第10話 世界学者のはなし

 世界学者はその名の通り、世界WonDerを調べ、世界WonDerを知り尽くすことを目指し生きるひとの事。創作者ア―ゼンノアが創った世界のことわりを理解し、時には世界のどこかで生まれた矛盾設定ミスを修正する役目も担っている。

 その二つ名を名乗るのに必要な条件は、辿こと。

 だから、第四宣言ネタバレが行われた世界WonDerでは実質、世界学者はなり得ない。

 ただ、わたしの場合は特別だったかな。

 何せ、創作者本人から直接答えを引き出したんだからね。

 その証拠に、真実を知った瞬間にわたしの頭に浮かんだの。

 わたしのいる世界に名付けられた名前が。

 そう。この世界WonDerには名前がある。

 おおよそ137億年前。原初の爆発First and Lastで発生した宇宙の中で、奇跡的な関係性のもとに成り立った、このひとが住み入る惑星を中心とした世界WonDerのね。

 ここのことわりに倣うなら、もちろんこの惑星は、太陽系でも銀河系でも、それこそ宇宙の中心ですらない。どちらかというと、辺境の田舎星銀河連盟未登録みたいな扱いをされがちだけど、世を忍ぶ仮の姿というやつね。創作者側の視点からすれば、地動説フィロラオス原説というこの世界の事実は、壮大なミスリードという狙いがあったわけ。

 え?そうよ。

 そういえば、ちゃんと紹介してなかったわね。

 改めまして-

 まずは、こんにちは。

 わたしが、この世界WonDer世界学者WonDerer

 名前?

 ごめんなさい。

 わたしを世界学者WonDererと知ったひとには教えられないの。

 何せあの

 この世界WonDerに、を付けちゃってるんだもの。

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