この地域における電車の存在意義と自転車通学の有用性について

こつぶ

第1話

この地域における電車とは、高校生の乗り物である。

それも選ばれし高校生だけが利用できるものなのである。

なぜなら自宅から最寄り駅まで自転車で30分かかったりすることがザラだからだ。

さらに学校最寄り駅から高校まで徒歩で20分。学校と最寄り駅をつなぐバスなどない。

だったら片道60分かけて自転車をこいだ方が早いのだ。田舎なめんな。


さてこれによって起こる現象とは、多段焼けだ。

一見健康的な肌、しかし靴下をめくると色白な本性があらわになる。

半そでシャツと腕の差もくっきりだし、さらに海水浴もしていないのにビキニっぽく肌の差もついてるぞ。どうだセクシーだろう。


そして毎日の自転車により脚力だって結構ある。

文科系なら新古書店めぐりも部活動のうちだ。

いや顧問はそんなことはない勝手に活動していると否定するだろうが、新刊書店には教科書と時代小説と最新刊の漫画しかないのだ。あとNHKの教材。

その点新古書店はいい。完結済みの全巻セットだってあるし、何しろ安い。

まあ税抜き200円以上の本は基本立ち読みなんだけど!


そして選ばれなかった高校生である私は今日も自転車をこぐのだ。

「特急はまだディーゼルだから電車じゃないし!」

などと毒を吐きながら。

(というような文章を高校生くらいの時に書いた。多分母校には部誌が残ってる)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

この地域における電車の存在意義と自転車通学の有用性について こつぶ @pink_no_kotubu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ