短編・思い付きネタ

冥狼

第1話狂気

もったいない精神で上げてみた。

前に書いたSS何を考えて書いたのかは不明。


―――――――――――――――――――――――――――――――






「さぁ、始めようか?」






とても綺麗な笑顔で、囁かれた言葉。


囁きの筈なのに、とても良く響いた。




彼の笑顔は、切なくなる程綺麗だったけれど、その瞳は・・・




全てを切り裂く様に冷たい光を湛えていた。




ずっと傍に居て、笑って怒って、喧嘩も悪戯も共にして来た相手。




そんな相手なはず、なのに、今目の前にいる彼は・・・




俺の全く知らない存在のようで・・・





俺に向かって手を伸ばしてくる。






その瞳に、狂気を抱いて。


その手に、凶器を抱いて。






ゆっくりと俺に近付いてくる。






頭の奥でガンガンと警報がなっている。








逃げろ。


逃げろ。


逃げろ。


逃げろ。


逃げろ。






殺れ・・・












俺は、咄嗟に駆け出した。


逃げる間も脳を埋め尽くすのは、警報と警告と狂気。






どこから変わった?


いつから変わった?




何が彼を変えた?


いつから彼を変えた?




何が彼にそれを選ばせた?


何が彼をそうさせた?




どこから狂った?




いつから俺を憎んでいた?


そもそも彼の思いは憎しみなのか?







彼に会うたび


彼の狂喜に染まる瞳を見るたび・・・




彼とのアノ日の邂逅以来思う事。




考えても解らない。


解けない迷路に入ってしまった。






始まりはあまりにも曖昧で、どこからが始まりなのかは解らない。


けれど解るのは、ひとつだけ。






今の現状の始まりは・・・








彼が始まりを告げた時。






その夜の出来事が確かに・・・






その時が狂気の日々の幕開けだった。





いつ終わるのか解らない彼の狂気の狂喜の日々の始まりで・・・




俺の狂気に苛まれる苦悩の日々の幕開けだった。






fin?

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