最終話 恋の行方と受験

今日は入試本番だ。まおの体調はあまり優れていなかった。周りは皆頭良さそうに見える。自分が場違いに感じる。まおは謎の圧力に襲われたが抵抗した。自分の席の3つ前にはかず君がいる。かず君も落ち着いていない。誰だって緊張するんだとまおは感じた。教室は静かだった。

カチ、カチと秒針を刻む時計の音だけが鳴り響いている。秒針が1番上にたどり着いた時もうひとつの音が響いた。キーンコーンカーンコーンと演奏をはじめた。

「始め」最後の勝負の合図が聞こえた。

私の集中力は最大だった。今までの思い出と共に問題という大きな敵に臨んだ。


「やっと終わった〜」持久走を走りきったあとと同じくらい疲れた。まおは勉強からの束縛に解放されて安堵の表情だった。





〜合格発表〜

今日の目覚めはとても良かった。まおは楽しみにしていることがあると早起きをしてしまう。

受かってたらかず君と付き合える。付き合ったら何しようと妄想が止まらなくなっていた。

今日は1人で高校に出向いた。高校についてスマホの時計を確認したら合格発表が貼り出される時間より早かった。待ち時間は音楽を聴いて心を落ち着かせていた。

そんなこんなしていると正門が開いた。時間になった。辺りは騒がしかった。合格発表の紙があった。まおの受験番号は222番。

215.216.217.219

あっ、かず君の番号があった。

220.221.224.225…

え…。まおは固まった。自分の受験番号が間違っているではないかと何回も確認した。

やっぱりない。不合格だった。周りのかん高い声が聞こえなくなった。その場に崩れてしまった。「まお、大丈夫?」見ていたかず君が駆け寄ってきた。

「落ちちゃった。」周りを気にせず泣き崩れた。嫌だ、かず君と同じ高校に行きたい。誰よりも努力したのに。この世界は不平等だ。頑張っても報われないじゃんか。まおはそう思った。

かず君が黙って抱きしめてくれた。周りからは注目をされているがかず君は気にせず泣き止むまで抱きしめてくれた。




まおは併願校に行くことになった。かず君と同じ高校に行けなかったことは後悔したが、今ではいい思い出となっている。まおは今、かず君と付き合っている。合格発表の帰りに告白をされた。私は頷いた。

そしてキスをした。

春の訪れの風とともに —


[完]




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受験期の恋 キョロスケ @Kyorosuke0313

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