第85話 シスター誕生

ブライド社控え室にて


樹里「ふーん、なるほどね」


虚無は名前とキャラが決まらずに悩んでいるので担当マネージャーに相談を。

東雲はVTuberとしてのレクチャーを受けにきていた。


虚無「せ、先生!」

樹里「ビクッ…な、なによ?」

虚無「私!ママが決まらなくて…っていうか決め方がわからなくてどうしたらいいかもわからなくって!

せっかくブライドに入れたのに私が何も決められないから全然進まなくって!」

樹里「優柔不断なのかしら」

虚無「そういうわけでは無いんですけど…」

樹里「イラストレーターでピンとくる人がいなかった?」

虚無「ものすごく大好きな先生はいるにはいるんですけど…その先生は普通の依頼は受けてないみたいなことスタッフさんに言われて…」

樹里「あら、仕事を選り好みするなんて。

よっぽど実力があって儲かってるのか、もしくはただ天狗になってるのか、どっちかしらね」

虚無「実力がある方です」

東雲「それってあんたの事じゃないの?」

樹里「え?」

虚無「そうでしゅ…」

樹里「えぇ…そのようなオファーはいただいた記憶が無いのだけれど」

虚無「オファーできる雰囲気じゃなかったんです」

東雲「だろうねぇ。柚子檸檬先生っつったらラノベのイラストからCMとかメジャーなシーンでも見るし、なんたって七色あーとのママだもん、ブライドのスタッフは名前すら出さないよね」

虚無「うんうん」

樹里「・・・ブライドのスタッフは営業妨害してるってことね。あとで鈴木さんにクレーム入れておくわ」

虚無「私!今回のフェスで先生の薄いやつ買いに行きました!」

樹里「あら、あなた見所があるわね。ありがとう」

虚無「あとでサインとかもらえますか!?」

樹里「いいわよ」

東雲「薄いやつってなによ?」

樹里「あ、そうだったわね。以前は邪魔されてあなたにはまだ教育が出来てなかったわね」フフフ…

虚無「な!?まだ教育されてない真っ白な状態だと…!?先生、これは…」フフフ…

樹里「そうね、今回は邪魔も入らないようだし…」

東雲「な、なによ!?」

樹里「まずはこれを読みなさい」


そういって差し出されたタブレットを受け取った東雲は後にこう語った。


「先生は神だよ」


こうして腐道に堕ちた少女がまた1人…


そして樹里は思う。

「これで冬コミの下僕スタッフ2人ゲットね」


樹里「あなた達、私の下僕となったからにはあなた達のキャラはこの!私が受け持つわ。ギャラは安くは無いけどそれだけの見返りはあるわよ」


こうしてあーとの兄妹きょうだいが2人も爆誕したことを本人だけは知らない。


虚無「ほほほほほ、本当にいいんですか!?」

東雲「これからは先生と呼ぶわ」

樹里「先生?ママと呼びなさい?」

虚無「檸檬ママ…はぅあ!恐れ多くて無理かも!?」

東雲「で、檸檬ママはいつママになってくれるん?」

樹里「そうね、あーとがもうすぐデビューでしょう?それが落ち着いてからね」

東雲「ん、わかった。楽しみにしてるよ♪」

虚無「ほほほ、本当に!?夢じゃないですよね!?」

樹里「楽しみにしていなさい。」


紅明「ふぅ、ヲワター!!!」

桃「お疲れ様~」

空「おっつー!!」

真白「お疲れ様でした♪」


樹里「あら、あの時のモンチッチ」

紅明「モンチッチ言うな!」

桃「モンチッチ…プクククク」

空「おー!モンチッチ!!」

真白「可愛くてぴったりじゃない」

紅明「ムキーーーーー!!!」

真白「で?こちらの方は?」

虚無「真白先輩!が高いですよ!なんとこの方は」

樹里「田所?オシャベリな女は嫌いよ…」

虚無「はい!ごめんなさい先生!」

紅明「で?檸檬ママはなんでいるの?」

東雲「・・・・・・。」

真白「え!?柚子檸檬先生ですか!?」

桃「うそ!?」

空「へ?」

樹里「このモンチッチは人類じゃないから空気を読むって高度な心理が働かないのはわかったわ。」

桃「うっそ!マジで!?柚子檸檬先生ってこんな美人だったんだ!」

空「え?なになに??」

真白「ライドル一期生の真白です。宜しくお願いします。」

樹里「まともにお話できそうなのは真白さんくらいね…柚子檸檬です。宜しくお願いしるわ。」


コンコン…カチャ

鈴木「先生、お待たせしました。応接室へ行きましょう。」

樹里「鈴木さん、田所と東雲さんのイラストは私が受け持つ事になったわ。調整していただけるかしら?」

鈴木「は?え??一体どんな話の流れで???」

樹里「カクカクシカジカで。」

鈴木「いえ、それじゃわかりませんが!?」

樹里「細かい事はいいのよ。問題は?」

鈴木「問題というか…」

樹里「そう、じゃあ私が事務所作ってそちらでデビューさせましょうか。あーとも一緒に。」

鈴木「ちちちち、違うんです!!不服とかそういった事じゃないんです!!先生のカクカクシカジカがわからなくてつい!物騒な事言わないでくださいよ!心臓止まっちゃいますよ!」

樹里「武井さんならわかってくれるんだけれど?あなた、武井さんの教え子じゃなかったのかしら?」

東雲「あ、確かに!武井さん凄いよね~。」

鈴木「そ、それは!」

虚無「武井さん?」

紅明「あぁ、武井さんかぁ」

空「武井って誰!?」

桃「武井さん??」

真白「武井さん?」

虚無「なんか最近聞いたような…」

樹里「冗談は置いといて。

さっきの話は通してもらえるのかしら?」

鈴木「もちろんです。先生があーと以外を担当していただけるなんて思ってませんでしたから取り乱してしまいました。

でも3人も大丈夫なんですか?」

樹里「優秀な下僕スタッフがたくさんいるから大丈夫よ。キャラは私が担当するから安心なさい。」

桃「下僕って…」

真白「大先生の闇を垣間見た気がします…」

空「武井ってだれ?」


・・・・・・・・・・・・


その頃絢斗は…

早苗さんに散髪の相談をしていた。


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