第108話 まっまさーびす後編



絢斗

「さて、準備も整ったね。

樹里、始めようか…」


耳元で囁き、両肩を指先でスッと撫でる。


樹里

「ひゃん!ハァハァ…」ゾクゾクゾクッ


樹里は胸の先端が硬くなってきたのを感じて

現象を隠すように腕を胸の前で交錯させていた。


絢斗

(緊張してるのかな?

随分と鼻息が荒いな。

ふふ、少し楽しくなってきた)


絢斗にとって目隠しとは、

箱の中身当てクイズと同じレベルなのである。


樹里

(ハァハァ…絢斗ったらなかなかのSっぷりね。

でも、この私をこんな手段で堕とそうなんて

そうチョロくはないわよ!)プルプル


太股ふとももをモジモジと摺り合わせている樹里。

誰が見てもチョロインである。




ん?なんかモジモジしてる?


あ、もしかして…

ト、トイレ我慢してるのかな??

イタズラはほどほどにして

早くした方がいいな。



DTボッチの思考回路なんて

このレベルなのである。



絢斗

「樹里?緊張してる?」


樹里

「待って!何も見えないの…

怖い…や、優しく…して…

(はぅ!始まるの!?き、きちゃうの!?)

フゥ、フゥ、ハァ、フゥ…」



緊張度MAXの樹里は

さらにりきんでしまい

身体をかたくしている。



一方、絢斗の頭の中では今は亡き

じっちゃんの言葉がリフレインされていた。


『絢斗よ、オナゴに触れるときは

ふぇざーたっちぢゃ!

触れるか触れないかの瀬戸際で

ええとこを見極めるんぢゃ!

見極めるんぢゃ!

るんぢゃ!るんぢゃ!ぢゃ…』


わかったよ!じっちゃん!!!



サワサワ…

絢斗なりにふぇざーたっちを心掛けながら後ろからやさしく樹里をハグする。


樹里が腕で自分の身体を抱いているその上から

優しく身体を接近させ

樹里のスベスベの腕や細く柔らかいお腹まわりに腕を絡ませる。


さて、フィニッシュだ


あーと

「檸檬ママ、

僕を産んでくれてありがとう♪

ママが居なかったら僕自身、

きっとこの世界には存在すら許されていなかったよ。

大好きだよ、ママ♪」


樹里

(大好きだよ…大好きだよ…大好きだよ…大好き…)


樹里の脳内では

あーとと絢斗の2人から告白されているような錯覚をおこしていた


樹里

「はぁっ!んんんんんっっっ!!」

ビクビクビクン!


絢斗

「わあああああああ!!!

樹里いいいいいいい!!!!」


急に釣りたての魚のように痙攣(?)しだした樹里に絢斗も慌てふためいてしまう。


極限の緊張、

初目隠しによる極大の興奮、

絢斗の体温を感じられる優しいスキンシップ、

そして耳元で囁かれる

生あーとのリアルASMR。


人生初の深いオーガスムを迎えてしまった樹里は

あまりの緊張と深すぎる快感に

失神してしまっていた。


「絢斗様!見てはいけません!

さ、こちらへ。」


樹里の事を心配しつつも

影さんの言うとおりに自室に戻る絢斗。


七条院家の影さんは今日も優秀である。


「樹里様、樹里様!」

軽く頬を叩き樹里を覚醒させる影。


樹里

「あ、ハァァァン…だ、だめぇ」

ビクンビクン…


(あらぁ、すごいのキちゃったのねぇ。

派手にイキちらかしちゃって…

羨ましいわぁ…)


武井に連絡をとり影を増員してもらう。

部屋の後片付けと樹里のアフターフォローである。




・・・・・・・・・・・・・




武井

「坊ちゃま、

武井は忠告いたしましたよ」


絢斗

「う、うん」


武井

「ただでさえ生娘うぶなお方なのにそこに目隠しとは。

なんとも意地の悪い事を…

まさに鬼畜の所業です。」


絢斗

「いやいやいや、鬼畜って!?

意地悪したわけじゃ…

少しイタズラするつもりでれはしたけど!(大事なとこには触れてないし!?)

あーとの声に集中して欲しかったから余計な物(絢斗)が見えないように目隠ししただけだよ…

あんなになるまで緊張してたなんて

悪い事しちゃったなぁ」


武井

「ハァ…緊張ですか…

やり方は間違っておりませんが

樹里様には刺激が強すぎたようですね。」


絢斗

「うん、明日謝ってからなにか別の形でお礼することにするよ。」


武井

「それがよろしいかと。」



~~~~~~~~~~~~~



目隠しの効果

味覚・嗅覚・視覚・触覚・聴覚。

これら五感の内の1つを封じることによってほかの感覚に集中させる効果がある。

樹里の場合、視覚を封じられ

味覚も機能する場面ではなかったので

残りの嗅覚・聴覚・触覚が過剰に反応していたのである。


※注意

おかんを封じる技ではない。


読者様は母の小言がうざいからといって母に目隠しをしてバックハグとかしてはいけない。

なんか雰囲気がWelcome!になったらキモイ通り越して怖いだろ?


五感な?ゴ・カ・ン。


~~~~~~~~~~~~~


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