第62話 女の闘い!バトロワ開幕【その伍】

武井「あのネコ手グローブで爪で引っ掻いたりの事故を防げますし万が一顔などに手が当たってしまってもクッションが働き押されたと感じる程度で済みます。ネコ足靴は肉球部分が盛り上がっておりバランスシューズのように不安定なモノになっております。」

絢斗「あの耳と尻尾は?」

武井「全てはお爺様の趣味です。」

絢斗「へ?」

武井「趣味です。」


・・・・・・。


絢斗「ま、まあ安全に考慮されているのなら安心ですね」

武井「遊びに危険は要らないとおっしゃられておりましたので。」


確かにそうだけど!!

なんか釈然としないなぁ。


影1「ではルール説明です。攻撃は手のひらのみ。手のひらだけで押し合いをしてご自分の陣地から押し出されたら負けとなります。他の身体の部位に攻撃が当たった場合は反則となります。故意に攻撃したと判定されても負けとなりますので正々堂々と勝負に挑んでください。」


東雲「負けないニャ!」

早苗「ふふ、お可愛いこと。」


影1「それでは位置についてください。そのサークルから押し出した方の勝利です!ハッケヨイ・・・のこった!」


なんと表現すればよいのだろう。

雌豹と三毛猫の闘いを!

フェイントにつぐフェイント!

押し合い引き合いの応酬の中、雌豹が一手をうってきた!

早苗「あ、絢斗様、どちらへ!?」

東雲「え?」


影1「勝負あり!!」


東雲が此方に視線を移した隙を突いて早苗さんの押し出しが決まった。


東雲「早苗さん!ずっるーい!!」

早苗「先ほども同じような負け方をされてましたが…ここまでポンだったなんて…プププw」

東雲「ポンって言わないでくださいよ!」


ザワザワ「ポンなんだわ」「ポンね」「見た目だけのポンよ」「ポンのネコ耳…」「ネコ獣人はポンじなゃないとな!」


東雲「ほらぁ!」

早苗「可愛くっていいじゃないですかwポンの愛さんw」

東雲「もぉ!」


男性陣が期待するようなキャットファイトこそ無かったが(反則)それなりに盛り上がったようだった。


影1「続きまして第2試合、選手入場です!」


恵とBの入場だ。

Bは白黒ネコ、恵は…アビシニアンか?ビロードのような毛並みの茶ネコ風だ。


盛り上がる一部の紳士たちに手を振り

恵「ふふん、おばさん相手とか楽勝楽勝♪」

B「おば!?いいわ小娘…私を本気にさせたことを後悔させてあげるわ。」


影1「両者気合い十分のようですね!それでは第2試合、ハッケヨイ、のこった!」


お互いに少し様子見しているとBが妖しげな手の動きを始めた。

B「小娘程度には勿体ない気もするけど私の太極拳を見せてあげるわ!」

恵「え!?ちょっ…ずるい!!」


流れるような腕の動きにあわせ自然と腰から足にかけても捻りが


ピピー!「勝負あり!!勝者大和!」


Bの足がサークルからはみ出しており勝敗が決まった瞬間でありバカが確定した瞬間でもある。


B「ししししまったぁ!つい身体が覚え込んだ動きを!」

恵「はぁ??バカなの???」


Bの自爆により恵は立っていただけで勝ちを拾うことになった。


大和「ハハハww いやぁ、Bの一発芸、とても面白かったよwww」


・・・・・・・。

これで笑えるあんたの神経を疑うわ。


影1「続きまして、第3試合選手入場です!」


お?樹里はロシアンブルーみたいなシルバーネコ風だな。

う~ん、いいね!美ネコだ、美ネコ様の降臨だ!!

男性陣からも「おおおぉぉぉ」と声が漏れでている。

Cは茶トラだ。

檸檬「絢斗…みちゃダメ…」

白い肌が真っ赤になってるのがさらによい!!



檸檬「お手柔らかにお願いします…負けないですけど。」

C「その綺麗な顔を屈辱の色に染め直してあげるわ」


影1「それでは両者位置についてください。ハッケヨイ、のこった!」


勝負は一瞬だった。

先制攻撃を繰り出したCの両手ネコパンチをスッとずらしバランスを崩したところを絶妙なタイミングで軽く押し返したのだ。


檸檬「まだまだね。」


樹里はテニプリみたいなセリフを残し、やはりまだ恥ずかしいのかトテテテテ~と素早く控え室(テント)に帰って行った。


恥じらう大和ナデネコ。

需要あります。


影1「続けてまいりましょう!準決勝第1試合選手入場です!」


早苗さんと恵の試合。

正直早苗さんのスペックが計り知れない分脅威だな。

美魔女vsロリ、大人と子供の闘いに誰もが憐憫の眼差しを恵に向けている。一部の紳士たちは相変わらずの声援だが…。


早苗「可愛いお嬢さん、手加減してあげましょうか?」

恵「手加減してください!」


うん。素直だw


影1「それでは両者位置についてください。ハッケヨイ、のこった!」


恵のオラオララッシュを全て片手で押し返す早苗さん。

早苗「ふふふ、この程度では坊ちゃまの貴重な1日をお任せ出来ませんね」

恵「こんのぉ!」


・・・・・・


わかっちゃいたが最後に立っていたのは早苗さんだった。

何故かJOJO立ちで。


早苗「フフフ、坊ちゃまをトロットロのデロッデロに甘やかすのはこの早苗です。」


なんだろうこの危機感は…

人妻属性はいらないんですけどぉ!


影1「さすがは早苗先輩です!新潟の魔女の異名は伊達ではありませんでした!」

早苗「な!?それは言わんでぇ!」


あ、なんか方言かわいいw


影1「ドンドンいきましょう!準決勝第2試合、選手入場です!」


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