灰汁の恩返し ⁂
「昨日すくってもらった
いきなりそう言われ面食らっていると、
「恩返しって、俺そんなにすくったっけ?」
「ええ、昨日の鍋パであなただけがすくってくれたんです」
確かに、仕送り前の金欠でろくな具材を持って来れなかった分、鍋奉行としてがんばったが。
「すくったと言っても、恩返しされるようなすくいではないと思うんだけど」
面倒事を避けたくてそう言うと、
「そうでした」
「そうそう」
俺は
「しかしせっかく来たのでやっぱり恩返しというものをしてみたいのです」
押し問答していると、俺の腹が鳴った。
「お腹、空いてるんですか?」
次の日仕出屋から
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