秋
林間学校で、僕は特に役割もない副班長になって列の最後尾で一人、誰とも話すことなく歩いていた。赤く染った葉っぱを見て秋を感じていると、道の脇で列の前の方に居るはずのクラスの女子がしゃがんでいた。
「どうしたの?」と声をかけると、彼女は「靴ひもほどけちゃって」と答えた。
クラスでも明るい彼女は、僕とも気さくに話してくれる。彼女は不器用で靴ひもを結ぶのに時間がかかり、列から遅れてしまった。
僕が「遅れちゃったよ。怒られるから急ご」と言うと「なんのために後ろに来たんだか。ゆっくり行こうよ。」と返された。全く急ぐつもりのない彼女と歩く、紅葉のトンネル。
「このまま二人で遅れてったら、みんなどう思うかな?」と言う彼女に絶対キュンとしたじゃん
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