小学校の花子さん
婭麟
第1話
小学校の花子さんは、中学校に行く事にした。
花子さんはいつも小学校で、虐められている子のお友達だった。
ずっとずっとずっと………。
ずっとずっとずっと花子さんがお友達だったので、花子さんの小学校には虐められて悲しい思いや、辛い思いをしている子がいなくなったのだ。
だから花子さんのお父さんは、花子さんも成長したので中学校へ行きなさいと言った。だから花子さんは、中学校に行く事にした。
少し花子さんも大人になる……。
花子さんがずっとずっとずっと、なぜ小学校に居たかというと、花子さんのお父さんはこの界隈では、それは尊い神様なのだ。
だから花子さんは、まだまだもう少し小さい時に、お父さんに連れられて、この辺ではとても古い小学校に遊びに来ていて、そしてお友達を作る事ができたのだが、その子がある日突然虐められる様になって、そしてとても悲しみ苦しみ……そして死んでしまったのだった。
神様の御子様の花子さんは、それはそれは悔しくて悲しくて、虐めていたヤツらに罰を当ててやりたいと思った。
するとお父さんの神様が
「神はそんな事を、してはいけないよ」
と、小さな花子さんを諭して、思い留めさせたのだった。
そしてお父さんの神様は
「お前の様な小さなものが、小さな力で小さな思慮でやったとしても、それは決して天罰にはならないんだよ」
と教えてくれた。
そしてソイツ等はお父さん達、大人の神様によって、それは不幸な一生を惨めに寂しく送った。
だから花子さんは、ずっとずっとずっと小学校に居て、ずっとずっとずっと虐められる子のお友達でいたのだ。
もう二度と、そんな事で死ぬ様なお友達を作らない為に……。
そんな花子さんが居るから、此処の小学校では二度と死にたいとか、死のうとか思う子達はいなくなった。だからお父さんは、少し成長した花子さんに、近隣の中学校で増え始めている、虐めで死にたいと思う様になっている生徒達の為に、花子さんを中学校に行かせる事にしたのだ。
花子さんは本当は、花子という名前ではない。
最初にお友達になった子が、ある日トイレで泣いていたので、花子さんがその子の所に慰めに行った。
するとその子は花子さんを、トイレの花子さんと呼んだのだ。
実はそれは尊い父を持つ花子さんは、それは尊い神様となる神の御子だ。
だから花子さんのお父さんと同様に、それは長くて難しくて普通の人間には読めない字の、それはそれは尊い御名がある。だけどその名を呼ぶには、さすがの神様でもちょっと面倒な程だ。だから花子さんがお父さんに言うと、アッサリ簡単に、花子さんと呼ばれる様になってしまった。
つまりお父さんも、長く尊い御名を呼ぶのはめんどくさかったのだろう。
第一神様は、それはそれは尊くそれはそれは長い御名をお持ちだ。
それも吃驚する程に、沢山いろいろと何個も……。なので一つくらい簡単で呼びやすい名をつけても、全く問題無い事の様なのだ。
「トイレだって、御不浄、厠、便所、御手洗い、WCといろいろあるんだから」
とお父さんは笑って言う。我が子をトイレと同様にするのは、如何許りであろうか?と思わなくもないのだが、花子さんはお友達が付けてくれたこの名が一番好きだから、だから花子さんと呼ばれるのが一番嬉しいから気にしない。
さて……四月から花子さんも、中学校の花子さんとなる。
其所で死にたく苦しんでいる子や、死のうとか思い込んでいる子の心をケアして、仲良くなって中学校を卒業して、そして楽しい高校生になって大学生になって社会人になって……そしてちょっと大変だけど、神様からしたらとても短い天寿を全うしてもらう。
花子さんは一度友達になったら、その子が天寿を全うするまで友達だ。
だからその子の生涯を支えて、幸せな一生を送ってもらう。
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