第12話 ちがうそうじゃないんだ

コロンと転がって、寝返りできたけど、目の前にあるウインドウは目の前に固定されている。

これ外の畑が今見えてるけど、視点を変えられるんだよね。


―もちろんです。頭の中で考えていただくかタッチしてピンチアウトなりスクロールなりして頂ければ、自由に変更できます。


手でも変えられるのか。基本グーになってるからたまには色々動かすか。

手を伸ばそうとしたが、腹ばいの状態だと、体勢が維持できない。

うぐっ。そのままべしゃっとつぶれてしまった。

ウインドウ操作するなら仰向けがいいな・・・

よし、もう一回転して仰向けになるぞ。あ、こっちも中々難しい。

足を反対に・・・っく、攣りそう。

ここは必殺サラ助けて光線だ!!


訴えかけるような目でサラを見つめる。


「お坊ちゃまもうちょっとです!」


違う!ひっくり返してくれ!!

むむむ。よし、ここは死んだふりで力尽きた感じを演出しよう。


「まぁ、お坊ちゃま休憩ですか」


なんだと、、、通じないだと、、、

そのまま脱力していると、サラが仰向けにしてくれた。


やっと通じた。


「さあ、お坊ちゃまもう一回頑張りましょう」


違う。僕はこのままでウインドウ操作するんだ。寝返り練習はまた今度!!


さて、ウインドウ操作しながら箱庭の中を色々見てみよう。時間が少なくてまだ全部は確認できていないんだ。

きっとサラも僕が、あーとかうーとか言いながら仰向けで一人遊びを始めたと思ってくれてる(と願う)

うーん、家に置いてある調合や錬金用の器材も初級者用だから、色々作って立派な器材にしたいな。家の中も箪笥等の収納がもう少し欲しいか・・・


よし、家の中は欲しいものリストもまとめたし、あとはポイントで交換できればいいな。次は畑~。

リョクは・・・いたいた!メッセージはどうやって送るんだ?メニューアイコンには無いし。あ。本人をタップすればいいのか。じゃあ、クエスト用に他の作物も少し作っておいてっと。向こうの声は吹き出しになって見えるのか。なるほど。

よし、周辺の探索もしよう。釣りもしたいから、まずは川か。そんなに川幅は広くないな。今の僕だったらどっちにしろ、入ったら流されてしまうだろうけど。早く大きくなりたいな。

魚いるかな?見たかぎりではわかんないな。これ、上流は山に続いているのか。


僕が夢中でウインドウで箱庭を見ていると、母がやってきた。

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