諦めが肝心と言いますが・・・諦めきれない事もある

冥狼

第1話気付いたら転生していたらしい

ふと意識が浮上した。


どうやら今日は体調がいいらしい。息苦しさもなければ、熱っぽさもなく怠さもない。これならばあのゲームのファンディスクという名の続編が出来そうだ。


せっかく届いたのに体調が最悪になり目の前に置いてあるのにプレイできなかったのだから体調が良いなら少しくらいプレイしても看護師さんも主治医もきっと見逃してくれるだろう。


起きようとしたんだけど体が動かないって言うか今更なんだけど・・・首がピクリとも動きゃしないんだけど何で?


ちょっと思い出せ私気が付く前までどうしたんだっけ?たしか・・・痛くて辛くて起き上がれなくて息するのもきつくて動き回る看護師さんやお医者さんが居て、両親が涙を流しながらごめんごめんと謝ってた。それに私は声が出せなくて大丈夫だよ泣かないで私は平気だよって言いたくても言えなくて・・・あれ?あんまり息苦しくない・・・何で?じゃなくて・・・あれあれあれあれ・・・って言うか今更なんだが目もよく見えんのだが何で?じゃなくて・・・それにアレだよ。まだ私何も両親に伝えてない感謝も何も言えてないそれに私まだアレ未プレイなのに死んじゃうのかな・・・何て思ってたら意識がぷっつり切れたような・・・?


っていうよりゲーム未プレイなのにーって意識途切れるって私何してんのホント(´・ω・`)




ん?あれ?って事は私って実は死んじゃったのか?まさかの死後の世界?まさかの転生とか言うやつ?


もしもよ転生したって事ならばラノベとかでよくあるチートな能力とかあったりするのかな?いやいやいやちょっと落ち着け私!!転生って決まった訳じゃないし?夢かもしれないし死後の世界からの~臨死体験とかかもしれないじゃない?




じゃないだろ私。何死んだと決めつけてんだよ~こんなに意識ハッキリしてるのに・・・してるのに・・・




今なんか・・・赤ん坊の泣き声しなかった?やだ、この階って赤ん坊居ないよね?居なかったよね?ドッキリ?まさかのホラーなの?心霊現象?!わー心霊現象初体験か~病院にずっといるけど怪奇現象なんてあった事なかったよ~これが初のよくある病院の怪?!なのそうなの?どうなの?


違うだろ私!!落ち着くんだ私!!今考えるのはそういう事じゃないだろ・・・






んんん?何となくミルクくさい?近くに赤ちゃん居るの?近くの人のお見舞いかな・・・きっとそうだね!!とりあえず看護師さんを呼んでみよう体動かないけど近くから人の気配はするしちょっと声出してみれば気付いてくれるだろ。




「ぁ~うぅぁ~」




ん?あれぇ私今看護師さ~んって言った筈なんですがぁ~うぅぁ~ってすっごいか細い声が・・・ずっと意識なくて喋ってないから声出なくなってただけだよね・・・まさかねぇ・・・私が赤ん坊よ!って事じゃないよね?


なんて考えてたら誰かに触られた。




「瑞姫ちゃん今日は気分よさそうね?体重も増えてきてるしこれならもう少しで退院できるかしら?もう少ししたらお母さんも来るから楽しみね」




そう言って撫でられたのですが・・・瑞姫ちゃんって私の事?え?え”え”?まさかのマジで転生ですか?


しかももうすぐ退院できるかしら~って私今世も身体弱いの?どうなの?気にするところそこじゃないだろ!!と思うけど実際問題生まれ変わりましたっていうなら健康な体が欲しい!!そう思ったって悪くないでしょ?だって前世?前世でいいのか?まぁいいや。前の私はずっと入院してたし外の世界は窓から見える景色とPCの画面とゲーム機の小さな世界だけだった・・・ヤベ言ってって悲しくなるな。でもそんな世界だけだったんだからできれば健康でいたい。


走り回りたいけどそこは我慢するからできれば外を歩いたり学校とか行きたい。できればそれくらいできる身体だと良いな。そんな事を思いながら眠気に負けて意識が途切れた。












・・・私は転生したと確信しそれから更に1年経ちました。分かったことは生まれ変わったこと転生した事とあまり丈夫ではない事。でも前世ほどではなくずっと病院に入院するほどではない事が嬉しかった。




もうすぐ2歳になる。今日まで入院してましたが状態も落ち着いたので数日後に退院が決まっている。


それでですね3歳上に兄がいるんですよ・・・入院中何度も来てくれて・・・ではなくて、いや嬉しかったんだけどそこじゃないんだよ!!


そう・・・あの髪の色瞳の色・・・そして名前と私の名前でちょっと考えた。




あれ?これって・・・あのゲームの世界じゃないのだろうか?と。




あのゲームのファンディスクという名の続編が生で見れる?いやその前に実際の本編が目の前で見れる?!




とか興奮して・・・心の中で興奮したんですがその為にちょっと色々あって入院伸びた。


まぁそれは置いておいて、私はこっそりと名のあるモブでこっそり幼馴染の主人公の悩みを聞きつつそーっと彼の恋愛ストーリーを生暖かく見守っていこうと思います。




そこでちょっとお浚いしておこう。


あのゲームはBLゲームだった。お友達になった看護師さんに勧められたのが始まりだった。それまでBLゲームとかには興味なかったんだよね。というか乙女ゲームみたいな恋とかしてみたいな~って思って乙女ゲームをプレイして一人でこんな出会いあったらな~とか妄想してた。・・・まぁ病院の中じゃそんな出会いなんてなかったけどね!!


そんな時に看護師さんにこんなゲームもあるのよ~と勧められたのが始まりでちょっと色々プレイした。それでスッゴイ好きになったのが【君と綴る恋の詩】っていうBLゲームだった。


スチルもキャラも奇麗でストーリーもちょっと切ないところがあってすっごく好きだった。で、ファンディスクという名の続編がでたんだけど私はプレイ前に死んでしまった・・・だから続きが分からないという。この話はその後とオマケに全く違うストーリーが楽しめますって謳い文句だった。違うストーリーが何なのか分からないが気になるところだ。




そして私はそのゲームの主人公の幼馴染の女の子小鳥遊瑞姫に生まれ変わった。


ここで問題なのは私は体が弱い女の子であるという事、あるシナリオに進むと私死んじゃうんだよ!!ここがポイント!じゃねぇよ!!どうにかして死なないようにしないと・・・っていうより健康に気を付けて丈夫になるようにしないと・・・たぶんおそらく大丈夫だと思う。頑張ればできるだろうおそらく・・・そう思いたい。体調に気を付けできるだけ健康を保つそれが私の第一目標である。


そこに主人公の悩みを聞きつつ恋愛の進展具合を楽しむ!!これがセカンド目標!!




よし!!これからがんばるぞ!!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る