恋愛これくしょん

akamomiji

第1話 恋バナ相談部

 キーンコーンカーンコーン。 授業終わりのチャイムが鳴る。俺は重たい腰を上げ、教室を出る準備をする。


「柚、部活行こう」

 

 声をかけてきたのは同じクラスで、親友の佐野奏さのかなで。かなりイケメンで、親友として鼻が高い。


「行くかー」

 

 そう返事をして2人で教室を出た。廊下は、部活に向かう生徒であふれている。俺たちは、そんな生徒を横目に、視聴覚室へと向かった。


「お疲れさまでーす」


「おっそーい、遅刻だよー」

 

 視聴覚室の扉を開けて早々、文句を言ってきたのは、俺の幼馴染の千葉椿ちばつばき。面倒見がよくて、優しい性格だ。


「なんでそうなる、めちゃくちゃ早く来たろ」


「冗談だよー、まだ他のみんなも来てないしね」

 

 椿とくだらないやり取りをしていると、視聴覚室の扉が開いた。


「お疲れ様です。皆さん早いですね」


「ホントだ!そんなに部活楽しみだったのー?」


 ロングヘア―が似合う清楚な女の子、久保春香くぼはるかと、ショートカットで元気いっぱいな女の子、河野恵海こうのめぐみが入ってきた。春香はいつも落ち着いている女の子で、この部の副部長、恵海は、運動神経にステータスを全振りしたような女の子だ。


「河野さんは相変わらず元気だね」


「もーう、奏君、恵海でいいっていっつも言ってるのにー」


 恵海はそう言いながら、頬を膨らました。


「そうだぞ奏、恵海に、さん付けなんて必要ない。さんっていうのは目上とか、尊敬する人に付けるのであって、恵海に付ける必要は1ミリもないんだ」


「ちょっとそれなんかめちゃくちゃディスられてる気がする!!」

 

 いつものように、視聴覚室で、うるさく話していると、扉が開いた。


「なんだ、また君たちは騒いでいるのか?外まで声が聞こえていたぞ」

 

 そう言いながら部室に入ってきたのは、我らが部長、内田楓うちだかえでだ。成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗の完璧超人。なぜこの部活に入っているのか、未だにわからない。学校七不思議の1つに入るんじゃないか?


「よし、みんな揃ったところで、今日の部活を始めるぞ!」


 部長の掛け声で、俺たちの部活動が始まる。


続く








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る