第15話 芸で息しもの

 "ハロウィンの夢ナイトメア"が始めた命の悪あがきハロウィンは、彼の趣味の範疇を越え肥大化していった。それに対する反応は、称賛、軽蔑、無関心と様々だが、その賛否溢れる波一大ブームに乗らざるを得ない類いの者もいた。

 芸(能)人である。

 愉しむため遊びでなく、生きる仕事のための承認いいねを必要とする彼らにとって、ハロウィン享楽の宴はもはや見逃すことのできないお祭りイベントとなっていた。

 しかし、売名行為をはらんだ彼らタレントの悪乗りにはどこかしらに嘘っぽさがあり、純粋な享楽愉しむだけの者たちには、それを見抜かれてしまっていた。

 しかし-

「エクスペリエンス!」

「バングランディーーシュ!」

 やはり例外はいるもの。

 彼らのような芸をするでなく、生きている者がまさにその代表と言えるだろう。生きる全てを芸にあてこむ彼らの姿は、真の享楽者一番楽しんでる奴としてハロウィン享楽の宴に迎え入れられた。

 一番楽しんだ奴が勝ち。

 いつしか、命の悪あがきハロウィンにはそんな合言葉も付くようになっていた。

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