第76話俺でよければ相談に乗るし、出来る限り解決することを約束するぞ?

  両手を軽く開けていた太股の間にある椅子に付けては楽しそうに義威瀬と美空のやり取りを見ている義亜孔は微笑みながら声を発して行き、「仲良しさんだね、パパとママは。」義亜孔が自分たちに向けて来ていた一言にビクッと肩が跳ねてしまう美空に目を細めては嬉しそうに微笑んでいる義威瀬はゆっくりと自分と視線を合わせようとしないでいる美空から体を引いて、彼女が紡ごうとしている話を黙々と待っている。「まぁ…」目を細めては、義威瀬に相手は楽々花日芽だと言ってしまったら彼は楽々花に恋心を芽生えるはずがないと知りながらも、微かな不安が胸元の奥を過ってしまう美空は叱れていた子供のように軽く唇をすぼめては上目遣いで義威瀬の顔を見てしまい、「とても綺麗よ…?」宛ら不安を抑えようとしているかのようにと両手を胸元に付けていく彼女はぽつりと弱っている声を発していた、「私なんかじゃ比べられないぐらいにね。」


  美空の萎縮してはまるで自分が勝手にいなくならないのかと心配な眼差しを自分に向けて来ている姿に口角がくすぐられては微笑んでしまう義威瀬、「マジかよ…」目を細めている彼は軽く口角を上げては彼女の事をからかおうと思いつつ軽く腕を組んでいき、「天女より綺麗な奴って…」ぱちくりながら上手く自分の話を理解出来ていないような美空の事を流し目で見ている彼は言う、「その人がその馬鹿でかい柱を降臨させてた神なんじゃないのか?」ぼんやりと義威瀬と美空の会話を耳にしていた義亜孔は二人の会話を聞いてもわからないと思いつつ、二人が楽しそうに話を進めている事に安心感を覚えては、まったりと右手で軽く義威瀬が使っていた先端が尖っていた筆を手にとっていた、


  義威瀬が自分に向けて来ている一言に左側の眉毛が上げられているような気がしてしまう美空は慌てて両手で熱くなっている頬に当てて行きながら、急いでいるかのようと左肩を彼の胸元に向けては入り口に体を向けていく彼女、「と、遠回りで褒めるのはよしなさい…!」軽く歯を噛んでしまう美空は眉毛に力を入れては猛然と両手を下しては軽く握って行き、「す、ストレートにこいよ…!」美空のまるで自分からの告白の言葉を聞きたがっているような姿勢に目を細めては、軽く口角を上げてしまう義威瀬は首を前に向けて伸ばしてはぽつりと渇いた唇を開けていた、「好きだよ美空ちゃん。」


  ”ドクンー”ドストレートなまでの一言が宛ら弾丸の如く猛然と自分の胸元の奥に入っては、体を貫いていたようにと思えてしまう美空、恥ずかしさに体中が焼かれているようにと思えてしまう彼女は歯ぎしりしながら軽く両肩を左右に揺らしてしまい、「ううう…」黙々と佇んでは美空のハニカム姿を見ている義威瀬が彼女に向けていた一言が気になっては軽く右手にある筆を強めに掴んでしまう義亜孔は、急いでいるかのようにと顔を義威瀬に向けている、「ねぇねぇパパ、あくは?」小首を傾げながら自分の事を見下ろして来ている彼の綺麗な宝石のように思えてしまう瞳を見つめている義亜孔は彼に尋ねていた、「あくも好き?」


  義亜孔が自分に向けて甘えて来ているような言葉に嬉しそうに笑いながら軽く屈んでいく義威瀬、当たり前のようにと右手を伸ばしては義亜孔の頭を撫でていく彼は声を発していた、「あくはもっと好きだよ?」「えへへ…」義威瀬が優しく自分の頭を撫でてくれている事に嬉しく思いつつ幸せそうに笑みを零している義亜孔、チラッと自分の右側にある彼が描いていた原稿に目を向けてしまうと、彼は自分の話を聞くためにわざわざ原稿を描くのを止めてくれていた事を思ってしまうと、急いで彼に自分が伝えたい事を言い終えては、彼に仕事を戻らせないと二人は怒ってしまわないかと思っている義亜孔は、軽く自分の柔らかい髪の毛から右手を引いて行く義威瀬の瞳を見つめては両手を握ってしまい、「お姉ちゃんは楽々花って名前なんだって。」


  「え?」忽然、義亜孔の唇から漏れていた人の名前に見開かされては、あんぐり口を開けている義威瀬はぱちくりながらゆっくりと視線を自分の後ろで佇んでは苦笑いしている美空に向けて行き、「楽々花って…」「そう、」軽く首を縦に振っている美空は右手の人差し指を立てて行きながら義亜孔が紡ぐ言葉を補足するようにと声を上げている、「あの楽々花日芽よ、引退してたような感じになってたの。」


  「うわぁ…」あんぐり口を開けては思わず感嘆の声を漏らしてしまう義威瀬はゆっくりと立ち上がっては苦笑いしながらチラッと机に一瞥していき、宛ら自分が相手は楽々花である事を聞いてしまってはどんな反応をするのかと気になっているような美空の緊張しているかのように両手を握っている姿を横目で見ては、残念そうに軽く両手を上げていく彼は軽く肩を竦めてしまい、「漫画を描いていなかったら楽々花さんに会えててたのか…」「うっ…」義威瀬がぽつりと声を発していた言葉に思わず強く歯を噛んでしまう美空は怒りを抑えながら握っている白皙の右手を軽く上げていく、「おい…」宛ら義威瀬の事を威嚇しているようなどすの利いた声を発していく美空は微か充血している赤い瞳を困っているようにとビクッと眉毛が跳ねていた義威瀬を睨みながら怒りと嫉妬に満ちている声で言葉を紡いだ、「さっき己が言い出した言葉を思い返してみいや…」


  美空の本気で怒っている姿に微笑んでは、チラッと自分たちの事を心配しているせいで右手にある筆を下していた義亜孔の不安に体を包まれている姿に一瞥した義威瀬、「冗談だよ、」軽く両手を美空の肩に置いて行く彼は本気の眼差しを彼女に向けていき、宛ら自分の眼差しに感動されているかのようにとゆっくりと握っている右手を解しては右腕を下していく美空の拗ねているようにと唇を尖らせている姿に微笑んでは目をつぶって行く義威瀬は顔を前に向けて出していた。


  ”ドクンー”「うっ?!」忽然、柔らかい唇が頬に当てて来ている感覚に見開かされては、熱くなっている頬に小さなプラスチックが刺して来ていた感覚に絶句されては思わず間の抜けた声を発してしまう美空。猛然と前屈みになっては否応なしに美空の左頬に唇を付けていく義威瀬の行動に見開かされては軽く小さな両手で開けている唇を隠してしまう義亜孔はぽつりと感嘆の声を漏らしていき、「わぉ…」


  義亜孔が上げていた声を耳にしてしまうと大慌てで眉間に皺寄せては軽く震えている両手を義威瀬の胸元に当てて、彼の事を自分から退かすべきだと思いつつ、水色のシャツを着こなしていた彼のシャツ越しで感じてしまう温かい温度が恋しく感じてしまう美空は軽く歯を噛んでは両手に力を入れることが出来なくなっている、「ば、ばかやっ…!ううっ!」自分の唇から飛び出ようとしている、悪びれることなく微笑んでいる義威瀬の事を罵倒しようとしている言葉を噛み殺しているようにと唇を噛んでは、義亜孔が自分たちの隣りにいることを思ってしまうとつい怒れなくなっている美空は、不満そうに真っ赤になり煙が湧いてしまいそうな顔を義威瀬に向けて行きながら不貞腐れる声を発していた、「餓鬼の前で何をしやがるんだ!」


  美空の頬の柔らかさを唇で感じていた義威瀬は嬉しそうに取り乱している彼女の事を見ながら言葉を紡いで行き、「口調、戻ってるからな?」ニヤリと右側の口角を上げてはまるで自分のことを退かすことを諦めているかのように、自分の胸元から両手を下して行きつつ両手を握っている美空に向けて、声を発している義威瀬、「餓鬼の前で。」「ううう…」義威瀬が紡ぐまたしても自分の事をからかって来ている言葉に歯ぎしりしまっては義亜孔が自分たちの傍にいることを思ってしまうとつい怒れなくなっている美空は悔しそうに俯いては鼻翼に力を入れている。


  美空のからかわれている一方で返せる言葉を言えないでいる事に悔やんでは恥ずかしさに苛まれ、涙目になっている姿に目を細めては軽く口角を上げて行く義威瀬、「俺はまだ漫画を描きたいから、」まったりと振り返っては軽く右手にある筆で白紙を黒く染め上げていた義亜孔に目を向けていく義威瀬は小首を傾げながら彼女に提案しているようにと声を上げている、「ママと一緒に遊んでくれないかな?」


  「うん!」強く首を縦に振っては、父親が完成する漫画を見て見たくなっている義亜孔は急いでいるかのようにと椅子から臀部を離れて行きながら、自分の元気に満ちている表情を見ていた事で元気になれているかのようにと微笑んでいる美空の顔を見上げつつ両手をかざしている、「ママと一緒に遊ぶ!ねぇ、パパ、」まったりと臀部を椅子に付けていく義威瀬に話しかけていた義亜孔は自分の声が気になっては小首を傾げている彼に屈託のない笑みを見せて行きながら声を発していた、「漫画が完成してたら見せてくれる?」


  義亜孔は自分が描いている漫画の事を気になってくれている姿に見開かされて、胸元の奥に勇気と夢で溢れているようにと思えている義威瀬は軽く右手を握っては胸元に当てていき、「おお、見せるとも。」眉毛に力を入れては軽く左手で自分のガッツポーズをとっている右腕を握ってしまう義威瀬は義亜孔と美空の顔を交互に見ながら言葉を紡いでいく、「これはもっともっと頑張らないとだね。」義威瀬の義亜孔に漫画の事を期待されていた事で子供のように微笑んでいる姿に目を細めては、彼の無邪気なまでの姿勢が恋しく思えている美空は軽く頷いている。


  「うん!」強く両手を握っては前のめりになっている義亜孔は揺るぎない眼差しを義威瀬に向けていきつつ大きな声を上げていく、「頑張ってパパ!」義亜孔が自分の事を応援して来ている言葉を耳にしてしまうと、体中が力で溢れかえっているようにと感じてしまう義威瀬は強く首を縦に振っていき、「うん!」軽く両手を握っては自分の事を鼓舞しているような彼は美空に二階に連れていかれる義亜孔の華奢な背中姿に一瞥しては、目を細めてしまう彼は自ずと上げている口角を義亜孔が描いていた円やかな月に向けている。宛ら深い青色の空に包まれていたかのような月はぼんやりと空でくつろいでは、まったりと星を俯瞰している。


  黄色の光を放っている月は微かに寒く感じてしまってはぼんやりと右手にある携帯電話を見下ろしている野黒新、目を細めている彼は自分の臀部で温められていたソファーを感じながら軽く顎を上げていき、呆然と自分の左側にある透明なガラス越しで向こう側にある屋敷を見つめては、宛ら自分に部屋の奥を見させようとしないでいる屋敷のカーテンを見つめては、多分向こう側にある屋敷の中には誰もいないのだろうと思っている彼は自分の顎を襲って来ているかのような眠気に軽く首を横に振っては、自分の体を引き攣り下ろそうとしているソファーの柔らかく温かい感触に抗っている野黒新。


  軽く鼻翼に力を入れては上半身を前に向けていく野黒新は軽く右手にある淡い光を放っている携帯電話を見つめては、自分は眠ってはダメなんだと何度も自分に言い聞かせながら、疲れのせいで頭が少しばかり重たく感じてしまう彼、軽く唇を噛んでしまう彼は眠らないでいるせいで体の力が衰弱しているのも無理はないと思いつつ、自分が眠ってしまったら二階にいる白野と和流はいざ誰かに襲われてしまったら、自分は絶対に勝手に眠ってしまった体の事を恨むのだろうと思い、軽くひんやりとした息を吸い込んでいる。


  ”パー”突然、まるで静寂の部屋の中にある凍えてしまいそうな雰囲気を撃ち破いて来ているような音に見開かされては、耳が殴られては心臓が強く跳ねてしまったようにと思えてしまう野黒新は猛然と明るくなっている部屋の中で視線を佇んでいる白い熊のパジャマを着こなしていた白野に向けてしまい、呆然と額が汗の粒に濡らされては疲れ気味になっている彼女の頬に目を細めてしまう彼はげんなりになっては、自分が神経質になりしていたのではないかと考えてしまう彼は軽く鼻翼に力を入れては項垂れている。


  野黒新がぼんやりと両肘を太股に付けていてはソファーで座っている姿見開かされている白野、頭がぼんやりとしているようにと思えている彼女は戸惑いながら彼に目掛けては歩いて行く、「眠らないの?」まったりと自分の隣りに座って来ている白野の体から漂って来ている桃の香りに目を細めては、彼女と目を合わせたくないと切に思ってしまう野黒新はゆっくりと視線を自分たちの見守ってくれているかのような円やかな月を見上げながら携帯電話を弄っていき、『ああ、怖くて夜は中々眠れなかったりするんだ。』


  携帯電話から聞こえ来る一言に口角がくすぐられては目を細めてしまう白野は提案しているかのようにと軽く首を前に出していき、「お姉ちゃんと一緒に眠っとく?」白野の自分に甘えて来ている一言に目を半開きさせてはつい苦笑いしてしまう彼は飽きれているような視線をゆっくりと彼女に向けている、『あほか…』携帯電話から聞こえ来る自分の提案を断ってくれている一言に安心感を覚えつつ、屈託のない笑みを彼に見せて行く白野はゆっくりと背筋を伸ばしては、背中をひんやりとしたソファーの背に付けて行きながら声を発している、「冗談だよ、もしいいって言われても、」まるで自分に”いい”と言ってたらどうなってしまうのかと聞きに来ているような野黒新の平然としている表情に微笑んでは、右手の人差し指で自分と彼のことを交互に指差してしまう白野は言葉を紡いで行く、「あんたはベッドで、あたしは床で寝るからね?」


  白野の言葉に項垂れていた口角が微かに上げられているような気がしている野黒新、目を細めてしまう彼は軽く左手を上げては背中をソファーの背に付けていきつつ右手にある携帯電話を弄っていく、『しないし、言えねぇし。』目を半開きさせている彼は携帯電話から発している声に合わせているかのようにと白野のことを見つめている、『ってかベッドはお前が使ってろよ。』「えへへ…」携帯電話から聞こえて来る微かな違和感を覚えてしまう声色に口角が上げられては、どんな酷い事に遭っても野黒新はやはりずっと優しい彼のままでいるんだと思っては心が温かくなれているようにと思えてしまう白野は軽く右手で自分の熱くなっているような後頭部を擦りながら言葉を紡いでいる、「あたしたちのことを守るためなんだよね。」目を細めている彼女は自分が発していた言葉に目を細めて、自分にぼろを見つからないようと顔をソファーの前にあるサイドテーブルに向けている野黒新の横顔を見てしまうと補足するように声を発していき、「眠らないのは。」


  白野が自分の内心の思いを口にしていた言葉に頷いてしまったら少しばかり野暮のようにと感じてしまう野黒新、軽くひんやりとした息を吸い込んでいく彼は右手にある携帯画面を見下ろしながら軽く親指で携帯画面を滑っていた、『俺が臆病なだけだ。』白野と和流に変にプレッシャーを感じて欲しくなでいる野黒新は横目でまるで自分が紡ごうとしている言葉はただの粉飾であることを予め分かっているように微笑んでいる白野を見ている、『だから眠れないんだ。』


  野黒新が携帯電話に言わせていた言葉はただ自分に気を遣っているだけなんだと分かってしまう白野は霞んでいる視界の中で流し目で彼の顔を見ながら彼に尋ねていき、「どうして?」『だって…』白野が根掘り葉掘りで自分が真夜中で一人でソファーに座っては携帯電話を弄っている事に関して聞きに来ている事に飽きれているように感じている野黒新、これ以上取り繕う言葉を携帯電話に言わせても意味はないと思っている彼、『目が覚めっちまったら、お前らがいなくなったりとか…』右手の親指は宛ら自我が芽生えていたかのようにと胸元の奥に過ってしまう不安を勝手に携帯電話に残して行く姿に目を細めている野黒新は観念したかのようにと携帯電話にある赤いラッパのアイコンをタップしていた、『お前の苦しめられる叫び声で目が覚ましてしまったら、』携帯電話から聞こえ来る平然としている声色に自分の不安に包まれている気持ちを言い表せないである事に不満を覚えつつ、僥倖にも思えてしまう野黒新、目を細めている彼は柱のせいで疲れている白野に大人しく部屋に戻っては休んで欲しいと思いながら携帯電話の声を聞いていた、『そいつは人生の中で最悪の目覚まし時計だって言える自信はあるんだぜ?』


  携帯電話から伝わって来ている言葉に口角が上げられているようにと思えてしまう白野、「そんな簡単に襲われない…」苦笑いしてしまう彼女は申し訳なさそうな眼差しを野黒新に向けつつ、自分たちの為に黙々と何かしらのことして来ていた彼に感謝の気持ちを覚えてはぽつりと渇いた唇を開けて、弱り切っている声を発していた、「ってあたしには言えないや…言う資格もないか。」項垂れては白いパジャマの上に軽く握っている汗ばんでいる両手を付けて行く白野の行動を見ながら彼女の心の中に秘められている不安は自分と変わらないぐらいのものなのであろうと考えてしまう野黒新、『お前は?何で急に起きちゃったんだよ。』まるで自分たちのことを押し潰そうとしているようなぐらいに重たく感じてしまう雰囲気を撃ち破いて見たくなっている野黒新は携帯電話から聞こえ来る平然としている声に合わせては、自分の顔を映し出してくれている深いピンク色の眼に向けてニヤリと左側の口角を上げている、『トイレはあっちだぞ。』

  

  携帯電話から聞こえて来る言葉に目を半開きさせてしまう白野は飽きれているかのようにと文句交じりの言葉を紡いで行く、「何でいちいちトイレに行きたがる女に仕立て上げようとしているのかな…」不満そうに唇を尖らせてしまう彼女はぽつりと声を発していき、「あんたは…」白野が少しばかり重たい心境から自分が彼女に向けていた冗談で気分が良くなっているように思えている野黒新は、軽く口角を上げて右手にある携帯電話に視線を落としている、『初めて言ったような気がしないけど、』携帯電話から発している言葉に合わせながら軽く右手にある携帯電話を上げては左右に揺らしている彼はぼんやりと自分のことを映し出してくれている深いピンク色の瞳の中にある自分を見つめていた、『こいつで言わせるのは初めてのはずだぞ?』


  目を細めてはぼんやりと携帯電話から発していき声を耳にしている白野、宛ら携帯電話の声に視線を固定されているかのようにと野黒新の唇を見つめては、胸元の奥に過っていく悲しい気持ちに項垂れて仕舞いそうな彼女、「はぁ…」ぽつりと渇いた唇を開けて行く彼女は横目でチラッと野黒新のことを見つめながら言葉を紡いでいる、「喉が渇いただけだよ、」まるで自分の言葉に体を動かされているかのようにとまったりとソファーから立ち上がっている野黒新の凛とした姿をぼんやりと見上げては、小首を傾げてしまう白野はぽつりと呟いていた、「水を飲みに来ていただけ。」


  横目で自分が何をしたがっているのかと尋ねて来ているような眼差しを向けて来ている白野に一瞥した野黒新は軽く笑ってはまったりとキッチンに向けて歩き出している、『トレイに気を付けろよ?』呆然と自分から離れていく野黒新の逞しい背中姿を見届けている白野、宛ら彼が何をしようとしているのかが分かったような気がしてしまっては、幸せそうに目を細めて微笑んでしまう彼女は自分がいつの間にかくっついていた膝を見下ろしながら言葉を紡いだ、「だから…トイレから離れよう…?」


  『トレイは一番人畜無害な話題かな…なんて思うぜ?』白野が自分が彼女にかけていた言葉を不満に思えては白皙の頬を膨らませている姿に目を細めている野黒新、『こんな環境の中じゃ。』左手で白いコップを手にしていた野黒新の左手にあるコップから浮かんでいる温かい湯気に目を細めている。視界が宛らコップから上げている湯気の如く霞んでいるように思えてしまう白野はぽつりと弱り切っている声を上げていた、「そう…よね…こんな環境の中では…」まったりと左手にある白いコップをさりげなく自分に向けて渡して来ている野黒新のことを見上げている彼女、まるで自分にお礼を言われたくないでいるかのように自分と目線を合わす事なくガラス越しで円やかな月を眺めている彼の横顔に微笑みながら、軽く両手でコップを受け取っている白野は声を発していき、「そんな他愛のない話以外、」まるで自分の両手に甘えている来ているかのような温かいコップを握ってしまう白野は切なげにぽつりと声を発していき、「どんなことを言っても…」ぼんやりとコップからこみ上げてくる温かい感触に唇が吸い寄せられているような気がしてしまう彼女は軽く唇を微かに熱くなっているコップにくっついては、弱っている声を上げている、「気持ちが重たくなっちゃうわよね…」


  『はぁ…』まったりとソファーに臀部を付けては体が弱っている白野にソファーが陥没してしまうせいで体が凹んでは、世界が沈んでいるような感覚を味わって欲しくないでいる野黒新、携帯電話に自分の代わりにため息をついて貰っていた彼はチラッと横目で憂いに侵されている白野の瞳に一瞥しては携帯電話に言わせていた、『何が気になる事でもあるのか?』軽く水を啜ってしまう白野が携帯電話の平然としている声と言葉にビクッと左側の眉毛が跳ねてしまうところを見つめていた野黒新は本気の眼差しを彼女に向けていく、『俺でよければ相談に乗るし、出来る限り解決することを約束するぞ?』


  まるで自分の体を包んでくれているかのような野黒新が自分に向けて来ている優しさに口角がくすぐられているような気がしてしまう白野は微笑みながら横目で彼にことを見ていき、「優しいな…うちの新は。」冗談交じりの言葉を自分にかけて来ていた白野の返事に目を半開きさせては、素直に自分に悩みを教えてくれないでいる彼女に微かな不満を覚えてしまう野黒新は軽く背中を柔らかいソファーの背に付けている、『別にお前んちのじゃねぇっての。』


  「そうだね…」野黒新の拗ねているかのようにと顎を引いては両手で握っている携帯電話を見ている姿に一瞥した白野、ごくりとまるで自分口内にくっついていたかのような唾液を飲み込んでいく彼女は軽く両手にあるコップを自分たちの前にあるサイドテーブルに置いて行きながら言葉を紡いでいた、「気にならないと言うのは嘘になっちゃうけどさ…」白野が悩ましげに軽く歯を噛んでは鼻を啜っている姿を横目で見つめてしまう野黒新、宛ら憂いに心が煩わされているかのような彼女につられているかのようにと鼻翼に力を入れてしまう彼は黙々と彼女が自分に思いを打ち明けることを待っている。


  「やっぱり…」不安な気持ちに苛まれているせいで思わず両手を握ってしまう白野は悲しそうに眉をひそめてはぽつりと声を発していた、「お父さんとお母さんの事が…」潤んでいる深いピンク色の瞳を見つめては、まるで自分と視線を合わせるのを逃げているかのように顔を右側に向けていく白野の儚く思えてしまう仕草に心が奪われては、どす黒い不安に浸かれているように思えてしまう野黒新は軽く右手の親指で携帯画面を滑っていき、『連絡がつかないのか?』


  携帯電話から聞こえて来る平然としている声と野黒新の心配になっては軽く首を前に向けて出している姿に目を細めては頷いてしまう白野はぽつりと声を発してしまい、「ええ…」白野の軽く赤くなっている鼻を啜っている姿に心が苛まれているようにと思えてしまっては、軽く歯を噛んでしまう野黒新、背中が彼女の為に何かしらのことをしてあげたいという思いに駆り立てられては焼かれているようにと思えてしまう彼は急いでいるかのようにと右手にある携帯電話を自分の切羽詰まった気持ちを代弁して貰っていき、『何処に行っていたのかが分かる?気になるのなら俺が行ってくるぞ?』


  微かに言葉を言うペースが速くなっているような気がしている白野は軽く口角を上げては、残念そうに左手を上げては自分の温かい頬に沿って滴り落ちていく透明な雫を拭いては、左手の親指のもとで右目の目の下にある雫を拭いている、「知らないのがネックなんだよね…」野黒新に自分が両親が既に被害を受けてしまった考えに打ちひしがれては涙を零していることを知らせたくないと強く思ってしまう白野は微かに震えている声を抑えながら言葉を紡いで行く、「昔の骨や遺跡と付き合っている二人なんだから…」苦笑いしてしまう彼女は自分は平気だと言っているかのようにと軽く肩を竦めては首を横に振っている、「居場所は特定出来なかったりするんだ…」


  白野の華奢な体が悲しみに操られているかのように震えている姿に目を細めてしまう野黒新、軽く歯を噛んでは白野は彼女の両親がどこにいるのかがわからない以上、自分には彼女の為に何かしらのことしてあげる事は出来ないんじゃないかと思っては、自責しているような彼は切なげに目をつぶっては大きく息を吸いこんでいる、『そう…』軽く両手で自分の熱くなっている頬を叩いてしまう白野、野黒新に自分が泣いていた事を知らせたくないと強く思っている彼女は微笑みながらまったりと胸元を彼に向けて行き、「変わったわね、あんたって。」


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