第8話 はこにわ2かいめ
―マスター・・・マスター、2時間経ちましたよ
うみゅう。ふあぁぁ。ねむーい。
2時間?
―そうです。2時間経ちましたので、箱庭に再度入れます。
ああそうだ。そう言えばまた2時間後にって言ってたな。
でも、トリアさんや。赤ちゃんは寝るのがお仕事です。
確かに箱庭は楽しいけど、それで僕の成長が阻害されると困るのです。
次からは、僕が寝ているのを邪魔しないように。
―申し訳ございません。
なんかすごいシュンとしてる気配。言い過ぎた?
いや、こういうのはちゃんと言っておかなきゃダメだよね。
でも、箱庭の中がどうなったのか僕も気になるし、もういいよ。
次から気を付けてくれれば。起こしてくれてありがとう。
―はい。マスター
あ、でも箱庭に入る前にポイントの事だけ教えて。
―かしこまりました。ポイントは通常のチュートリアル完了後から発生するものであり、様々な物と交換が可能になっております。ただ、ポイントで交換したものをそのまま納品してもレベルは上がりません。例えば、先ほど初回ボーナスとしてお渡しした種などをそのまま納品してもレベルは上がりませんが、それらを植えて実がなったり、生った実の種を納品していただければそれはレベルアップの対象となります。
なるほど。ちょっと手が加えられて、加工したりしてもいいってこと?
―そうなります。
りょーかい。じゃあ、レッツ箱庭!
頭の中で考えるだけで、勝手に移動するのは簡単でいいね。あれ?ちょっと待て。そういえば、僕は箱庭に意識だけ飛んでるの?身体ごとこっちに来てるの?
―身体ごとこの世界に来ております。なので、現実世界では一瞬消えてまた現れる感じです。ほんの0.1秒ほどなので、気づかれないかと。
そうなんだ。瞬きした瞬間に消えた感じかな。それでも、なるべく人が居ない時に来た方がいいかもしれないね。
ま、僕の部屋はいつも誰かいるわけじゃないからいいか。
―マスター、それなんですが。今日マスターが寝てしまった後に、どうやら乳母は常駐することになったようです。また、母上様も夜は必ず一緒に寝ると仰せで・・・
うっそぉ。いつの間にそんなことになったの?
―マスターが寝てしまってから、父上様母上様乳母と三人でそのように・・・
うーん、何とかトイレ行ってる隙とかに箱庭に行くか。別に今まで通りでいいのに。
―マスター、普通の赤ちゃんはそうはいきません。
ううう。めんどくさい。あ。いけない。時間制限あるんだから目一杯使わなきゃ。
「マスターお帰りなさい」
おっと、アシスタント妖精だっけ。君もなんか名前無いと不便だよね。いつまでもアシスタント妖精って呼べないし。
「名前を頂けるので?」
うん。何がいいかなぁ。深い森のような緑の髪に同じ色の瞳。うーん新緑。・・・リョクにしよう!
「リョク。ありがとうございます。大事にします」
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