詩 涙の塔

仲仁へび(旧:離久)

虚勢勇者




 涙を止めて 笑顔であなたを見送る

 戦う理由 最後まで語ってくれないね

 どうして 理由を聞いても良い?


 小さな頃から その手にはずっと剣があった

 いつも背中に誰かを守っていた

 だからあなたは いつも一人きりで前に立って

 どうして そんなに頑張るの?


 約束の雪が降る

 たった 一度だけ

 協会の前で本音を聞かせてくれたね

 本当は 剣よりペンを持っていたいんだって


 あれから何度も 雪が降ったよ

 そのたびに あの ひとときを思い出す

 本音の言葉が こびりついて離れなくて

 私の心を縛ってるみたい


 あなた 知ってる?


 あの協会の前で喋った事は 皆が聞いてるんだよ

 でも その弱さを知ってて 結局剣を降ろせとは言えなかった


 気づいてたかもしれないよね?


 それでも そんな 私達の弱さまで

 まとめて守ってくれて ありがとう


 それでも ごめんね こんな弱さしかない

 私達が 何もしてあげる事がなくて



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