第84話私の可愛いヒーローさん?

  「ううっ?!」和流のまるで自分の心の中にある思いを読み上げているような一言にビクッと左側の眉毛が跳ねていく白野、「な、なんでそれを?!」猛然と鼻翼に力を入れては視線を分厚い黄色のカーテンに向けていく彼女は小刻みに震えているような左手を握っては、カーテンの向こう側には彼がいることを意識してしまうとつい内心からこみ上げて来る激昂に打ちひしがれてしまいそうな気がしては、分厚いカーテンを捲ることが出来ずにいる、「あ、あたしの夢を覗いてたの?!」電話越しで聞こえて来る和流のまるで自分のことを嘲笑っているように上げていた小さな笑い声を聞いてしまうと悔しそうに歯を噛んでしまう彼女は猛然と左手の人差し指でカーテンを指差しては喧嘩を売っているような大きな声を上げてしまい、「夢を見れなかったけど…!」歯ぎしりしてしまいそうな彼女は黄色の蜂蜜を囲んでいた蜂をモチーフにしていたスリッパで床を踏みながら悔しそうな声を上げていた、「上手く眠れなかったけれどぉ!」


  水色のカーテンを見つめては、向こう側にいる白野は向きになり地団駄を踏んでいる姿が当たり前のように脳内で浮かんでいるにと感じてしまう和流、右手の人差し指を唇に当てては笑みを抑えていた彼は軽く笑っていきながら言葉を紡いでいる、「君は小学生の時からそうだっただろう…」ぼんやりと視線を自分の足元に向けていく和流は懐かしそうに語り始めている、「遠足に行く前日は眠れないのだろう?」


  「うっ…」まるで流し目で自分のことを見て来ているような想像をさせてくる和流の声色に歯を噛んでは、彼が紡いだ言葉は間違っていなければ自分には彼の言葉を否定する事も見当たらないでいる白野、「そ、そうだけど…」向きになっている彼女は軽く左手を握っては鼻翼に力を入れていき、「でも元気よ!」白野のまるで必殺技を口にしているような一言に目を半開きさせてしまう和流は言う、「ええ、元気だな。」彼女が向きになって自分に投げて来ていた一言を耳にしてしまうと、つい可笑しそうに笑ってしまいそうな自分の悪夢から逃げ出せては、嬉しくなれている心境に微笑んでしまう彼はゆっくりと額を上げては天井を見つめている、「めちゃくちゃ。」


  「な、なんか…」和流が自分に向けて来ていた大人に思えてしまう対応と比べては、向きになっていた自分が恥ずかしくなっているようにと感じてしまう白野は苦笑いしながら軽く左手の人差し指で頬を掻いていき、「つまらない話ばっかりしてたわね…」「電話って、」君の声を聞こえるだけで自分は嬉しいんだと喉に引っかかっている一言に苛まれているような気がしては、弱気になっている自分に飽きれているような和流は目を細めながら床を見下ろしてしまい、「こんなもんなんだろう?」


  「そ、そいえば!」忽然、まるで閃いていたかのような白野は猛然と椅子から臀部を離れては立ち上がっていき、「思い出したわ!興奮に支配されているような彼女は嬉々とした笑みを浮かべながら左手の人差し指を立ていき、」あ、朝ご飯はまだだよね?」白野が嬉しそうに自分に聞きに来ている言葉にぱちくりしてしまう和流は小首を傾げながらぽつりと間の抜けた声を発してしまい、「作ってくれるのかよ?」


  「ま、」和流のまるで自分が言おうとしている言葉を自分の代わりに声にしていた事に左側の眉毛がビクッと跳ねてしまう白野、「まぁ、クッキーを作ってみたから。」軽く左腕で自分の上げていた右腕を掴んでいく白野は流し目で分厚い黄色のカーテンを見ながら声を発していく、「良かったら、朝ご飯にしたら?」白野が自分の代わりに朝ご飯を作ってくれると言っていた事にあんぐり口を開けては、思わずぱちくりしてしまう和流は急いでいるかのようにと水色のカーテンに潤んでは充血している黄色の瞳を向けていき、「マジか…」


  「な、何よ…」電話越しで聞こえて来る和流が漏らしていた感嘆の声に戸惑ってはついぱちくりしてしまう白野、春菜の真似をするように自分が作っていたクッキーに自信はないと思っている彼女は拗ねているようにと分厚いカーテンから目を逸らしながら、和流が感嘆の声を漏らしていたのはきっと料理には縁のない自分が急にクッキーを作っていた事に関して嘲笑っているのではないかと不安に思えては、悔しそうに唇をすぼめてしまい、「味は…保証できんが…」


  「ううん、」白野が自分に向けて来る弱っている言葉に嬉々とした表情で迎えていく和流は何度も首を横に向けて振っては嬉しそうに言葉を紡いでいき、「嬉しいよ、最近一番嬉しいことなのかも。」和流が本気で喜んではまるで子供のように今にも自分のもとへ駆けつけて来ようとしている口調に心がくすぐられては、内心からこみ上げて来る高ぶる心境に項垂れていた口角が支えられているようにと思えてしまう白野、「そ、そんな…」頬が熱くなっているように思えては照れくさそうにと軽く左手の人差し指で頬を掻いてしまう彼女はチラッと横目で携帯電話を見つめてはぽつりと声を発してしまい、「大袈裟な奴だな、あんたって。」


  白野のまるで自分が真心を込めていた一言を認めていないかのような態度に苦笑いしてしまう和流、ぼんやりと額を上げては左手で後頭部を擦っていく彼は内心を表しているような渇いた笑い声を上げてしまい、「あはは…」「そ、それなら、」和流が自分の料理を楽しみにしてくれていることを知ってしまうと俄然やる気が出ては、今すぐ準備をしないとと思っている白野は急いでいるかのようにと部屋のドアに向けてすらりとした右足を出していきつつ声を発している、「いっぱい用意してくるわね?後で家に来て?」まるで自分がさっき口にしていた言葉を取り消すのを畏怖しているような白野の切羽詰まったような声色に微笑んでしまう和流は彼女が上げている急いでいるような声を耳にしながら軽く首を縦に振っている和流、「うん。」


  「七時ぐらいで。」廊下で佇んでは左手の人差し指を立てて、真剣な表情を携帯電話に向けている白野は言う、「それまではちゃんと待っててね?」「うん、」白野のまるで遠足に行くかのように高ぶっている声色に微笑んでは、彼女はよっぽど誰かに自分が作っていたクッキーを試食してもらいたかったのだろうと思っている和流はカーテンを見つめてはぽつりと声を発していた、「待ってるよ。」


  「き、切るね?!」和流の平然としている声色を聞いてしまうと、まだ誰にも食べて貰った事のない自分の作品を彼に最初に食べてもらうことを思ってしまうと、心臓が胸元の奥から飛び出ててしまいそうな気がしてしまう白野は強く左手を握っては元気に満ちている声色で言葉を紡いでいく、「急いで準備しないとだし!」「うん、」電話越しで聞こえて来る白野の切羽詰まったような足音に口角がくすぐられているように思えてしまう和流は返事を上げてると同時に首を縦に振っていき、「ゆっくりでいいよ。」


  「うん!」”ビー”白野の元気に満ちている返事と同時に無情なまでに自分の鼓膜を殴って来ている無機質な携帯電話の音に目を細めてしまう和流、軽く左手を上げては胸元に当てていく彼、胸元の奥が何かしらの物が欠落していたような感覚は彼女の声を聞こえなくなっていた故に彼女は自分から離れていた事を思うと、尋常じゃない悲しみが胸元の奥で蘇っているようにと感じてしまう彼はぽつりと呟いてしまい、「違うんだよな…しずくちゃん…」蘇って来る悪夢に苛まれては視界が霞んでいるように見えてしまう彼はぼんやり右手にある携帯電話を下ろして行きながら呆然と佇んでいた、「君が朝ご飯を作ってくれる事がそこまで嬉しい事でもあるけれどさ…」軽く歯を噛んでしまう和流は赤くなっている鼻翼に力を入れては痺れているような鼻腔に苦しめられている故に鼻を啜ってしまう彼は項垂れてしまい、「最近は酷いことばっかり起こるんだよな…」右手にある携帯電話の待ち受け画面を見下ろしてしまう和流は霞んでいる視界が邪魔のように思えてはぽつりと呟いてしまい、「君は…君だけかな…」寂しさに満ちている声で言葉を紡いだ彼は自嘲気味に笑っては呟くようにと声を発していた、「僕なんかに気を遣ってくれる女の子は…うっ…」猛然と自分の喉を殴って来ているような悲しみに歯を噛んでは思わず唸り声を漏らしてしまう彼、「僕は…多分もう…」左手を上げては待ち受け画面の中にある幼き日の白野に自分が涙を零している姿を見せたくないと強く思っている彼はぽつりと声を発していた、「君しかいないんだ…」


  ぼんやりと潤んでいる黄色の瞳で白野の白皙の頬を見つめている和流。「何よ?」両腕を机に付けては右手でペンを握っていた白野は和流が自分に向けて来ている熱気を放っているような視線を肌で感じてしまうとつい不満そうに鼻翼に力を入れてしまい、「あたしの顔に何かついてたわけ?」「うっ、」細い眉毛をひそめながら自分に顔を向けて来ている白野の姿勢に見開かされては、彼女のことをぼんやりと見ていた事がばれて仕舞った事に気まずそうに彼女から目を逸らしては、クラスの中でじゃれ合っているようなクラスメートたちのことを見てしまう和流は取り繕うようにと慌てて首を横に向けて行き、「ううん、」軽く鼻翼に力を入れていく彼は右手の人差し指で頬を掻きながら弱っている口調で言葉を紡いでいく、「別に君のことを見てたってわけじゃあるまいし。」


  「何だとぉ!?」”パー”和流が自分のことを見ていないことを知ってしまうと胸元の奥からこみ上げて来る怒りに苛まれては、思わず右手にあるペンを強く机に叩き付けていた白野は悔しそうに深いピンク色の瞳で彼の顔を映し出しながら言葉を紡いで行き、「小学生になってからと言って、あたしはもう用済みって言いたいのかえ?!」前のめりになっている白野が自分に近づいて来ていると同時に自分の鼻腔をくすぐって来ているかのような甘い桃の香りに見開かされている和流は慌てて首を横に向けていき、「い、いや…」仰向けになっていた彼は不服そうに唇を尖らせている白野のことを見つめては、恥ずかしそうに彼女から目を逸らしていきつつぽつりと言葉を紡いでいく、「見てたよ…君のことを見てたから…」ごくりと固唾を飲み込んでしまう彼はまるで自分が上げていた弱っている声色に納得しているかのようにと腕を組んでは首を縦に振っている白野に一瞥しては、つい俯いてしまいそうになっている彼は呟いていた、「照れくさくてつい口にするのが恥ずかしいと思ってただけだよぉ…」


  「えへへ~」和流が自分に説明してくれている言葉を耳にすると満足しているようにと口角を上げて、微笑んでしまう白野は得意げに何度も首を縦に振りながら言葉を紡いでいる、「ならいいや~秋人君だいすー」忽然、自分たちの周りで喋っていたクラスメートのことを目にしてしまうとつい和流の事が大好きなんだと言えなくなっている白野、軽く鼻翼に力を入れてはごくりと固唾を飲み込んでいた彼女はもし和流に大好きだと口にしてしまったらきっとクラスメートたちにからかわれてしまうのだろうと思いつつ、自分はちゃんと勉強しては医者になるために頑張らないとと思っている彼女は軽く左手を上げて唇に当てていきつつ、ちゃんと静かに勉強したい故にクラスメートと深く関わりたくないと思っている彼女はわざとらしく咳払いをしていき、「こ、コホン…ダメだよね…」照れくさにぱちくりながら自分のことを見て来ている和流に笑ってしまう彼女は言葉を紡いでいき、「もう小学生にもなれていると言うのにさ。」


  「う、うん…」白野が自分が彼女のことをぼんやりと見ていたことを認めたくなかった理由を身をもって知れている事に嬉しく感じつつ微笑んでいる和流、「だろう?」顎を微かに斜め下の方向に向けていく彼はぽつりと声を発していた、「恥ずかしいだろう?」「う、うん…」和流が自分のことを映し出してくれている黄色の瞳を目にすればするほどに彼のことを意識しては、彼の瞳に吸い込まれてしまいそうに感じてしまう白野、軽く歯を噛んで、自分はちゃんと勉強して立派な大人になるんだと強く思っている彼女は自分の思いに駆り立てられては、右手にあるペンを強く握って自分がやっていた宿題に目を向けている、「なるべき控えておくわ。」


  白野が頑張って勉強を再開している姿に口角が上げられているようにと感じてしまう和流は彼女のことを認めているかのようにと軽く首を縦に振っていき、「うん。」唾液を飲み込んでいく彼は自分も白野の勤勉さを見習わないとと強く思っては彼女から目を逸らしていきつつ、宿題を書き終えては明日の授業の予習でもしようかと考えている。”フー”突然、まったりと微風に撫でられては教室に赤い花を咲かせている女の子の髪の毛に見開かされては、まるで宙を赤い弧を描いているような長い赤い髪の毛は日差しに照らされてはやけに美しく感じている和流は思わずあんぐり口を開けていた。


  「どうしよう…」右手で宿題を握っては左手で風に吹かれていた赤い髪の毛を押さえようとしている春菜はぱちくりながら自分のことを見上げている席に座っていた野黒新のことを見ながら、ぽつりと困っているような声を発してしまい、「私にもよくわからないや…」自分が質問を投げていたせいでまるで自分に呼びつけられていたように自分の席の隣りまで歩いて来ていた春菜の仕草に見開かされては大慌てで立ち上がっては彼女に席を譲っていく野黒新、「そ、そう…なのか。」自分が席を譲って上げていたことに微笑んでくれては、自分がぽつりと呟いていた言葉に返事をして来ているかのようにと軽く頷いてくれている春菜に目を細めてしまう野黒新。


  自分が机に置いていた宿題に一瞥しては、悩んでいるかのようにと細い眉毛をひそめていた野黒新は開いたかのようにと口角を上げては、自分が浮かんでいる明るくなっている表情を見上げては嬉しそうに笑ってくれている春菜のことを見下ろしている彼は、右手の人差し指を立てて説明しているようにと言葉を紡いでいた、「ならいいかな?」小首を傾げながらぱちくりしている春菜の緑色の瞳の中にある自分のことを見つめてしまう彼は嬉々とした声を発していた、「どうせ他の皆もわからないのだと思うから、」屈託のない笑みを春菜に見せていく彼は当たり前のようにと言葉を紡いでいる、「適当に答案を書いたらいいよ。」


  野黒新が口にしていた言葉を耳にしてしまうとつい眉間に皺寄せてしまう春菜は不満そうに唇を尖らせていき、「ダメだぞ?」左手で宿題を握っては机に宿題を置いていく彼女は右手の人差し指を立てていきながら前のめりになっている、「ちゃんと宿題を真面目にやらないと。」春菜が自分が考え出していた打開策に納得していない姿勢に項垂れては残念そうに唇をすぼめてしまう野黒新、「でも…」


  「待ってて、」軽く両手を前に向けて伸ばしては野黒新の弱っているようにと軽く握っている華奢な両手を掴んでは、自分の冷たくなっていた手のひらに驚かされているかのように額を軽く上げている彼の顔を見つめてしまう春菜は微笑んで言う、「私とあんたが解かなくても、きっと解ける人がいるはずなんだからさ?」まるで自分が上げている自信に満ちている声に鼓舞されているかのようにと自分に向けて強く頷いている彼に屈託のない笑みを見せては、ゆっくりと彼の温かい両手から手を引いていく春菜は軽く腕を組んでは佇んでいる野黒新の両足を見つめながらぽつりと呟いていた、「最悪の場合先生に聞いてみるわ。」


  春菜のまるで教師に質問を尋ねるのには覚悟を決めないといけないと語っているような姿勢に戸惑っては目を半開きさせてしまう野黒新、「最悪の場合なんだ…」引き攣っているような右側の口角を上げていく彼は軽く右手の人差し指で頬を掻きつつぽつりと呟いている、「先生に尋ねるのって…」野黒新が自分が独り言を言っていたように口にしていた言葉に苦笑いして来ている姿勢に、苦い笑みを浮かべてしてしまう春菜、「だって…」教師に質問を尋ねることを憚っている彼女は眉間に皺寄せつつぽつりと呟いていく、「先生に目をつけられてしまいそうじゃない…?」


  ぼんやりと佇んでは春菜が自分に説明して来ている言葉にぱちくりしてしまう野黒新は小首を傾げながら彼女に尋ねてしまい、「目をつけられるってなぁに?」「あはは…」野黒新が自分に向けて来ている無垢な眼差しに心が苛まれているような気がしている春菜は軽く左手で自分のこめかみを掻きながらどうやって彼に説明してたらいいのかを考えながら目を細めてしまい、「ほら、」まるで自分の内心で出来上がっている説明に納得しているようにと軽く首を縦に振っていく春菜は微笑みながら額を上げていき、「何かしらの質問があると直ぐに私のことを呼んで答えて貰ったりとかさ?」


  春菜が口にしていた説明にビクッと左側の眉毛が跳ねては絶句されてしまう野黒新、彼女が自分に向けて来る真剣な表情を感じてしまうと、自分が教師に質問を投げられては、クラスメートたちの前で上手く質問を答えることが出来なかったシチュエーションを想像しまうとつい体の芯が凍り付けられてしまいそうな気がしては、ぽつりと微かに震えているような声を発している野黒新、「それはいやだよ…絶対怖くて答えられないよぉ…」


  野黒新の腕を抱えては本気で怖がっているような姿に口角を上げられているような気がしてしまう春菜は軽く笑いながら流し目で彼の顔を見上げていき、「でしょ?」ゆっくりと視線を野黒新から離れては周りの教室にいる自分たちと同じように話をしているクラスメートたちに目を向けていきつつ言葉を紡いでいく春菜、「じゃ誰かに聞いてみようか?」「うん!」春菜が口にしていた提案を耳にしてしまうと強く頷いていく野黒新は口角を上げては左手の親指を胸元に当てていき、「俺に任せて?」「おお…」野黒新が上げている自信に満ちている声に見開かされてぼんやりと机から宿題を手に取っていく彼の決意したような横顔を見つめている春菜は軽く口角を上げていき、「やる気だね?」


  「まぁね!」右手を腰に当てては左手の人差し指で鼻先を擦っていく野黒新は迷わずに宿題を握っている右手を春菜に向けては親指を立てている、「お前のことを守るヒーローになるんだからさ!」「うん、」野黒新が当たり前のように口にしていた一言に心が温かくなれているような気がしている春菜は軽く両手を胸元に当てては微笑んでいる、「頑張ってね?」輝いているような琥珀色の瞳の中にある自分が彼の瞳に支えられては綺麗になれているような気がしている春菜はぽつりと声を発していた、「私の可愛いヒーローさん?」春菜が自分に向けて来る信頼を何としても裏切りたくないと強く思っていた野黒新、右手にある宿題を強く握っては猛然と宿題をかざしていく彼は当たり前のようにと左手を口角に添えて行き、「誰か!」瞬く間に自分が上げていた大きな声に視線を引っ張られ、自分のことを見つめて来ているクラスメートたちの戸惑っているような眼差しに答えていくかのようにと声を発している野黒新、「宿題を片付けた奴はいないか?!」


  まるで自分の鼓膜を殴って来ているような野黒新が上げていた大きな声に目を半開きさせては、両手で教科書を握っていた和流はぱちくりながら視線を教室の左側にいる野黒新の横顔を見てしまい、「奴って…」黙々と右手にあるペンを握っては宿題を見つめてしまう白野、野黒新のまるで自分の代わりに自分にもしてみたい質問を口にしていたことに感謝を覚えつつ、軽く額を上げてはチラッと彼の方向に目を向けている彼女はもし誰かが最後の問題を分かるのならその人にの解答を聞いて見ようと考えている。


  宛ら彫刻と化していたように宿題をかざしている野黒新の姿にぱちくりしては、チラッと彼のことを見ながら軽く首を横に振ってはさっき会話していた人と小さな声で話をしているクラスメートたちに一瞥した春菜、野黒新の声に返事をしているようにと宿題を手にしてつつまるで野黒新にどの問題を尋ねたいのかと眉間に皺寄せている黒い髪の毛をしていた男の子のこと目にしてしまうと、軽く左手を口角に添えては野黒新に向けて小さな声を発していく春菜、「宿題と言っても具体的にどの問題なのかを言わないとだめでしょ?」「そ、そうだったな…」春菜が自分に言ってくれていた言葉に眉毛を上げられては軽く左手で後頭部を擦ってしまう野黒新は苦笑いしながら視線を再び自分のことを見て来ているクラスメートたちに向けていき、「いないのか?」誰もが声を上げては自分の質問に答えようとしないでいる姿に目を細めては、ゆっくりと右手にある宿題を下ろしていく野黒新は残念そうに唇をすぼめては呟くようにと声を発していき、「最後の一問を教えて欲しんだけど…」


  瞬く間に高ぶっている自信がクラスメートが相手をして貰えない故に挫けている野黒新の事に目を半開きさせている黒い髪の毛をしていた男の子は可笑しそうに笑っては、灰色の瞳で項垂れている野黒新のことを映し出しながら言葉を紡いでいた、「いねぇよ、」軽く両手を上げては肩をすくめている男の子はまるで自分に救世主を目の当たりにしているような眼光を向けて来ている野黒新に苦笑いしては、軽く首を横に振ってしまう彼は強く右手にある宿題を掴んでは文句交じりに声を発していた、「んな難しい宿題を書いていられるかってんだ!」


  「だよな?」男の子が自分が口にしていた言葉を理解してくれている事に嬉しく思えては、思わず前のめりになってしまう野黒新は左手を胸元に当てていきながら彼の顔を見つめている、「ムズイよな!?」「おお!」野黒新が自分に向けて来ている友好的な眼差しに強く頷いては彼にウインクを投げていく男の子は左手の親指を立てて行きながら声を発している、「めっちゃムズイぜ!」「うんうん!」男の子が自分の話を認めてくれている事に途轍もなく嬉しく思えては何度も首を縦に振っている野黒新は大きな声を上げていく、「だよね!ムズイよね!」


  難しい問題を語っている二人の会話はあまりにもシンプル過ぎていたことに目を半開きさせては、可笑しそうに笑ってしまいそうな春菜は軽く弱っているような左手を上げては意気投合しているようにと握手している二人に向けてぽつりと艶やかな唇を開けていた、「ちょっと…二人でどれだけ問題がムズイと言っても問題は恥ずかしくなって勝手に解かされてしたりしないぞ?」困っているようにと軽く右手の人差し指でこめかみを掻いている春菜が自分に向けて来ている一言に見開かされては、ようやく小学校に入れては最初の新しい友達が出来たと思っていた野黒新、「そ、そうだったな…」春菜が自分に向けて来ている言葉に俯いてしまう野黒新はぼんやりと男の子の手を放しては自分が握っていた宿題を見下ろしてしまい。


  「なぁに、」野黒新が落ち込んでいる姿に向けて微笑んでいく男の子は右手の親指を立てては、左手を野黒新の肩に置いて行きながらぱちくりながら潤んでいる琥珀色の瞳で自分のことを見て来ている野黒新に向けては言い放った、「何とかなるって。」男の子が自分に向けて来るやけに自信に満ちている声に見開かされては、もしかしたら彼には何かしらの対策があるんじゃないかと思ってしまう野黒新はつい食い気味になり彼に顔を近づかせてしまい、「そ、そうかな…?」両手を腰に当てていく男の子は軽く顎を上げては強く頷いてしまい、「うん!」男の子のまるで既に問題を片付けていたような仕草に戸惑っては軽く左手の人差し指を頬に当てている春菜は横目で彼のことを見ながら男の子に尋ねていき、「どうやって?」「ははっ!」春菜が自分に投げて来ていた一言を耳にしてしまうとニヤリと右側の口角を上げては強く笑っていく男の子は言い放った、「分からん!」


  「はぁ…」呆然と男の子と野黒新の会話を耳にしていた白野はまるで男の子の根拠のない自信に負けていたように重たいため息をついては、頬を前に向けて伸ばしていた左腕に付けていき、「あの二人は馬鹿みたいね…」ぼんやりと机にある自分の宿題を見つめてしまう彼女は小さな声を上げていた、「深く関わらないでおこうと。」両手で握っていた教科書を机に置いていく和流は白野がぽつりと漏らしていた一言を耳にすると軽く口角を上げていく彼は、まったりと両手にある教科書を机に置いて行きながら微笑んでいる、「そう言っているけどさ?」まるで自分に話しかけられていたことに驚かされているかのようにとビクッと細い眉毛が跳ねていた白野の潤んでいる深いピンク色の瞳から、机にある彼女の宿題を見てしまう和流は流し目で大慌てで両手で宿題を隠そうとしている彼女のことを一瞥しては声を発していき、「君も最後の問題を片付けていないじゃない?」

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