第13話 マイルーム進化と王に謁見

城に戻った俺は早速マイルームを確認することにした。


「タブレット!」


タブレットPCの画面を確認するとマイルーム改への進化確認メッセージが表示されていた。

もちろん、進化OK!


<更新内容>

 ・3LDKまで拡張可能

 ・各部屋の間取り変更および模様替え可能

 ・風呂、トイレ変更可


リビングができたから寝室があれば十分かな?

いや、鍛冶、錬金、錬成を行ってみたいので作業部屋が欲しいか。

とりあえず2部屋追加し、2LDKにしてみた。

もう1部屋は必要になったら拡張しようと思う。

早速中を確かめることにした。

リビングは12畳ほどありそうだ。

予想していたよりもかなり広い。

大きなソファーとテーブルを置いてみた。

あとは愛莉と相談しながら家具を配置しよう。

寝室には愛莉がいつも通り来ると思うのでセミダブルのベットを設置した。

ちょっと待てよ。愛莉と一緒に暮らすことが前提になっているじゃないか。

愛莉には愛莉のマイルームがあるのに。

でも、こっちの方が快適だろうし、側に居てくれた方が安心する。

おっと! 風呂とトイレが別になった!

いままで一緒のユニットバスだったのだ。

タブレットに変更できる候補が表示されていた。

別々になるだけでは無かった。


<風呂変更可能項目>

 ・温泉風岩風呂

 ・温泉風檜風呂

 ・ジャグジー

 ・民宿風やや大きめな風呂

 ・一般家庭用バス(追い焚き可)

 ・ユニットバス

 注)温泉風であり、温泉ではありません。


温泉風檜風呂に決定!


「えっ! でかい! 5、6人は入れるんじゃないか?」


予想以上に立派な檜風呂だった。

ちなみにトイレは、温水シャワー洗浄付きだった。


『マイルームの進化を確認しました。新機能を開放します。新機能:掲示板が設定されました。』


「え? なんだろう?」


慌てて愛莉がマイルームに来た。


「今のアナウンス何かな? って、部屋が変わってるじゃない!」


驚いた愛莉が可愛かった。

愛莉もLv.20になったのでマイルームの進化可能なはずだが、スキル進化を持っていないためか進化しなかったそうだ。

愛莉は羨ましい、悔しいと言っていたが、一緒に住めばいいんじゃない?と言ったらそうだったわねと納得していた。

特に風呂とトイレに感動していた。


「忘れるところだったわ。さっき、アナウンスが流れたのよ。なんか掲示板が開放されたみたい?」


「愛莉にも聞こえたんだね。俺がマイルームを進化したことが原因みたいだよ。」


「そうなんだ。別に書き込むことも無いし放置かな。」


そのまま愛莉は風呂に向かった。

一番風呂は愛莉に取られてしまったが、まあ許そう。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ★


翌朝、朝食を食べているとジョイさんが新しい装備を持ってきてくれた。


「おはよう。誠司殿、愛莉殿。これは我々と同じ騎士団の装備だ。今の初心者装備よりはかなり性能がアップしていると思う。今日からこちらを装備してくれ。」


「ありがとうございます。」


「それと王様が君たちに会いたいとのことなので、申し訳ないが食事が済んだらよろしく頼む。」


「わかりました。王様と会うなら正装の方が良いでしょうね。愛莉、制服に着替えてこよう。」


「うん、わかったわ。」


とりあえず、怪しいので装備は鑑定しておいた方が良いね。


*鑑定

 王国騎士の鎧(鋼の鎧) DEF:+80

 王国騎士の兜(鋼の兜) DEF:+30

 王国騎士の小手(鋼の小手) DEF:+20

 王国騎士のブーツ(鋼のブーツ) DEF:+20

 王国騎士の長剣(鋼の長剣) STR:+100

 王国騎士の大楯(鋼の大楯) DEF:+60


*鑑定

 王国魔導士のローブ DEF:+40

 王国魔導士の帽子 DEF:+20

 王国魔導士の手袋 DEF:+20

 王国魔導士の靴 DEF:+20

 王国魔導士の杖 INT:+100


ちなみに今装備している俺の初心者装備はこんな感じだ。

明らかに強くなっている。


*鑑定

 革の鎧 DEF:+20

 革の小手 DEF:+5

 革の靴 DEF:+5

 鋼の短剣 STR:+30

 バックラー(丸小盾):+10


『鑑定してみたけど、特に怪しいところはないよ。装備して問題ない。あと、例の奴隷の指輪は着替えたときに外して部屋に忘れてきたことにしよう。』


『わかったわ。確かに効果が無いと気付いたら無茶しそうだものね。』


制服に着替え、王が待つ謁見の間に向かった。

部屋には王以外にも団長や明らかに偉い人たちが多数並んでいた。


「賢者)三上殿、コレクター)田中殿。今日呼んだのは2人の成長が他者に比べ非常に早いと団長から聞いたからだ。2人には何か褒美を渡そうと思ってな。何か希望はあるか?」


「私はダンジョンに行ってみたいです。近くにあるのでしょうか?」


「馬車で1日ほど行ったところに丁度良い初級ダンジョンがある。入場を許可しよう。但し、浅い層だけにするように。中層以降は中級ダンジョンになっているので無理は禁物だ。」


「ありがとうございます。」


「田中殿は何かあるか?」


「私は装備マニアなので王宮にある伝説級の装備がありましたら見せていただきたいです。それと私の居た世界には無かったオリハルコンやアダマンタイトのような鉱物がありましたら見てみたいです。」


「そんなことで良いのか? これからの活躍次第では伝説級の装備を渡しても良いぞ。今回は見るだけだがな。活躍を期待しておるぞ。」


「ありがとうございます。それともう護衛は付けていただかなくても結構です。副団長さんをずっと束縛してしまうのは申し訳なく。私たち2人だけでも大丈夫ですので。」


「それでは監視が。。。 いや、危険であろう!」


小声だったが監視って聞こえちゃってるし。


「おそらく、今日中に副団長さんのレベルを抜いてしまうと思います。だから大丈夫です。」


「そうか?」


「「「アレク様、万歳!!」」」


「え? 突然どうしました? 団長さん?」


団長やその他周囲のお偉いさんたちが例の合言葉を唱えた。

奴隷化してしまって言うことを効かせてしまおうということか。


「おい。効いていないのか?」


「何がですか?」


「指輪はどうした?」


「ああ、先ほど着替えるときに外して部屋に置いてきました。王様にお会いするのに武装してくるわけにもいかないので。それが何か?」


「いや、何でもないぞ。今日もレベ上げに努めるように。。。。」


全員、不満な顔をしていたが無視した。

合言葉を唱和したとき、マップの表示がジョイさん以外の赤に変わった。

ジョイさんは奴隷化のことを知らないようだ。

強硬手段に出なかったのは救いだった。

次のチャンスに期待したんだろうな。

その後、ジョイさんに城の宝物庫に案内してもらった。

そこにはやはり勇者装備や貴重な素材が並んでいた。


「それは勇者様だけが装備できる装備だ。勇者以外のものが触ると電撃が走るらしいぞ。気を付けてくれ。」


こっそり職業を勇者に替えて、ジョイさんが愛莉に説明している隙に勇者装備をコピーさせてもらった。

ついでにその他の賢者、聖女の装備もコピーさせてもらった。

他にも明らかに凄そうな武器や素材があったのでそれもすべてコピーさせてもらった。


『ジョイさんの相手ありがとう。その隙に全部コピーさせてもらったよ。お金に困ったらこの金銀財宝を売って生活できるよ。それに素材もたくさんコピーさせてもらったから新たな装備や薬品が作れるかもしれない。まだ使ってない鍛冶や錬金のスキルも試してみようと思うんだ。』


「愛莉、そろそろ狩りに行こうか。今日は昨日とは逆側の森へ行ってみよう。」


「昨日行ったのは西の森だ。東の森にはホーンラビット、オークが居る。オークはゴブリンとは桁違いに力があるから気を付けるんだぞ。」


「ジョイさん、ありがとうございました。それに護衛もありがとうございました。」


「無理をしないように注意してくれ。今後の成長を楽しみにしているよ。」


ジョイさんに別れを告げ、ワイルドボアの換金とクエストの受注のためにギルドへ向かった。


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