青空に溶けていく。

つばめんぬ

「告白」

「私さ、空を飛びたいの。一緒に来てくれるなら好きになってあげてもいいよ」


初め、この言葉を聞いた時、ああ、僕の片想かたおもいは実を結んだのだ!と、驚きと喜びにい上がって仕方しかたが無く、美しい彼女の口から飛んできた、あまりにキテレツな返答に気付いていなかった。気付いたところで、この時の僕なら疑問ぎもんに思う事も無かっただろうけど。

それから彼女は僕の手を取るなり、

「さぁ、行くわよ!」

と、走り出してしまった。ちなみに僕はまだ、これから空を飛ぼうなんてことは、これっぽちも思っていなかった。


ただ、彼女に握られた僕の手が汗で湿しめり始めていることに、無駄な不安をつのらせているだけだった。

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