勘違いの冒険

ニュートランス

席、隣だね//

モテたほうが人生を得するのだろうか。

俺は、そうは思わない。

現在進行形で学生を謳歌している俺が言うんだ。

この言葉に嘘はない。


つい最近、俺は少し気になる人がいた。

クラスでは、あまり可愛いとか言われないあの子 。

だが、それが良かった。

みんなにはその子の価値は分からないと、

見下していた時もあったほどに。


彼女と、俺はよく目が合い、俺も負けじと見返していた。

そのことは、相手も気づいていただろう。

(あれっ。これって脈あり?)

そう気付いた時はもう遅い。

既に俺の倫理という名のリミッターは、解除されていた。


彼女がみてくるたび、瞳孔をがん開きにし、

かつて狩りをして生きていた動物だったことを彷彿とさせる、獲物を捕える姿勢に入った。

「、、、。」

いまだかつて無いほどの、眼力を使ったが、

それでも彼女は目を逸らさない。


そこで俺は、確信する。


「アイツ、俺の事好きだな。」


そして、運命の席替え。

俺はなぜ今まで、神と言うものを信仰しなかったのか、不思議に思う。

あの時、俺は一生のお願いをした。

教室に席替えの表が、貼り出される

(よっしゃあああああああ!)

心のなかで、そう叫んだ。

俺は見事に隣の席になっていた。


そこから、席が変わるまで、天国にいるような気分だった 。

そのせいで血迷ったのか、意味不明な言葉をかける。

「席、隣だね//」

この時の自分ができる、最低限のアプローチだった。

その後の事は、あまり覚えていない。


俺の最初で最後の?は失敗に終わった 。


今年の春で高校生になる俺。

二度とこの様な事が起きないよう、

二次元に青春を捧げることに決めた

今日この頃の俺だった。


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