カシマ組!(架那×詩歌×愛奈)

富士蜜柑

カシマ組

Dr.カンフルこと、楠木架那。

彼女は、弱冠12歳にして樟脳の研究により、日本科学協会賞を受賞した天才科学者の卵。

乙女剣士こと、神坂詩歌。

彼女は、中学3年間とも剣道全国大会で上位3本の指に入った天才剣道家。

オーロラ姫こと、三和・アウローラ・愛奈。

彼女は、旧財閥である三和家の令嬢にしてその優れた容姿・知性から次期当主候補序列一位である。


そんな彼女たちはひょんなことから一堂に介し、同じ目的のもと活動することとなった。

私は勝手にカシマ組と呼ばせてもらっている。

これはそんな彼女たち三人の尊い日常の記録である。(執筆者:汀)


「おはようございます、汀」

愛奈様の朝は早い。

日々大抵6時頃には起床し、メイドに挨拶回りがてら屋敷の散歩を行なってくださっている。

「おはようございます愛奈様。

 本日もお変わりなく御美しぅ御座います」

「ありがとう汀。今日の予定は何かありますか?」

「本日は特に何も予定されておりません」

「そう、ありがとう」

愛奈様はそう微笑むと、浴室へと向かわれた。

愛奈様の朝は入浴から始まるのだ。


浴室にたっぷりと張られた、大人が三十人入っても大丈夫そうな大きなお風呂に、贅沢に愛奈様お一人で浸かる。

私はそのお手伝いで入口のところに立っている。

何かあった時にすぐ動けるようにだ。

しかし、御世辞など抜きに愛奈様は美しい。

世の男で愛奈様に見惚れないものなどいないだろう。

いるとしてもそいつの首は刎ね飛ばすが。


「では朝食の準備に取り掛かりますね」

愛奈様がお風呂から上がられたところで、私はそう申し上げた後厨房へと向かう。

この間に朝食の準備は済ませておくのが鉄則だ。


「おはようございます汀さん」

「おはざいます」

朝から元気そうな神坂さんと、未だ眠そうな表情の楠木さんと廊下で出くわした。

彼女等は、今このお屋敷に客人として滞在している。

「おはようございますお二人とも。今朝食の用意をいたしますので少々お待ちくださ

 いませ」

私はそう言って一礼すると、早足で厨房へと急いだ。


「愛奈様、朝食の用意が終わりました。

 楠木様、神坂様も直にいらっしゃると思われます」

ご入浴を済まされた愛奈様が食堂へといらっしゃったタイミングで、私はそう声をかける。

「なら先に席へ着いておくとしましょうか」

愛奈様はそうおっしゃって食堂に置かれた長机の一番奥の席にお座りになる。

「遅れてすみません」

「すみません」

程なくして、楠木様、神坂様のお二人がやってきた。

「おはようございます架那さん、詩歌さん。今日もいいお天気でございますね」

「「おはようございます愛奈さん」」

やってきたお二人は愛奈様に頭を下げると、小走りで席へと向かっていった。

では配膳するといたしましょうか。


「「「いただきます」」」

三人が揃って唱和し、朝食を食べ始める。

「食後、庭でなにかしませんか?」

愛奈様が二人にお尋ねになる。

「いいですね。何かスポーツでもしますか?」

「バトミントンがいい!」

楠木様の提案に、神坂様がお答えになる。

「ではそうしましょう」

愛奈様がそう仰ったところで、今日の予定が一つ埋まることとなった。


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