言う、「だからきみが取っておいてて。」「ううう…」赤い瞳の中にある自分の彼の真っ直ぐな瞳に同じ色に染め上げられている顔を目にしてしまうと、つい照れくさそうな気分になってしまう女の子は恐る恐ると両手にあるティッシュを軽く上げては、ゆっくりとポケットに入れて行き、「あ、ありがとう…」


  「うん、」女の子の軽く赤くなっている鼻を啜っては自分のティッシュを受け取ってくれていることに目を細めていく竜祥、「本当にどうしようもないぐらいに困った時は、」軽く左手を胸元に当てては、自分が発していた声に少し腫れていた瞼を自分に向けて来る女の子に口角をくすぐられては、もう二度彼女を泣かしたくないと強く思いつつ、自分が両親に苦しめられても、せめて純白にも思えてしまう彼女に楽しく日々を過ごせる事を祈ってしまいそうな竜祥、「絶対さよなら救ってくれるって信じて、」軽く口角を上げては、嘘でももう二度会うことはない女の子に楽しく帰れるようにしてあげたいと、思っている竜祥は言う、「困っている事とさよならするからさ?」


  上手く願い事を叶えて上げることもできない自分のわがままに付き合ってくれている竜祥は、途轍もなく輝いているように思えてしまう女の子、「う、うん…」恐る恐ると頷いてはチラッと横目で竜祥の顔を見ては、自分の立てていた右手の小指を見下ろしてしまう女の子、「約束してくれる?」「え?」女の子が自分に向けて来ていた当たり前のような一言に口角をくすぐられては、どうせ会うことがない以上、彼女が喜ぶ方の言葉を口にしていこうと思っている竜祥は微笑みつつ彼女に言う、「う、うん、」女の子がもし執拗に自分に絡んで来たら、自分はどうしたらいいのかと考えてしまう竜祥はつい苦笑いしてしまい、「でも約束してたじゃん?」


  竜祥が少し無理をしているように引き攣っているような口角を上げている様に目を細めてしまう女の子、彼の微かに不自然にも思えてしまう表情に眉をひそめていく彼女は軽く腕を組んではぷいと首を横に向けていき、「そんな簡単な言葉には騙されたりしないわよ。」右手を腰に当てては、顎を上げて行きつつ左手の人差し指を立てていく女の子は提案するようにと言葉を紡いだ、「なんか儀式が必要になるね。」


  「え…」女の子が自分に投げて来ていた言葉に目を半開きさせては、彼女は少しばかりしつこく思えてしまう竜祥は軽く笑っては横目で彼女の顔を見て行きつつ、彼女に尋ねていた、「どうしたらいいのかな?」竜祥のまるでどうせ子供の自分には大した約束の仕方を言えないのだろうと言っているように目を細めている姿を桜色の瞳で映し出してしまう女の子、同じく子供なのに、自分の事を子ども扱いしている彼の態度に不満を覚えてしまう女の子は、軽く左頬を彼に寄せては迷わずに言い放った、「頬っぺたにちゅーして。」


  「えっ?」刹那、女の子が自分に投げて来ていたリクエストに見開かされては、自分の唇にくっついて来ようとしているような紅潮している白皙の頬に唇をこじ開けられているような気がして仕舞っては、ごくりと固唾を飲み込んでしまう竜祥はもし女の子の頬に唇を付けて仕舞ったら自分の身体が爆発してしまいそうな気がしては、だんだん強くなっている心の鼓動に苦しめられては、上手く言葉を紡ぐことが出来なくなっている彼、「ふ、普通は指切りとかじゃ…?」宛ら自分の困っては緊張しているせいで人差し指を突いている様を楽しんでいるように、流し目で自分の事を見ながらニヤリと右側の口角を上げている女の子に向けて肩を縮めてしまう竜祥、「お母さんとテレビを売っているところでふらつく時はテレビで見えてたけど…」恐る恐ると肩を縮めては、もしかしたら自分と同い年の子供は皆、女の子が言っているような形で約束を交わして来たなのではないかと思ってしまう彼はぽつりと弱っている口調で言葉を紡いでいく、「あれは違うの…?」


  「あなた…」ぼんやりと竜祥が紡いだ言葉を耳にしていた女の子は眉をひそめて行きつつ竜祥の顔を見つめては、少しばかり貧しい家庭に産まれて来た彼が可哀想に思えてしまう彼女は、ぽつりと弱っているような声で疑問を紡いでいく、「お家にテレビもないの?」「え?」女の子が自分に向けて来ていた言葉のニュアンスに困らされては、思わず彼女から少し距離を置いてしまう竜祥は恐る恐ると彼女の事を見つめていき、「そ、そんな高いものって…」微かに眉をひそめては、もしかしたら自分の家庭は自分が思っていた以上に貧乏なのではないかと思っては、女の子の可哀想に思って来る眼差しに苛まれているような気がして仕舞っては、思わず彼女から逃げ出したい気分になれている竜祥はぽつりと弱っている声で言葉を紡いでいた、「普通は持ってて当たり前だった…?」


  「うっ、」竜祥のまるで家庭の厳しさに苦しめられては泣き出してしまいそうな表情が異常に愛くるしく思えては、やはり自分は彼のことを守ってあげたいと強く思っている女の子、「ううん!」猛然と両手を彼の両肩に向けて伸ばしては、強く竜祥の肩を握っては彼の体を固定していく女の子は揺るぎない眼差しを竜祥の畏怖している眼に向けては声を上げていた、「ぜ、全然?」無理矢理右側の口角を上げては彼のためなら善意の嘘をついてもいいと思ってしまう女の子は、右手の親指を立てて行きつつ左手を胸元に当てていく、「さよんちだって最近で買ったばっかりなんだし。」


  女の子が真剣に紡いだ一言に安心感を覚えては、テレビのような高級品は誰でも買えるような代物のはずがないと思っていた竜祥、「そ、そう…」左手で胸元を撫でて行きつつ安堵の吐息をついていく彼はぽつりと声を発していく、「ならよかった…」竜祥の本気で自分が紡いだ言葉を信用しては疑う事を忘れていたような態度に目を細めてしまう女の子は、軽く右手を上げては彼を誘っているように手招きしていき、「ちょっとこっち来て?」


  自分を呼びかけて来ている女の子の行動に小首を傾げては思わずぱちくりしてしまう竜祥は、ぼんやりと顔を彼女に近づかせて行きつつぽつりと疑問の声を上げていく、「どうかしたのかな…?」”ちゅっ”刹那、まるで自分の顔面にぶつけて来ているかのような薄荷に香りに心をくすぐられては、否応なしに自分の顔に付けて来ていた柔らかい感覚に見開かされては、まるで自分の右頬を撫でて来ているような青色の髪の毛に唇をこじ開けられているような気がしてならないでいる竜祥は、ぼんやりと目をつぶっては自分の顔に唇をぶつけて来ていた女の子の赤くなっていた頬を見つめてしまい、「え?」


  ゆっくりと温かく感じてしまう彼の顔から頬を離れて行きつつ恐る恐ると細い眉毛を上げては、桜色の瞳を隠していたような白皙の瞼を開けていた女の子は呆然と佇んでは、まるで時間が止められていたようにぼんやりと右手を頬に当てて行きつつ、自分の照れくさい表情を赤い瞳で映し出してくれている竜祥に向けては、軽く顎を上げて言う、「えっへん!」猛然と左手を繊細な腰に当てては、右手の人差し指で軽く竜祥の顎を指差していく女の子は照れくさい心境を隠すようにと大きな声を上げていき、「正義のヒーローは持っている愛を困っている人に分けちゃうのだ!」目を細めては竜祥がかなり貧しい家庭に産まれていたことを思ってしまうと、何とか彼の事を支えて行けたらと思っている女の子は軽く顔を彼に近づかせて行きつつ、右手の人差し指を引いていく、「だから!」呆然と唇を開けている竜祥の自分が上げていた丁重な声色に操られていたようにと恐る恐ると首を縦に振っている姿に、口角をくすぐられているような気がして仕舞っては、軽く左手を胸元に当てていく女の子は彼に微笑んで言う、「もし困ったら時はさっきのちゅーを思い出してね?」


  女の子が自分に向けて来ていたシンプルな一言には不思議な力を宿っているように感じては、顎を当たり前のように下に向けて引けずにはいられなくなっている竜祥はぼんやりと彼女の顔を見つめながら頷いていた。竜祥が自分が紡いだ一言に承諾してくれていたようにと頷いてくれている姿勢に、目を細められながら淡い笑みを見せてしまう女の子、前のめりになっては左手の人差し指を立てていく彼女は、真剣な眼差しを竜祥に向けて行きつつ右手を胸元に当てて言う、「誰にもしたことがなかったから!」宛ら自分が発している声に操られているようにと、自分が言葉を紡ぐ度にぼんやりと頷いてくれている竜祥の初心な姿勢に心を引かれているような気がして仕舞っては、軽く左手をポケットに当ててしまう女の子は彼が自分の涙を拭いてくれていたことを思い出してしまうと、つい恥ずかしい心境に苛まれては、彼から顔を逸らして見たくなっている彼女は言う、「これからも極力しないでいくから…」ごくりと固唾を飲み込んでしまう女の子は否応なしに自分の心臓の鼓動を加速しに来ている竜祥の呆然としている様に一瞥しては、放心状態になっている彼はもしかしら自分がしていたキスに何とも思っていないなのではないかと一瞬思っては、不満そうに軽く艶やかな唇をすぼめていく彼女は猛然と右手の人差し指で彼の顔を指差していき、「だから!効果抜群に決まってるわ!」


  ぼんやりと女の子が自分の頬に付けて来ていた唇の感覚に時間を止められていたような気がしては、夕焼けのもとにいる自分の真っ黒にも思えてしまう世界を照らしてくれている彼女はやけに眩しく思えていた竜祥、ぼんやりと彼女が自分に投げて来て言葉を耳にしていた彼は照れくさそうにと左手を上げては、軽く自分の痒くなっている頭皮を掻こうと思っていた彼は、つい自分の指先に頭皮と接触させてくれないでいるような尖っているように感じてしまうカラスのマスクに苛立ちを覚えて行きつつ、自分の身体を熱くさせては、まるで無数の小さな針で背中を刺して来ているような桜色の瞳の中にある自分に微かな不満を覚えてしまう竜祥は、なかなか返事をしないでいる自分に苛立ちを覚えているような女の子の顔を見ては、困っているようにと軽く右手の人差し指でこめかみを掻いていく彼、「ほ、他の困っている人は助けてやらなくていいのか…?」


  竜祥がまたしても肝心な質問を自分に投げて来ていたことに左側の眉毛がびくっと跳ねらされていた女の子、急いでいるようにと腕を組んでいく彼女は軽く胸元を竜祥から逸らしては、茂みに身体を向けては取り繕っているようにと声を上げてしまい、「き、君に専念することにしたわ!」チラッと横目でぼんやりと自分の事を見て来ている竜祥を見ては、右手の人差し指を立てていく彼女は言う、「だから頑張って頂戴!」女の子が自分だけを守ってくれると口にしていたことに驚かされては、思わずぱちくりしてしまう竜祥は恐る恐ると彼女に顔を近づかせていき、「い、いいの?」横目で彼女の横顔を見ては不安に駆り立てられているようにと人差し指を突いていく彼は、ぽつりと弱っている声色で呟いてしまい、「他の困っている人がいたらどうするのよ…」


  竜祥が酷く困っているはずなのにも拘わらず会った事もない他人の心配をしている言葉に驚かされては、感動を覚えている女の子は強く両手を握っては彼に胸元を向けてしまい、「大丈夫だよ!」宛ら自分が紡いだやけに自信に満ちている言葉に困らされているようにとぱちくりしている竜祥の表情に口角を上げては、迷わずに彼に向けては右手の親指を立てていく女の子は言う、「結構ふらついて来たから、あなた以外困っている人と出会った事もいなかったし、」自分が紡いだ一言を聞いてしまうと、一瞬にして目を半開きさせては飽きれているような態度をし始めている竜祥に苦い笑みを見せている女の子、「本当は困っているけど…話をしてくれる人はなかったんだ。」軽く右手の人差し指でこめかみを掻いてしまう女の子は困っているようにと言葉を紡いでいく、「それにそろそろ大人しく家にいないとお母さんにこっぴどく怒られそうだし。」


  女の子が自分に向けて来ている切実な話に目を細められては、やはり彼女も親に操られているんだと思えてしまう竜祥は軽く鼻翼に力を入れては、切なげに項垂れては、子供には大人に言われるがままに受け入れる他ないのかと考えていく彼は悔しそうにと歯を噛んでいた。「だからさ、」竜祥の悲憤に駆り立てられては強く小さな右手を握っている様に目を細められては、彼の右腕に向けて左手を伸ばしていく女の子、「今日でふらつくヒーローを止めて、」まるで自分の微かに汗ばんでいた左手に驚かされているようにと眉毛を跳ねらせていた竜祥の潤んでは、充血している赤い瞳の中にある自分に微笑んでく女の子は言う、「あなただけを助ける英雄になるのよ!」


  ”ドクンー”言葉に合わせているようにと自分の右手を強く握ってくれていた女の子の柔らかい手のひらの温もりに、心臓を握り潰されていたような思いをしている竜祥、「そ、そう…」必死に痙攣しているようにも思えてしまう喉から声を絞り出しては、憎しみのせいで握りしめていた右手が彼女の温もりに解されているような気がしてしまう竜祥は目を細めて行きつつ、チラッと視線を満面の笑みで自分の事を待ってくれているような女の子に向けていき、女の子の笑みを赤い瞳で映し出してしまうと、口角が自然に上げてしまう竜祥は人生今まで始めて幸せを覚えているような気がしてしまい、嬉しそうにと淡い笑みを女の子に見せて来ては、ぽつりと幸せに畏怖しているような弱っている声を発していく、「ありがとうね…」


  「うん!」竜祥が素直に自分にお礼を言ってくれている事に口角を上げられては、嬉しそうに目を細めて行きつつ、彼に向けては右手の親指を立てていく女の子、「どういたしまして?」まったりと自分の左手を竜祥の右手から引いていく女の子は軽く右手の人差し指を頬に当てては、平然としている表情で彼に尋ねてしまい、「そういえば困っている人一号さんってどんな名前なの?」宛ら自分に今更尋ねる質問ではないだろうと、言いに来ているように目を半開きさせている竜祥の飽きれている表情につられては、可笑しそうに軽く笑ってしまう女の子は左手を胸元に当てて言う、「さよは…」


  ぽつりと自分の唇から漏れていた名前に戸惑ってしまう女の子は軽く右手でこめかみを掻いていきつつ、自分たちの事を見守ってくれているような橙色のオブラートに包まれていた雲を見上げては、ぽつりと困っている声を発してしまい、「えっと、」忽然、閃いたかのようにとピンク色の口角を上げては、ぱちくりながら自分が紡ごうとする言葉を待ってくれている竜祥に桜色の瞳を向けていく彼女、「あたしはさよ!」猛然と右手を胸元に当てては、竜祥に友好を示しているようにと左手を彼に向けて差し出していく女の子は軽く首を傾げては満面の笑みを浮かべていく、「涼風 小夜(すずかぜ さよ)よ!」


  ぼんやりと赤い瞳で小夜の燦爛な笑みを映し出していた竜祥はまるで自分と握手したがっているような彼女の左手を気にすることなく、彼女の名前とさっきまでの会話を分析してしまうと思わず間の抜けた声を上げてしまう彼、「えっ?」ぼんやりと渇いた唇を開けては、小夜の戸惑っているような様にぱちくりしていく彼は困っているようにと軽く右手の人差し指でこめかみを掻いて行きつつ、恐る恐ると地面に汚されていた左手で軽く彼女の指を握って行きながら言葉を紡いでいく、「さっきのさよならって…」宛ら遠慮している自分の代わりに決断してくれているようにと、迷わずに左手で自分の左手を握って来ていた小夜の仕草に見開かされては、ごくりと固唾を飲み込んでいく竜祥はぽつりと言葉を補足していく、「悪い事にさよならって意味ではなく…」ぼんやりと自分が紡いでいる言葉を聞きながら自分はちゃんと聞いているぞと、言っているように軽く頷いてくれている女の子に目を半開きさせてしまう竜祥はぽつりと自分の憶測を口にしていくいた、「ぼくに心の中できみを呼べって言ってたのかえ…?」


  「当たり前じゃない、」竜祥が自分に言って来ていた説明に目を半開きさせては、軽く唇をすぼめていた女の子はつい何度も自分の名前を口にしていたはずなのに、自分がちゃんと自己紹介するまでは、自分が小夜と言う名前であることに気が付いていない彼は鈍感のように思いつつ、ぼんやりと彼が紡いだ訳を分析していた彼女は軽く彼から左手を引いて行きながら、右手の親指を顎に当てていき、「でも…悪い事にさよならって意味…」チラッと竜祥が履いていた大き目のスリッパから猛然と鋭利な眼光を彼に投げてしまう小夜、「これも悪くないね!」鋭利な眼差しを竜祥に向けたまま、自分の話にびくっと眉毛を跳ねらせていた彼に向けては、猛然と右手の親指を立てていく小夜は彼に微笑んで言う、「それも込めて呼んでみて?」竜祥と自分が合作していたおまじないならきっと彼に取り付いている不幸は全部拭えるはずなんだと強く信じている小夜、「きっと悪い事みんな!」脇を締めては、強く両手を握っていた彼女はまるで既に竜祥を困らせていることを全部取り除いたように、天真爛漫な笑みを浮かべて行きつつ猛然と背筋を伸ばしては、強く両手を限界までにかざしていた、「全~部離れていくに違いないよ!」


  宛ら小夜の猛然と背筋を伸ばしていた行動につられているようにと、微かに跳ねていた彼女が着こなしていたシマウマのノースリーブからまるで自分に挨拶しに来ていたような小さな白皙の肌に包まれていた臍に見開かされては、異常なまでに強く鼓動を刻んでいる胸元の奥は可笑しく思えている竜祥、緊張を覚えては、いけないことをしてしまったように思えている彼は両手をかざしたまま、自分の強く顎を引いては右手の人差し指で頬を掻いている様に困らされているような小夜の無垢な顔を見てしまうと、つい胸元の奥にあるやけに早い鼓動が彼女の純潔を汚してしまったように思えては、ごくりと固唾を飲み込んでいく竜祥、「それだと…」軽く鼻翼に力を入れては話題を逸らしたい気分になっていた彼はつい何度も自分の胸元の奥に甘い蜜を塗って来ては、自分を甘いシロップに浸らせて来た小夜と離れてしまうと、もう二度と自分に幸せな気分にしてくれる彼女と出会えなくなるんだと思っては、切なげに眉毛をひそめてしまう彼は叱れていたようにとゆっくりと両手を下ろしている小夜の無垢な桜色の瞳を見つめていき、「さよも離れてしまうのかな?」


  「え?」竜祥が自分に投げて来ていた一言にぱちくりして仕舞っては、困っているようにと小首を傾げて行きつつ、眉をひそめてしまう小夜は思わず軽く右手の人差し指を頬に当ていき、「うーん…どうだろうね…」戸惑っているような唸り声を発しては、まるで自分と離れたくないでいるようにと眉をひそめている竜祥に一瞥していく小夜は微笑んでい言う、「離れちゃうのかな?」宛ら竜祥の事をからかいに行くかのようにと軽く両手を握っては顔を彼に近づかせてしまう小夜は赤い瞳の中にある屈託のない笑みを浮かべている自分の事を見つめていく、「お兄さんは離れて欲しい?」

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