第2話 勇者の事情
「勇者に選ばれしもの、櫛名田吏人よ。
お主はこれから様々な敵と戦い、仲間を見つけ––––」
なんだよこの長っい説教みたいなやつ。
みんな俺のステータス知らないから言ってんだろ!
教えてよるよ!
一般の戦士のステータスはレベル10でオール50がいいとこだ。
俺のステータスは、レベル5でオール20……。
勇者<戦士
「ふっ……涙が…出てきやがったぜ……。
俺には…無理だあぁぁー!」
「あ! どこへ行く! 勇者は儀式を受けるもんじゃぞ!」
「うるせぇぇぇー! 俺の気持ちなんかわかんねえんだろ! 俺は逃げる! ほっとけよ!
こんな辺境になんも来ねぇよ!」
……クソ、クソ! クッソオォォ!
一方、櫛名田が逃げていった後の村では…。
「んー、まあ大体予想どうりじゃな。
あの者に勇者が出来るとは思わん」
「たしかにそうだが、ちょっとは根性見せてくれりゃあよかったのになぁ」
「「「「「「……ハァ」」」」」」
櫛名田の思いは知らず、大体予想通りと言ってあまり気にしない人たちが残った。
弱めの勇者 YOZORA @wata1025ru
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