幽霊の方程式
歩致
第1章 小説部
『第1話』それは始まりではなく、ある日の続き
皆の衆、幽霊を見たと聞いて信じられる人はどのくらいいるだろうか。そりゃ非現実的だし、科学でも証明は今のとこされていない。しかし、しかしだ、僕は見てしまったのだ。
幽霊という存在を。それはとても綺麗で、思わず一目惚れしてしまうくらい可愛らしかった。これはそんな幽霊である彼女と僕の長いようで短い物語である。
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今僕の先にとても可愛らしい女性がいる。見た感じでは一つ上の高校2年生であろうか。長い黒髪を後ろで結び、メガネをかけた可愛らしくも可憐な人だ。しかし、今日は僕ら新一年生の入学式のはずだ。今日は上級生の登校はなかったはずだが。そもそもなぜ私服なんだ?たまたま行く方向が同じとか?それにしたってここから進んでもあるのは僕らの学校だけのはずだ。そう考えを巡らせていると、隣から
「よう!ハル、なーに朝から辛気臭い顔してんだよ!今日は入学式だぜ?もっと元気出せよ!」
とうるさいのは昔馴染みの腐れ縁である馬場光だ。なぜかこいつはいつも俺の名前の「春嬉」から「ハル」と呼んでくる。成績はいいし、運動もできて、おまけに顔もいいときたもんだからこいつの人気は相当だ。はぁ、この陽キャめ。
「うるせえ、辛気臭いは余計だっての。生まれてこのかたいつもこんなんだろ。しかしなんでまた、お前はそんなテンション高いんだ?」
「えー、まだ知らない人と仲良くできるとか楽しいと思わないか?それに可愛い子多そうだし」
「最後のが本音だなお前。そういえばあそこにいる綺麗な人だれか知らないか?」
「ハル、お前俺のことなんだと思ってるのかいちど聞いてみたいが、あの子なら知ってるぜ。有名だからな」
え、なんでこいつ初対面の女子の名前知ってんだ
自分から聞いといてあれだが少し引いた。
すると顔に出ていたらしく
「おい、少しは隠そうとしろよ。有名ってのは本当だぞ?にしてもあの子可愛いよな!あの子は御園ゆりかって言って中学の頃から人気らしいが.....狙うのか?ハル」
「いや、ただ気になっただけだ。気にすんな」
「またまた〜、俺は応援するぜ?親友よ。なーに俺に任せとけって!」
こういうのは無視に限るのだ。こいつみたいなのはなんでも恋愛につなげようとしすぎる。
「ほら、さっさと行くぞ。」
そう言って少し歩調を早めて、まだ周りの女の子を見てる光を置いていく。
「待てって!おいてかないでー!」
「なら無駄話してないで行くぞ」
「そっちから振ってきたんだろうがよ!」
「細かいことは気にすんな」
「ふむ、このハルもついに青春か?」
「・・・」
「やめて!そのまじで面倒な人に出会った時みたいな顔しないで!」
「よくわかったな、いつのまにエスパー使えるようになったんだ?」
「おい!」
そんなこんなで話をしていると校門に着いた。玄関までは長い一本道が続いていて、右にはグラウンド、左には体育館がある。あたりでは記念写真を撮っている集団がいくつもあった。
「にしても広いなー。玄関まで長いのは少し辛いな。」
「んなこと言うなよハル〜。もっと楽しもうぜ?」
ただでさえこの学校は丘の上にあるせいで上り坂があるのに、そこから玄関まで歩くのがどれだけ辛いことか。駅が近いのが唯一の救いだ。
「俺、人間、お前、人間違う?」
「俺も人間だよ!なんだと思ってんだ...」
「陽キャ?」
「人間じゃないみたいに言わないでくれますー?ハルさん」
「そういえば式は奥の方の体育館なんだっけ?」
そうなのだ、なんとこの学校体育館が二つもあるのだ。いるか?とも思うが土地も金もあったし、何かと楽だからみたいな理由なのだろう。
「露骨に話逸らしたな。まあいいや、確か玄関入って右のほうに行くとある第2体育館でやるとか言ってた気がするなあ。どのみち先に教室行かなきゃだろ」
「そうだな。にしてもお前緊張とかしないのか?」
「いや、別に。それにクラスはハルと同じになれたからな!むしろ楽しみだ!」
そうなのだ、なぜこいつとはいつも同じになるのだろうか。だがそのおかげで友人が少なからずできるのはありがたい。
「なんか今ハルが褒めてくれた気がする!」
「褒めてねえよ。それよか行くぞ、早く教室入りたい」
やはりエスパーか?こいつ。昔から勘は良かったが、ここまでくると少し怖いな
「照れんなって〜ハル。」
うるさい光を無視してさっさと玄関に入る。持ってきた上履きに履き替えて、靴を下駄箱に入れる。さっきまでの道の途中でさっきの女性が目に入る。やはりここまでくるということはこの学校に用があるのだろうか?だが私服でくるか?普通。それに冷静になるとさっきの光の話も少し引っかかる。
「なんだ〜ハル?やっぱあの子に一目惚れでもしたか〜?いやーわかるぞ〜ハル。可愛いもんな〜」
「うるせえ」
そう言って軽く光を蹴る
「痛いって!やめろよ〜、恥ずかしがるなって〜?......待って、グーはアカン!ごめんって!謝るから!」
「はぁー。次馬鹿なこと言ったら問答無用だからな?」
「馬鹿なことって、例えばハルが一目...」
「・・・」
「ごめんって!無言で拳構えないで!」
「もういい。行くぞ」
「はーい」
調子のいいヤツめ。それより一年生の教室は4階にあるのだが、階段きつすぎ。ちょっとしたトレーニングだよこれもう
「はあー、はあー」
「疲れるの早くないか?ハル。これから毎日これだぞ?」
「もうやめっよかっな」
「入学一年目で退学とか笑えないぞハル?」
「よし!おーけー行こう。」
「切り替え早いのはいいことだ。しかし俺たちの教室は7組だから左じゃなくて右だぞー」
「この学校複雑だよな」
「たしかに複雑だが、流石に教室ぐらいはわかるぞ?」
この知らない人がたくさんいる教室に入るのってすごいためらうよな
「入らないのか?ハル。なら俺が」
がらがらがらー
「おはよー!みんなよろしく!ほらハルも」
「えぇ....おはようございまーす。」
少し声が小さくなったし、挙動は怪しいが及第点だろう。それより光のやつ、どうしてくれようか。
「おい、ひか....」
「おはよー!!2人とも!なかいいね。同中かな?私は
気軽にはるはると呼んでくれたまえ!」
扉の近くで女子と話していた、明るそうな女子が話しかけてきた。それよりはるはるて。初対面なのか不安になるほどフレンドリーだな。
「おう!よろしくな!はるはる!俺は馬場光だ!」
こいつら正気か?初対面でこれとかコミュ力高すぎだろ。
「よ、よろしく。晴花さん」
「もう!はるはるでいいって〜」
「流石にそれは...」
「そうだぜ、はるはる。人見知りのハルにそれは難易度高いぜ!」
「ハル?ハルくんっていうんだ〜」
「いや、僕は
期待の眼差しに耐えきれなかった。
「おーやっとはるはると呼んでくれましたな〜。よろしくね〜ハルくん」
「話聞いてた?」
「いやーハルとぜひ仲良くしてやってくれよ、はるはる!」
「もちろんだよ!光くん!」
こ、い、つ、ら
「はーいみんな席ついてー」
いつのまにか先生が入ってきていた
「じゃあ俺あっちだから!ハル頑張れよ!」
そう言って光は五列目の前から二つ目の席に座った。どうやら斜め前が晴k......はるはるの席のようであの辺りはひときわ明るい。それよりなんで気づいたんだよ!はるはると呼べとの視線がものすごかったぞ?陽の気を持った奴らはエスパーが使えるのか?
そんなことを考えつつ席に座った。二列目の前から三つ目の席だ。扉から近いのはありがたいな。
「はい皆さんおはようございます。とりあえず今から体育館行って入学式を始めます。さあさ、廊下に出た出た。」
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「皆さんようこそ
………………皆さんの成長を心より願っています。」
やっと話が終わった。なんでこんな話すんだろうか?話の長い人は嫌われるとか聞かないのだろうか?謎だ、そして猛烈に眠い。と思ってると
『一年生は退場してください 』
とアナウンスが入ったおかげでようやく眠気も覚めてきたようだ。
教室まで着くと先生が自己紹介を始めた
「はい、皆さんの1-7の担任になりました
パチパチパチパチパチパチ
いい挨拶だと思う。思うんだが、目がおかしくなってなければこの先生背が小さい。まず大人とは思わないだろう。これが合法ロリというやつか.....。
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