明日へ
温州蜜柑
第1話 序章
私は愛されたかっただけなのだ。
「普通」に憧れていただけなのだ。
心に傷があったことを知ったのは最近で。
前を向きたいと誓う時、いつまでも「あの頃」が邪魔をする。
フラッシュバックしている。
彼はそんな私を抱きしめ、そして優しく微笑みながら言った。
「僕は、君が好きだよ――」
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