第21話 鍛冶師ゴルド

僕は冒険者ギルドでオススメの鍛冶屋さんを教えてもらおうと思い、冒険者ギルドにやって来た。

 「すみませーん。」

 「はーい。」


 僕達の担当のローラさんが出てきてくれた。


 「あっ、レインさんじゃないですか。お1人ですか?」

 「今日はみんな自由行動になってるんです。」

 「そうなんですね。それで今日はどうしたんですか?」

 「この街にあるオススメの鍛冶屋さんを紹介して欲しくて。僕タンクやってて盾は持ってるんですけど剣を持ってないんです。前のゴブリンの時もそうだったんですけど、僕全然倒せてなくて…。」

 「なるほどそういうことですね。それなら鍛冶屋街から少しそれて奥に入ったところにあるゴルドさんのところなんてどうでしょう。少し難しい人ですが、いい武器を売ってますよ。でも変な事言うと追い出されて出入り禁止になるので気をつけてくださいね。」

 「ローラさんありがとうございます。出禁にならないように頑張ります。」


 そうして僕は冒険者ギルドを出て鍛冶屋街に向かった。


 「ここ辺だと思うんだけど…。」


 僕はさっきギルドで聞いた場所の近くまで来た。でも近くにそれらしきお店が見当たらない。


 「すみません。ゴルドさんのお店ってどこにあるか知りませんか?」


 「あーあの店か。それなら次の角を左に曲がったところにあるぞ。看板もないからわかりにくいがな。」


 「ありがとうございます。」


 僕は言われた通りに次の角を曲がった。そうすると普通の家のような建物が3つ並んでいた。


 「もう少し詳しく教えてくれてもいいのに。多分ここかな。」


 僕は1番手前の建物のドアを引いた。結論を言うと手前から1つ目も2つ目も普通の家でお店じゃ無かった。2軒目では泥棒と間違えられてしまって、衛兵を呼ばれかけた。


 「ということはここか。」


 僕は3つ目の建物のドアを引いた。中には武器や防具が置いてあるけど、人は誰もいない。


 「すみませーん。誰かいませんか?」


 しばらく待っても返事がない。


 「すみませーん!」

 「うるせぇなぁ。誰だよ人が寝てるって言うのに。」


 叫んでみると気づいたようで奥から人が出てきた。出てきたのはドワーフで見た目からして鍛冶師という感じで少し怖い。


 「すみません叫んでしまって。ゴルドさんで合ってますか?」

 「あぁ、俺がそうだがなんか用か?俺は今眠いんだよ。」

 「剣が欲しくて来たんですが今の僕にあった剣ってありますか?」

 「その辺に置いてあるからそん中から探せ。」

 「はい。わかりました。」


 ゴルドさんが指さした場所に向かうと、沢山の剣が置いてあった。僕はどの剣が良いのかぱっと見てわかるような人じゃないし、よく見たところでそんなに違いも分からない。でもさっき人目見た時から気になってる剣が一つだけある。何て言って良いか分からないけどこれが良い気がする。そして僕はそれを買うことにした。


 「これにしました。」

 「ほぉー、それを選ぶか。」

 「なにかあるんですか?」

 「それは魔剣だ。」

 「えっ!そうなんですか!」

 「お前どうしてそれを買おうと思った?そいつは見た目はボロボロで普通は選ばないんだが。」

 「なんというか、一目見たときからこれだなって思ってました。」

 「なるほどな。それは魔剣に呼ばれたからかもしれないな。」

 「それで値段はいくらでしょうか。僕魔剣なんか買えるお金持ってないんですけど。」

 「ただでいいよ。それはそもそも選んだやつにあげるつもりだったからな。」

 「そういう訳にもいきませんよ。少しでも払わせてください。」

 「そこまで言うなら大銅貨5枚だ。」

 「わかりました。本当にありがとうございます。」

 「いやいいさ。なんかあったらまた俺のところに来い。そういえば聞いてなかったがお前どうやって戦うんだ?ソロか?」

 「友達とパーティーを組んでます。それで僕は基本的にはタンクですね。それでも自衛しないといけないと思って剣を買うことにしたんです。」

 「それでその大盾か。よし、1週間後にまた来い!それまでに良い盾作っといてやる。今のじゃ少しボロいからな。」

 「本当に何から何までありがとうございます。」

 「いいってことよ。」


 そうして僕はゴルドさんのお店を出た。

 

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