俺のクラスで異世界転移が流行ってる

ヘイ

異世界転移が流行ってる

 異世界ファンタジー。

 と言うジャンルの作品が我が学校で流行している。

 俺が通っているのは市内にある中堅進学校なのだが。どうにも、皆んなが語るのは異世界転移物が多い。

 俺もファンタジーは男として好きな部類に入るので、情報を収集することにした。

 

「あー、あたしこの前さ彼ピとデート中にさー……」

 

 次に行こう。

 俺はああいったケツの軽そうな女は好きじゃない。

 どうにもおかしいと思ったのだが、異世界転生や異世界転移などは基本的にはオタク系のジャンル。だと言うのに何故、眩しい陽のオーラを放つリア充もこの話をしていると言うのか。

 

「ウェーイ、オレっち先週ねー」

 

 パリピってやつか。

 まあ、聞くだけ聞いておこう。

 

「……やー、魔王弱すぎっしょ」

 

 何の話をしているんだ?

 小説か?

 漫画か?

 俺にも是非、その小説とか漫画を紹介してくれ。俺、コミュ障すぎて話しかけれないけど。

 

「それな」

 

 それな?

 やっぱり共有してたんだな。

 何だよ、そんなに異世界ファンタジーがクラス内で広まってんなら、俺ももうちょい話してみても良いかも。

 んー、もう何も話さねーな。

 もう、ゲーセン行くとか、カラオケ行くとかしか話さねーし。

 

「やっぱりファイアって範囲狭いよね」

「まあ、下位魔術でござるからなぁ」

「それよりだったらサンダー系統取るし、速度もサンダーの方が早いよね」

「そうでござるね」

 

 範囲?

 下位魔術?

 成る程?

 つまり、彼らはゲームの話をしているのか。なら納得だ。うんうん。魔法も段階が上がれば強くなるし。

 ゲーム。

 そう言うゲームがあったのか。

 帰ったら調べよう。

 

「ねぇ、めっちゃイケメン居なかった?」

「えー、分かんないよぉ」

「あー、そっかぁ。あの世界に居たいなぁ」

「それは分かるかも!」

「男のレベル、段違いだし!」

 

 アニメキャラに一般男子高校生が勝てるわけないだろ。

 引き合いに出してくるんじゃない。

 あんなのニャルラトホテプだろ、ふざけやがって。

 まあ、大体皆んなが何の話をしてるかは情報が集まったけど……。

 バラバラなもの見てるんだな。

 

「おい、道中みちなか

 

 げ、学年主任。

 

「こそこそ何やってる」

「べ、別に何もしてませんが!?」

 

 皆んなが何の話ししてるか気になってただけなんですけど。

 なんとか説得できた。

 

「そうか。気をつけて帰れ────」

 

 あれ、先生が消えた。

 最後まで言ってくださいよ。

 

 ……って待って。

 

 消えた?

 あり得なくない?

 人体が消えるって何よ。

 あれー、先生のいた場所に何か幾何学的な模様が見える。

 

 …………。

 

「流行るってそう言うことォオオ!?」

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