第18話
異界に入って2年目。
言い忘れていたが、この世界の1年は360日だ。
何故かは知らん。
俺には天文学とかの知識は全くないしな。
そういえば【虫召喚】のスキルがカンストして、【蟲召喚】のスキルと【虫作成】のスキルが生えた。
【蟲召喚】のスキルを手に入れたことでこれで魔力効率が上がって実験も進むぞ、と思うと興奮した。
ただ、【虫召喚】のスキルで召喚した虫を殺し合わせる蠱毒によって生み出された蟲の方が圧倒的に強いのでどちらがいいとは一概には言えない。
次に、【虫作成】だが、これに関しては正直何とも言えない。
一応このスキルは通常スキル4段階の1番下であるはずなのに、魔力効率が異常だった。
虫を一匹作るだけで、【虫召喚】のスキルで召喚した虫たちの蠱毒によって蟲を一体作る以上の魔力を消費した。
その分、既存の虫ではいない姿の虫を作り上げることも出来たが、うまく身体を創らないと生物として欠陥であるためすぐ死んでしまうし、そもそも虫の段階ではどんな姿も能力もほとんど意味はない。
とりあえずの目標は【虫作成】で作った虫たちを蟲に進化させることだろう。
最近、昼食前のお腹が空いている状態ぐらいの空腹を感じている。
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異界に入って5年目。
不思議なことにこの身体はこの5年間全く栄養を取っていないというのに、すくすくと成長している。
不思議だ。
【虫作成】のスキルを手に入れて3年間、たまに【虫召喚】のスキルや【蟲召喚】のスキルを暇つぶしに使いはしたが、ほぼ毎日【虫作成】のスキルを使うことで、ようやく百五十体の虫が集まった。
いやー、大変だった。
何せ、虫を作ることを失敗してすぐ死んでしまっても、魔力は消費される。
そのため、始めのころは【虫作成】で作った虫たちの数が全く増えなかった。
俺は、【虫作成】で作った出された百五十体だけを使って蠱毒を行った。
そうして生み出された一体の蟲、それが【
いきなり7位階に進化したというのに、今まで作り出した【
つまりこれほどの強さを持つというのに、完全な強さでは無いということだ。
この虫の将来が末恐ろしく思えてきたこのころである。
これ以外の話というと、前に夢を見たという話をしたが、最近はその内容をたまにぼんやりと覚えていることがある。
その内容はいつも同じで、とても豪華な装飾がなされた列車の客室に座りながら、まるで宇宙のような、しかし星々の輝きではない光がいくつも見える窓の外を眺めるというものだった。
この景色が何なのか、この列車は何なのか、この夢は何を表しているのか。
今はまだ何も分からない。
今は・・・。
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