21回目のパン作り
ラズベリーパイ
第1話
これで21回目。
同じことの繰り返しというのは、実のところ疲れる。
人間は飽きっぽい性格なのだろう、と思いながら慣れたな~と思って白い粉を取り出した。
小麦粉である。
それも市販品で、強力粉と呼ばれるものだ。
普段家庭で使っている物は薄力粉だが、パン作りには強力粉が必要…物にもよるが、今私が作ろうとしている物に関しては、強力粉が必要だった。
同じことの繰り返しをしていると、新しい発見はなくなっていき、けれどその安心感からミスも出てくる。
そう思いながら本日はドライフルーツなどを入れたパンにする事に。
色々な果物とナッツの入った美味しい食パンはトーストすると香ばしさが増す。
そのドライフルーツも同じものばかりを使っていても飽きるので、本日はレーズンではなく、クランベリーを入れることにした。
入れるナッツは大袋で買っておいたクルミである。
とりあえずその辺のスーパーで買ってきた材料で作るという、あまりこだわりがなさそうに見える作り方ではあるが、実の所これでも結構おいしかったりする。
というわけで小麦粉にバターなどの材料を入れてまずは生地を作る。
ただの食パンだったら、ホームベーカリーの機械に材料をセットして後はお任せでいいが、本日はドライフルーツ入り。
まずは生地を作り一次発酵まで。
ホームベーカリーは安物を買っているがとても便利だ。
お餅まで作れてしまう。
その内高級機種も買って使ってみたい気持ちはあるが、この機械がなかなか使い勝手が良くて使ってしまう。
お釜と薪で炊飯をしているのを、炊飯器の登場で色々な苦労をしなくてすんだというか時短になったのを考えると、文明の進歩や技術の進歩に感動を覚えたものだが、このホームベーカリーもそういう部分がある気がする。
もちろん薪を使っての炊飯は美味しいらしいと聞いた事があるので、美味しいものが大好きな私としては食べたい欲求はあるが、毎日三食薪でご飯を炊くのは正直言って絶対に大変そうなのでちょっと…とは思う。
その話は置いておくとして、以前は自然発酵やら冷蔵庫で発酵やらオーブンで発酵やら色々な方法でやっていたものが、ホームベーカリーの機械を使うとセットしておけばいいので楽だし、洗うものも少なくていい気がする。
しかもそのあたりの手抜き? 時間の節約? をしても、焼きあがったパンは美味しい。
出来立ての物を切って味見が出来るというのも、自宅でパンを作る良い所だ。
それで一次発酵が終わった後は、ドライフルーツなどを入れて畳みなおして焼く。
この時に好きに整形してオーブンで焼いてもいい。
好みの総菜パンがここでちょっとひと手間で作れるのもいい。
もっとも今回は食パンの予定なので、整形してから再びホームベーカリーにセットして焼き上げる。
後はこれで本日を含めた数日分の食パンが完成。
これでパンを食べたい気分の時はパンが食べられる。
でも21回目だと、結構前よりも上手くできるようになった気はするなと思いながら、出来立ての柔らかいパンの端っこを切って、味見をしたのだった。
21回目のパン作り ラズベリーパイ @Al2O3
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます