21歳の誕生日

ケイくんとナナさん或いは義鷹=gsgs

誕生日は記念日に

 私は21という数字は重要なものと考えている。今私たちが生きているのは21世紀で2021年、このお題が発表されたのは21日……おや?22日じゃないか……ま、まぁそれはさておき、全く違うところの話をすると大学に入った人が就職を始めるのも大抵は21歳になる三年生からだし、音楽の話になるとコンサートだと21曲の本編と2曲のアンコールが一般的だと私は思っている。つまり21という数字は「今」であり「終わり」であり、そして「始まり」であると私は考えている。そんな21という数字だけれど、今日私は21回目の誕生日を迎えた。


 この21年の間で色々な出会いと別れを経験してきた。その大半は今ではもう連絡を取っていないが、極僅かだけれども今でも仲良くしてもらっている人もいる。そんな人達が私の誕生日に集まってくれてパーティーを開いてくれた。パーティーとはいっても誕生日プレゼントを貰って、軽食を食べつつお酒を飲んでパーティーゲーム、それに飽きたら駄弁るだけのものだったけれどとても楽しい時間を過ごせた。ただ、集まってくれた全員が彼氏持ちになっていたのは驚いた。彼女たちと一緒にいた頃は皆で「彼氏なんて要らないよね~」なんて言っていたのに、いつの間にか彼氏がいないのは私だけになっていたことには驚いたけれど私としては彼氏ができるよりもこうして彼女たちと仲良くし続けられれば充分。勿論彼氏はできたら嬉しいけれど今はこうやって4人で集まってバカみたいに騒いでいる方が楽しいと思っていたら不意に三人の内一番付き合いが長いリナが「誕生日プレゼント以外のプレゼントがあるから少し待ってて」と言って部屋から出ていった。


 リナが部屋を出てから10分程経ち、3人で話していたけれど話題も減り始め、だんだんと眠気が瞼を閉ざし始めていた。その時ドアがうるさく開き、彼女が戻ってきた。「遅かったね、どこ行ってたのよ」と聴くと、リナが「ちょっと駅までね……で、これがあんたへの届け物」そう言って後ろを振り向くと、そこには中学校の時から秘かに片想いしていた彼がいた。あまりの驚きに動けずにいると彼は照れくさそうに頬を掻きながら「えっと、誕生日おめでとう」と言って誕生日プレゼントをくれた。混乱していた私は「う、うん……ありがとう」としか言えずにいた。私たちは目を合わす事もできないで気まずい空気の中、時計の針が動く音だけが聞こえていた。するとそれを見兼ねたリナが彼に「ほら、言いたいことがあるんでしょ 。何のためにあんたを呼んだと思っているのよ」と肩を叩いた。そして、彼は一つ頷いて私を見つめた。これはもしかして……告白されちゃったりするのかな?そんな風にドキドキしていると

「エナさん、僕は……貴女の事がずっと好きでした。一緒に学校に通っていたときはリナさんたちと『彼氏はいらない』って話していたから諦めていたけれど今まで忘れることができなかったんです……こんな意気地無しな僕ですけれど、付き合って頂けますか?」

 本当に告白だった。私は嬉しくて涙を流しながら彼に返事をした

「勿論!私もずっと君が好きでした!」

 21回目の誕生日、それは恋人が出来た特別な日になったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

21歳の誕生日 ケイくんとナナさん或いは義鷹=gsgs @gsgs3412

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ