親ガチャで魔王の息子になったら勇者を無双してモテモテになれました
カレーねずみ
第1話 親ガチャで大勝利
「風間晴彦」
誰かが僕の名前を呼んでいる。
僕はゆっくりと目を開けた。というか、声のする方へ意識を向けた。
驚いたことに、僕の目の前には、人魂のようなゆらゆらした炎のような何かが列をつくっていた。
もしかして、僕もこんな炎のようなものなのか。
そう思ったが、自分の姿を確認することはできなかった。
どうやら、変なところに来てしまったらしい。
「風間晴彦」
さっきより大きな声で誰かが僕を読んでいる。
よし、返事をしてみよう。
「……」
あれ、おかしい。
話すことができない。
「風間晴彦、いないのか!」
いや、いますって。
僕はここにいますよ。
「いるんなら、こっちへ来い」
あっ、なるほど。
でも、歩けるのかな。
僕は声のする方へ歩こうとした。歩こうというよりも、進もうとしたという方が合っているかもしれない。
とにかく、声の主に会ってみたかった。
「遅いぞ、風間晴彦」
僕の目の前には、角の生えた大きな人がテーブルに座っていた。
エンマ大王っていうのかな。そういう感じの人だった。
「風間晴彦。年齢17歳。高校生。平凡な家庭に生まれ、平凡に育ち、平凡な高校生活を送る。学校の帰りに、交通事故により死亡」
交通事故で死亡。僕が死亡した!!
嘘だ。だって、じゃあ、今こうやっていろいろなことを考えたり、エンマ大王みたいな人が見えたりするのはどうしてなんだ。
「ふむ、いろいろ混乱しているようだな。私はエンマ大王だ。お前の心の中はお見通しだ。早速だが、本題に入ろう。お前は親ガチャに当たった」
親ガチャ、何それ。
「面倒だが説明してやろう。ここは霊界という場所で、死んだ人間の魂がくるところだ。人は死ぬと魂となり、別の生物に生まれ変わる。生まれ変わる生物を決めるためにやるのが、親ガチャだ」
なるほど、その親ガチャで何かいいことが起きたということか。
「そうだ。お前は魔王の息子として生まれ変わることになった」
魔王? 魔王って、何?
ゲームとかに出てくる悪い奴のボスのことか。
「ここで魔王の説明をしても始まらん。お前はもう魔王の息子になることが決まっているのだ。あとは自分で経験して理解しろ」
あー、そういうことか。
「それじゃ、魔王の息子としてがんばれよ」
はい、はい。
「以上、では連れていけ」
エンマ大王がそう言うと、兵隊みたいな人が来て、僕をどこかに連れて行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます